40 / 206
其々の思い
39:対峙
しおりを挟む
王城の敷地の北側に位置する塔を見上げる。
罪を犯した王族を幽閉する為に建てられた五階建ての塔。
過去に幽閉された者達は何を思いながら過ごしていたのか…
ナシェルは何を思いながら俺達を待っているのか、隣りに立つオレリアはどんな思いでここに立っているのか…
何も読み取らせないオレリアの無表情に、誰に向ければいいのか分からない苛立ちを感じる。
「フラン様、オレリア様、お待たせしました。参りましょう」
受付を済ませたカインが、ナシェルの元まで案内する騎士を連れて戻ってきた。
オレリアの手を取り、先導する騎士の後を付いて行く。その後ろにはカインとネイトが続く。
ナシェルが待つ塔の最上階までは、石造りの長い螺旋階段を登らなければならない。オレリアにはキツい行程になるだろう。
「リア、階段に気を付けて。疲れたら遠慮なく言ってくれ」
「お気遣いありがとうございます。殿下方に於かれましては、多大なるご迷惑をおかけする事、誠に申し訳ございません」
「「「?!………」」」
オレリアの様子が明らかにいつもと違う。
出会った頃を思わせる他人行儀な態度に俺だけでなくカインも、ネイトも困惑する。
オレリアの歩調に合わせて階段を登って来たが、やはりキツかったらしく、額に汗が滲んでいる。それでも表情は変わらず、目の前の扉をじっと見つめている。
「フラン王太子殿下、並びにデュバル公爵令嬢オレリア様、侍従キリング卿、専属護衛騎士ソアデン卿をお連れしました」
分厚い鉄の扉の前で警護する騎士に、先導してきた騎士が来訪を告げる。
「解錠します。殿下方が入室後は施錠致しますので、退室の際はノックで合図をお願い致します。ソアデン卿は剣帯から剣を外して入室して下さい」
ネイトが剣帯から剣を外して、案内の騎士に渡すのを確認した警護の騎士が、解錠する。
部屋の中は想像以上に豪華で、調度品などはないが、置かれている家具やリネン等の内装は王城の部屋と遜色ない。
ナシェルは部屋の奥、鉄格子の嵌められた窓に寄りかかり、本を読んでいた。
すぐ横の壁には自裁を防止する役目なのだろう、帯剣した騎士が控えている。
「オレリア……今日のドレスは何色だ?」
本に視線を落としたまま、ナシェルが問う。
「ナシェル様に於かれましては、ご健勝の事と安心致しーー」
「オレリア?」
「…緑に…ございます」
「私の色だけを、その身に纏えと教えた筈だっ!」
ナシェルの目がオレリアを射抜き、その姿に否と叫ぶ。
「…ナシェル様に於かれましては…ご気分を害された事、深くお詫び致します」
「ならば、出直して来い」
この会話は一体なんだ?ドレスの色?ナシェルは何を言ってるんだ…
「まあいい…オレリア、近くに来い、私に顔をよく見せろ。今日の化粧は誰が施した?エルデか?」
エルデの名前にネイトが小さく反応したのを気配で感じた。
ネイトを動かすわけにはいかない、俺も我慢の限界だ。
「リア、行かなくていい。ナシェルは分を弁えろ。私の婚約者に無礼を働くことは許さない」
オレリアを後ろに下げ、ナシェルの前に進み出る。ナシェルも閉じた本を騎士に渡し、ゆっくり進み出た。
ネイトと騎士が制しに出る、ギリギリの距離で対峙する。
「オレリアの顔を見るとつい、ね…挨拶みたいなものだよ。それにしても久し振りだな、フラン。立太子おめでとう」
「嫌味か?俺はこの地位を望んでなどいなかった。何故、あんな馬鹿な真似をした。国の事を考えなかったのか?」
「国の事を考えて廃太子を申し出ただろう?俺の様な男が王になったらダリアは凋落する。あの令嬢が思った以上に強欲だったのには驚いたが、辺境伯領に移送されたそうだな」
