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「スティーブン セガール(ハリウッド最強オヤジ)」 について(後編)
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スティーブン・セガールの映画を見ていると、ライフルや機関銃などを使った戦闘よりも、合気道や空手の武術を駆使した接近戦の場面が多い。素人目だが、映画のなかでの動きは、それぞれの武術の本物の動きを取り入れているように見える。
彼は十代半ばで来日し、関西で合気道、空手、柔・剣道など、様々な東洋武術を習得したという。おのずと日本語も堪能。
これらの経験を活かして映画によっては東洋的な雰囲気を持った主人公を演じたり、そこから影響を受けた精神修行シーンが映し出されたりしている。
そして何より、映画の中ではめっぽう強い・・・毎回、強い男を演じきっているのが痛快この上ない。
私がその無敵の剛腕主人公に出くわしたのが平成八年の春先だった。
場所は表参道。もうすぐ三歳になる娘も外を歩き回るのに安心できる頃になった。その日は天気が良く、家族四人で原宿駅から表参道を歩いていた。
明治通りと表参道が交差するあたりに来たところ、真っ白のストレッチリムジンが止めてあった。
「よくまあこんなどでかい、燃費が不経済な車に真昼間から乗るやつがいるものだ・・」
とつぶやきながら、そこからやおら視線を表参道の歩道の先に向けた。すると、やたら肩幅が広い大男が目に入った。なんとスティーブン・セガール・・・それもかなり年下と思える外人の彼女連れだった。
白のストレッチリムジン、それを止めている場所がとても人通りが多い場所、そして超美形の彼女連れ・・・やることの派手さに恐れ入ってしまった。
当時、娘がそこそこ外を歩けるようになったのは良いのだが、時々「疲れたぁ、おんぶ」という言葉に応えるのが億劫だったために、よく折りたたみ式の、片手でも持てる簡易乳母車を持って外出していた。荷物がある時はショッピングセンターのカートのように、それをぱっと開いて押して歩いたりもしていた。
歩道をあるいていた丁度その時は、娘が面白がって、何も入っていないその乳母車を押して歩いていた。
前方には、ゆっくりと、どこを目指しているとも無く、ぷらぷら歩きながら、笑顔を絶やすことなくおしゃべりをしているセガールと別嬪さんがいた。そんな感じのゆっくりとした歩調だったから、おのずと我々との間合いは、いやがおうでも詰まっていった。
その時、剛腕のヒーローの彼女が、にこっと笑いそして言った。
「Cutie!」
それは、カートを押しながら歩道をよっちら歩いている娘に投げかけられた言葉だった。
カートをつかむ部分は、路面から高さ1メートルあるため、娘がそれを押すときはちょうど、バンザイをしているような格好で押すことになる。それはこちらから見ても実にユーモラス。それが外人の別嬪さんにもカワイく滑稽に見えたのであろう。
B.ウィリスやスタローン、シュワルツェネッガーも、映画の最初のパートではダメージを受けずに頑張っていても、そのうちにパンチをもらって鼻血なんかを出すことがある。また捕えられて、時に柱に後ろ手に縛られて、悪い奴から数発殴られるような場面がある。しかし、オヤジの年頃となってきたセガールはますます強みを増していき、サイボーグのような、兎に角ピンチが少ない剛腕のスーパー主人公となった。「映画のストーリー設定なのよ・・」と言われることもあるが、それでも、判で押したように、どの映画でもそれで最後まで貫き通すところがあっぱれと言えよう。
日本のアクションスターがハリウッドに行って主役を取ることはかなり難しい。そこで、日本で修業した、半分日本人の武道家のような彼を、私はこれからも大いに応援したい。
スティーブン・セガールは日本のTVCMにも出ていた。滋養強壮剤アリナミンVのそれである。
その中で、映画のハードなカーチェイスシーンの途中に、急にカメラ目線になり
