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第2話:さざなみの玉椿⑦
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翌日、定例通りの執務を早めに切り上げ、頭中将は中務省へ向かった。
建礼門辺りで目当ての人物を見付け、一人であることを幸いとばかりに声を掛ける。
「恒泉殿!」
呼ばれた男は、驚いたように立ち止まった。親しくもない人物に名指しで呼び止められたのだから当然かもしれないが、それにしてはやや大仰に過ぎるようにも思われる。
動揺は瞬時に掻き消え、中務の少輔・橘恒泉は、隙のない所作で礼を取った。
「これは……薔薇の君」
「――頭中将、と」
やんわりとした訂正には、「失礼」と軽やかな笑みが返される。細面の輪郭に切れ長の瞳は、一見すると情の薄そうな印象を与えるが、一般的には美しいと形容されるに相応しい容貌と言えるだろう。
「この度は、また面倒なことになりそうなご様子……心中お察し致しますよ」
恒泉は僅かに眉根を寄せて、同情するように小さく頷いた。言い分から察するに、やはり河原院の最新情報は彼の耳にも届いているのだろう。「それなのだが」と、頭中将は笏を手の中で小さく打ち鳴らした。
「私としても、宴の松原の時のような事態は避けたいのでね。先日は、皆の前でつい自説を講じるような真似をしてしまったが、正直河原院の件について、私はさほど詳しくはない。それ故、改めて恒泉殿とお抱え陰陽師殿のご賢察を拝聴できればと思ったのだが」
自身の不明を詫びつつの頭中将の弁に、恒泉は「ほう」と興味深げに唸った。口元には満更でもなさげな笑みが浮かんでいる。
「私が動く必要はない」との昨夜の主張を自ら覆す気になったのは、家人達の集めてきた情報を、より正確に精査する必要性に気付いたからだ。頭中将は河原院の事件を、最初から注視していた訳ではない。丑三つ時の百鬼夜行が信じられていた時代にあって、魑魅魍魎との接触譚など、そこら中に転がっている。今回もそのような怪談話の一つと捉えていたところに投じられたのが、一輪の薔薇の花だ。これによって、河原院は宴の松原事件と完全に結び付いた――頭中将への悪意という点において。しかし、最初から犯人と疑われていた時とは違い、頭中将には河原院について、噂話程度の知識しかない。事件全体に詳しげな中務の少輔の話を聞いてみようと思い立ったのはそのためだ。子飼いの陰陽師とやらの存在にも興味をそそられる。紫苑に呆れられたからという訳では決してない。
恒泉は事件の概要について、過不足なく理路整然と、判明している事実を説明してみせた。結果的に、頭中将がこれまでに知り得た情報にさほどの欠落はなかったようだが、それが理解できたのも、恒泉の話振りによるところが大きい。
そもそも、恒泉が当初から事件に注目していたのは、父親が播磨の国司をしていた頃に知己を得、その後京で再会したのを幸いと雇い入れた、陰陽師の発言が発端なのだという。重岡の何某というその人物は、事件の第一報を耳にし、意見を求めた家人に対して答えたのだそうだ――「陰陽家として気になる点もあれば、それだけに不可解な点もある」と。図らずも、先日頭中将が口にした「魑魅魍魎の類いにしては、人の作為が窺われる」点を、その陰陽師も指摘していたということになる。
「続いて起こった事件や、重岡の見解を踏まえて――私個人では、いずれかの陰陽師が、鬼の仕業と見せ掛けた自作自演を行っているのではないかと推測しております」
「なるほどな……」