「まるで他人事だな、真実の愛はどうした?」
「………」
「ジュノーの加護を持つ者。この言葉を何故知っている?」
俺の問いに、ナシェルは大きく息を吐き、ソファに腰を下ろすと、俺達にも座る様に勧めた。
2人掛けのソファにオレリアと並んで座り、カインとネイトは背後に立つ。壁に控えていた騎士もナシェルの背後に移動してきた。
「立太子の儀で、女神ユノンの声を聞いたからだよ…『汝の伴侶となる者は、世界を厄災から救うジュノーの加護を持つ者なり。汝の役目は伴侶を護ること』………国を統べる王となる俺にオレリアを護れだと?王の伴侶は王に従い、王を支え、身を呈して王を守るのが役目。オレリアが己の領分を間違える事がない様、徹底的に教育した。俺に従い、俺に仕え、逆らう事がない様に…だが同時に、得体の知れない力を持つオレリアを従える事が怖くなった…オレリアの扱いに困り、王太子の地位さえも疎ましくなってきた時に出会ったのが元オット男爵の令嬢だ…」
「元オット男爵令嬢を利用したのか?」
「…この地位を降りるには、廃太子しかない。臣籍降下し、適当に拝領して1人になりたかった…」
「お前の身勝手に振り回される人達の事を、お前に傷付けられたオレリアの事を考えなかったのか?……答えろっ!ナシェルっ!!」
「お前が俺であったならばどうしてたっ!オレリアを護ると言うのか!オレリアの為にその身を投げるとでも言うのかっ!!」
大声を上げながら、俺とナシェルが立ち上がると、すかさずネイトと騎士が前に出て手で制する。
「『愛する者の為に、身を投げ出すことはしない、共に生きる為、戦って生き延びる事を選ぶ』オランドが俺に言った言葉だ。俺も戦う、お前とは違う」
「……オレリアを愛してると?」
「この世の誰よりも」
「………」
「ナシェル様、啓上の許可を頂けますか?」
「……なんだ」
許可を得ないと会話も出来ない…先程の挨拶といい、俺達に見せていた華やかな表の裏は、滑稽なまでに歪で醜い関係だった。
「…私は敬愛するナシェル様のおそばにいる間、貴方様に従い、お仕えする義務を全うする事を己に言い聞かせて参りました。ですが、フラン様には…どれだけ義務だと己に言い聞かせても、己の心を律しても…想いを抑え切れませんでした……私はフラン様を愛しております。」
「…ハハッ…そうか…あの銀粉は、そういうことか…」
オレリアの話を聞いたナシェルは自嘲すると、ソファに凭れて天を仰いだ…
「……銀粉?」
「女神ユノンは、器が満ち、加護の力が目覚めた時、銀の祝福が降るとも言っていた…俺はその器をどうすれば満たす事が出来るのか分からなかった…互いに愛などなかったのだから、当たり前か…」
ーーー
塔から王城へ戻る馬車の中、隣に座るオレリアは窓から見える塔をじっと見つめている。
「リア、大丈夫か?」
「ありがとうございます。私は大丈夫です、フラン様こそお疲れではないですか?」
緊張が解けたのか、柔らかく微笑み労ってくるオレリアに安心する。
腰に手を回して抱き寄せる。癖のない銀糸を指で梳き、頭頂にキスを落とすと、そっと背中に手が回ってきた。
「フラン様…お慕い…しております。先程、ナシェル様に言って下さった言葉、とても…とても嬉しかった」
「…リア…」
名前を呼ぶと、涙に濡れた顔を向けてきた。
「も、申し訳…ございません…っ…本当は、怖かった…っこわ…くて、ですが……っ…ナシェルッ様にーー」
覆いかぶさる様に唇を塞ぐ。これ以上、オレリアの唇がナシェルの名前を紡ぐのを許すことは出来ない。
「俺は独占欲が強いと、言った筈だ」