「こうみえても、疲れまんねん!」と関西弁でボヤキを語った。
しかし、彼の力と迫力で、今後もガンガン強いオヤジを演じて、疲れ切っている日本だけでなく世界の政治家やビジネスマンに「喝!」をいれて頂きたいところである。(了)
彼は十代半ばで来日し、関西で合気道、空手、柔・剣道など、様々な東洋武術を習得したという。おのずと日本語も堪能。
これらの経験を活かして映画によっては東洋的な雰囲気を持った主人公を演じたり、そこから影響を受けた精神修行シーンが映し出されたりしている。
そして何より、映画の中ではめっぽう強い・・・毎回、強い男を演じきっているのが痛快この上ない。
私がその無敵の剛腕主人公に出くわしたのが平成八年の春先だった。
場所は表参道。もうすぐ三歳になる娘も外を歩き回るのに安心できる頃になった。その日は天気が良く、家族四人で原宿駅から表参道を歩いていた。
明治通りと表参道が交差するあたりに来たところ、真っ白のストレッチリムジンが止めてあった。
「よくまあこんなどでかい、燃費が不経済な車に真昼間から乗るやつがいるものだ・・」
とつぶやきながら、そこからやおら視線を表参道の歩道の先に向けた。すると、やたら肩幅が広い大男が目に入った。なんとスティーブン・セガール・・・それもかなり年下と思える外人の彼女連れだった。
白のストレッチリムジン、それを止めている場所がとても人通りが多い場所、そして超美形の彼女連れ・・・やることの派手さに恐れ入ってしまった。
当時、娘がそこそこ外を歩けるようになったのは良いのだが、時々「疲れたぁ、おんぶ」という言葉に応えるのが億劫だったために、よく折りたたみ式の、片手でも持てる簡易乳母車を持って外出していた。荷物がある時はショッピングセンターのカートのように、それをぱっと開いて押して歩いたりもしていた。
歩道をあるいていた丁度その時は、娘が面白がって、何も入っていないその乳母車を押して歩いていた。
前方には、ゆっくりと、どこを目指しているとも無く、ぷらぷら歩きながら、笑顔を絶やすことなくおしゃべりをしているセガールと別嬪さんがいた。そんな感じのゆっくりとした歩調だったから、おのずと我々との間合いは、いやがおうでも詰まっていった。
その時、剛腕のヒーローの彼女が、にこっと笑いそして言った。
「Cutie!」
それは、カートを押しながら歩道をよっちら歩いている娘に投げかけられた言葉だった。
カートをつかむ部分は、路面から高さ1メートルあるため、娘がそれを押すときはちょうど、バンザイをしているような格好で押すことになる。それはこちらから見ても実にユーモラス。それが外人の別嬪さんにもカワイく滑稽に見えたのであろう。
B.ウィリスやスタローン、シュワルツェネッガーも、映画の最初のパートではダメージを受けずに頑張っていても、そのうちにパンチをもらって鼻血なんかを出すことがある。また捕えられて、時に柱に後ろ手に縛られて、悪い奴から数発殴られるような場面がある。しかし、オヤジの年頃となってきたセガールはますます強みを増していき、サイボーグのような、兎に角ピンチが少ない剛腕のスーパー主人公となった。「映画のストーリー設定なのよ・・」と言われることもあるが、それでも、判で押したように、どの映画でもそれで最後まで貫き通すところがあっぱれと言えよう。
日本のアクションスターがハリウッドに行って主役を取ることはかなり難しい。そこで、日本で修業した、半分日本人の武道家のような彼を、私はこれからも大いに応援したい。
スティーブン・セガールは日本のTVCMにも出ていた。滋養強壮剤アリナミンVのそれである。
その中で、映画のハードなカーチェイスシーンの途中に、急にカメラ目線になり
「こうみえても、疲れまんねん!」と関西弁でボヤキを語った。
しかし、彼の力と迫力で、今後もガンガン強いオヤジを演じて、疲れ切っている日本だけでなく世界の政治家やビジネスマンに「喝!」をいれて頂きたいところである。(了)
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