【R18】第二王子と妃の夫婦事情

巴月のん

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19)夢か現か

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(ここは・・・どこだろう? 見知っているところなのに、なんだか違和感を感じる。)



アリアは何故か庭に立っていた。
見覚えがあると思ったら、巨大水晶が置かれている中庭で、水晶花が一面に咲き誇っている。それは別にいい。アリアにとっては、何故、地面から数センチ離れて浮いているのだろうかというのが一番の疑問だった。


「・・・それに、なんか・・・気づかれていないっぽい?廊下にいるメイド達も反応がないし・・・」



首を傾げているところにクスクスと笑い声が聞こえた。それに驚いて振り返ると、巨大水晶の手前に、可愛らしい顔立ちをした子どもが立っていた。
みるからに10歳ほどの子どもだろうか、ふわふわな茶髪を一本の三つ編みに束ねて赤いリボンで結んでいて、服装は白いブラウスに赤いスカート、茶色のブーツを履いていて、アリアの世界で言う赤ずきんスタイルのような雰囲気だった。茶色い目を細めた子どもは、驚いていたアリアに対して平然と話しかけてきた。


「・・・・・・びっくり、した・・・。」
「あのね、今のアリア様の姿は魔力が高い人間にしか見えないと思うよ。」
「待って、どうして私だってわかったの?それに・・・あなたはどうして皇宮の中にいるのかな?」
「簡単なことだよ、ここにいるアリア様に聞いたから。・・・んと、・・・何故かは、私が誰の子どもか当てられたら、解ると思うな。」
「え・・・待って、ここにいる私ってどういうこと?」
「ここはアリア様がいる世界から数年先に起こりうる未来の一つ。今のアリア様はね、倒れてしまって、魂だけこっちに来ている状態だと思う。あっ、どうしてかは解らないから聞かないでね。」


まさかのパラレルワールドに驚いたアリアだが、言われてみれば、身体が透けていることに納得だ。廊下にいたメイドや執事たちが気づいていないのもアリアが魂だけのせいで・・・とにかく、目の前にいる子ども以外には見えていないのだろう。


「えっと・・・呼ぶ時困るから、名前ぐらいは教えてもらえる?」
「うーんと、そうだね・・・フィト・・・・ううん、ケイトって呼んで?」


そう言った後、ケイトは楽し気に手招きしてアリアについてくるように指示した。


「丁度抜けだすところだったんだよ。良かったら一緒に行こう?」


赤いローブのフードを被りながら笑顔で笑ったケイトに対してアリアはふっと気づいた。
ここが未来というのなら、この子はきっと皇族の一人なのだろうと。何年先か解らないが、自分がいる世界というのなら、そう遠くないのだろうと思ったアリアは、とりあえずはとついていくことにした。


「わぁ・・結構お店が増えている・・・なんか、新鮮。」
「アリア様が最初に立ち上げた『レディ・ランジェリー』もまだ現役だよ。」
「それは嬉しい~。苦労して立ち上げたお店だから尚更。」
「それは良かった。今は、美味しいものを食べたいから、あっちへ行こう。ほら、あそこにたこ焼きが売っているから。」
「ええ・・でも、私食べられない・・うー。」
「アリア様、共有アビリティはあるでしょ?それを繋いでみたら?」
「え・・・・なんで、それを知っているの・・・。」
「ふふ、これもヒントかなぁ。ほらほら、たこ焼きが冷めるから早く繋いで。」


そう言いながらも催促してくるケイトに訝しく思うも、たこ焼きを食べたい欲求には勝てず、共有アビリティを繋いだ。すると、ケイトが食べるたびにアリアの口内にも味が広がっていく。


「うわ、これ・・・そっくりだ、私の世界にあるたこ焼きと。」
「ああ、日本の大阪にもあるんだよね。アリア様が監修したものだし、美味しいと思うよ。」
「・・・待って、なんで、日本のことを知っているの?」
「だから、アリア様から聞いたんだってば。・・・本当にいろいろと日本のことも話してくれているんだよ。あーでも、これ以上はうっかり答えになりそうだから言わなーいっ。」


ころころと笑うケイトに対してアリアは唖然としていた。それほどまでにこの子と仲がいいって、どういう関係なんだろうかと訝しく思ってしまう。そして、気になったのが、笑い方だ。誰かにそっくりだと思いながらもなかなか思いだせない。

「・・・・うーん。ケイトは不思議な子だね。」
「そうかな。」


たこ焼きが好きなのか、2パックもおかわりしてやっと満足したのだろう、嬉しそうに膨らんだお腹を撫でていた。アリアも共有アビリティのお蔭で満腹になった気がする。


「あー美味しかったです。ごちそう様―。じゃあね、オジサン。」
「おうよーまたな。」


たこ焼き屋の店主と親密なことから常連なのだろうと察せられる。他にもあちこちのお店で名前を呼ばれていてかなりの有名人らしい。
ケイトはいろんな人から声をかけられては返しているが、歩みを止めようとしないことからどこか目的でもあるのだろうかと推測したアリアはついていきながら話しかけた。


「ケイトって結構顔が広いんだね。」
「そうかな、たぶん小さい頃から抜け出してきているせいかも。」
「ところで、どこへ行くつもりなの?結構、街から離れてしまったけれど・・・」
「もう少しで着く・・・ほら、ここが私の母様のお気に入りの場所だよ。」
「え・・うわ、凄い!!」
「綺麗な花畑でしょう?でね、母様が一番気に入っているのはこの花畑と同時にお城が見えるところなの。」
「本当だ・・・湖まであって、凄く綺麗。」
「でしょう? いつかアリア様も・・・子どもが出来たら連れて行ってあげて?」
「うんうん、いつか生まれたら・・・連れてきたいな。」
「・・・・大丈夫。焦らなくとも絶対生まれるから。それはもう嫌って言うほどね。」
「何か言った?」
「ううん、なんでもなーい。それよりもね、この花はね・・・」


意味ありげに笑うケイトに対してアリアはきょとんとしていたが、花畑に心を奪われていてそれほど気にしていなかった。そのせいもあり、アリアは、さりげなく話を逸らしたケイトにあっさりと騙される形で話を聞いていた。
しばらくしてから、いきなり鐘の音が響き渡ったことに驚く二人。


「え、これ、街中にある鐘の音だよね?何か危険があったってこと?!」
「・・・・煙・・・火事かなんかみたいだね。悪いけれど、転移するから繋いで!」


アリアは考えていなかった。何故この子と手を繋げるかということすら。だが、ケイトは気にすることなく、アリアの手を握って、呪文を唱え、魔方陣を起動させて街中へと転移した。転移するのと同時に、近くの建物が燃え盛るのを見たケイトは地面に降り立つ前に魔方陣を発動させた。


「・・・・・うわ、これは急がないと。『我が守護せし水の精霊及び、風の精霊よ。我が魔力を糧に燃え盛りし炎を凍らせよ。来たれ、ウィンディーネ、シルフ!』」
「わっ・・・すご・・・い・・・・えっ・・・・・・!?」


高名な精霊を同時に召喚したという驚きもあったが、何より驚いたのは、ケイトの容貌の変化。目の色は紫に輝き、髪の色は稀有なる紺色に染まっていた。



『簡単なことだよ、ここにいるアリア様に聞いたから。・・・んと、私は・・・・・そうだね、私が誰の子どもか当てられたら、教えてあげる。』



アリアの脳裏に楽し気なケイトの声が蘇った。
あの言葉と今の姿をかけ合わせて考えると、導かれる答えは・・・たった一つしかありえない。

だって、あの人以外持っているはずがない色だもの。
あの誰よりも気高い闇に近い紺色に、紫色の目。
ザンとそっくりなその色を持つ可能性は・・・・たったひとつだけ。


「・・・・もし、かして・・・・ザンの、子ども!?」
「あーあ、バレちゃった。でも、まだ完全な正解じゃないですよ?」


会話を続けながらも、辺り一面に雨を降らして炎を消すことが出来たことで満足そうなケイトは惜しいとばかりに指を鳴らした。

「・・・・正確には?」
「そう、私は誰と誰の子どもでしょうか?」
「・・・あ・・・・私、と・・・ザンの・・・子ども・・・?」
「はい、大正解です☆」


アリアが思い当たったように口を開いたのと同時に身体から淡い輝きが溢れ出た。いきなり身体が輝いたことに驚いたアリアだが、宙に降り立ったケイトは少し一歩下がってスカートをつまんで一礼してみせた。


「お別れの時間みたいですね。しばしの別れとなりますが、どうかお元気で。」
「・・・ケイト・・・でも・・・これは確実な未来ではないのよね?夢かもしれないし・・・。」
「ううん、必ず出会えるよ。だから、その、お願いです。その・・・私を見ても驚かないでくださいね。」
「・・・驚くわけ、ない。だって、どんな色でも、どんな姿でも、私とザンの子どもだもの!生まれてきてよかったって喜ぶに決まっているよ!」


