俺様奴隷と美しい恋をする為に茨の道を参ります

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Ⅶ.差し迫りくる影【前途多難、油断大敵】

Cœur qui soupire n'a pas ce qu'il désire.

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 来てくれたのね、レオ。


笑顔で迎え入れようと扉を開いた刹那、
見えた顔に笑みが消えた。



「……こんばんは、アリア」

「……何しに来たの」



 “シャル”


思っていた人物と違っていたことに
落胆どころか苛立ちを覚えて彼を鋭く見つめた。



「やだなぁ、そんな怖い顔しないでよ。
僕は別に、疚しいことをしに来た訳では無いよ」

「でしょうね。
そんな事だったら今すぐ蹴り出して差し上げるところよ」

「なかなか言うね。
これでも、逆に誘われる方なんだけどな、僕は」

「そう。それで? 何しに来たのかしら」

「……まぁ、立ち話もなんだから入れてくれない?」

「夜に乙女の部屋に入るのは、
失礼に値するのではなくて?」



 黙って帰りやがれ。

そこまで言わずしても、強い言葉で伝えれば。



「……アリア様」



 相手は、王子です。


最早聞き慣れた言葉を、顔に書いたオオトリに
大きくため息をついた。



「……どうぞ」



 嫌々を隠しもせず扉を開けて迎え入れると
彼は勝ち誇ったように微笑んだ。

本当に、忌々しい。



「それで? 何しに、いらしたのかしら」



 私の部屋を物珍しそうに物色する彼に
早く要件を済ませて帰れと声色で告げる。

腕を組んで態度最悪な私に反して
にこやかに振り向いたシャルはとんでもないことを言い出した。



「そうそう。
実は、君を正妻に迎えようと思ってるんだ」






【ため息つく心は望むものを得ていない】
Cœur qui soupire n'a pas ce qu'il désire.

(この人、私の話聞いてないのかしら)
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