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デュバルの女傑
182:灼熱のソル
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海で、山で、王都で…踊る様に敵を倒して行く。
俺の知るレイダ妃は、ただひたすらに強かった。
その強さの裏側で涙を流し続けていたなどと、思いもしなかった…
霞む視線を向けた先…肖像画のレイダ妃の微笑みからは、幸せだけが伝わる。
隣りに立つルスカスも、少し上がった口角と力強い眼差しが、自信に溢れている。
妻が新しい生命を宿していると知っていたら、その間だけでも、剣を手にする事はなかったかもしれない…
剣を手にしても、知ってさえいれば……いや、過ぎた去った過去に訪れなかった未来を見い出すより、妻だけなく、子を置いて行く無念まで抱えずに済んだ事に救いを見い出した方が、心は楽になる。
『ーー知らない者から知る者へとなり、レイダ妃やデュバルに対する評価が変わったとしても、それでいいと思っています』
国より愛を選んだからと、国を捨てたとは思わない。
子供の存在を秘匿したからと、王家を欺いたとは責めはしない。
そのおかげで、今のダリアがあるのだから…
そのおかげで、ソル殿は…
「波に例えるなんて…ソル殿は、本当に海が好きだったのですね…」
「ハハッ…どうでしょう。海に出ていた頃は女日照りで辛かったと、子供の頃から、苦労話ばかりを聞かされました」
その名に違わない、灼熱の人生を送った…らしい。
しかも、照らす側ではなく、女性に照らされる側…どころか、雨乞いをしていただと…?
「子供相手にそんな話をしておったのか…?」
「デュバルでは、閨の座学は10歳から、房事は12歳になる年から受けるんです。勿論、大伯父からは、閨ではなく、海で生き残る為の戦いを仕込まれました」
普通の貴族家の子息は、座学は12歳から、房事は13歳から始まる。
他と比べると早く感じるが、船が港を離れると、陸に戻るまで短くても3ヶ月、長いと1年以上にもなる為、12を迎える年から遠洋へ演習に向かうデュバル家や軍人の子息達は、キツい船酔いに身体が慣れると、船上で軍人を慰める娼婦に手解きを受けるのだという。
「早熟なのだな…まあ、18年は確かに長い」
「ええ、海賊や魔物より、己との闘いが辛かったと、口を歪ませてましたね…」
娼婦の慰めは何処へ行った…?
『大伯父上は、もう海には出ないのですか?』
『海はもう懲り懲りだ…ムキムキ髭面の臭え海賊に、塩っぺえ魔物ばかり…禁欲主義の司祭じゃあるまいし、女の居る陸が一番だ』
『大伯父上は、もうお爺さんではないですか』
『いいか、オーソン、よく聞け。歳は関係ない。下の己が元気な間は、女を悦ばせる為に身体を鍛え続けろ。女は海だ。凪の海に緩急付けて潮の流れを作れ。優しく触れて、言葉で責めろ。時間をかけて、己と闘い、女の中心に渦潮を作ったら、舵を慎重に、お前のバウスプリットを、荒ぶり畝る渦潮にーー』
「~~ッオーソンッ!」
「「………?!」」
「はい…?」
「はい。ではない!其方はっ!何を、学んでおったのだっ!」
余程、動揺しているのか…聴覚と視覚を塞ぐべく、俺とナシェルの頭を抱え込んだ伯父上の腕が震え、俺とナシェルを締め付ける。
「……海での、戦い方…ですね」
「………どっちの?」
「……ど、どちらも……だった、様ですね…」
デュバル公爵の答えに脱力した伯父上の腕を解き、乱れた髪を直しながら、肩を窄める公爵へと目を向ける。
哀惜、困惑、怒り、そして羞恥と、俺達3人は様々な感情の荒波に揉まれ、両親の人生との乖離の激しさについて行けず、よもや誰の生涯を聞いているのかと問いたくなるが、それよりも、心配なのは…
「オ、オレリア嬢は、ソル殿を覚えているのですか?」
「覚えています。仲の良い2人でした…」
『大伯父上の上は何だ…?面倒だから大大伯父でいいか…オーリア、大大伯父様だ、呼んでみろ』
『大伯父上…まだ複雑な言葉は話せません』
『お?』
『聞いたかオーソンッ!俺を呼んだぞ!』
『………呼んではないでしょう』
『おおおおおおじしゃまっ!』
『オーリア…おが多いぞ?』
『オーリアのおが、おおおい?オリア?おおおおおおじしゃま?』
『…変に足りないし、増えてる……だが、可愛いから許す。オリアは俺のソルだ!』
『デュバルの女は守られるんじゃない、守るんだ。オリアの中にはその力が眠ってる。すごい力なんだぞ?』
『オリアはしゅごい?』
『オリアはしゅっごく!可愛いぞっ!』
「……加護の力を、知っていたと…?」
「ハハッ…どうでしょう。産まれたばかりの娘が、夢に出て来た赤児にそっくりだとも言ってましたが、デュバルの民は母なる海の子…デュバルの領地には、至る所に子を囲う母の像が立てられているので、そこからきた発想だと思います。そもそも、禁欲主義を美徳とする神の教えは肌に合わないと、聖堂には寄付だけして、祈りに行く事もしませんでしたしね…」
「…教皇も司祭も妻帯者ですし、禁欲でもないですが……貞淑は、重んじますからね…」
娘にデュバルの信念を伝えたかったんでしょうと続けた公爵に、伯父上が満足した様に頷いたが、海だの聖域だの赤児だのと、ソル殿の言い回しが紛らわし過ぎる。
そして、一体どんな筆下ろしだったのか、清々しいまでの女性至上主義…
「娘を立派なデュバルの女傑に育てると、息子に海の全てを教えると、張り切ってましたが……少しずつ、ベッドで過ごす時間が長くなってきまして…」
『母を置いて逝った父を…母の心を踏み躙った祖父達を、俺を生かした母さえも憎いと思った時期もあった…親父の描いた絵も、嫌いだった……だが、広い海に出て、自分の肝の小ささを思い知ってからは、肝を入れ替えて……父と母の悲哀の人生は…俺の幸せな人生で上書きした…ノエリア、デュバルになってくれて…ありがとう……オーソン、アレン、オレリア……俺の付けた名と…デュバルの信念も…遺せたか……お前達と過ごした時間が……人生で……一番…幸せ………』
『おおおおおおじしゃま?おねんね…?』
「目を覚さます事なく、一週間後に…老衰でした……この78年、私達家族は、とても、とても、幸せでした……陛下、この度は、大伯父と娘の願いを受け入れて下さり……っ…感謝致しますっ…」
『次に会うのは、俺が精一杯生きた後だと、決めてたからな。そういう訳で、オーソン。お前に頼みがある。俺が死んだら、父と母の元に連れて行ってくれ…髪の毛一本でいいからよ…頼む』
『髪一本なんて風に飛ばされてしまいますよ?』
『……骨一本で…頼む』
ルスカス、レイダ、ソル…誰も知らない、もう一つの王家の物語。
俺の知るレイダ妃は、ただひたすらに強かった。
その強さの裏側で涙を流し続けていたなどと、思いもしなかった…
霞む視線を向けた先…肖像画のレイダ妃の微笑みからは、幸せだけが伝わる。
隣りに立つルスカスも、少し上がった口角と力強い眼差しが、自信に溢れている。
妻が新しい生命を宿していると知っていたら、その間だけでも、剣を手にする事はなかったかもしれない…
剣を手にしても、知ってさえいれば……いや、過ぎた去った過去に訪れなかった未来を見い出すより、妻だけなく、子を置いて行く無念まで抱えずに済んだ事に救いを見い出した方が、心は楽になる。
『ーー知らない者から知る者へとなり、レイダ妃やデュバルに対する評価が変わったとしても、それでいいと思っています』
国より愛を選んだからと、国を捨てたとは思わない。
子供の存在を秘匿したからと、王家を欺いたとは責めはしない。
そのおかげで、今のダリアがあるのだから…
そのおかげで、ソル殿は…
「波に例えるなんて…ソル殿は、本当に海が好きだったのですね…」
「ハハッ…どうでしょう。海に出ていた頃は女日照りで辛かったと、子供の頃から、苦労話ばかりを聞かされました」
その名に違わない、灼熱の人生を送った…らしい。
しかも、照らす側ではなく、女性に照らされる側…どころか、雨乞いをしていただと…?
「子供相手にそんな話をしておったのか…?」
「デュバルでは、閨の座学は10歳から、房事は12歳になる年から受けるんです。勿論、大伯父からは、閨ではなく、海で生き残る為の戦いを仕込まれました」
普通の貴族家の子息は、座学は12歳から、房事は13歳から始まる。
他と比べると早く感じるが、船が港を離れると、陸に戻るまで短くても3ヶ月、長いと1年以上にもなる為、12を迎える年から遠洋へ演習に向かうデュバル家や軍人の子息達は、キツい船酔いに身体が慣れると、船上で軍人を慰める娼婦に手解きを受けるのだという。
「早熟なのだな…まあ、18年は確かに長い」
「ええ、海賊や魔物より、己との闘いが辛かったと、口を歪ませてましたね…」
娼婦の慰めは何処へ行った…?
『大伯父上は、もう海には出ないのですか?』
『海はもう懲り懲りだ…ムキムキ髭面の臭え海賊に、塩っぺえ魔物ばかり…禁欲主義の司祭じゃあるまいし、女の居る陸が一番だ』
『大伯父上は、もうお爺さんではないですか』
『いいか、オーソン、よく聞け。歳は関係ない。下の己が元気な間は、女を悦ばせる為に身体を鍛え続けろ。女は海だ。凪の海に緩急付けて潮の流れを作れ。優しく触れて、言葉で責めろ。時間をかけて、己と闘い、女の中心に渦潮を作ったら、舵を慎重に、お前のバウスプリットを、荒ぶり畝る渦潮にーー』
「~~ッオーソンッ!」
「「………?!」」
「はい…?」
「はい。ではない!其方はっ!何を、学んでおったのだっ!」
余程、動揺しているのか…聴覚と視覚を塞ぐべく、俺とナシェルの頭を抱え込んだ伯父上の腕が震え、俺とナシェルを締め付ける。
「……海での、戦い方…ですね」
「………どっちの?」
「……ど、どちらも……だった、様ですね…」
デュバル公爵の答えに脱力した伯父上の腕を解き、乱れた髪を直しながら、肩を窄める公爵へと目を向ける。
哀惜、困惑、怒り、そして羞恥と、俺達3人は様々な感情の荒波に揉まれ、両親の人生との乖離の激しさについて行けず、よもや誰の生涯を聞いているのかと問いたくなるが、それよりも、心配なのは…
「オ、オレリア嬢は、ソル殿を覚えているのですか?」
「覚えています。仲の良い2人でした…」
『大伯父上の上は何だ…?面倒だから大大伯父でいいか…オーリア、大大伯父様だ、呼んでみろ』
『大伯父上…まだ複雑な言葉は話せません』
『お?』
『聞いたかオーソンッ!俺を呼んだぞ!』
『………呼んではないでしょう』
『おおおおおおじしゃまっ!』
『オーリア…おが多いぞ?』
『オーリアのおが、おおおい?オリア?おおおおおおじしゃま?』
『…変に足りないし、増えてる……だが、可愛いから許す。オリアは俺のソルだ!』
『デュバルの女は守られるんじゃない、守るんだ。オリアの中にはその力が眠ってる。すごい力なんだぞ?』
『オリアはしゅごい?』
『オリアはしゅっごく!可愛いぞっ!』
「……加護の力を、知っていたと…?」
「ハハッ…どうでしょう。産まれたばかりの娘が、夢に出て来た赤児にそっくりだとも言ってましたが、デュバルの民は母なる海の子…デュバルの領地には、至る所に子を囲う母の像が立てられているので、そこからきた発想だと思います。そもそも、禁欲主義を美徳とする神の教えは肌に合わないと、聖堂には寄付だけして、祈りに行く事もしませんでしたしね…」
「…教皇も司祭も妻帯者ですし、禁欲でもないですが……貞淑は、重んじますからね…」
娘にデュバルの信念を伝えたかったんでしょうと続けた公爵に、伯父上が満足した様に頷いたが、海だの聖域だの赤児だのと、ソル殿の言い回しが紛らわし過ぎる。
そして、一体どんな筆下ろしだったのか、清々しいまでの女性至上主義…
「娘を立派なデュバルの女傑に育てると、息子に海の全てを教えると、張り切ってましたが……少しずつ、ベッドで過ごす時間が長くなってきまして…」
『母を置いて逝った父を…母の心を踏み躙った祖父達を、俺を生かした母さえも憎いと思った時期もあった…親父の描いた絵も、嫌いだった……だが、広い海に出て、自分の肝の小ささを思い知ってからは、肝を入れ替えて……父と母の悲哀の人生は…俺の幸せな人生で上書きした…ノエリア、デュバルになってくれて…ありがとう……オーソン、アレン、オレリア……俺の付けた名と…デュバルの信念も…遺せたか……お前達と過ごした時間が……人生で……一番…幸せ………』
『おおおおおおじしゃま?おねんね…?』
「目を覚さます事なく、一週間後に…老衰でした……この78年、私達家族は、とても、とても、幸せでした……陛下、この度は、大伯父と娘の願いを受け入れて下さり……っ…感謝致しますっ…」
『次に会うのは、俺が精一杯生きた後だと、決めてたからな。そういう訳で、オーソン。お前に頼みがある。俺が死んだら、父と母の元に連れて行ってくれ…髪の毛一本でいいからよ…頼む』
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