仮想現実・夢見る少女

4章.波乱

133.追跡者「此れはきっと夢」

「咲どうしたんだ、急に叫んだりしてさ・」
アリーシャは私が急に
『私も戦う力が欲しい！！』
って叫んだ事にビックリして聞いて来る。

「私もアリーシャに守られてるばかりじゃ嫌じゃない？」
「俺が咲は守ってやるから安心しろ！！」

アリーシャはそう言うけれど・・
私は・・・

『この気持ち一体何？』

自分の気持ちが解らない！！
私、混乱している？

そう・・かもしれない。

こんな異常な状態で、私の思考は壊れちゃったのかも！！


「バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバターー」

高速の下から急速にヘリのメインローターのけたたましい音が響く。
ヘリは高速の華僑の下から一気に私達の走っている高速道路の上空へと舞い上がってきた。

そして上空に見えるそのヘリの開け放たれたドアからは、

『対戦車ミサイルが今にも発射されようとしている』

のが見える。
その瞬間に私の意識と体の感覚はヘリの真上に移動していた。
しかし・・

そんなヘリの真上に浮かんだ私の体は真っ赤に輝くクリスタルで覆われて、私の体はまるで・・

『サイボーグ』

私は夢を見ている？

きっと・・

そう！！

『此れは夢！！』

私は夢を見てるんだ！！
そう思い、無意識の内に思いっきり眼下で浮遊するヘリを蹴り飛ばす。
その瞬間に敵のヘリはアリーシャ達の乗ったフェラーリの真後ろの高速道路の路面に激突し

『大爆発、炎上し機体はバラバラに砕け散ってゆく』

下の高速道路はヘリの残骸が黒煙をあげてゴウゴウと炎を吹き上げている！！
どうせ此れは夢だもの！

『大丈夫～大丈夫～！！』

そう私はお気楽モード。
「咲、お前今何やったんだ」
アリーシャは後部座席から身を乗り出して私にそう言いながら私の体を揺すっている。

「私変な夢をみてたんだ～」
「咲何寝ぼけてんだよ！！俺達もう少しでヘリの直撃を受けて死ぬ所だったんだぞ！！」

「これ夢じゃ無いの？？」

つづく・・・