8 / 14
第一章 災害からの脱出
第8話 ハイノメの能力
しおりを挟む
女の人の悲鳴!
た…助けに行かなきゃ!
あれ?
体が動かない……
すぐにその原因が分かった。足が震えていたのだ。
警備は出来ても、いざ事件が起きると、何もできない……それがぼくだ。
情けない 悔しい
「大丈夫!」
ハイノメのその一言で、何か救われた気がした。
「大丈夫よ、あなたは強い。なにより私もいるし!」
最後の一言は余計だが……
「急ごう!」
悲鳴のあった場所についた時には遅かった。あたりは一面血の海に覆われている。男女……、
これは……こども……、それを見た瞬間、一気に嫌な想像が膨らみ、同時に吐き気に襲われた。
「気をしっかりして! おそらくまだ近くにいる。」
そうだ、しっかりしないと まだ終わってないんだ。
ギャアアス
遠くの方で化け物の叫び声が聞こえた。
「あっちか、結構離れているのね。」
急いで音のなった方向に向かおうとした瞬間、茂みから一つの影が見えた。
狼
一瞬そう見えたのだが、その考えはかき消された。狼の身体、血のような真っ赤な毛に覆われ、牙が鋭いナイフのよう……いや、 ナイフそのもの、何よりも目がこの世の生物とは思えないおぞましいものだった。
どうすれば……
こっちは大人2人とはいえ、武器はない……
「時間は欠けてられないわ 最速で終わらせる。」
彼女の言葉は自信に満ち溢れていた。
「いい機会だわ、あなたに 私の能力を見せてあげる。」
明け方のまだ涼しい時間帯、いつもならまだ肌寒いのだが今は違う! 気温が急速に上がっている? いや、これはハイノメからだ! 彼女の体温がどんどん上がっているんだ。なぜなら彼女の背中、 脊柱あたりから火が噴き出たのだ。アメコミ映画のCGではない本物の火だ!
「これが……ハイノメの能力!」
「そうよ、かっこいいでしょ」
少し失われた中二病心を取り戻してしまったが、今はそんな場合ではない。化け物がこちらに向かっているのだ!
その距離 もうわずか…
「武器生成!」
「おお!」
思わず声が出てしまった。たぶんこれから火を武器の形に変えて戦うのだろう。
以外と接近戦タイプなんだな!
ジュザシュ
肉が焼けるのと同時に切断され、あまり聞いたことのない音が伝わる。一瞬の出来事だった。まるで時代劇でも見ているような鮮やかで、美しい姿に目を奪われた……が、ひとつツッコみたい
「どう! 令和の石川五右衛門と呼んでもいいのよ!」
「たぶん、マンガの方のことを言ってるのはわかるけど、だいたいの人は泥棒の方を真っ先に思い浮かべるからやめといた方が……それよりひとつ言っていいか?」
「ん?」
どうしてもツッコみたかったこと……
「おまえ、背中の火を使うんじゃなくて背中から出ている煙をつかうのな。」
そうハイノメは火を使うのではなく、火からでた煙を操る能力らしい。
「うるさいわね! まずは一体目!」
ハイノメに切られた化け物はピクリとも動かなくなった。思っていたよりも強くて頼りになる。
「とにかくお疲れ! お前強いんだな!」
「こんなの朝飯前よ それよりも、次の場所に行きましょう。まだほかにも何体かいるみたい」
少し照れた彼女だったが、すぐに気持ちを切り替えた。それもそうだ、新たな被害者が増えるかもしれない……
ミナさん……
ぼくの脳裏に彼女の姿が浮かんだ。
「早くいかないと ゴホゴホ! ちょっと! 煙たい!」
ハイノメから出ている煙が顔にかかってむせてしまった。 ごめんなさい と、謝ってきたので許すが、これが毎回あるのはきついな、結構使い勝手が悪い能力なのかもしれない。
た…助けに行かなきゃ!
あれ?
体が動かない……
すぐにその原因が分かった。足が震えていたのだ。
警備は出来ても、いざ事件が起きると、何もできない……それがぼくだ。
情けない 悔しい
「大丈夫!」
ハイノメのその一言で、何か救われた気がした。
「大丈夫よ、あなたは強い。なにより私もいるし!」
最後の一言は余計だが……
「急ごう!」
悲鳴のあった場所についた時には遅かった。あたりは一面血の海に覆われている。男女……、
これは……こども……、それを見た瞬間、一気に嫌な想像が膨らみ、同時に吐き気に襲われた。
「気をしっかりして! おそらくまだ近くにいる。」
そうだ、しっかりしないと まだ終わってないんだ。
ギャアアス
遠くの方で化け物の叫び声が聞こえた。
「あっちか、結構離れているのね。」
急いで音のなった方向に向かおうとした瞬間、茂みから一つの影が見えた。
狼
一瞬そう見えたのだが、その考えはかき消された。狼の身体、血のような真っ赤な毛に覆われ、牙が鋭いナイフのよう……いや、 ナイフそのもの、何よりも目がこの世の生物とは思えないおぞましいものだった。
どうすれば……
こっちは大人2人とはいえ、武器はない……
「時間は欠けてられないわ 最速で終わらせる。」
彼女の言葉は自信に満ち溢れていた。
「いい機会だわ、あなたに 私の能力を見せてあげる。」
明け方のまだ涼しい時間帯、いつもならまだ肌寒いのだが今は違う! 気温が急速に上がっている? いや、これはハイノメからだ! 彼女の体温がどんどん上がっているんだ。なぜなら彼女の背中、 脊柱あたりから火が噴き出たのだ。アメコミ映画のCGではない本物の火だ!
「これが……ハイノメの能力!」
「そうよ、かっこいいでしょ」
少し失われた中二病心を取り戻してしまったが、今はそんな場合ではない。化け物がこちらに向かっているのだ!
その距離 もうわずか…
「武器生成!」
「おお!」
思わず声が出てしまった。たぶんこれから火を武器の形に変えて戦うのだろう。
以外と接近戦タイプなんだな!
ジュザシュ
肉が焼けるのと同時に切断され、あまり聞いたことのない音が伝わる。一瞬の出来事だった。まるで時代劇でも見ているような鮮やかで、美しい姿に目を奪われた……が、ひとつツッコみたい
「どう! 令和の石川五右衛門と呼んでもいいのよ!」
「たぶん、マンガの方のことを言ってるのはわかるけど、だいたいの人は泥棒の方を真っ先に思い浮かべるからやめといた方が……それよりひとつ言っていいか?」
「ん?」
どうしてもツッコみたかったこと……
「おまえ、背中の火を使うんじゃなくて背中から出ている煙をつかうのな。」
そうハイノメは火を使うのではなく、火からでた煙を操る能力らしい。
「うるさいわね! まずは一体目!」
ハイノメに切られた化け物はピクリとも動かなくなった。思っていたよりも強くて頼りになる。
「とにかくお疲れ! お前強いんだな!」
「こんなの朝飯前よ それよりも、次の場所に行きましょう。まだほかにも何体かいるみたい」
少し照れた彼女だったが、すぐに気持ちを切り替えた。それもそうだ、新たな被害者が増えるかもしれない……
ミナさん……
ぼくの脳裏に彼女の姿が浮かんだ。
「早くいかないと ゴホゴホ! ちょっと! 煙たい!」
ハイノメから出ている煙が顔にかかってむせてしまった。 ごめんなさい と、謝ってきたので許すが、これが毎回あるのはきついな、結構使い勝手が悪い能力なのかもしれない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる