仮想現実・夢見る少女

神城 リーナ

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5章.初まりの日

177.初まりの日「女の子同士も良いかもね」

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同じ!!
今さっき私が体験した通りの事がまた起きてる!!
でも流石に2回も同じ経験をしなきゃいけないって正直面倒くさい感じ。
でも・・
もしも私がさっき体験した事と違う事をして未来が変わってしまったら?
そう思うと私は結局同じように振舞う事しか出来なかったのだ。

私は本当に

『不思議の国に迷い込んでしまったんじゃないか?』

とさえ思ってしまう。

鮎香さんの
『お持ち帰りされるかもね』
の言葉に
私は再度当然のように
『そんな格好をした達也が私をお持ち帰りするハズないじゃないですか!!』
と鮎香さんに前と同じ言葉を返す。

そんな私の言葉に鮎香さんは
「あ~そうだったわね。アリーシャ達が暗殺者達一味は全部始末したハズだけどもしも残党が残っていてまた襲撃されたらいけないって城中さんを女装させて明日咲とデートする事になってたんだよね。

女の子同士って言うのも変わってて良いんじゃない?
咲めったに経験できる事じゃないしさ~そのままお持ち帰りされて初体験って言うのも最高じゃない?」

そう言って私を嗾けてくる。
私は思わず
「鮎香さん!!女の子同士で初体験ってですね~~~私はノーマルが良いんです~~~~~~~~」
鮎香さんに向かって叫んでいた。
「へ~~初体験には反論しないんだ」
鮎香さんはムキになって言った私を覗き込みながらそう言って微笑んでくる。

詩織は詩織で大きな瞳をキラキラ輝かせながら
「あ~~そうだったね~~明日城中さんにどんな服着せるか考えなきゃ!!楽しみ~」
そんなふうに話して来る詩織の表情はもう達也の女装姿をイメージしているようだ。
その詩織の言葉を受けてアリーシャも空かさず
「うんうんそれじゃ~俺は咲の彼氏をこの俺のテクニックでこの世界で一番綺麗な女性に仕上げてやるぜ!!咲期待して良いぜ!!想像しただけで興奮してきてしまったじゃねえかよ」

と大乗り気!!
「あ~~~~そうだ~~じゃ~~わたし飛びっきりセクシーなランジェリー選んであげるわ!!私も想像したら興奮してきちゃった」

鮎香さんはそう言いながら両手を自分の胸の前で組んで上を向いて自分が選んだランジェリーを付けた達也のセクシーな姿を想像しているみたい・・・

鮎香さんって詩織の気まぐれな言葉の為に詩織の両親に頼まれたとはいえ、男の子だったアリーシャをこんな風にめちゃめちゃ綺麗な女の子にしてしまった張本人なんだよね!!

良く考えたら一番危ない人なんじゃ?

それに皆、達也を女の子に作り上げる話題にハマってしまってんじゃん!!
『ヤバイよヤバイ!!このままじゃどんどん過激な発言出てきそうで怖い・・何か話題を振って話しを逸らさなきゃ!!』

「皆~何達也を女の子にする事で盛り上がってるのよ~~今日は海に遊びに来たんでしょ?そんな話は帰りの車の中で盛り上がれるでしょ!!今はこの海で楽しもうよ」

と私は皆に話題を振ってお伺い!!

うう~これ成功するかな?
皆私の話についてきてくれたらいいんだけど・・


「うんうん、咲も鮎香も靴脱いで海の中に入っておいでよ!!海の中のほうが暖かいんだよ~」
早速アリーシャが私の話に乗ってきた!!

『ラッキー!!でもこの寒空の中で海の中の方が暖かいって?嘘じゃない?』
でも・・

私が此処で戸惑っちゃ~せっかくアリーシャが私の話題に乗ってくれたんだ!!
え~~い女は度胸!!
「咲~~いっきま~~す」
そういった瞬間に私は履いていたパンプスを脱いで左手に持った瞬間アリーシャの居る波打ち際にダッシュ!!
そしてそのままアリーシャの胸の中に飛び込んでアリーシャを抱き締めた。
アリーシャが言ったように・・

『海の中の方が暖かい!!』
多分暖流のせいで寒い外気よりも海の水の方が暖かいのだろう。
私の顔はそのままアリーシャの柔らかい胸の谷間に吸い込まれてゆく。
私が思いっきりアリーシャの胸に飛び込んだ為にアリーシャは波打ち際の砂に足を踏ん張れずに体制を崩し崩した姿勢を立て直す為、アリーシャは私をギュッと抱き締めてきた。


アリーシャの華奢な体の中にグッと抱き込まれる私の体
息が出来ないくらい強く抱きしめられた私の体はそれとは正反対に

『もっと強く・・モット!!モット~~~!!』

そんな風に求めてしまっている。

抱き締められた私の体中は次第に快感に包まれてゆく。

「あんっ」

私はその抱き締められた快感に声を上げてしまっていた。
「咲私の優を取らないでよ」
横に居た栞が空かさずそう言って私達の間に割り込んでくる。
そんな詩織の割り込みにアリーシャは左胸に詩織を右胸に私を抱え込んで波打ち際で抱き合ってしまっていた。
「しょうがないわね。半分だけ貴方に貸すわ」
詩織はアリーシャの胸に半分顔をうずめて私の方を見ながらそう言葉を掛けてくれている。
詩織なにろ気遣いなんだろう。
「詩織気にしてくれるんだありがとう」
私も半分アリーシャの右胸に顔を埋めながら詩織に言葉を返す。
私と詩織はアリーシャの胸に抱えられたままそんな風に見つめ合っていた。

「咲~~待ちなさいよ~~!!私を置いてくな~~~」
のけ者にされたと思ったのか鮎香さんがそう叫びながら靴を脱ぎながら私の方に走ってきている。

その姿を見て私と詩織は

「くすっ」
「くすっ」

っと思わず笑い合ってしまう。
やっと追いついた鮎香さんは私達の状態を見て

「ひど~~い私だけ除け者なんだ~~」
とめちゃ期限わるそうな表情でブーイング!!

アリーシャは・・
「しゃ~~ないな~~鮎香も入れば良いじゃん」
と私と詩織を抱いた手を開けて鮎香さんを手招き。

「良いの~~じゃ~遠慮なく!!」
鮎香さんはまん丸な瞳をキラキラ輝かせて空かさず私達の方に一気に飛び込んでくる。
そして一言

「良いにゃん~~」

そう言って私達に鮎香さんの頬をスリスリして来たのだ。
『にゃん・・・ってね・・・』
そう思い鮎香さんの行動のチグハグさに思わず

「くすっ」

っと笑ってしまっていた。
アリーシャがそんな鮎香さんに
「鮎香お前咲に笑われてんぞ~」
と早速突っ込み!!

「うんうんにゃんは無いよね~」
そう言って詩織にも突っ込まれる始末。

鮎香さんはそんな私達の突っ込みを気にもせず

「女の子同士も良いかもね」

と意味不明な言葉を発して超~ご機嫌だ。
『鮎香さん女の子が好きなの?』
一瞬そう疑ってしまいたくなる私。

私達はそうやって暫くの間抱き合っていた。
突然沈黙を破ったのは詩織

詩織は徐に空を見上げながら

「星空綺麗ね」

と呟いたのだ。
その詩織の言葉に抱き合っていた私達は一斉に真っ暗な夜空を見上げると空には満天の星空が広がっていた。
「うんうん綺麗だ」
「本当ね」
「へ~都会の近くでもこんなに綺麗に星空見えるんだ~」
口々にそんな言葉を呟いて皆で暫くそんな星空を見上げていた。

そういえば時間も零時を過ぎている。
夜も更け多分周りの家の明りが消えて来たからこんなに綺麗に見えているのかもしれないななんてメルヘンな事を想像しちゃった私。

鮎香さんも時計を見て
「もう零時過ぎちゃったね。今日の朝は皆で咲の彼氏めちゃめちゃ可愛く仕上げてあげなきゃいけないからそろそろ帰ろうか・」
と言った言葉で私は現実に引き戻される。

『そうだった・・もう今日の朝なんだ!!達也を女の子の姿にして私とデートするんだった~~』
ひ~~・・・
私は浜辺で取り繕う為に言った突然思い出した。

そう私が言った・・・

『皆~何達也を女の子にする事で盛り上がってるのよ~~今日は海に遊びに来たんでしょ?そんな話は帰りの車の中で盛り上がれるでしょ!!今はこの海で楽しもうよ』

そして帰りの車の中は私が言った通り、達也をどんな女の子の姿にするかって話題で大いに盛り上がった。

私は車の中で居る間

「うわ~~・・」

「そんな~~・・」

「え~そんな格好させるんですか~?」

「達也にそんな奇抜なランジェリー着けさすんですか~~?」


「ひぇ~~」


「うそ~~」

って感じで鮎香さん、アリーシャ、詩織の盛り上がりに私は悲鳴に近い声を上げ続けてしまっていたのだった。

あ~~今日の朝どんな風にされちゃうんだろう???

そう一抹の不安が私の胸に過るのだった。

つづく・・・
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