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チンギスカン編

【チンギスカン編】2.仲間集め

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○チンギス・カンがいる牢屋

「ゲームとは?」
カンが言った。

「それは、ある男を殺した者に自由を与えてあげよう」
幽霊の様なタキシードを着たカンガルーのユンハンは言った。

「誰だそれは?」
「それはこいつだ!!」
一人の顔写真を見せた。

「カエル族のダークグフじゃないか?」
ざわつくモンスター達

「そう、この商団の社長であり、創始者のダークグフだ。」
「け、誰がやるかよ」
ムカデ男が言った。

「そうだ。そうだ。」
周りも賛同した。

他の牢屋でも同じ様に反論する者が現れて抗議をした。

「エアポケット」
ムカデ男の首輪に、前からスティックが現れ衝撃を与えた。
首輪が赤く光って、作動し始めた。

「何でだよ。ほんの少しだけ文句を言っただけだろがーーーー」
悲壮感の顔を浮かべて、叫ぶムカデ男。そして、首輪が一気に爆発した。
周りのモンスター達は、静寂になり顔の表情はこわばり恐怖を浮かべた。
他の所でも同じタイミングで同時に反論した者が、首輪の爆発で次々に死んでいった。

静まり返る牢屋

「これで静かになった。諸君に拒否件は無い。ゲームには強制参加だ。
 では、これから本部の所まで移動させてあげよう。ワープ ダークグフ商団本部」

奴隷達は、ダークグフ商団本部が見える所に移動した。

「これが、本部か?」
カンは上を見上げて言った。

本部は、緑の大きな球体の上に、小さな黒いビラミッドの形をした物が上空にプカプカ浮いていた。

「どうやって行くんだ?」
カンは不思議そうに独り言を言った。

「あれが本部アルシーアンだ。
 だが、このままではあそこに行けないので、モンスター艦を君達にプレゼントしよう。
 仲間を集め好きなモンスター艦を選んでくれ。準備が出来たら、こちらから指示を出す。
 もちろん。逃げた者は殺す
 以上だ」
 ユンハンが言って消えた。

1000のモンスター艦が現れた。

(何だ?モンスター艦とは?
 解らん事だらけだ。こういう時は、情報を集める事が大事だ。)

「モンスター艦とは、一体なんだ?」
「ああ?最低C1ランクの馬ごときが俺に喋りかけるな。」
カンを突き飛ばし、必死に仲間を探すモグラ男だった。
地面に尻餅しりもちを付くカン

(く、やはりワシは最低ランクか。弱いワシと仲間になろうと言う者は少ないだろ。
 だが、生き残るためには、強い仲間とこの世界の知識が必要だ。誰かいないか?)
キョロキョロ辺りを見渡す。

(あ!!さっき牢屋にいた黒い眼帯がんたいを付けたウサギ族のアルクだ。
 なんか青色に変化しているけど・・・
 まぁあいい。蜘蛛くもモンスターを一発で黙らしたから、それなりに強いはず。
 面識があるからスカウトしよう)
カンはアルクの所に行った。

「おい!!俺と組まないか?」
カンを突き飛ばしたモグラ男が、体育座りをしている体が青色に変化したアルクに向って聞いた。

「・・・・・」
「おい!!聞いているのか?」
「無駄無駄」
「何だお前は?」

「こいつと同じ部屋にいたものだ」
赤い目が沢山ある蜘蛛くも男が言った。

「なぜ?無駄なんだ?」
「さっき連れが目の前で死んでしまったから、今では放心状態さ。
 何を話しても返事すらしない」
「け、仕方ない。別の奴を探すか」
モグラ男は去って行った。

「フン。俺様を殴った罰だ。絶対に誰も組ませないぜ。フフフ」
蜘蛛くも男は嫌味な顔で笑った。
カンがやって来た。

「おい。アルク。ワシと組もう」
「・・・・・・」
無言のアルク

「おいおい。誰かと思えば馬じゃねぇか」
「あ!これはこれは。どうしたんですか?」
低姿勢になるカン。
(うわぁあ~ 面倒な奴と会ってしまった。(×д×)面倒面倒)

「そいつと組むな。命令だ。もし、嫌なら俺がお前を殺す」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい」
(何とか上手くかわして、アルクをゲットしないと)