罪を犯した王族を幽閉する為に建てられた五階建ての塔。
過去に幽閉された者達は何を思いながら過ごしていたのか…
ナシェルは何を思いながら俺達を待っているのか、隣りに立つオレリアはどんな思いでここに立っているのか…
何も読み取らせないオレリアの無表情に、誰に向ければいいのか分からない苛立ちを感じる。
「フラン様、オレリア様、お待たせしました。参りましょう」
受付を済ませたカインが、ナシェルの元まで案内する騎士を連れて戻ってきた。
オレリアの手を取り、先導する騎士の後を付いて行く。その後ろにはカインとネイトが続く。
ナシェルが待つ塔の最上階までは、石造りの長い螺旋階段を登らなければならない。オレリアにはキツい行程になるだろう。
「リア、階段に気を付けて。疲れたら遠慮なく言ってくれ」
「お気遣いありがとうございます。殿下方に於かれましては、多大なるご迷惑をおかけする事、誠に申し訳ございません」
「「「?!………」」」
オレリアの様子が明らかにいつもと違う。
出会った頃を思わせる他人行儀な態度に俺だけでなくカインも、ネイトも困惑する。
オレリアの歩調に合わせて階段を登って来たが、やはりキツかったらしく、額に汗が滲んでいる。それでも表情は変わらず、目の前の扉をじっと見つめている。
「フラン王太子殿下、並びにデュバル公爵令嬢オレリア様、侍従キリング卿、専属護衛騎士ソアデン卿をお連れしました」
分厚い鉄の扉の前で警護する騎士に、先導してきた騎士が来訪を告げる。
「解錠します。殿下方が入室後は施錠致しますので、退室の際はノックで合図をお願い致します。ソアデン卿は剣帯から剣を外して入室して下さい」
ネイトが剣帯から剣を外して、案内の騎士に渡すのを確認した警護の騎士が、解錠する。
部屋の中は想像以上に豪華で、調度品などはないが、置かれている家具やリネン等の内装は王城の部屋と遜色ない。
ナシェルは部屋の奥、鉄格子の嵌められた窓に寄りかかり、本を読んでいた。
すぐ横の壁には自裁を防止する役目なのだろう、帯剣した騎士が控えている。
「オレリア……今日のドレスは何色だ?」
本に視線を落としたまま、ナシェルが問う。
「ナシェル様に於かれましては、ご健勝の事と安心致しーー」
「オレリア?」
「…緑に…ございます」
「私の色だけを、その身に纏えと教えた筈だっ!」
ナシェルの目がオレリアを射抜き、その姿に否と叫ぶ。
「…ナシェル様に於かれましては…ご気分を害された事、深くお詫び致します」
「ならば、出直して来い」
この会話は一体なんだ?ドレスの色?ナシェルは何を言ってるんだ…
「まあいい…オレリア、近くに来い、私に顔をよく見せろ。今日の化粧は誰が施した?エルデか?」
エルデの名前にネイトが小さく反応したのを気配で感じた。
ネイトを動かすわけにはいかない、俺も我慢の限界だ。
「リア、行かなくていい。ナシェルは分を弁えろ。私の婚約者に無礼を働くことは許さない」
オレリアを後ろに下げ、ナシェルの前に進み出る。ナシェルも閉じた本を騎士に渡し、ゆっくり進み出た。
ネイトと騎士が制しに出る、ギリギリの距離で対峙する。
「オレリアの顔を見るとつい、ね…挨拶みたいなものだよ。それにしても久し振りだな、フラン。立太子おめでとう」
「嫌味か?俺はこの地位を望んでなどいなかった。何故、あんな馬鹿な真似をした。国の事を考えなかったのか?」
「国の事を考えて廃太子を申し出ただろう?俺の様な男が王になったらダリアは凋落する。あの令嬢が思った以上に強欲だったのには驚いたが、辺境伯領に移送されたそうだな」
「まるで他人事だな、真実の愛はどうした?」
「………」
