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番外編
番外編)紫紺のトナカイさんとサンタの攻防
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※本編と時間軸が違います
そして、クリスマスにこじつけただけのエロ話(笑
ザンはこの日、アリアと一緒に執務室の整理をしていて忙しい状態だった。そんな折、片付けを手伝ってくれていたアリアが、一冊の本を取り出してザンに見せてきた。
「ザン、見てみて。懐かしいものが出てきたよ!」
「こりゃまた本当に懐かしいものを」
「ふふー、久しぶりに読もうっと」
アリアは懐かしいとばかりに、『きよしこの夜』の本を開きだした。こら、今は片付け中だろうと諭しても、少しだけだから!と聞かない。こうなるともう何をいっても聞かないので諦めるしかない。
ザンが机の引き出しの整理を続けていると、アリアが朗読する声が響いた。声が響く中、ザンは思い出していた。
(あれは彼女が妃になったばかりの時だったか)
疲れて帰ってきた時に、赤いワンピースを着ているアリアがいつになく力説してきた。
「サンタクロース?」
「そう!知らない?まずは、クリスマスからの説明かな。もとは私達の世界でいうキリストっていう人の誕生日だったんだけれど、日本じゃ、お祭り扱いになっているのよね。それでね、その日の夜に良い子の下へプレゼントを持って現れる赤い服のおじいさんのことをサンタクロースっていうのよ」
「へぇ・・・それで、お前はそのサンタクロースをやりたいってか?」
「まあ、全員には無理だってわかっているからね。その代わりに、本を作ってプレゼントしたいのよ」
「で、その本の販売はどうやって?」
ソファーでどうでもよいとばかりに新聞を読んでいたザンだが、そのあとの言葉にあきれ果てて、思わず彼女の頭を叩いたぐらいだ。ああ、もちろん、新聞で手加減して叩いたから問題ない。
「もちろん、ランジェリーの販売のついでに・・・って痛い!」
「はぁ。お前ね、本を作るのにはコストもかかるんだ。下手したら、下着より高くなるじゃねぇか。却下に決まっている」
「だから、そこを相談したいの!!これぐらいの子どもでも手に取りやすいサイズで、ページ少な目でいいの・・・」
ずいっと差し出してきたのは、見本で作ったのであろう、簡易な本だった。
「・・・なんだ、これ」
「『きよしこの夜』は、私の世界にある歌の題名なの。でも内容は私が考えた物語にしてあるわ」
「こいつの髪の毛の色かしらして、モデルは俺のようだが?」
「うん、そうだよ」
当然とばかりに頷いてくる彼女に頭を抱えた。本の主人公は俺と同じ髪の色で赤い服を着た子ども。どう見ても俺をモデルにしている。何故だと聞いたら、クリスマスの日とやらは12月24日で、丁度俺の誕生日にあたるのだという。
「・・・なるほど」
「そういうことなの。だから、このザンをモデルにした本を売りたいんだよね」
「それで、その服やこんな本まで作って、半年も前から準備していたのか」
「だって、早くしないと間に合わないもの。で、どうしたらこれを売ることができるの?」
どうしても本を売りたいのだろう、いつもより積極的に近づいてくる。普段ならこんな風にはならない。ソファーの横に座ってきた彼女の服は、真っ赤なワンピースだが、裾は白いファーがついている。加えて、黒い網タイツに赤いハイヒール。フードのついた赤いポンチョを羽織っているが、谷間を見るに、セクシーなスタイル系で作っているようだ。・・・うん、似合っているのは癪だが認める。認めはするが、これはこれ、それはそれだ。
ザンはため息をついた後、隣に座っているアリアの髪を弄りながら口を開いた。
「とりあえず、ランジェリーショップで売る案は無理だ。どうしてもというのなら、本屋だな。それとその服はランジェリーショップでも売れる」
「でも、それだとプレゼントにならないよ?それから、この服はもとよりランジェリーショップで売るつもり。あとね、これも!」