「早くメンバーを決めないとまずいのでは?」
「フフフ。大丈夫さ。もう俺は決まっているからな」
蜘蛛くも男が指す方向を見ると、強そうな連中が集まっていた。

(さっきアルクに殴られて、仕返しに来たのか。心の狭い奴だ。
 でも、ここで諦めたら強い仲間を得られなくなる。
 そうれなれば、死ぬ可能性が高くなってしまう。
 ・・・・ここは一かバチかの賭けをするしかない)
覚悟を決めたカン。

「おい。アルク。ルルの仕返しはしたくないのか?」
アルクの耳がピクリと動いた。

「馬。俺の命令が聞けねぇ~みたいだな。」
赤い目の色がどんどん濃くなり、不機嫌になる蜘蛛くも

「ルルを殺した奴は、オークションに行くと言っていた。
 つまり、あそこの本部にいるんだぞ」
カンは本部の方を指した。
そして、アルクは静かに見た。

「馬。お前は死亡決定だ。ペタペタ」
蜘蛛くも男が両手の指先から糸が出てきて、カンの体をぐるぐる巻きにして空中に上げた。

「うぁわああ。ぐぅうう。」
苦しくて動けないカン。

「最後に言う事はあるか?馬?」
勝ち誇った声で聞いてきた。

「アルクにとって、ルルは大切な人じゃなかったんだな」
「ウルサイ」
今まで黙っていたアルクが、小さな声で呟いた。

「ルルは、こんな情けない部下を持って、なんと可哀想な事だ。」
両手に握りコブシを作って、プルプル震えるアルク

「じゃ。馬。死ね。ガイザ」
赤と黒の炎が指先から糸を伝わり、カンの元へ行った。

「ルルは」
「だまれーーーーーーーーーーー!!スロー10」
アルクの体が青色から赤色に変化して、魔法を唱えた。
すると、アルクの周り10mのモンスター達が、スローモーションの様に動き出した。

「スーール剣」
アルクが叫ぶと、天空から雷と共に鞘に収まった剣が地面に突き刺さった。
鞘からを剣抜いたアルクは、ゆっくり歩いて蜘蛛くも男に近づきバサッと糸を切り、
カンがゆっくり落ちた後に、赤と黒の炎を斬った。

そして、カンの顔に剣を向けた。

「気安くルル様の名前を言うな!!!」
「ドーーーーーーーーン!!」
大爆発する音が聞こえた。
そして、周りのモンスターが通常の動きに戻った。

「イターーー? え?」
いつの間にか自分の顔に剣が向けられて、ビックリするカン

「ハハハハハ。はぁ~~~~?」
蜘蛛くも男は、目が飛び出るくらいビックリして、何が起こったか解らない様子だった。

「お前に私の気持ちが解るかーーー」
怒りでカンを殺しそうな殺気で言った。

「ああ。解るさ」
カンは遠くを見るように言った。

「ワシも大切な仲間や親など多くの死を見てきたからな。
 死んだ者は・・どんなに望んでも・・・生き返る事はない・・・・
 ワシに出来る事は現実を受け止め、死んだ仲間の想いを背負って前に進むしかない
 アルク。彼女は何をしたいと言ってたんだ?」
カンはアルクを諭すように言った。

「・・・・解らない」
手から剣が落ちた。
そして、膝から崩れ落ち涙するアルク

「だったら、まず彼女のかたきを取れ」
アルクはカンを見上げた

「忘れたのか。彼女が死んだ姿を」
「イヤ」
「忘れたのか。ヘビ女の笑い声を」
「イヤ!!!!!」
「彼女のかたきはどうする?」
「取る。絶対に!!!!!!!!!!!!!!」
だんだんと声に力が入り、決意の顔を見せたアルク。
全身に湯気が出てゆっくりと立ち上がった。