アリアの精一杯の声に気まずそうな顔をしていたケイトの顔が照れたような笑みに変わった。


「・・・やっぱり、父様にもったいないぐらい母様は最高だよ。じゃあ、またね!!」


ケイトが手を振る様子がどんどんぼやけていくことから、意識が薄れ出しているのだと気づいたアリアは闇に飲まれていった。


「・・・・あ、大丈夫か!?」


ぼんやりとする頭に真っ先に響いたのはザンの声。その次に見えたのはやはり心配そうに顔を覗き込んでいるザンの顔だった。少しやつれたように見えるザンの頬に手を当てると、安堵したようにため息が落ちてきた。


「・・・アリア、良かった。お前、三日間も目を覚まさなかったんだぞ。」
「すご、く・・・嬉しい、夢を・・・・見たよ・・・・。」
「アリア?」
「子どもが、できたら・・・・ケイトって呼びたいな。それで、一緒に、たこ焼き・・・食べるの・・・。」
「おぃっ?」


安心感からか、また目を閉じてしまったアリアに驚きながらも、医者から大丈夫だと言われたザンはようやくホッとすることができた。しかし、解せないのはアリアの呟いた言葉。


「・・・ケイト?子どもができたら・・・・というか、たこ焼きってなんだ?」


ようやく回復しておかゆを食べだしたアリアから驚きの話を聞いたザンは不満そうな表情を見せていた。アリアからケイトに会ったという話に唖然としながらも、否定できなかったのだろう、微妙な言い方でやっと口を開いた。


「・・・・なんなんだ、そのありえない話は・・・」
「でも、手を繋いだ時の温もりをまだ感じるの。私としては本当に未来に行っていたんだと信じたいなぁ。」
「これで、子どもがお腹の中にいたっていうなら驚きはしないがな。だが、月隠れが来たのなら、それはないよな?」
「ケイトのお蔭で気づいたけれど、今思えばストレスで不順になっていたのかも。うーん、自分でも気づかないうちに気にしていたのかもね。でも、もう焦らなくてもいいかなって今は思ってるよ。」
「・・・・・そう、だよな。俺達は俺達のペースで親になればいいか。俺も今はちょっと・・・覚悟が。」


ザンの呟きを聞いたアリアはザンも悩んでいたと知って嬉しそうにザンの頬に口づけしながら囁いた。


「うん、正式に夫婦になったばっかりだしね。」
「・・・だな。焦らなくてもいいよな。今思うとなんで俺達焦っていたんだか。」


気づかないうちにプレッシャーがかかっていたのかもねと返すとザンも納得とばかりに頷いていた。皇太子夫妻に子どもが生まれようとしていることも大きいのだろうとも話をしてくれた。アリアはとりあえずと結論を出した。


「いずれはケイトとも会えるはずだから、もう焦らずに今を楽しもうと思ったよ。とりあえず、たこ焼き屋を作るっていう目標もできたしね!」
「・・・・・だからそのたこ焼きは一体何なのか説明してくれ。」


楽し気に説明し出したアリアの笑い声を聞きながらザンも呆れつつ、頬杖をついていた。
なんだかんだいって、ザンとしてはアリアがいれば充分だと思っているし、アリアもザンだからこそ夫婦関係を受け入れた。だが、そこに夫婦としての覚悟はあっても、新たな家族を作るという覚悟はまだ充分ではなかった。今回はそのことをお互いに共有できたことで少し余裕が生まれたのだろうと思う。
ひとまず、新しい家族の誕生はもう少し先の楽しみにとっておいて、それまでは夫婦生活を謳歌しましょう


――焦らず、じっくりと、ね。


「・・・ザン、心配しなくても、もう逃げないからね?」
「とりあえず、これからは書置きをもっと詳しく書くか、シャラとかに伝言でも残せ。そうしたら首輪つけて少しぐらい放し飼いはしてやるから。」
「だから、人を動物扱いしないでってば・・・もう、ザンは心配性だなぁ。」


ふてくされたザンをなだめるようにアリアはザンのほっぺにキスをした。最初は眉間にしわを寄せていたザンだが、何かを思いついたようににっこりと微笑みを見せた。
嫌な予感を感じたアリアは離れようとするが、時遅し。
ザンの両腕がアリアの動きを阻む形になり、布団に縫い付けられる形になる。


「さて、医者からも大丈夫と太鼓判を押されたんだ。もうお仕置きしても問題ないな?」
「ま、まさか・・・・」
「幸いなことにお前の看病もあって、仕事もセーブしてある。たっぷり可愛がってやるよ。」
「せめて別のお仕置きにしてぇえええええ!!」
「無理。」




翌日、アリアが動けなくなり、ベッドにぐったりと横たわっていたことはいうまでもない。




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