恒泉の推論を受けて、頭中将は考え込むように腕を組んだ。あの時口を挟まなければ、恒泉は自分と同じように、人の手による犯行だと結論付けようとしていたらしい。確かに、陰陽師であれば、常人よりは鬼の真似事にも信憑性は出よう。だが、一体何のために? 鬼の仕業と見せ掛けることに、意味はあるのだろうか。
頭中将の疑問に対し、橘恒泉は「さぁ」と曖昧に頭を振る。
「しかし、名声を得る手段としては、申し分ないのでは?」
馬鹿な、と一笑に付しかけて、頭中将ははたと瞳を瞬かせた。断定は避けながらも、恒泉は自身の論によほどの自信がある様子だ。播磨出身の陰陽師を抱えていることのほかにも、恒泉の属する中務省の職掌には、陰陽寮も属している。そしてその陰陽師達の長たる陰陽頭であっても、官位は従五位下。決して高位とは言い難い。もしかすると、中務の少輔は、彼らの悲哀や憤懣を、日頃から感じざるを得ない立場にあるのかもしれない。
「――では、今回に限り、急に現場に薔薇の花が残されていたことについては、いかがお考えか?」
恒泉が自信なさげに視線を泳がせたのは、頭中将が最後にと、最も知りたかったことを聞いてみた時だけだった。それまでの、いかにも利発そうな態度はなりを潜め、申し訳なさげに瞳を伏せる。
「そちらに関してはわかりかねます。やはり以前のように、頭中将殿を貶めんとする者の企みか……」
言葉を濁したのは、誰かの恨みを買っている事実を、頭中将に直接突き付けることを回避するための配慮だったのだろうか。
教授の礼を述べた頭中将に対し、恒泉もまた丁寧な辞去の挨拶を寄越す。
踵を返した恒泉の束帯から、ふわりと芳しい香りが漂った。それが麝香であることを認知した頭中将はしかし、黙って細い背を見送る。
橘家の家格であれば、麝香の入手など造作もないであろうことは、上流階級に生まれ付いた者であれば周知の事実のようなものだったからだ。
●
現状の宮中において、頭中将以上に薔薇の花との関連を思わせる人物は居まい。
となれば、殺人――或いは誘拐及び死体遺棄の現場に薔薇の花を残していくという行為は、頭中将に嫌疑を向けさせるための工作と捉えるのが自然だろう。しかも、この時機に至って急に、だ。第一、第二の事件では、このような小細工は確認されていない。となれば、犯人の側に心境または状況の変化があったとみるのが妥当だろうか。とはいえ、工作があまりに稚拙で、頭中将を恨む別な誰かが河原院事件に便乗したとの線も考えられなくはない。
いずれにせよ、頭中将が誰かに、殺人犯か鬼の濡れ衣によって破滅せよとの悪意を向けられていることだけは確かだ。原因はもしかしたら、頭中将の側の落ち度の可能性もなくはない。しかし、そもそも上流階級に生まれ落ち、余程のことがない限りは出世を約束された身分である時点で、他人の恨みは買いやすかろう。その上頭中将は、諸事に秀でた能力の高さと、美しい容貌を兼ね備えている。男は才能、女は色事と、他者の嫉妬に晒される材料は揃っているのだ。
こうなると、宴の松原事件の折も散々悩まされたのと同様に、犯人の目星を付けることさえ難しい。
少しでも有益な情報はないかと悩んだ頭中将が向かったのは、やはり、この世で唯一己に比肩すると認めた、友人の屋敷だった。
「私を特別に恨んでいそうな人物に、心当たりはないだろうか」
単刀直入に聞いた頭中将に対し、源氏の中将は整った眉を寄せて、微苦笑を漏らした。本来、己を疎む人物についての話題など、好ましいものではない。それを真正面から尋ねてきた頭中将の潔さが、却って壷に嵌ったと見える。脇息に凭れる様子は、打ち解けた間柄であるからこそだが、今日も目の覚めるような美しさだ。
小さく肩を揺らした後、源氏の中将はふと遠くを見るような眼つきになった。「そうだねぇ」と呟きながら、考え込むように笏で口元を覆う。