「ワシが協力しよう。名前はカンだ」
「私はアルクです」
お互い握手をした。
体が白色に戻るアルク

「うん?そういえば蜘蛛くも男はどこに行った?」
「さぁ?」
両手を広げて首をかしげるアルク。

「はぁはぁはぁ」
全速力で走って、両足に手を当てて息をする蜘蛛くも

「はぁはぁ。絶対に許さないからな。はぁはぁ」


○ランランとハイヤーのいる所

「ハイヤー選手ですよね」
ネズミの男が目を輝けせて言った。

「そうだ」
「ボクファンなんです。握手して貰えませんか?」
「ああ」
ハイヤーが手を出した。

「おい。ズカル。こいつ偽者かもしれないぜ」
「まさかー。だってゴーレム族だし、この覆面マスクをしているんだぞ」
「解らんぞ。」
チラリとハイヤーを見る。

「だったら試してみるがいい」
ハイヤーが自身満々で言った。

「へへへ。じゃ遠慮なく。ジェル斬る」
剣の周りにブクブク泡が立った状態で、遠くからハイヤーに向って剣を振り下ろした。

「ぬううううう」
ハイヤーが泡に包まれて、雷に打たれた。
そして、バタンと倒れてしまった。

「ほらみろ。やっぱり偽者じゃないか」
「ホントだ。チャンピョンがこんなに弱くないもんな」
「そうだぜ。きっと真似をして、良い思いをしたかったに違いない」
「そうだな。行こうぜ」
ねずみの男達は、去って行った。
周りにいた連中も偽者と思って、別のモンスターに声をかけた。

(なぜだ?これくらいの攻撃で、大ダメージを食らうとは。
 一体なぜ?・・・・・首輪か?)
ハイヤーは、自分の赤い首輪を見た。

「大丈夫?奴隷ちゃん」
心配そうに倒れているハイヤーの元にやって来るランラン

「お嬢ちゃん」
「何?奴隷ちゃん」
「首輪の後ろを見せてくれないか?」
「え?いいけど」
ハイヤーは体を震わせながら、上半身を起き上がらせた。
ランランは後ろを向いて髪を上げて、首輪を見せた。

「やはりそうか。」
首輪の後ろに、ドクロのマークが半分描かれていた。

「どうしたの?」
「お嬢ちゃんのランク何だい?」
「ランク?う~~~ん。
 ・・・・・・・・・解らない」
バターンと倒れるハイヤー
そして、目を大きく開いて立ち上がった。

「普通、自分のランクくらい知っているだろ?」
凄い形相で言った。

「うんうん知らない」
首を左右に振った。

「ふぅー落ち着け。落ち着け。ではミツバチ族より強いモンスターは何だ?」
「うーんとね。スズメバチ族」
「スズメバチ族?よく解らん。もっと強いのは?」
「うーんとね。黒い鳥でね。かぁーかぁーと鳴いているの」
「カラス族か。ランクで言うとB1辺りか。」

(つまり、Cランクは間違いないわけだな。と言う事は、俺は最低ランクのCランクか
 この首輪のせいで・・・・」

「ははは。はははは」
「どうしたの?」
「強すぎると歯ごたえのある相手を探すのが大変だった。でも今俺はメチャクチャ弱い。
 だから、周りは強敵ぞろいだ。燃えるぜーーーーハハハハ」
ハイヤーは笑った後、腕立て伏せをし始めた。

「何してるの?」
「強くなるために、トレーニングをしているのさ」
「へーーー」
「お嬢ちゃんもやってみな。気持ちいいぜ」
「そうなの。じゃ。ランランもやるーー」
ランランも腕がプルプル震えながら、一緒にやり始めた。


○スッポン族の女

「嫌よ」
カメムシ族の女を誘ったがあっさり断れた。

「兄貴~何で女ばかり誘うんだよ~」
恐竜のトリケラトップス族であるトンボが言った。

「決まっているだろ弟よ。男のロマンさ」
兄のボボが言った

「は?」
「一緒に戦っている内に、恋が芽生えるのさ」
「彼女出来た事ないから、単純に彼女が欲しいだけじゃないの?」
「ば、ばかな事言うな」
動揺するボボ

「早く仲間を見つけないとまずいよ。」
「大丈夫。俺に任せれば凄い奴を仲間にしてやるよ。ハハハ」
両手を腰に当てて、大笑いをする自信満々のボボ。

「大丈夫かな~。うん?何だあれは?」
心配そうな顔をするトンボ

男のモンスター達が逃げていた。

「どうしたんだ?」
「スッポン族の女」
男のモンスターは逃げて行った。

「まずい兄貴逃げよう」
「おう。そうだな。スッポン族の女と付き合うのは簡単だが、
 別れてしまったら、男の大事な部分を・・・・
 ブルブル想像するだけで鳥肌が立つ。関わらない方が良いな。
 あ!!!!」
だが、ボボは思わず石につまずいて倒れてしまった。

