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7)初エッチは着ぐるみパジャマで
しおりを挟む新しいアパートに引っ越して住み慣れた頃、招かざる客がやってきた。
「ちわー。こちら注文の品っす、返品不可だから責任もって始末よろしくーん☆」
(なんで、ここが解ったんだろう)
美理は思わず現実逃避していた。アパートに移り住んでから一週間。
しばらくは誰も来ないだろうと思っていた時、ドアホンが鳴った。
何故と思って見れば、宅配便だという声に慌てて、開けてみれば納多君登場☆そしてその後ろに立っていたのが、静かに怒り狂っている芽都留だったり。ちなみに、美理は某キャラクターの着ぐるみ姿のままだ。
美理はため息をついた後、芽都留を指さしながら、宅配人に変装していた納多に話しかけた。
「納多君、この注文は頼んだ覚えないんだけれど?」
「いやぁ、注文はちゃんとされてるんだよね。ほかならぬボス本人から」
「身売りはお断りです」
「お前ら、いい加減にしろ。そして、納多は帰れ」
「ひどっ!!頑張ってココ突き止めたの、俺なのにーーー!!」
「借りは今度返す。だから、今日はととっとカエレ」
棒読みで手を振り払った芽都留にひでぇえええっとどう見ても嘘くさい演技をしてから消えていく納多を見送った美理はナチュラルに扉を閉めようとした。
が、当然そこで芽都留が諦めるわけはなく。ドアの間に靴をむりやり挟んで完全に閉まらないようにしてきていた。
「ちょ、閉めたいんだけれど!」
「俺さ、今すっげぇ怒ってるんだけれど、その理由がわかる?」
「・・・・わ、からないよ」
「はぁ。アパートに荷物を整理したから戻る。そこまではいいよ。でもなんで、そこから行方不明になる必要がどこにあるの?」
「えっと」
「すっげぇ、心配して、アパートに行ってみればもぬけの殻で」
ぐぃっと芽都留がドアをこじ開けた時、美理は一瞬の隙をつかれてノブを離してしまい、ドアが完全に開いてしまった。それにパニックになった美理は奥の方へと逃げだした。だが、芽都留にとっては都合が良いわけで、玄関に入った後、内鍵をかけている。
ガチャと絞まる音が聞こえた時、美理は自分のミスに気づいたが後の祭りだ。だらだらと冷や汗をたらしながらも自分の部屋のベッドの上でクッションを抱えて座り込んでいた。その部屋へ芽都留が呆れた様子で入ってきた。
「美理さ、本当、一人になると危なっかしい。不審者に襲われても文句言えないぐらい墓穴掘ってるし」
「うぅ・・・芽都留だからだもん。芽都留以外なら危機感持って対処できるからいいもん」
「可愛い事言ってもダメ。とにかくさ、俺が納得いくように説明して?」
「おこらない?」
「内容による」
ため息をつきながら、芽都留はコートを脱ぎ、美理を抱える様に座り込んだ。上目遣いで見上げてくる美理に一つ口づけをしてから、話を促す。
美理は、キスされて艶めいた唇で渋々と言ったように説明し出した。
「ってことがあって、ちょっと嫌な気分になったというか」
「ちょっと待て、マジでわけわからねぇ。俺の携帯に須賀のお嬢様が出ただと?」
眉間に皺を寄せながら、芽都留が美理を抱きしめながら思案している。これは本当に身に覚えがないのだろうか。訝(いぶか)しく思った美理はおそるおそる聞いた。
「預けたんじゃないの?」
「預けるわけあるか。大体、スポンサーの娘じゃなかったらとっくに蹴とばして追い出している。それぐらいうっとうしいヤツだった」
「じゃ、なんで、次の日・・・う、ううん、やっぱりいい」
「おぃ、そこでなんで黙るんだ。気になってることは全部言え」
芽都留がぐいっと美理の顔をあげさせて何度も深い口づけをしていく。次第に絡まる舌の熱に浮かされながら芽都留の舌を味わっていた美理は芽都留が離れた時、根負けしたようにぼそりと呟いた。
「帰ってきた時にキスしてくれなかったから」
「何気に、キスの挨拶気に入ってた?」
はっきり答えたくなかった美理はぷいっと顔を逸らしたが、顔が真っ赤だと指摘されてそのままクッションに顔をうずめた。すると、気をよくしたらしい芽都留がペロッと美理の耳たぶを舐めてきた。
「ひゃんっ・・・!」
「ほんっとうに可愛いな、美理は。」
「・・・・答え、になってない」