アリアはそういうと、目の前のテーブルにあった箱を開いた。そして、そこにあるものをぴらっと俺の方に向けてきた。
(ああ、うん・・・そりゃ、男どもなら悩殺されるわ。赤いビキニに白いファーが良く映えている。)
しかし、ザンは、得意げな彼女の前で褒めるのも癪だったため、喉まで出かかっていた言葉を飲み込んで質問に変えた。彼女は気付きもせずにあっさりと質問に答えた。
・・・お前、召喚されたのが俺のところでよかったなとは言わない。彼女の天然さは時にして助けてくれる長所でもあるからだとザンは思っていた。
「それも俺の誕生日に売るのか?」
「うーん。当日じゃなくて、少し前に売り出すつもり。早めにアピールしておけば、夫婦や恋人同士とかは絶対24日の夜に盛り上がると思うの!それに、限定色としてザンの紫色に合わせたバージョンも出すつもりでいる」
「(・・・つまり、お前は着る気満々と)・・・ま、ランジェリーやその服はそれでいいんじゃないか。で、お前は今それと同じランジェリーをつけているわけだな?」
「ううん、ここまで真っ赤ずくめだと萎えるでしょ?だから、色違いで紫色のを付けてるよ」
「なるほど」
ザンは楽し気に赤いランジェリーを片付けだしたアリアを後ろから抱きしめた。ふへっと間抜けな声が出たが、それをスルーして、ファスナーを下げる。ブラジャーの紐を外した後、そのまま這うように手を胸へと伸ばす。彼女もザンの意図に気付いては身をよじるが、足を絡められては逃げられまい。
「ザン!」
「煽ってきたお前が悪い」
ザンは背中にキスを落としながら、柔らかい胸を揉む。アリアが声を我慢しようと必死になるが時折漏れる甘い息は隠せない。耳を舐めながら囁いてくるザンの声にアリアは真っ赤になりながらも慌てるが、そのまま、ソファーに押し倒される。
「んっ・・・!」
押し倒されるのと同時に、深く口づけられる。角度を変えては何度もキスして舌を絡めあう。その間、アリアの手がザンの背中に回ったのは自然なことといえるだろう。彼の手はもはや太ももを撫でまわし、股の方へと忍んでいたが、キスで頭がぼうっとしているアリアが気付けるはずもなく。気付けば、ザンの手はアリアの奥の方へと侵入し終えていた。
「ああっ、うんっ・・・・!!」
入り込んでくる指の感触は何度も感じているし、慣れているといえば慣れている。だのに、どうしても身体が反応してしまう。自分でも奥がヒクヒクしながら彼の指をくわえているのがよくわかる。濃縮しては彼の指を締め付け、卑猥な音を出しているのはほかならぬ自分だということも自覚している。
それでも、アリアの頭はぼんやりとしてどこか他人事にしか感じられなかった。
それはたぶん、目の前にいる彼の存在が時にして非現実的に感じられるからだろうか。冷静に考えてみれば、彼は王子様だ。第二王子とは言え、正統なる皇族の一人。
しかも、日本でいうところのイケメン。彼がもし、日本にいたならば、間違いなくアイドルや俳優として有名人になっていたにちがいない。それほどに彼の色気やカッコよさは群を抜いていた。美形な父で、慣れているとはいえ、さすがにそんな彼と自分が交わるとは思っていなかっただけに時折、どうしようもない感情があふれ出てくるのだ。
そんなことを考えていたアリアだが、いきなりザンが耳に嚙みついてきた。
「いたっ!」
「考え事とは余裕だな。もう入れるぞ」
「えっ、ちょ、だめ、待っ…あっ、ああんっ!!」
ザンの言い方が少し冷たくなっていたことに気付くが、後の祭り。一気に足を広げられ、あっという間に肉棒で貫かれた。必死にザンにしがみつこうとするが、当のザンは拗ねたのか、アリアを引き離し、彼女の口に指を入れた。
「えっ、んっんっ?」
「指でもしゃぶってろ」
入ってくる指に苦しさを覚えながらも、そろりと舌を這わせるようにしてくわえ込んだ。同時に、体勢を変えられ、座位の体勢でつながる形になった。そそり立った硬い肉棒の形を感じながらも、アリアは指に集中しようと両手でザンの手首を持つ。ザンはというと、空いた手で抱え込むようにアリアを抱きしめながら動いている。奥を貫いてくるその凶悪な物を少しでもなんとかしようと締め付けるが、揺れる腰は快楽のまま止まらない。