自分がこうなのだから、彼もまた、己の意図せぬところで恨みを買う人生を厭うところもあるのだろう――圧倒的な共感を覚えながら、頭中将は友人の言を待った。
「仰る通り、貴方も私も出世や色事で男女の恨みを買うことは多かろう――しかし、強いて言うなら、だ。今でも貴方の奥方を想う者があれば、貴方への恨みはさぞや年季が入ったものでしょうね」
「……四の君を?」
これまで考えてもみなかった切り口に、頭中将は素直に驚いた。
確かに、正妻の四の君の父は現職の右大臣であり、政治的な後ろ盾としては申し分ない。そして彼女自身もまた、気高く美しい姫として名高かった。妻にと望む者も少なくはなかっただろう。結果結び付いたのが、敵対勢力でもある左大臣の嫡男・頭中将だったのだから、思わぬ伏兵に漁夫の利を浚われた者達の嘆きと怒りは、推して知るべしといったところか。
「それは、いったい?」
元々夫婦仲があまり良くなかったせいだろうか。婚姻からこちら、これほど「有り得そうなこと」をまったく想像もしなかった自分に少々動揺しながら、頭中将はより具体的な情報を求めた。
しかし、源氏の中将は困ったように頬杖を突く。
「可能性としての話ですからねぇ……そもそも私は今回の事件に詳しくはないし、ここで根拠もなく名を挙げて、事件とは無関係であったら、それこそ冤罪に繋がりかねない」
この口振りでは、何人か心当たりがあるのかもしれない。とはいえ、確かに他人の色恋など、噂以外に知り様がないというのも事実だ。「独身時代の四の君に言い寄っていた」という過去があるだけで、今も頭中将を恨んでいる容疑者にされてしまっては、当事者も堪ったものではないだろうし、実際に冤罪に悩まされている頭中将が、やっていいことではない。自身に偏見を植え付けるのは、辞めた方が無難だろうか。
それ以上の追究を諦めた頭中将に対し、源氏の中将は「貴方のそういったところが好ましいと思いますよ」と最上級の称賛をくれたのだった。
建礼門辺りで目当ての人物を見付け、一人であることを幸いとばかりに声を掛ける。
「恒泉殿!」
呼ばれた男は、驚いたように立ち止まった。親しくもない人物に名指しで呼び止められたのだから当然かもしれないが、それにしてはやや大仰に過ぎるようにも思われる。
動揺は瞬時に掻き消え、中務の少輔・橘恒泉は、隙のない所作で礼を取った。
「これは……薔薇の君」
「――頭中将、と」
やんわりとした訂正には、「失礼」と軽やかな笑みが返される。細面の輪郭に切れ長の瞳は、一見すると情の薄そうな印象を与えるが、一般的には美しいと形容されるに相応しい容貌と言えるだろう。
「この度は、また面倒なことになりそうなご様子……心中お察し致しますよ」
恒泉は僅かに眉根を寄せて、同情するように小さく頷いた。言い分から察するに、やはり河原院の最新情報は彼の耳にも届いているのだろう。「それなのだが」と、頭中将は笏を手の中で小さく打ち鳴らした。
「私としても、宴の松原の時のような事態は避けたいのでね。先日は、皆の前でつい自説を講じるような真似をしてしまったが、正直河原院の件について、私はさほど詳しくはない。それ故、改めて恒泉殿とお抱え陰陽師殿のご賢察を拝聴できればと思ったのだが」
自身の不明を詫びつつの頭中将の弁に、恒泉は「ほう」と興味深げに唸った。口元には満更でもなさげな笑みが浮かんでいる。
