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第59夜 自主制作映画
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私は、大学生の頃、映画研究会というサークルに入っていました。
大学3年の時、サークルのみんなと映画を自主制作する事になり、多数決の結果、内容はホラー映画に決まりました。
ロケ場所は霊が出ると言われていた廃病院で、そこに肝試しに来た若者達が次々に霊に襲われるという内容でした。
撮影自体は順調に進み、夜間の撮影でも霊が出るということはありませんでした。
制作した映画は、その年の学園祭で上映されることになりました。
学園祭前日、サークルメンバー全員でプレ上映会を行いました。
私たちは、あのシーンを頑張った、ここはもっとこう撮った方が良かったなどと、意見を交わしながら映画を楽しんでいました。
そして、映画のクライマックス、主人公の女の子が霊に襲われるシーンで、私は映像の異変に気が付きました。
主人公の後ろの窓から、青白い顔をした男性が覗いていたのです。
「ちょっと止めて!」
監督をしていたサークル長の声に、上映係の子が一時停止ボタンを押しました。
サークル長が
「主人公の後ろの窓の外に男の人が映ってない?これ、撮ったの4階だよね?」
と言うと、みんながざわざわと騒ぎはじめました。
これは修正が必要かなと思いましたが、
「本物の幽霊が映ったなら話題になるし、集客になる」
と言う人がいたので、映画はそのまま上映されることになりました。
学園祭初日、『本物の幽霊が映った』という口コミもあり、上映会には整理券が足りなくなるほどのお客さんが来ました。
昼には私の友人も見に来てくれ、感想を言ってくれたのですが、
「めっちゃ怖かった!最後のシーンに映ってる男の人が本物の幽霊なんでしょ?」
と訊いてきました。
「そうだよ」
と私が答えると、
「撮影の時には気付かなかったの?窓から入ってきて、こっちに向かってきてたけど」
と言うのです。
私は、そんなはずはないと思いながら、次の上映の時に会場に入って確認してみました。
すると、確かにあのシーンで男が窓から入ってきていて、こちらに向かってきているのです。
青白い顔の男は、身体をくねらせながら向かってきて、カットが切り替わるとそこから消えていました。
私は上映係の子にどういうことか訊ねました。
すると、上映係の子は
「怖いですよね。だんだんこっちに向かってくるんです」
と言いながら、にやにやと笑っていました。
私は急いでサークル長に連絡し、上映はその回で中止になりました。
学園祭が終わり、私たちは映画のデータが入ったディスクを近所のお寺に持っていきました。
住職はディスクを見るやいなや、
「私の手には負えないから、ここに行きなさい」
と言って、県外の大きなお寺を紹介してくれました。
そこにはサークル長と副サークル長が持っていってくれることになり、私たちはこれでこの映画のことは解決したと思っていました。
副サークル長の話だと、あの映画の録画データのほとんどはお寺に持っていったそうなのですが、サークル長はそのデータをコピーしたものを
「私が初めて指揮した映画だから」
と言って、内緒で持っていたそうです。
そんなサークル長は今、失踪して家族とも連絡が取れていません。
大学3年の時、サークルのみんなと映画を自主制作する事になり、多数決の結果、内容はホラー映画に決まりました。
ロケ場所は霊が出ると言われていた廃病院で、そこに肝試しに来た若者達が次々に霊に襲われるという内容でした。
撮影自体は順調に進み、夜間の撮影でも霊が出るということはありませんでした。
制作した映画は、その年の学園祭で上映されることになりました。
学園祭前日、サークルメンバー全員でプレ上映会を行いました。
私たちは、あのシーンを頑張った、ここはもっとこう撮った方が良かったなどと、意見を交わしながら映画を楽しんでいました。
そして、映画のクライマックス、主人公の女の子が霊に襲われるシーンで、私は映像の異変に気が付きました。
主人公の後ろの窓から、青白い顔をした男性が覗いていたのです。
「ちょっと止めて!」
監督をしていたサークル長の声に、上映係の子が一時停止ボタンを押しました。
サークル長が
「主人公の後ろの窓の外に男の人が映ってない?これ、撮ったの4階だよね?」
と言うと、みんながざわざわと騒ぎはじめました。
これは修正が必要かなと思いましたが、
「本物の幽霊が映ったなら話題になるし、集客になる」
と言う人がいたので、映画はそのまま上映されることになりました。
学園祭初日、『本物の幽霊が映った』という口コミもあり、上映会には整理券が足りなくなるほどのお客さんが来ました。
昼には私の友人も見に来てくれ、感想を言ってくれたのですが、
「めっちゃ怖かった!最後のシーンに映ってる男の人が本物の幽霊なんでしょ?」
と訊いてきました。
「そうだよ」
と私が答えると、
「撮影の時には気付かなかったの?窓から入ってきて、こっちに向かってきてたけど」
と言うのです。
私は、そんなはずはないと思いながら、次の上映の時に会場に入って確認してみました。
すると、確かにあのシーンで男が窓から入ってきていて、こちらに向かってきているのです。
青白い顔の男は、身体をくねらせながら向かってきて、カットが切り替わるとそこから消えていました。
私は上映係の子にどういうことか訊ねました。
すると、上映係の子は
「怖いですよね。だんだんこっちに向かってくるんです」
と言いながら、にやにやと笑っていました。
私は急いでサークル長に連絡し、上映はその回で中止になりました。
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住職はディスクを見るやいなや、
「私の手には負えないから、ここに行きなさい」
と言って、県外の大きなお寺を紹介してくれました。
そこにはサークル長と副サークル長が持っていってくれることになり、私たちはこれでこの映画のことは解決したと思っていました。
副サークル長の話だと、あの映画の録画データのほとんどはお寺に持っていったそうなのですが、サークル長はそのデータをコピーしたものを
「私が初めて指揮した映画だから」
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