「ジュノーの加護を持つ者。この言葉を何故知っている?」
俺の問いに、ナシェルは大きく息を吐き、ソファに腰を下ろすと、俺達にも座る様に勧めた。
2人掛けのソファにオレリアと並んで座り、カインとネイトは背後に立つ。壁に控えていた騎士もナシェルの背後に移動してきた。
「立太子の儀で、女神ユノンの声を聞いたからだよ…『汝の伴侶となる者は、世界を厄災から救うジュノーの加護を持つ者なり。汝の役目は伴侶を護ること』………国を統べる王となる俺にオレリアを護れだと?王の伴侶は王に従い、王を支え、身を呈して王を守るのが役目。オレリアが己の領分を間違える事がない様、徹底的に教育した。俺に従い、俺に仕え、逆らう事がない様に…だが同時に、得体の知れない力を持つオレリアを従える事が怖くなった…オレリアの扱いに困り、王太子の地位さえも疎ましくなってきた時に出会ったのが元オット男爵の令嬢だ…」
「元オット男爵令嬢を利用したのか?」
「…この地位を降りるには、廃太子しかない。臣籍降下し、適当に拝領して1人になりたかった…」
「お前の身勝手に振り回される人達の事を、お前に傷付けられたオレリアの事を考えなかったのか?……答えろっ!ナシェルっ!!」
「お前が俺であったならばどうしてたっ!オレリアを護ると言うのか!オレリアの為にその身を投げるとでも言うのかっ!!」
大声を上げながら、俺とナシェルが立ち上がると、すかさずネイトと騎士が前に出て手で制する。
「『愛する者の為に、身を投げ出すことはしない、共に生きる為、戦って生き延びる事を選ぶ』オランドが俺に言った言葉だ。俺も戦う、お前とは違う」
「……オレリアを愛してると?」
「この世の誰よりも」
「………」
「ナシェル様、啓上の許可を頂けますか?」
「……なんだ」
許可を得ないと会話も出来ない…先程の挨拶といい、俺達に見せていた華やかな表の裏は、滑稽なまでに歪で醜い関係だった。
「…私は敬愛するナシェル様のおそばにいる間、貴方様に従い、お仕えする義務を全うする事を己に言い聞かせて参りました。ですが、フラン様には…どれだけ義務だと己に言い聞かせても、己の心を律しても…想いを抑え切れませんでした……私はフラン様を愛しております。」
「…ハハッ…そうか…あの銀粉は、そういうことか…」
オレリアの話を聞いたナシェルは自嘲すると、ソファに凭れて天を仰いだ…
「……銀粉?」
「女神ユノンは、器が満ち、加護の力が目覚めた時、銀の祝福が降るとも言っていた…俺はその器をどうすれば満たす事が出来るのか分からなかった…互いに愛などなかったのだから、当たり前か…」
ーーー
塔から王城へ戻る馬車の中、隣に座るオレリアは窓から見える塔をじっと見つめている。
「リア、大丈夫か?」
「ありがとうございます。私は大丈夫です、フラン様こそお疲れではないですか?」
緊張が解けたのか、柔らかく微笑み労ってくるオレリアに安心する。
腰に手を回して抱き寄せる。癖のない銀糸を指で梳き、頭頂にキスを落とすと、そっと背中に手が回ってきた。
「フラン様…お慕い…しております。先程、ナシェル様に言って下さった言葉、とても…とても嬉しかった」
「…リア…」
名前を呼ぶと、涙に濡れた顔を向けてきた。
「も、申し訳…ございません…っ…本当は、怖かった…っこわ…くて、ですが……っ…ナシェルッ様にーー」
覆いかぶさる様に唇を塞ぐ。これ以上、オレリアの唇がナシェルの名前を紡ぐのを許すことは出来ない。
「俺は独占欲が強いと、言った筈だ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる