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4章.波乱
60.お泊り「このままじゃダメですか?」
しおりを挟む私の掛けた言葉に
「此処のお風呂に入ってきた事自体夢であって欲しいな」
そう言って来るアリーシャの声は優しく温かい声だった。
確かに・・
私が女の子同士が入っているんだから・・そう確信して・・
うんうん~どこからどう見てもスタイルが良くて凄く綺麗な羨ましい位の姉妹がお風呂に入っているだけと思って私は入ってきたのだから!!
いくら私だって恋人同士の男女が裸で愛し合ってる最中にそのお風呂に乱入するなんて事はしないわ!!
でもこうして乱入してる訳だし・・・
あ~~あ・・
こう見ると・・
私って
『悪女』
じゃない!!
「じゃ~私夢見てるんですね」
「そうみたいだな」
それを聞いた詩織さんも
「そうね。此れは咲の夢の中の出来事よ。私も妹が欲しかったのよね。
それが優をこんな風にしてしまった原因なんだけど・・・
二人共、髪洗ってあげるから其処に座りなさい」
詩織さんのその言葉に私は一つの疑問が生まれた。
『妹が欲しかったから?男の子だったアリーシャを女の子として育てたって事?』
凄く・・気になる!!
でも・・こんな状況じゃトテモじゃ無いけど聞けない・・
アリーシャは詩織さんの言われるままに其処にあったお風呂用の椅子に私をお姫様抱っこしたまま座った。
アリーシャが椅子に座ると、詩織さんはまず私の髪を洗った後でアリーシャの髪。そして自分の髪を洗ってゆく。
何時も・・こんな感じで詩織さんとアリーシャはお風呂してるのかな?
ふと・・そんな事を私は思ってしまう。
私は結局お風呂から出るまで、アリーシャにお姫様抱っこされたままだった。
まるで私は、本当のお姫様になったような気持ちになってしまう。
詩織さんがお風呂場のドアを開けてくれて、私はアリーシャにお姫様抱っこされたまま脱衣場まで出てきた。
此処は温度が自動調節されていいるみたいでお風呂場から出てきても違和感を感じない。
『流石お金持ちの家』
「咲立てるか?」
アリーシャは私の顔を覗き込みながら聞いてきた。
私もそんなアリーシャの瞳を見つめながら
「多分・・・」
と答える。
足に力入るから・・・多分・・
『大丈夫!!』
「じゃ~ゆっくり下ろすぞ」
アリーシャはそう言ってゆっくりと私を下に降ろして私の体を支えたまま体を立たせてゆく。
「大丈夫そうだな」
自分一人で立っても大丈夫みたい!!
そう確信して
「大丈夫!!」
そうアリーシャに答える。
アリーシャは私を支えていた手を徐々に外しながら
「咲、凄く言いにくい事なんだけどよ・・・何時まで俺の握ってるつもりなんだよ!!
このままじゃ着替えれないんだけど・・・」
顔を赤く染て恥じらいなから私に告げてくる。
でもアリーシャも凄く恥ずかしいのか私から顔を反らせて横を向いている。
『ですよね~』
幾ら何でも恥ずかしいよね・・・
それを聞いた瞬間私は思い出してしまった。
『握っている事に慣れてしまって・・アリーシャのモノ・・無意識で掴んだままだった』
・・・
な・・なんて言えば良いの?
私・・握ってる事に慣れちゃって・・・
どうしよおぉ~~
思い悩んだ挙句に出てきた言葉は
「離すタイミング逃してる内に掴んでる事に慣れちゃって掴んでる事忘れちゃってました~~このままじゃダメ?・・・ですか?」
つづく・・・
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