「何しているんだよ。早く早く」
「お、おう」
起き上がろうとするボボ

「ねぇ。おらと結婚してくれ~」
「え?」
振り返るとスッポン族の女ビビがいた。

「ハハハ。実は俺結婚しているんだ。ハハハ」
「え?そうなの。残念。おらの好みなのに~~。
 あら!! あなたも良いわね~」
チラリと弟のトンボに目を向ける。

「じ、実は兄貴は結婚してないんだよ。」
「な、何言ってるんだ」
「さっき、スッポン族の彼女が、欲しいと言っていたじゃないか」
「そんな事言ってないだろ」
「そうなの?」
目を輝かせて、( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うビビ

「兄貴は照れ屋さんだから、自分の本心はなかなか言わないんだ。
 秘密なんだけど、好きな女性がいると鼻が赤くなるんだ」
「バカ。これは生まれつきだーーー!!」
必死に否定するボボ。

「おらの事が好きなの~~~。て・れ・や・さん( ̄▽ ̄)!!」
ビビは体を揺らして、凄く嬉しそうに言った。

「違うーーーー( ̄○ ̄)!!」
「兄貴に彼女が出来て嬉しいよ。邪魔したら悪いから、しばらく向こうに行くよ。」
トンボは親指を立てて笑顔で去っていた。
ボボも一緒に逃げようとするが、ビビに腕を掴まれて全く動く事が出来なかった。

「もう。二人きっりだから大丈夫」
キスを迫るビビ
「ヤダーーー助けてくれーーーーーー(×_×)!!」
空しく声が響き渡った。


○カンがいる所

「それでモンスター艦とは何だ?」
「合戦の時に使う兵器で、モンスター艦を操縦して戦うのが一般的です。
 例えば、大きなカラスがいますよね」
「ああ。我々より10倍くらい大きいな~」

「あれは、スピード艦と言ってスピードが速く、敵の攻撃を避けやすい特徴があります。」
「ほぉ~。ではあのゴリラは空を飛べるのか?」
カンの指が差した方向に、大きなゴリラがいた。

「もちろんです。パワー艦と言って攻撃力が高く、スピードは遅いですが空も飛べます。」
「素晴らしい。この中で1番強い艦はどれだ?」
「そうですね。」
モンスター艦を見渡すアルク。

「やはり、ドラゴン戦艦ですね」
アルクは、他のモンスター艦よりも3倍大きなドラゴンに指を差した。

「確かに強そうだ。あれにしよう」
「それは無理ですね」
「なぜだ?」
「あれを見てください」
ドラゴン戦艦の周りに沢山のモンスター達が集まっていた。

「これは俺の物だ。」
「いや。俺だ」
モンスター達がケンカをしていた。

「誰がふさわしいか、ドラゴンに決めて貰えばいい」
身長が30cmくらいで、迷彩ガラの軍服とベレー帽を被ったアリ族のブンブン軍曹が言った。

「確かにそうだ。よし俺の隊はドラゴンに触れろ」
ミミズ族が5人、ドラゴンに触れた。

「オープン」
「・・・・・」
何も起きなかった。

「オープン」
「・・・・・」
「くそダメか」

「次は俺だ」
モグラ族の10人がドラゴンに触れた。

「オープン」
「・・・・・」
「くそおおおおおお。何でだ!!俺達はランクB3だぞ!!」
「次は俺達だ」

次々にドラゴンに触れて試していった。

○カンがいる場所

「アルク。何をやっているんだ?」
「モンスター艦の中には、ある一定の基準を超えないと入れないんです。」
「基準?」
「1番多いのは魔力です。モンスター艦は、乗っているモンスターから魔力を貰って、初めて動く物なのです。
 他にも、ランクの基準や女性だけ入れるモンスター艦などあります」
「色々基準があるのか。あの連中が入れないのは、魔力が足りないと言う事か?」
「おそらく。」


○ドラゴン艦の付近

「ブンブン軍曹。我々の番です」
「ウム」

軍服を来たアリ2匹がドラゴンに触れた。

「ケ。時間の無駄だ。ランクC3のアリ族が乗れるわけないだろ? ぺ」
バッタの男がツバを吐いた。

「オーブン」
「OK」
ドラゴンの目が光り、アリ達は一瞬で消えた。

「何いいいいいいい!!!!」
細い目を大きくして、踏ん反り返ってビックリするバッタだった。


○カンがいる場所

「あのアリ達は相当強いみたいですね」
「そうだな。ワシ達も早く見つけないと、良いモンスター艦が取られてしまうぞ」
「確かにそうですが、私達だけでは魔力が少ないので、仲間を探しましょう」
「誰かワシらの仲間になりそうな者はいないか?」
「そうでね~」
アルクは辺りを見渡した。

すると、多くのモンスターが、誰かを取り合っていた。

「おい。俺の所に来い」
「いや。私の所よ」
ハエ男とヤモリ女など沢山のモンスターが、
座禅を組んで空中に浮いている白いポメラニアン犬の女を巡って、言い争をしていた。

「アルク。何であの犬女が人気なんだ?」
「あれは、犬のポメラニアン族です。戦闘力は対してありませんが、
 魔力が桁違いなので、モンスター艦で戦う時は重宝されています。」
「なるほど。魔力が大きければ強いモンスター艦に乗れるし、燃料の心配も無くなるわけか」
「そうです。」
「よし。仲間にするぞ」
「え?何か良い方法があるんですか?」
「もちろん・・・・ない」
自信満々の笑顔で言うカン

「ないって・・・・」
思わず、ずっこけるアルク

「行ってみないと解らんだろう?」
にやりと笑い上機嫌なカンだった。


○白ポメラニアン争奪戦

自分の命が掛かっているので、より良い仲間を得るために争奪戦は続いてた。

「来た」
赤いスカーフで口元を隠したポメラニアンのサーシャは、
今まで沈黙していたが、ぱっと目を見開いて言った。
座禅を組んだまま上空に上がった。

「みなさん。このカードの中から代表の方が、1枚選んで下さい。」
サーシャが、左手にカードの束を出した。

「これでどうするんだ?」
「私もカードを引きます。そして、同じカードの者と仲間を組みます。カードセン」
左手にあるカードが意思があるかの様に、空中に一枚一枚並べられた。
そして、モンスター達は一人一人カードを取って行った。

「お!!カードを取れば良いんだな。」
カンが空中のカードを1枚取ろうとしたが、ヒョイッとカードが逃げた。

「なんだこいつは?」
別のカードを取ろうとしたが、同じくヒョイッとカードが逃げた。
カードはケラケラ笑っている様に動いた。

「ほぉー。ワシを挑発するとは良い度胸だ。とりゃーーーー( ̄○ ̄)!!」
ジャンプをして素早く取ろうとしたが、あっさり避けられた。

「ワシをなめるなよーーーー!!」
今度は助走を付けて手を伸ばしたが、またしてもひょいと避けられた。
だが、今度は凄い柔らかい感触だった。

「なに私の胸を触てる」
「え?」
ヤモリ女の大きな胸をモミモミしていた。
思わずにやけてしまったカン( ̄▽ ̄)デヘヘヘ

「い~や~。これは~。へへへ」
「この変態ヤローーー」
「ぶふぅううう。何でワシが、こうなるの~~」
ヤモリ女に顔面を殴られて、吹っ飛ばされた。

「くそーー。とんだ災難?いや幸福か?デへへへ」
さっき触った胸の感触を思い出すカン( ̄▽ ̄)ニヤニヤ

「いかん。いかん。ワシとした事が」
首を左右に振って正気に戻るカン。
すると、カードの1枚だけ金色に光っていた。

「なんだこれは?」
金色に光ったカードを1枚取った。
そのカードの絵は、かんむりのマークだった。

「ではみなんさん。カードを引きます。カードミラクル」
右手にカードの束が出現し、カードが浮き上がり回転し始めた。
その中から一枚カードを取るサーシャ。

かんむりのマークです。」
みんなに見せるようにカードを出した

「納得いかん。お前は俺のもんだ」
ハエ男がジャンプをしてサーシャの腕をつかんで、地面に下ろし強引に引っ張ろうとした。

「きゃ」
口元のスカーフが、飛ばされたサーシャ

「スロー10」
周りがスローモーションの様に動きが遅くなった。
アルクは、ハエ男の首元に剣を向けた。
そして、周りが普通の状態に戻った。

「死にたくなかったら、その汚い手を離しなさい」
「え????ハハハ。そう怒るなよ。冗談だって冗談」
ハエ男は冷や汗をかいていた。
直ぐに、手を離して一目散に逃げていった。
振り返るアルク

「お怪我はありませんか」
「はい。ありがとうございます」
お辞儀をするサーシャ
そして、アルクを見つめる

「!!!!!!」
「どうしました?」
首を傾げるサーシャ

「ル、ルル様~~~~~~~~~~!!」
驚いて大きな声で叫ぶアルクだった。
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