【R18】第二王子と妃の夫婦事情

巴月のん

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番外編

番外編)おやつの時間ですよ

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*第二王子と妃の夫婦事情





アリアとザンは久々の休日ということで、部屋でカフェタイムに入っていた。もちろん、シャラもお茶の用意のため、傍に待機していた。

「ふぅ、久しぶりの休みはいいな」
「あー、シャラの紅茶は相変わらず美味しい~」
「お褒め戴いて光栄です。お菓子もそろそろラティスが買ってくる頃なんですけれど・・・」

タイミングよく、ドアをノックする音が聞こえたので許可すれば、ラティスが待ちに待ったお菓子を持って入ってきた。

「おまたせしたっス、今日は新しくオープンしたケーキ屋さんがあったんで、そこのプリンを買ってきました」
「やった!ラティスのお菓子は外れがないから楽しみ!」
「ここのプリンは甘さ控えめなんで、ザン様でも食べられるんスけれど、如何します?」
「あーこの生クリーム美味しいっ!んっ・・・幸せ・・・!!」
「・・・もらおう」

ザンは一瞬迷ったものの、アリアが嬉々として食べだす様子を見て自分も食べることにした。何しろ、彼女がスプーンに生クリームをのせて咥えて美味しそうに舐めとるもんだから、手持無沙汰だと何をするかわからない。せめて彼女と同じものを食べることで留飲を下げることにする。そう、これは彼女のあれだと思えば・・・というザンの(下半身の)悩ましい事情を知らずにいるアリアはというと、二個目のプリンを食べようとしていた。

「アリア様、なりませんよ。それ以上食べたら太ってしまいます」
「・・・・うっ!!」
「もうすぐ社交ダンスパーティーが始まる時期ですわ。少しは自重されたほうが」
「ああーーーねぇ、ラティス、兵士だった時にカロリーゼロのおやつ作ってくれたよね?」
「あ、そ、そんなこともあったっスね~そ、それが?」

アリアの唐突な振りに引き気味であるものの、ラティスは素直に頷いた。その瞬間、ザンの目が細まったのは気のせいではないはず。もちろんその不穏になりつつある空気に気付かないラティスではない。何しろ、このザン様の(誰がどう見ても解りやすい)嫉妬に気付かないのは当のアリア様ぐらいのものなのだから!

「ラティス、どうしてお菓子を作れますの?」
「シャラ、ラティスはお姉さまが5人いてね。そのお姉様と一緒にお菓子作りをよくしていたらしいの」
「姉たちが最初始めたんスけれど飽きっぽくて・・・結局今も続けているのは俺ぐらいになってしまって」
「ああ・・・なるほど、お姉さま達に作ってと言われるようになったわけね」
「そうっスよ!5人もいるっスから、反論しようにも逆らえなくて・・・」
「そのおやつね、すごく美味しいのよ。私もよくお願いして作ってもらったわ。ねぇ、久しぶりに食べたい!」

アリアがたまらずとばかりにラティスに抱き着いた。しかも、アリアの両手はラティスの腰にまわっていて。すなわち、あれだ、かなりの密着具合に思わずシャラはどうにかしようとザンに向かい合うが、うまく言葉が出てこない。

「あ、その、ざ、ザン・・・その、紅茶を飲みましょうか、それともプリンを!?」
「・・・シャラ、今の俺が紅茶を飲める状況にあるとでも?おい、ラティス・・・・!」
「い、いや、その、これは不可抗力でしてっ!!!」
「ねえ、お願いだから・・・・特にあれ。あのゼリーが欲しいの!ちょっと舐めただけでぷるんって固まってくれるあの感触がまたたまらなくて・・・」
「うぁぁあああああ!!そこ、そこまでにしてくださいっす、アリア様ぁあああ!!腰が!あそこが!」

必死に抵抗しているラティスだが、アリアの頭はゼリーでいっぱいらしく、手を緩めようともしない。それどころか、思いだしているのかほんのりと頬に赤みがさして嬉しそうな様子をみせている。
・・・・これだけみたら誤解されそうな場面よね・・・とシャラは眉間に皺をよせ、どんどん部屋の温度を下げていく麗しの魔王様をみないように必死に耐えていた。
そして、魔王と呼ばれたザンはというと自分を落ち着かせようとしているのか、深く深呼吸した後、アリアを呼んだ・・・その声が怒りで震えていることにはたして彼女が気付いたかどうか。

「・・・アリア、そのゼリーはそんなにうまいのか?俺の傍にきて教えてくれ」
「っ・・・うん!」

・・・ぱぁああっと笑顔を向けてザンに一直線向かう様子からしてザンの怒りには気づいていないらしい。アリアが自分の呼びかけに気付いたことで少々留飲を下げたザンはちらっとラティスをみた。それにびくっと固まったラティスはというと、この後のザンから猫撫で声で告げられた言葉に涙を流すほど喜んだ。

「ねぇ・・・ラティス・・・・そんなに君のデザートが美味しいというのなら、パーティーにも出せるよね・・・?」
「ひ、ひぃいいいい、そ、そこ、までは・・・!」
「あ、それいいっ!!本当に美味しいのよ、ザンにも食べてほしいぐらい」
「・・・我が妃もこう言っていることですしね。シャラ、ラティスを厨房の面々にあいさつさせてやれ」
「か、かしこまりました」

ブリザードが降り注ぐこの様子では否など言えるはずもない。シャラはただ頷くだけで精一杯だった。そして当のラティスはというともう固まっていて何も返事すらできない状態だ。

「後、お前達二人はそのプリンをもって下がれ。・・・・しばらく入るなよ」
「・・・承知いたしました。ですが、お風呂の用意をしにお邪魔させていただいても?」
「それぐらいは許す・・・大事な口直しの時間だ。風呂の方も念入りにな」
「かしこまりました。ラティス、行くわよ」

ヘビに睨まれたように動かなくなったラティスを引きずって出ていくシャラを見送ったアリアはザンの肩にもたれながら聞いてみた。

「口直し・・・?ねぇ、ザン、何か食べるの?」
「こんなプリンの生クリームなんかよりもいいものを食べさせてやろう・・・ベッドでな」

ザンの言う口直しの意味にようやく気付いたアリアはみるみるうちに真っ赤になって逃げようとしたが時は遅し。すでにザンの腕の中に絡みとられ、口づけられてあっという間に美味しく頂かれた。





余談

「うぁあああああああ、なんすか、これ100人分とか!」
「それでも少ない方ですね」
「俺、コックじゃないんスよ?パティシェとやらでもないっスよ!!!」
「アリア様が貴方のゼリーをのぞんでいらっしゃるのだから諦めなさい」
「うぁあああああああああ!!」


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