【R18】第二王子と妃の夫婦事情

巴月のん

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番外編

番外編)看病と秘密基地(後編)

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シャラにたっぷり絞られたアリアはザンに卸されたベッドでぐったりと横になっていた。傍に置かれたえぐい色の薬の存在もあって、アリアは無言になっていた。
ベッドの端に座ったザンが笑いながら、アリアの額にあったタオルを絞りなおした。

「相変わらず、薬を目の敵にしてるな」
「解ってるなら薬をなんとかして・・・」
「こればかりは俺もどうしようもない。薬はお前の体を治すものだからな、なんとしても飲ませなきゃ意味がないな」
「あの時もそうやって飲ませようとした・・・」

アリアが話の途中で止まったのは、ザンが薬の方に手を伸ばしたからだ。まさかと身体を起こそうとすると、ザンの腕がアリアの体を支える。アリアが顔を横に振る中、ザンはあの日と同じように薬を飲み、

「まっ・・・ん、んっ!!!」

あの時と同じように口移しで薬を飲ませる。アリアは息苦しさに耐え切れず、苦い薬を少しずつ飲み干そうとする。当然体が拒否して動くが、いつの間にか、ザンに抱きしめられていて逃げられない。

(うう・・・でも、なんだか・・・ちょっと変化を感じる)

頭を撫でながら角度を変えて何度も口移ししてくるその手段はあの日と同じ。
違うのはきっと、関係の変化のおかげか
はたまた気持ちが通じ合っていると感じられているからだろうか。

「でも・・・薬が苦いことには変わりない」

いくらザンの口移しでも苦さは解消できない。ザンもわかっているのか、次は水を含んでアリアの顎を引き寄せる。今度は素直に受け入れる。何故って、口の中を濯ぎたいからに決まっている。ザンも気付いたのだろう、あきれ顔だが、それでも口移しをやめることはない。アリアの口の中を蹂躙しながら、何度か吸っては舌で舐めとることを繰り返す。
薬の時と違い、アリアは必死に水を何度も求めてきた。ザンはそのわかりやすい態度に呆れはするが、それでもひよこに餌をやるようにせっせと水を与える

惚れた弱みだろうか。

(・・・時々、ザンが優しくなるのはいいけれど、この甘い空気はなんとかならないかな)

ようやく満足したアリアは、ザンの胸を叩くことで終了の合図を示した。それに気づいたザンが水を傍に会ったサイドテーブルに置いて、アリアを抱えなおした。

「もういいのか」
「・・・ん、ありがとう」

アリアは普段と違う空気に困惑するものの、抱きしめてくるザンを引き剝がさなかった。このあたり、アリアも普段と違い、甘えているという自覚がないということになるだろう。ザンもアリアが甘えてくることに気付いていたからこそ、甘くなっているのだが、このあたりにずれがあるのはもはやこの夫婦だからという一言に尽きるだろう。

「今回はほっとした」
「何が?」
「ほら、あの日に唇を嚙まれたからな。」
「あれは・・・いきなり口移ししてくるからっ・・・!」
「そうでもしなきゃ飲まなかっただろうに。まぁ、結果的に飲ませられたから良かったが」

アリアの髪を直しつつ、タオルで首筋を拭いてくれる彼に、アリアは唸るしかなかった。ザンの方を見ると、首筋に見えたのはホクロ。彼の首筋ににホクロがあることに気付いたのは、いつだったか。思い出そうにもなかなか思い出せない。
布団で一緒に寝る時にも見える首筋のホクロは、次第にアリアを安心させた。後ろから抱きしめられても、首をみるだけですぐにわかる彼の特徴。アリアはいつしか、彼に安心してもたれ掛かるようになっていた。

「・・・汗いっぱいだな、シャワー浴びるか?」
「うん・・・そうする」
「なら、その前に、ちょっと運動しておくか。薬も飲んだし、大丈夫だろう」
「ほへ?」

首筋に熱を感じたのは、ザンが吸い付いていたから。ゆっくりとザンの細い指が首筋を這って、少しずつ胸の方へと移動していく。ぞくりとする高揚感を抑えながら、アリアはザンを見上げた。彼の目に宿っている熱に気付くと、直視できなくなる。
思わず火照る顔を抑えていると、ボタンを外される音が聞こえた。
慌てて胸元に目を向けると、ブラが露わになって汗が張り付いているのが見えた。汗をぬぐうようにザンの掌がブラの隙間へと入り込んだ。

いくら体を重ねてもなかなか慣れないソレにアリアは無言になった。


(うう、恥ずかしい!!! 何度体を繋いでも、なかなか声なんて出せないっ!)


正直なところ、アリアは何度もザンにせっつかれている。体を結ぶときに声を我慢してしまうので、ザンが声を出せと何度も催促してくるのだ。

(ザンは、名前を呼べとか、ねだってみろとかいうけれど・・・なんだか自分が自分じゃない感覚に戸惑う!)

だから、アリアの場合は、こういう流れになると、声を出したら負けじゃない?みたいな気持ちになってしまうのだ。それをザンは知ってか知らずか、楽しそうにあちこち触る。今だって、ブラのホックを外しているくせに、ブラを全部取ろうとはしない。

・・・ザンがしようとしていることは解っているけれど、何となく聞いてしまう。

「んっ・・・何をするつもり?」

声が上ずったのは、ザンの指が乳頭を撫でたから。ザンはというと、後ろでアリアの髪に顔を埋めている。アリアの声が聞こえたのだろう、一拍おいてから声が漏れた。

「一応、診察・・・そうだな、お医者さんごっこってことにするかな」
「それ、今思いついただけだよね?」
「まぁ、な。でも、そっちもその気になってきているだろう?」
「・・・とかいいながら、硬くなってるソレ、しまってください」
「敬語は久々に聞いたな」
「うう・・・私風邪なんだよ?」
「運動は大事だからな。はい、ということで下も脱ごうか。」

ノリノリな自称お医者さんにズボンを下ろすように言われ、腰を浮かすと、ザンの両腕がズボンをするするっと脱がしていく。そしてやっぱりザンは服を着ている状態だ。

相変わらず解せぬ。

「・・・ザンも脱いでよ。なんで、私ばっかり・・・」

ザンと向かい合う形になると、ゆっくりと押し倒される。首に顔を埋めるザンの手はショーツの中へと入っていった。もうすでに何度も慣れたとばかりに指が割れ目へと入り込む。
熱い舌先が胸へと降りてくるのにこれまた身体を縮こまらせる。だが、さらに深い衝撃と熱い熱の塊を感じて、身体全体が跳ねた。
ザンが押し付けてくる熱と身体を受け入れるのに必死で、アリアはただひたすらひたすら身体を委ねるしかなく、声を押し殺すので精いっぱいだった。

ずぷっと卑猥な音が静寂な部屋に響く中、ようやくザンが動いた。少し膝をつきながら、いつの間に脱いだのか、硬くそそり立ったそのソレをアリアの花芯へと導き、差し入れた。
足を延ばしながら、挿入される間隔に耐えている間中、口の中もまたキスで蹂躙されて息も絶え絶えになっていた。

しばらくしてから腰を動かす彼の動作に合わせて、アリアもザンの背中に手を回す。首筋に見えるホクロに目を止めた後、ぎゅうっと抱きしめると、ザンの動きがさらに早くなった。


「んっ・・・・やぁっ・・・・!!」
「あっつ・・・」

絶頂に上り詰める頃、ザンの熱を全部受け止めたアリアが肢体を布団に投げた。アリアが力を抜いたのを見計らって、ザンも抜いていく。
ザンがもぞもぞするのを眺めながら、アリアはふと思った。


「あれ、医者ごっこだという割にはふつうのセックスだったような・・・」


アリアの失敗はただ一つ、このセリフを思うだけではなく、口にしてしまったこと。当然のごとく、ザンの耳に入り、ザンがやり直しに燃えたのはは言うまでもなく。

そりゃ、男の沽券にかかわりますわな・・・とは、後から経緯を知ったラティス談。
その夜、ザンはアリアを寝かさず、医者ごっこにいそしんだとか、次の日の朝、ぐったりとしていたアリアの様子を見たシャラにザンが怒られるという珍しいものを見たとか、後日談はいろいろあるが、ひとまず、アリアの風邪が完治したので、『終わり良ければ総て良し』ということにしたいと思う。


「・・・やっぱり薬は嫌いだわ」
「そう思うなら、風邪をひかないようになさいませ」
「まさかの正論かつ、一番確実な回避方法が!!」
「時々、アリア様がバカに思える時があります。それがまさしく今ですわ」
「うう・・・・」



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