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第一章 高校一年生(一学期)
いらすと(紫乃)
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イラストを描くのは結構好きだ。
人物や動物を描くと、今にも動き出しそうな感覚がたまらない。
ファンタジー世界のキャラクターも、現実世界を舞台にした架空のキャラクターも、アニメ映像で再生される。
そんな、キャラクターに命を吹き込んでいる感覚が大好きなのだ。
「わー……すごい……」
「~~!?」
声にならない声が出る。
絵を描くことに集中していて、誰かが近づいてくる気配に気づくことができなかった。
これは非常にまずい。
自分の絵を他人に見られるなんて、全裸になるぐらい恥ずかしいのに。
「ねぇ、これ自分で描いたの……?」
「えっ? あ、まあ……そうだけどぉ……」
咄嗟に嘘をつくこともはぐらかすこともできず、正直に肯定した。
すると、その子は目を輝かせてずいっと顔を近づけてくる。
「すごいね……! なんて言うか、上手く言えないけど……これ、まほなれの主人公の結衣ちゃんでしょ!? なんて言うか……すごく生き生きしてる……!」
イラストをまじまじと見ながら、饒舌に話す紫髪の少女。
その少女はハッとした表情を浮かべると、気まずそうに顔を逸らした。
どうやら、興奮気味に話していたことが恥ずかしかったらしい。
そして、少女は申し訳なさそうに顔を伏せる。
「ご、ごめんね……素敵な絵だったから……つい……」
「いや~……別にいいけどぉ……」
――“素敵な絵”。
そのフレーズで、緊張と警戒が解けた。
少女のその言葉に嘘がないことは、すぐに見てわかるから。
「あ、私の名前は美久里。その……もし嫌じゃなければ……よろしく」
何か一言自虐のように聞こえるものがあったが、気のせいだろうか……
「……僕は紫乃。こちらこそよろしく~」
紫乃はおおらかに笑いながら思う。
(この子……あの子に似てるな……)
遠い昔――嫌な記憶に光をあててくれた人物。
顔も声もおぼろげで、気がつくとなくしてしまいそうなほど脆い記憶だが、なぜか今は……それが鮮明に見えた気がした。
紫乃はそんな暖かい記憶を忘れないようにと、真剣な表情で絵を描き始めた。
人物や動物を描くと、今にも動き出しそうな感覚がたまらない。
ファンタジー世界のキャラクターも、現実世界を舞台にした架空のキャラクターも、アニメ映像で再生される。
そんな、キャラクターに命を吹き込んでいる感覚が大好きなのだ。
「わー……すごい……」
「~~!?」
声にならない声が出る。
絵を描くことに集中していて、誰かが近づいてくる気配に気づくことができなかった。
これは非常にまずい。
自分の絵を他人に見られるなんて、全裸になるぐらい恥ずかしいのに。
「ねぇ、これ自分で描いたの……?」
「えっ? あ、まあ……そうだけどぉ……」
咄嗟に嘘をつくこともはぐらかすこともできず、正直に肯定した。
すると、その子は目を輝かせてずいっと顔を近づけてくる。
「すごいね……! なんて言うか、上手く言えないけど……これ、まほなれの主人公の結衣ちゃんでしょ!? なんて言うか……すごく生き生きしてる……!」
イラストをまじまじと見ながら、饒舌に話す紫髪の少女。
その少女はハッとした表情を浮かべると、気まずそうに顔を逸らした。
どうやら、興奮気味に話していたことが恥ずかしかったらしい。
そして、少女は申し訳なさそうに顔を伏せる。
「ご、ごめんね……素敵な絵だったから……つい……」
「いや~……別にいいけどぉ……」
――“素敵な絵”。
そのフレーズで、緊張と警戒が解けた。
少女のその言葉に嘘がないことは、すぐに見てわかるから。
「あ、私の名前は美久里。その……もし嫌じゃなければ……よろしく」
何か一言自虐のように聞こえるものがあったが、気のせいだろうか……
「……僕は紫乃。こちらこそよろしく~」
紫乃はおおらかに笑いながら思う。
(この子……あの子に似てるな……)
遠い昔――嫌な記憶に光をあててくれた人物。
顔も声もおぼろげで、気がつくとなくしてしまいそうなほど脆い記憶だが、なぜか今は……それが鮮明に見えた気がした。
紫乃はそんな暖かい記憶を忘れないようにと、真剣な表情で絵を描き始めた。
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