「実は朝にコンビニに寄ってミントガムを食べてた」
「ミントっ!?」
「そ。美理はミントの香りも味も苦手だろう。だから、キスは止めておこうと思ったんだよね」
「そ、うだったんだ。」
「タイミングも悪かったんだな。でも、電話については本当に身に覚えがない。携帯もずっと持っていたし」
「なんか遠隔操作したとか?」
「かもな。それはまた納多に調べてもらおう。とりあえず・・・」
「えっ・・・えっええ?」
いきなり芽都留に押し倒されて、驚く美理だが、芽都留は気にした様子もなく、美理の着ぐるみに手をかけ、チャックを外そうとしている。
着ぐるみの下はもはや下着しか着ていないので、美理としては死活問題である、何が悲しくてよりによって可愛くない下着の時にひんむかれるとか拷問だと慌てて足をバタバタさせた。
「やっ・・・やだっ・・・今日の下着可愛くないしっ!」
「気にするのはそこか。なぁ、美理。俺たちは現状、付き合っていないことになっている。その隙をあのお嬢様に突かれたんだと思う」
「ふみゃ?」
「もうお互い両想いなのはわかってるし、ととっと、一緒になっちまおう。そしたら、美理も堂々とできるし、あのお嬢様も何も言えなくなるだろうしな」
「なんかその、言い方」
「本当はもうちょっといいムードでヤるつもりだったのをお前が逃げたからこうなったんだ。罰という意味でも受け入れろ。また今度改めて仕切り直してヤるから」
「うっ、や、ヤるの言い方がエッチに聞こえる!ああっ、やっ!」
一気にチャックを引き下ろされて、美理曰く可愛くない下着が空気にさらされて、芽都留の目の前にとまった。真っ赤になりながらも、慌てて両手で隠そうとするが、芽都留の方が早くブラの中へと手を忍ばせた。
「やっ」
「大丈夫、ピンクストライプ柄は充分可愛いぞ」
「そういう問題じゃなぁいっ!!」
「大人のレース系は次回に期待しとく」
「それも、問題がちがっ・・・んっ」
芽都留の手が美理の背中へと伸びて、ブラのホックを外していく。そしてそのまま、下の方へと下がっていく大きな手の感触に、思わず背中をしならせた。そしてその手がパンツの中へと入り、肉付きのよいヒップをなでていく。それと同時にももう片方の手が美理の身体を動かし、着ぐるみを外していく。
布団の上で裸になってしまった美理は真っ赤になりながら前の方を隠そうとうつ伏せになるが、その隙を狙って、芽都留は上半身の服を脱ぎながら、美理の胸を揉んでいった。
「つ、冷たい・・っ!」
「すぐ温かくなるから心配するな」
「よ、余裕あるんだね」
「ねぇよ、俺も今から童貞捨てるところなんだから」
「男も大変なんだ」
「もう黙れ・・・ほら」
「ん・・・・んっ・・・・そ、それ・・きつい・・・っ!」
当然、快感を与えられた美理が涙目になるのも無理ないことで。
次第に双頭がぷっくりと膨らんでいくのを感じたのか、芽都留がきゅっと強めに握った。そこで、美理がびくっと震える様に身体を竦ませた。
「そろそろ、ココに指を入れるぞ」
「わざわざ、いちいち言わなくて、も・・・いいっ!!!」
それを頃合いと見たのか、芽都留は美理の陰部へと手をのばし、指を差し入れた。熱を帯びたそこは芽都留の指をぎゅっと締め付ける様に舐めかしく動いている。快感からか、震える足を必死に伸ばそうとする美理の顔に何度も口づけしながら芽都留は陰部に入れた指を増やしていった。なぜかその頃には芽都留も裸になっていて、しばらく身体を絡めあっていた。
美理の様子からして、もう大丈夫だろうとすでにガチガチになっている陰茎を陰部へと差し入れていく。
少しずつ突かれていく感覚を痛みを堪えながら、受け入れようとする美理は涙目になりながらも、ぼんやりと覆いかぶさってくる芽都留を眺めていた。
美理の裸は汗びっしょりで欲情の香りを放ちながら、芽都留を受け容れようとしている。その女の香りに誘われるように芽都留は一気にワレメを貫いた。
「やっ・・・やぁあああっ!!」
痛みで首を振る美理を抑えるようにキスで口を塞ぐ。しばらく弓なりに体を仰け反らせる美理に合わせてじっとしていた芽都留だが、美理がようやく呼吸を整えたのを確認すると、すぐに腰を振り出した。
獣のように腰を振ってくる芽都留に雄の匂いを感じたのか、美理はぞくりとした欲情を感じ、芽都留の肩に腕を絡めて揺さぶりに身を任せた。
