【R18】第二王子と妃の夫婦事情

巴月のん

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36)負けず嫌いのいい勝負

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ザンの記憶はまだ元通りではないが、アリアもなんとか今のザンに慣れたようで、前よりは距離を縮めていた。
もっとも、今、夜だけは断固反対とばかりに寝室を別にしている。それをザンは不満に思っているが、当のアリアは敢えてスルーしている状態だ。
それに苦笑いしているのが、家臣の面々と、ザンの家族で。


「あの子はやっぱり、アリア妃第一なんだね・・・。」
「そういえば、前日、どこぞの豚が丸焼きになったとかで病院に行ったと聞いたが?」
「事実ですよ、父上。」
「・・・・・ふむ、まぁ、絆が深まるきっかけになったのならよしとしようぞ。宰相、そのような顔をするな、わしとて、現実逃避したいのだ。」
「何にしろ、平和でいいじゃないですか。」


皇帝が眉間にしわを寄せる横で、うんうんと皇太子が頷いている。ザンの兄ということで順応性もかなり高い。ちなみに、皇太子妃は生まれたばかりの王子の相手に夢中だ。


「アリア、これはどういう意図があってこういう風になるんだ?」
「あー、それはね、この部品がこういう仕組みになっていてね、こうねじを巻くと動くの。」
「・・・この小さな箱から曲が流れるとは不思議なものだな。なんだったか、オルゴールとかいったか。魔法ではなく、この機械・・・正確にはこんな小さな部品で動かせるとはなんという精密さだ。」


ザンが珍しくアリアの書斎にいるのは、珍しい異世界のものに興味をひかれたからだ。事実、ザンはアリアにいろいろと説明を受けながら目をキラキラさせていた。


曲が流れる中、飽きることなくザンは部品の動きに見入っていた。この魔法が普及している分、機械の分野においてはほかの国より進歩が遅く後れを取っていた。アリアが来るまでは、という但し書きがつくが。
アリアが異世界のもので便利なものをザンに伝え、開発に乗り出したことで、徐々に機械の便利さもじわじわと世間に浸透してきている。それを考えると、これからも異世界のもので便利なものはどんどん商品化したほうがいいのだ。その一方で、ザンは皇族の務めとして、魔法の研究にも熱心に取り組んでいる。
アリアとザンは魔法と機械の融合について何度も議論していたが、ザンが記憶を失ってからはほとんど議論していない状態だ。アリアとしてはちょっとどころか、かなり寂しい時があるのだが、記憶がないザンに話すわけにもいかないと、沈黙するしかない。
この時も、テンションが高いザンの様子に苦笑しながら、アリアは書類に認め印を押していた。


「アリア、その印は?」
「ああ、これはあなたから初めて仕事をした時の褒美にってもらったの。」
「それだけでお祝いを?俺が?意外だな・・・。」


目を丸くして驚いたザンの様子を新鮮に感じていると、ドアに控えていたシャラが失礼しますとザンの近くに近寄ってきた。


「横から申し訳ございません。僭越せんえつながら、アリア様は少々思い違いをしておられます。」
「え?」「えーっ?そういう風に聞いていたんだけれど・・・どこが違うの?」
「アリア様は初仕事のためにギフトについて調査をしておられたのです。その途中で様々な花や雑草を持ち帰ってきたのですが、それを見事に料理に活用されました。」


シャラの説明に、ああ・・・とその当時のことを思いだしたアリアは目を泳がせた。


「最初こそは半信半疑な様子でしたが、アリア様が・・・その、それはもう口には申せないほど、熱心に勧めてきたので、ザン様も観念してお食べになりました。」
「花や草を食べるって・・・毒がある花もあるんじゃないのか。」
「ううん、それは見分けつくから大丈夫だよ。毒花についての図鑑もちゃんと持って行ったし。」
「過去の俺に同情するぞ、得体のしれないものを食べさせられるって・・・」


ザンは顔を引きつらせていたが、アリアが恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせていたことには気づいていなかった。それをいいことにシャラはすぐに言葉を紡いだ。


「今では、ザン様も味がわかるようになってきまして。その花や雑草もすっかり浸透して民間でもこの城でも食べられるようになりました。埋もれていた花や雑草に有効性を見出した功績を讃えてのプレゼントでございます。」


言い終えたシャラがちらっとアリアを見た後、下がったが、当のアリアはそれを見なかったことにした。シャラが言いたいことはわかっていたが、あえてそ知らぬふりをすることにした。シャラのほうでも、アリアがそういう態度をとる理由に思い当たることがあったため、あえて突っ込まなかった。まさしく、メイドの鏡である。

シャラが言うように確かに熱心に勧めすぎた記憶はある。
さすがにあれはザンに申し訳ないとは思っている。今でこそ笑い話だが、ザンは唖然とした後、眉間にしわを寄せて呻いていた。その当時のことを思い出してアリアはくすっと笑った。
そんなこんなでたわいのない会話が流れ、アリアとザンの会話は尽きない。日が暮れる頃になり、ザンがそろそろ自分の書斎に戻るということで、それぞれが移動を始めた。魔法を使っての移動もできるが、魔力をわざわざ使う必要もないという考え方を持つザンやアリアは緊急の時以外は専ら徒歩だ。その二人の護衛をしているシャラやラティスは少し離れたところからついてきている。移動中でも話題は尽きず、ザンはふと思い出したように聞いた。


「それはそれは・・・よく俺に食べさせることができたな。俺はこれでも結構頑固なんだが。」
「ああ、それは・・・あれですね、はい。ちょっと強硬的な手段を。」
「・・・どんな?」


顔を近づけたとたん、アリアが黙り込んだ・・・・と、思ったら、思いっきり目をそらし、「話せるほどのことじゃないよ」と首を振った。
こうは言っては何だが、隠していると余計に気になってしょうがない。
アリアの泳ぐ視線を確認したザンは、シャラやラティスに目配せをした後、陰のほうへと引っ張っていった。そして、壁にもたれた状態でアリアを抱きしめた。
抱きしめられたアリアとしては何事かとうろたえるしかないが、抱きしめられてるので身動きも取れない状態だ。

「ふへ?」
「吐いてもらおうか。」

爽やかな笑みでゲスイことを吐いたザンに対し、アリアはムンクの悲鳴を上げた。一瞬シャラやラティスと目が合うが、そっと後ろを向かれた。すぐに、見捨てられた!見張りをするつもりだ!と正しく理解した。全くもってアリアの読み通り、ラティスとシャラはザンの命令で廊下に人が来ないように配慮して立っていた。


「んっ・・・・や・・・」
「もうちょっと、舌出して絡めて・・・そ、うまい。」


ザンの舌を追いかけるたびに電流が走ったようにビリとする。感触の熱さや唾液のベトベトも手伝って、卑猥な音が耳に届いている。
熱に浮かされながら、アリアはぼんやりとザンとの口づけに夢中になっていた。



(うう・・・・こういう時、ザンの顔がよく見えるのがこれまた・・・・くぅ、負けた気分になるのはなんでだろう。)


あ、まつ毛、ちょっと長い。そんなことを想っていると、ザンがさらに深く舌を入れて奥歯のほうを舐めてきた。
その時、頭の中に声が響いた。こういうことは以前からあったが、まさか記憶がない状態のザンからテレパシーで話しかけられるとは思わなかった。


『随分余裕じゃねーか。じゃあ、第二ラウンド突入だな。』
『むりむりむいぃいいいいい!!!!』
『言うか言わないか、選択肢はたった二つだけだ。それを選ばなかったアリアが悪い。』


舌を絡み合わせているのに、脳内では緊迫感のない会話が流れている。アリアの発現を押しのけたザンの手はアリアの胸に伸びていた。
自分の胸の形が変形するのと同時に、胸を掴まれたことを理解したアリアは慌ててザンの手首をつかもうとするが、それより早くザンがアリアの手首を掴んだ。しかも、両手腕を上に上げさせた状態で壁に押し付けている。


『記憶がなかろうとあろうと、こういうところは全然変わってないーっ!!』
『あ、この様子だと廊下でヤッた経験はありそうだな。それは良かった・・・俺も手加減しなくてすむ。』
『いやいや、そこは手加減するところっ!!!!!』


・・・・とこれまた脳内で会話をしているうちに、ザンは、アリアの両手首を抑えている手とは反対の手で胸を堪能していた。首を振りたくても、まだ舌の絡み合いが続いていて思うように動かない。
歯茎や舌の裏まで丁寧になめ取られた末にようやく解放された時、アリアは呼吸することに精いっぱいだった。


「んっ・・・ふぅ・・・・くるし、かったっ!」
「お前は、どこまで俺をあおるつもりだよ。」


アリアが息をするのに合わせて止めていた手だが、アリアが大丈夫そうだと見て取ったザンは再び手を動かした。今度は胸ではなく、服を止めているボタンのほうに。
アリアが首を振るが、それをおとなしく受けれるザンではなく、あっさりとボタンを外され、ブラジャーを少しずらした状態で、再び揉みだした。

当然ながら、アリアは快感の波に襲われ、力をなくしていくことになる。

何分か何数分か時間の感覚がわからなくなったころにはもう裸にされて、壁どころか、床で獣のように繋がっていた。
アリアを上に乗せたザンはアリアの腰を支えながら、目を細めた。アリアもまた、ザンを見下ろす形で何度か快感に震えながらも必死にザンの上で腰を上下に動かしている。

「んっ・・・あぁ、ああっ!!」
「この体勢・・・結構深くクるな?ほら、もっとよがれ。」

ザンがアリアのお尻を強くつかんだかと思うと一気に結合部分を縮めるように押さえつけながら引き寄せた。一気に快感の波が押し寄せてきたことで、結合部分からは白い液があふれ出ている。
何度か繰り返した後、ようやく満足したザンはアリアを開放した。
花心を貫き、中を満たしていたソレが卑猥な音を立てて抜かれるその感触にこれまた悶えながら息を整えていた。


「ふっ・・・んぁ・・・・ひゃ・・・・うっ。」
「・・・これだけ激しくアンアンとよがる癖に頑なに言わないって、俺に負けないぐらいお前も強情じゃねぇか。」
「なん、とでも・・・。」
「ちっ、これじゃ、お前に負けたみたいで腹が立つな・・・」


すっかりそんな話も忘れかけていたアリアだが、ぶつぶつと文句を言うザンが可愛かったのか思わず、頭を撫でていた。


「・・・おぃ?」
「え、だって・・・いつも、ザンが勝つのに、負けるとかいうの珍しいもん。それに、拗ねているザンがかわいかったから・・・つい?」


ふにゃと笑ったアリアを見たザンは一瞬固まって、頭を抱えていた。
が、すぐに思い直したようにアリアを抱き上げた。自分のマントで、アリアの前を隠しながら、遠くにいるラティスとシャラに向かって叫ぼうと口を開けていた。
一体、何を言うつもりなのだろうと思っていたアリアはおとなしくお姫様抱っこを受け入れていた。が、次に、頭の上で叫ばれた言葉にアリアは逃げようとするが、それよりもザンがテレポートするほうが早かった。



「今夜はずっと部屋にこもって第三ラウンド決定だな。先に部屋に行くから、護衛と夕飯の準備を頼む。」



ザンの部屋についた瞬間、アリアは叫んだ。



「こんのぉおおおおお絶倫野郎!!!第三ラウンドとか言いながら絶対、朝までやるつもりでしょうがぁあああっ!!!!!!」



ぜぇぜぇと肩で息をするアリアに対し、ザンはまたもや眩い笑顔を見せて言い放った。





「少なくとも、俺はお前に勝ったという『俺』にも負けたくないほどの負けず嫌いなんでな。悪いが、勝つまでは逃がすつもりはない。」




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