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第一章 高校一年生(一学期)
ねぐせ(朔良)
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スクールバスに乗って小一時間。
神の坂(本当にそんな名前がついている)という名の心臓破りの坂を登り、朔良はスタミナが切れてしまった。
「き、きっつ……」
そこそこ長く、斜面が急なため、体力のある朔良でも結構きついものがある。
それに加え……
「階段多すぎだろ……」
下駄箱で靴を履き替え、朔良は教室に向かっていた。
だが、一年の教室は学校の最上階。
これでは、体力のない人は肉体的にも精神的にも負荷がかかるだろう。
「つ、着いた……」
へとへとになりながらも、なんとか教室へたどり着くことが出来た。
ドアを開け、朔良は自分の席に向かう。
その途中で美久里の席を通過するため、軽く挨拶し――ようとしたが。
「おっはよ~! ――って、誰だよお前!? なんで美久里の席に座ってんだ!?」
「えっ……!? 私がその美久里だよ!?」
「……え? あー……なんだ。髪がめちゃくちゃになってるから別人に見えたわ……」
「うぅ……そんなに変?」
「変とかそういうレベルじゃないぞ!?」
……そう。美久里の髪はそういうレベルじゃない。
見事に重力に逆らっていて、どうしたらそうなるのか知りたいぐらいだ。
朔良はカバンからクシを取り出し、美久里の後ろ側へ回る。
「……ったくもう、高校生なんだから身だしなみぐらいきちんとしろよなー」
「あ、あはは……その……朝起きたら登校時間ギリギリで……」
朔良が呆れた顔で、美久里の髪をクシで整えていく。
だが、美久里の髪が元々くせっ毛なせいか、なかなか普通の状態に戻すのが難しい。
というか、どうしたらこんなメデューサみたいな髪型になるのだろう。
ストレートヘアの朔良からしたら想像がつかない。
(だけど、ちょっとだけ羨ましいかも……)
ストレートヘアではなかなかくせが付きづらく、髪を巻いてオシャレをするということが難しいのだ。
……まあ、だからと言って美久里の髪ほどの強烈なくせはいらないが。
「ねぇ、朔良」
「……んー?」
やっと髪が落ち着いてきたところで、美久里が話しかけてきた。
「朔良ってさ……面倒見良いからつい甘えたくなっちゃうな~……って、あ! ごめんね? 迷惑だよね??」
と、慌てふためいて謝罪する。
申し訳なさそうな顔と言葉に、朔良はふと疑問を抱く。
(……なんでこいつ、こんなに遠慮するんだ?)
そんなちょっとした違和感が朔良の脳を支配し、無意識にこう言わせた。
「……あたしで良ければいつでも甘えに来いよ」
朔良がそう言うと、美久里は驚いた様子で遠慮がちに笑った。
神の坂(本当にそんな名前がついている)という名の心臓破りの坂を登り、朔良はスタミナが切れてしまった。
「き、きっつ……」
そこそこ長く、斜面が急なため、体力のある朔良でも結構きついものがある。
それに加え……
「階段多すぎだろ……」
下駄箱で靴を履き替え、朔良は教室に向かっていた。
だが、一年の教室は学校の最上階。
これでは、体力のない人は肉体的にも精神的にも負荷がかかるだろう。
「つ、着いた……」
へとへとになりながらも、なんとか教室へたどり着くことが出来た。
ドアを開け、朔良は自分の席に向かう。
その途中で美久里の席を通過するため、軽く挨拶し――ようとしたが。
「おっはよ~! ――って、誰だよお前!? なんで美久里の席に座ってんだ!?」
「えっ……!? 私がその美久里だよ!?」
「……え? あー……なんだ。髪がめちゃくちゃになってるから別人に見えたわ……」
「うぅ……そんなに変?」
「変とかそういうレベルじゃないぞ!?」
……そう。美久里の髪はそういうレベルじゃない。
見事に重力に逆らっていて、どうしたらそうなるのか知りたいぐらいだ。
朔良はカバンからクシを取り出し、美久里の後ろ側へ回る。
「……ったくもう、高校生なんだから身だしなみぐらいきちんとしろよなー」
「あ、あはは……その……朝起きたら登校時間ギリギリで……」
朔良が呆れた顔で、美久里の髪をクシで整えていく。
だが、美久里の髪が元々くせっ毛なせいか、なかなか普通の状態に戻すのが難しい。
というか、どうしたらこんなメデューサみたいな髪型になるのだろう。
ストレートヘアの朔良からしたら想像がつかない。
(だけど、ちょっとだけ羨ましいかも……)
ストレートヘアではなかなかくせが付きづらく、髪を巻いてオシャレをするということが難しいのだ。
……まあ、だからと言って美久里の髪ほどの強烈なくせはいらないが。
「ねぇ、朔良」
「……んー?」
やっと髪が落ち着いてきたところで、美久里が話しかけてきた。
「朔良ってさ……面倒見良いからつい甘えたくなっちゃうな~……って、あ! ごめんね? 迷惑だよね??」
と、慌てふためいて謝罪する。
申し訳なさそうな顔と言葉に、朔良はふと疑問を抱く。
(……なんでこいつ、こんなに遠慮するんだ?)
そんなちょっとした違和感が朔良の脳を支配し、無意識にこう言わせた。
「……あたしで良ければいつでも甘えに来いよ」
朔良がそう言うと、美久里は驚いた様子で遠慮がちに笑った。
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