部屋中に充満する男女の絡み合う匂いの中、獣のようにずっと絡み合っていた。
ようやく熱が収まった頃、喉が渇いたといって芽都留が起き上がり、勝手知ったる態度で冷蔵庫からお茶を取り出した。腰の痛みを堪えながら美理も起き上がって座ると、べたべたした感触が気になったのか、シーツをつまんだ。
「うわぁ、洗濯が大変。シーツびしょびしょ」
「めちゃくちゃすげぇ、感じてたもん」
「芽都留だって、そうじゃん」
「ああ、とても気持ちよかったから」
「中だしするなんて信じられない」
「避妊具を用意してなかったんだよ。まあ、どっちにしても結婚するつもりだから問題ないだろう」
「・・・ムードの問題です!」
むーっと唸るように言う美理だが、顔は照れたように真っ赤になっていた。それが照れ隠しだと解っていた芽都留はクククッと笑いながらベッドへと戻っていった。
「とりあえず、今日はここに泊まるわ。明日には俺の家に引っ越しな」
「・・・あ、家賃の支払い」
「そんなもの、俺がやってやる。ついでに、あのお嬢様への引導も渡さないとな」
「そういえば、須賀さんはまだ会社に来ているの?」
「さぁ。3日ほど出張だと嘘をついて休んでいたからわからないな」
しれっと言う芽都留に美理はため息をついた。美理が裸のままベッドから降りるのを見た芽都留がどうするんだと聞くと、風呂に入ると脱衣室から返事が返ってきた。
それを聞いた芽都留が簡単に頷くはずがなく、俺もと追いかけていく。しばらく二人の掛け合いが聞こえていたが、しばらくして美理の喘ぎ声が聞こえてきたことから、美理が押し負けたのだろうと察せられる。
芽都留が気持ちよい風呂だったとさっぱりした声で呟けば、美理はシーツを入れ替えたベッドの上でぐったりと横たわっていた。ちなみに、今度は某クマキャラクターの着ぐるみを着ている。
「も、無理ぃ・・・」
「気持ちよかったな、風呂も。風呂の中のセックスって、お湯が入ってくるのも相まってめっちゃ出し入れがスームズでよい。美理も嬉しそうにアンアン喘いでたし」
「変態、スケベ、バカ、エッチ・・・」
「男はみんなそういうもんなの。そうだ、今度は温泉に行くか?」
「それ、エッチ目的だよね?」
「旅行を楽しむ事も大事なと思って」
笑いながら芽都留はぐったりとしている美理のおでこに口づけた。美理はそれに騙されないぞとばかりに目を細めた。
「温泉と引っ越しはいいとして。須賀さんのことはどうするの?」
「まあ、まずは俺たちの携帯を納多に渡して、解析してもらおう」
「ああ、そうか。納多君なら何かわかるかもしれないね。よし、もう寝よう」
ニヤリと笑う芽都留の意図が解ったのだろう、美理はため息をつきながら布団にもぐった。それもそのはず、セックスで気づいていなかったが、もう夜も深まっている時間だったのだ。
しかも、風呂で第二ラウンドをした後とあっては美理もぐったりで当然だった。が、男の方はそうはいかないということで。
「・・・夜はまだ長いよな、よし」
ぽいっとトランクスを脱ぎ捨てて、布団に潜った芽都留がした行動など言うまでもなかろう。
「ちょ、ちょっと、なんで脱がせてくるの・・・あっ、もう・・むり、無理だから・・・やぁ!!」
「何言ってんだ、無理無理といいながら、美理のソコはもう準備万端じゃないか。ほら、この締め付け感。めっちゃくちゃ締まってて、ああ、いいっ・・・いいぜ、もっと、ほら・・・」
腰を振るの上手くなってるじゃないかと芽都留の声が耳元で聞こえてくるが、美理は熱に浮かされてそれどころじゃない。あまりの快感に思わず身体が勝手に動くのは解っているが、自分では止められないとばかりに、ただ必死にせめて声だけでもと我慢するのに必死だった。
だが、次第にその声は甘い喘ぎ声に変わり、芽都留をより情熱的に導くばかりで。
結局その夜、芽都留は一日中美理を抱きつぶした。
抱きつぶされた美理は次の日、芽都留に対して画用紙にマジックで一筆書いて示した。声を出せなくなった美理からの精一杯のお仕置きだ。
「一週間セックス禁止っ????ちょ、ちょっと美理ぃいいい!!!」
朝には芽都留の悲鳴が絶叫し、土下座して謝る姿が見られたが、美理の決定は覆らなかった。
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