「私が動く必要はない」との昨夜の主張を自ら覆す気になったのは、家人達の集めてきた情報を、より正確に精査する必要性に気付いたからだ。頭中将は河原院の事件を、最初から注視していた訳ではない。丑三つ時の百鬼夜行が信じられていた時代にあって、魑魅魍魎との接触譚など、そこら中に転がっている。今回もそのような怪談話の一つと捉えていたところに投じられたのが、一輪の薔薇の花だ。これによって、河原院は宴の松原事件と完全に結び付いた――頭中将への悪意という点において。しかし、最初から犯人と疑われていた時とは違い、頭中将には河原院について、噂話程度の知識しかない。事件全体に詳しげな中務の少輔の話を聞いてみようと思い立ったのはそのためだ。子飼いの陰陽師とやらの存在にも興味をそそられる。紫苑に呆れられたからという訳では決してない。
恒泉は事件の概要について、過不足なく理路整然と、判明している事実を説明してみせた。結果的に、頭中将がこれまでに知り得た情報にさほどの欠落はなかったようだが、それが理解できたのも、恒泉の話振りによるところが大きい。
そもそも、恒泉が当初から事件に注目していたのは、父親が播磨の国司をしていた頃に知己を得、その後京で再会したのを幸いと雇い入れた、陰陽師の発言が発端なのだという。重岡の何某というその人物は、事件の第一報を耳にし、意見を求めた家人に対して答えたのだそうだ――「陰陽家として気になる点もあれば、それだけに不可解な点もある」と。図らずも、先日頭中将が口にした「魑魅魍魎の類いにしては、人の作為が窺われる」点を、その陰陽師も指摘していたということになる。
「続いて起こった事件や、重岡の見解を踏まえて――私個人では、いずれかの陰陽師が、鬼の仕業と見せ掛けた自作自演を行っているのではないかと推測しております」
「なるほどな……」
恒泉の推論を受けて、頭中将は考え込むように腕を組んだ。あの時口を挟まなければ、恒泉は自分と同じように、人の手による犯行だと結論付けようとしていたらしい。確かに、陰陽師であれば、常人よりは鬼の真似事にも信憑性は出よう。だが、一体何のために? 鬼の仕業と見せ掛けることに、意味はあるのだろうか。
頭中将の疑問に対し、橘恒泉は「さぁ」と曖昧に頭を振る。
「しかし、名声を得る手段としては、申し分ないのでは?」
馬鹿な、と一笑に付しかけて、頭中将ははたと瞳を瞬かせた。断定は避けながらも、恒泉は自身の論によほどの自信がある様子だ。播磨出身の陰陽師を抱えていることのほかにも、恒泉の属する中務省の職掌には、陰陽寮も属している。そしてその陰陽師達の長たる陰陽頭であっても、官位は従五位下。決して高位とは言い難い。もしかすると、中務の少輔は、彼らの悲哀や憤懣を、日頃から感じざるを得ない立場にあるのかもしれない。
「――では、今回に限り、急に現場に薔薇の花が残されていたことについては、いかがお考えか?」
恒泉が自信なさげに視線を泳がせたのは、頭中将が最後にと、最も知りたかったことを聞いてみた時だけだった。それまでの、いかにも利発そうな態度はなりを潜め、申し訳なさげに瞳を伏せる。
「そちらに関してはわかりかねます。やはり以前のように、頭中将殿を貶めんとする者の企みか……」
言葉を濁したのは、誰かの恨みを買っている事実を、頭中将に直接突き付けることを回避するための配慮だったのだろうか。
教授の礼を述べた頭中将に対し、恒泉もまた丁寧な辞去の挨拶を寄越す。
踵を返した恒泉の束帯から、ふわりと芳しい香りが漂った。それが麝香であることを認知した頭中将はしかし、黙って細い背を見送る。
橘家の家格であれば、麝香の入手など造作もないであろうことは、上流階級に生まれ付いた者であれば周知の事実のようなものだったからだ。
●
現状の宮中において、頭中将以上に薔薇の花との関連を思わせる人物は居まい。