「それでいい。最初から素直に俺だけ感じていればよいものを」
ザンがようやく指を外した頃にはびちゃびちゃになっていて、アリアもとろんとした目になっていた。気付けば、ポンチョははがされ、上半身はむき出し、網タイツはどころどころが破けていた。赤いハイヒールは床に転げ落ち、渾身の作でもあったランジェリーもぐちゃぐちゃで絨毯に転がっていた。ようやく周りを認識できるようになったアリアだが、下から突き付けられる快感が止まることはない。慌ててザンの肩に縋りつく。今度はザンも振り払わなかった。背中に手を回すと、よりザンの動きが激しくなった。それに合わせて、アリアもリズムよく動き出す。お互い何も言わずとも、快楽が頂点に達するタイミングは同じだと感じたのかしばらく無言で絡み合う。
アリアはぼんやりと目を覚ました。むっくり起き上がるとそこはソファーではなく、ベッドの上だった。サンタの服もいつ間にやら全部はがされ、裸になっていた。奥の方に違和感を感じて思わず、締め付けてしまう。じわっと濡れる感覚に驚くと、ザンの声が上から振ってきた。気付けば、ザンの胡坐の上に立っていた。しかし、ザンの指はしっかりとアリアの奥を捉えて離さない。いつもなら見える茂みも、今はザンの手に隠れて見えない。慌てふためくアリアだが、ザンの指の動きは止まらなかった。
「ざ、ザン、もしかしてずっと・・・?」
「いや、お前が起きる少し前ぐらいだ。ベッドに寝かせようと思ったんだが、お前の身体に誘われてつい、な」
「なに、その言い訳…ねぇ、ザン」
「お前が色っぽい声を出すときはろくなことがない」
「そういわずにお願い、どうしたら本をプレゼントみたいな形で出せる?」
ここまで来て尚、本のことを諦めないあたりはもはや敬服に値する。
ザンは呆れたものの、指の動きを止めない。その代わり、アリアに四つん這いになるように命じる。のそのそと四つ這いになろうとするアリアの後ろで、ザンはアリアの艶めいた肢体を舐めながら言葉を紡いだ。
「・・・本のコストを考えるとプレゼントとしては到底無理だ。だが・・・その売り上げを病院や孤児院に寄付することはできる。もしくは、ランジェリーの売上を本に変えて病院や孤児院へプレゼントするといった工夫は可能だ」
「それなら、私としても問題はなっ…ああんっ!」
「まぁ、お前が俺を先にイカせられるなら、いくらでも手伝ってやるよ」
四つん這いになったアリアから指を引き抜き、代わりに再び肉棒を差し込む。一度受け入れたそこはもうすぐにするっと彼を受け入れた。最後まで返事できなかったが、ザンにとってはもはやどうでもいい話題だった。アリアもまたぶつかり合う快楽に負けたのか、それ以上本のことについては何も言わず、闇に飲まれた。ただ、彼女は快楽に溺れ、最後の最後にザンにとどめを刺した。
「お願いっ……ザンファルティアール!」
ザンは眉間に皺を寄せた。思いだしたくもないことまで思い出してしまったからだ。本を読み終えたアリアが、目ざとく耳にするが、あっさりと流されてしまうあたり、相変わらずの夫婦である。
「・・・思い出したら腹が立ってきた」
「え、何を?」
「なんでもない。それより、今年もランジェリーの売り上げを寄付するのだろう?」
「うん、今年もこの本を出版して配るつもり!もちろん、ザンにも手伝ってもらうからね!」
「解っている。もう休憩はいいだろう、片付けに戻れ」
「はーい。そういえば、結局手伝ってくれたけれどどうしてなの?あれほど乗り気じゃなかったのに」
「・・・もう手伝わなくていいのなら答えてやるが」
「いいえっ!!けっこうです!」
まわれみぎとばかりに本棚の方へ戻っていったアリアを眺ながら、ザンは呆れるように本当に商魂たくましいよと呟いた。その言葉がアリアに届かなかったのは幸いだったといえよう。ザンはアリアに聞こえないように舌打ちしつつ、机の整理を再開した。
「・・・最後の最後でアリアより先に果ててしまうとかありえん」
そして、クリスマスにこじつけただけのエロ話(笑
ザンはこの日、アリアと一緒に執務室の整理をしていて忙しい状態だった。そんな折、片付けを手伝ってくれていたアリアが、一冊の本を取り出してザンに見せてきた。
「ザン、見てみて。懐かしいものが出てきたよ!」
「こりゃまた本当に懐かしいものを」
「ふふー、久しぶりに読もうっと」
アリアは懐かしいとばかりに、『きよしこの夜』の本を開きだした。こら、今は片付け中だろうと諭しても、少しだけだから!と聞かない。こうなるともう何をいっても聞かないので諦めるしかない。
ザンが机の引き出しの整理を続けていると、アリアが朗読する声が響いた。声が響く中、ザンは思い出していた。
(あれは彼女が妃になったばかりの時だったか)
疲れて帰ってきた時に、赤いワンピースを着ているアリアがいつになく力説してきた。
「サンタクロース?」
「そう!知らない?まずは、クリスマスからの説明かな。もとは私達の世界でいうキリストっていう人の誕生日だったんだけれど、日本じゃ、お祭り扱いになっているのよね。それでね、その日の夜に良い子の下へプレゼントを持って現れる赤い服のおじいさんのことをサンタクロースっていうのよ」
「へぇ・・・それで、お前はそのサンタクロースをやりたいってか?」
「まあ、全員には無理だってわかっているからね。その代わりに、本を作ってプレゼントしたいのよ」
「で、その本の販売はどうやって?」
ソファーでどうでもよいとばかりに新聞を読んでいたザンだが、そのあとの言葉にあきれ果てて、思わず彼女の頭を叩いたぐらいだ。ああ、もちろん、新聞で手加減して叩いたから問題ない。
「もちろん、ランジェリーの販売のついでに・・・って痛い!」
「はぁ。お前ね、本を作るのにはコストもかかるんだ。下手したら、下着より高くなるじゃねぇか。却下に決まっている」
「だから、そこを相談したいの!!これぐらいの子どもでも手に取りやすいサイズで、ページ少な目でいいの・・・」
ずいっと差し出してきたのは、見本で作ったのであろう、簡易な本だった。
「・・・なんだ、これ」
「『きよしこの夜』は、私の世界にある歌の題名なの。でも内容は私が考えた物語にしてあるわ」
「こいつの髪の毛の色かしらして、モデルは俺のようだが?」
「うん、そうだよ」
当然とばかりに頷いてくる彼女に頭を抱えた。本の主人公は俺と同じ髪の色で赤い服を着た子ども。どう見ても俺をモデルにしている。何故だと聞いたら、クリスマスの日とやらは12月24日で、丁度俺の誕生日にあたるのだという。
「・・・なるほど」
「そういうことなの。だから、このザンをモデルにした本を売りたいんだよね」
「それで、その服やこんな本まで作って、半年も前から準備していたのか」
「だって、早くしないと間に合わないもの。で、どうしたらこれを売ることができるの?」
どうしても本を売りたいのだろう、いつもより積極的に近づいてくる。普段ならこんな風にはならない。ソファーの横に座ってきた彼女の服は、真っ赤なワンピースだが、裾は白いファーがついている。加えて、黒い網タイツに赤いハイヒール。フードのついた赤いポンチョを羽織っているが、谷間を見るに、セクシーなスタイル系で作っているようだ。・・・うん、似合っているのは癪だが認める。認めはするが、これはこれ、それはそれだ。
ザンはため息をついた後、隣に座っているアリアの髪を弄りながら口を開いた。
「とりあえず、ランジェリーショップで売る案は無理だ。どうしてもというのなら、本屋だな。それとその服はランジェリーショップでも売れる」
「でも、それだとプレゼントにならないよ?それから、この服はもとよりランジェリーショップで売るつもり。あとね、これも!」
アリアはそういうと、目の前のテーブルにあった箱を開いた。そして、そこにあるものをぴらっと俺の方に向けてきた。
(ああ、うん・・・そりゃ、男どもなら悩殺されるわ。赤いビキニに白いファーが良く映えている。)
しかし、ザンは、得意げな彼女の前で褒めるのも癪だったため、喉まで出かかっていた言葉を飲み込んで質問に変えた。彼女は気付きもせずにあっさりと質問に答えた。
・・・お前、召喚されたのが俺のところでよかったなとは言わない。彼女の天然さは時にして助けてくれる長所でもあるからだとザンは思っていた。
「それも俺の誕生日に売るのか?」
「うーん。当日じゃなくて、少し前に売り出すつもり。早めにアピールしておけば、夫婦や恋人同士とかは絶対24日の夜に盛り上がると思うの!それに、限定色としてザンの紫色に合わせたバージョンも出すつもりでいる」
「(・・・つまり、お前は着る気満々と)・・・ま、ランジェリーやその服はそれでいいんじゃないか。で、お前は今それと同じランジェリーをつけているわけだな?」
「ううん、ここまで真っ赤ずくめだと萎えるでしょ?だから、色違いで紫色のを付けてるよ」
「なるほど」
ザンは楽し気に赤いランジェリーを片付けだしたアリアを後ろから抱きしめた。ふへっと間抜けな声が出たが、それをスルーして、ファスナーを下げる。ブラジャーの紐を外した後、そのまま這うように手を胸へと伸ばす。彼女もザンの意図に気付いては身をよじるが、足を絡められては逃げられまい。
「ザン!」
「煽ってきたお前が悪い」
ザンは背中にキスを落としながら、柔らかい胸を揉む。アリアが声を我慢しようと必死になるが時折漏れる甘い息は隠せない。耳を舐めながら囁いてくるザンの声にアリアは真っ赤になりながらも慌てるが、そのまま、ソファーに押し倒される。
「んっ・・・!」
押し倒されるのと同時に、深く口づけられる。角度を変えては何度もキスして舌を絡めあう。その間、アリアの手がザンの背中に回ったのは自然なことといえるだろう。彼の手はもはや太ももを撫でまわし、股の方へと忍んでいたが、キスで頭がぼうっとしているアリアが気付けるはずもなく。気付けば、ザンの手はアリアの奥の方へと侵入し終えていた。
「ああっ、うんっ・・・・!!」
入り込んでくる指の感触は何度も感じているし、慣れているといえば慣れている。だのに、どうしても身体が反応してしまう。自分でも奥がヒクヒクしながら彼の指をくわえているのがよくわかる。濃縮しては彼の指を締め付け、卑猥な音を出しているのはほかならぬ自分だということも自覚している。
それでも、アリアの頭はぼんやりとしてどこか他人事にしか感じられなかった。
それはたぶん、目の前にいる彼の存在が時にして非現実的に感じられるからだろうか。冷静に考えてみれば、彼は王子様だ。第二王子とは言え、正統なる皇族の一人。
しかも、日本でいうところのイケメン。彼がもし、日本にいたならば、間違いなくアイドルや俳優として有名人になっていたにちがいない。それほどに彼の色気やカッコよさは群を抜いていた。美形な父で、慣れているとはいえ、さすがにそんな彼と自分が交わるとは思っていなかっただけに時折、どうしようもない感情があふれ出てくるのだ。
そんなことを考えていたアリアだが、いきなりザンが耳に嚙みついてきた。
「いたっ!」
「考え事とは余裕だな。もう入れるぞ」
「えっ、ちょ、だめ、待っ…あっ、ああんっ!!」
ザンの言い方が少し冷たくなっていたことに気付くが、後の祭り。一気に足を広げられ、あっという間に肉棒で貫かれた。必死にザンにしがみつこうとするが、当のザンは拗ねたのか、アリアを引き離し、彼女の口に指を入れた。
「えっ、んっんっ?」
「指でもしゃぶってろ」
入ってくる指に苦しさを覚えながらも、そろりと舌を這わせるようにしてくわえ込んだ。同時に、体勢を変えられ、座位の体勢でつながる形になった。そそり立った硬い肉棒の形を感じながらも、アリアは指に集中しようと両手でザンの手首を持つ。ザンはというと、空いた手で抱え込むようにアリアを抱きしめながら動いている。奥を貫いてくるその凶悪な物を少しでもなんとかしようと締め付けるが、揺れる腰は快楽のまま止まらない。
「それでいい。最初から素直に俺だけ感じていればよいものを」
ザンがようやく指を外した頃にはびちゃびちゃになっていて、アリアもとろんとした目になっていた。気付けば、ポンチョははがされ、上半身はむき出し、網タイツはどころどころが破けていた。赤いハイヒールは床に転げ落ち、渾身の作でもあったランジェリーもぐちゃぐちゃで絨毯に転がっていた。ようやく周りを認識できるようになったアリアだが、下から突き付けられる快感が止まることはない。慌ててザンの肩に縋りつく。今度はザンも振り払わなかった。背中に手を回すと、よりザンの動きが激しくなった。それに合わせて、アリアもリズムよく動き出す。お互い何も言わずとも、快楽が頂点に達するタイミングは同じだと感じたのかしばらく無言で絡み合う。
アリアはぼんやりと目を覚ました。むっくり起き上がるとそこはソファーではなく、ベッドの上だった。サンタの服もいつ間にやら全部はがされ、裸になっていた。奥の方に違和感を感じて思わず、締め付けてしまう。じわっと濡れる感覚に驚くと、ザンの声が上から振ってきた。気付けば、ザンの胡坐の上に立っていた。しかし、ザンの指はしっかりとアリアの奥を捉えて離さない。いつもなら見える茂みも、今はザンの手に隠れて見えない。慌てふためくアリアだが、ザンの指の動きは止まらなかった。
「ざ、ザン、もしかしてずっと・・・?」
「いや、お前が起きる少し前ぐらいだ。ベッドに寝かせようと思ったんだが、お前の身体に誘われてつい、な」
「なに、その言い訳…ねぇ、ザン」
「お前が色っぽい声を出すときはろくなことがない」
「そういわずにお願い、どうしたら本をプレゼントみたいな形で出せる?」
ここまで来て尚、本のことを諦めないあたりはもはや敬服に値する。
ザンは呆れたものの、指の動きを止めない。その代わり、アリアに四つん這いになるように命じる。のそのそと四つ這いになろうとするアリアの後ろで、ザンはアリアの艶めいた肢体を舐めながら言葉を紡いだ。
「・・・本のコストを考えるとプレゼントとしては到底無理だ。だが・・・その売り上げを病院や孤児院に寄付することはできる。もしくは、ランジェリーの売上を本に変えて病院や孤児院へプレゼントするといった工夫は可能だ」
「それなら、私としても問題はなっ…ああんっ!」
「まぁ、お前が俺を先にイカせられるなら、いくらでも手伝ってやるよ」
四つん這いになったアリアから指を引き抜き、代わりに再び肉棒を差し込む。一度受け入れたそこはもうすぐにするっと彼を受け入れた。最後まで返事できなかったが、ザンにとってはもはやどうでもいい話題だった。アリアもまたぶつかり合う快楽に負けたのか、それ以上本のことについては何も言わず、闇に飲まれた。ただ、彼女は快楽に溺れ、最後の最後にザンにとどめを刺した。
「お願いっ……ザンファルティアール!」
ザンは眉間に皺を寄せた。思いだしたくもないことまで思い出してしまったからだ。本を読み終えたアリアが、目ざとく耳にするが、あっさりと流されてしまうあたり、相変わらずの夫婦である。
「・・・思い出したら腹が立ってきた」
「え、何を?」
「なんでもない。それより、今年もランジェリーの売り上げを寄付するのだろう?」
「うん、今年もこの本を出版して配るつもり!もちろん、ザンにも手伝ってもらうからね!」
「解っている。もう休憩はいいだろう、片付けに戻れ」
「はーい。そういえば、結局手伝ってくれたけれどどうしてなの?あれほど乗り気じゃなかったのに」
「・・・もう手伝わなくていいのなら答えてやるが」
「いいえっ!!けっこうです!」
まわれみぎとばかりに本棚の方へ戻っていったアリアを眺ながら、ザンは呆れるように本当に商魂たくましいよと呟いた。その言葉がアリアに届かなかったのは幸いだったといえよう。ザンはアリアに聞こえないように舌打ちしつつ、机の整理を再開した。
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