となれば、殺人――或いは誘拐及び死体遺棄の現場に薔薇の花を残していくという行為は、頭中将に嫌疑を向けさせるための工作と捉えるのが自然だろう。しかも、この時機に至って急に、だ。第一、第二の事件では、このような小細工は確認されていない。となれば、犯人の側に心境または状況の変化があったとみるのが妥当だろうか。とはいえ、工作があまりに稚拙で、頭中将を恨む別な誰かが河原院事件に便乗したとの線も考えられなくはない。
いずれにせよ、頭中将が誰かに、殺人犯か鬼の濡れ衣によって破滅せよとの悪意を向けられていることだけは確かだ。原因はもしかしたら、頭中将の側の落ち度の可能性もなくはない。しかし、そもそも上流階級に生まれ落ち、余程のことがない限りは出世を約束された身分である時点で、他人の恨みは買いやすかろう。その上頭中将は、諸事に秀でた能力の高さと、美しい容貌を兼ね備えている。男は才能、女は色事と、他者の嫉妬に晒される材料は揃っているのだ。
こうなると、宴の松原事件の折も散々悩まされたのと同様に、犯人の目星を付けることさえ難しい。
少しでも有益な情報はないかと悩んだ頭中将が向かったのは、やはり、この世で唯一己に比肩すると認めた、友人の屋敷だった。
「私を特別に恨んでいそうな人物に、心当たりはないだろうか」
単刀直入に聞いた頭中将に対し、源氏の中将は整った眉を寄せて、微苦笑を漏らした。本来、己を疎む人物についての話題など、好ましいものではない。それを真正面から尋ねてきた頭中将の潔さが、却って壷に嵌ったと見える。脇息に凭れる様子は、打ち解けた間柄であるからこそだが、今日も目の覚めるような美しさだ。
小さく肩を揺らした後、源氏の中将はふと遠くを見るような眼つきになった。「そうだねぇ」と呟きながら、考え込むように笏で口元を覆う。
自分がこうなのだから、彼もまた、己の意図せぬところで恨みを買う人生を厭うところもあるのだろう――圧倒的な共感を覚えながら、頭中将は友人の言を待った。
「仰る通り、貴方も私も出世や色事で男女の恨みを買うことは多かろう――しかし、強いて言うなら、だ。今でも貴方の奥方を想う者があれば、貴方への恨みはさぞや年季が入ったものでしょうね」
「……四の君を?」
これまで考えてもみなかった切り口に、頭中将は素直に驚いた。
確かに、正妻の四の君の父は現職の右大臣であり、政治的な後ろ盾としては申し分ない。そして彼女自身もまた、気高く美しい姫として名高かった。妻にと望む者も少なくはなかっただろう。結果結び付いたのが、敵対勢力でもある左大臣の嫡男・頭中将だったのだから、思わぬ伏兵に漁夫の利を浚われた者達の嘆きと怒りは、推して知るべしといったところか。
「それは、いったい?」
元々夫婦仲があまり良くなかったせいだろうか。婚姻からこちら、これほど「有り得そうなこと」をまったく想像もしなかった自分に少々動揺しながら、頭中将はより具体的な情報を求めた。
しかし、源氏の中将は困ったように頬杖を突く。
「可能性としての話ですからねぇ……そもそも私は今回の事件に詳しくはないし、ここで根拠もなく名を挙げて、事件とは無関係であったら、それこそ冤罪に繋がりかねない」
この口振りでは、何人か心当たりがあるのかもしれない。とはいえ、確かに他人の色恋など、噂以外に知り様がないというのも事実だ。「独身時代の四の君に言い寄っていた」という過去があるだけで、今も頭中将を恨んでいる容疑者にされてしまっては、当事者も堪ったものではないだろうし、実際に冤罪に悩まされている頭中将が、やっていいことではない。自身に偏見を植え付けるのは、辞めた方が無難だろうか。
それ以上の追究を諦めた頭中将に対し、源氏の中将は「貴方のそういったところが好ましいと思いますよ」と最上級の称賛をくれたのだった。
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