43 / 239
幕間 様々なイフ
もしも紫乃が追い詰められていたら
しおりを挟む
――カチャ。
屋上のドアを開ける。
――キィィ……パタン。
そう音を立てながら、ドアが閉まる。
ふと顔を上げると、柵の外に立っている人物が見えた。
――先客か。
そう思っただけだ。
別にあの子が何をしようが、自分には関係ない。
――だけど。
葉奈は少女のちょうど後ろに立つように移動した。
その子は深呼吸して、「よし」と小声で呟いてから、覚悟を決めたようで。
少し斜めって、今にも落ちそうな感じになる。
このまま何もしなければ少女は落ちてしまうだろう。
「やあ、こんにちはっす」
「!?」
葉奈が声を掛けた事で我に返ったように、斜めっていた体勢から普通の体勢に戻る。
そして、後ろを振り向いて葉奈の姿を見ると驚いた顔をして……いや、どこか怯えたような目つきをして立っていた。
「いやー、すみませんっす。邪魔しちゃったっすか?」
葉奈はわざと惚けて、まじまじと少女を見る。
体格は葉奈とは違って細身、青色の髪の毛は肩まで伸びていてとても綺麗だ。
顔立ちも整っているが、どこか変な痩せ方をしている。
そんな葉奈の態度と言動に、少女は訝しげな表情で窺っている。
「えっと……何しに来たの~?」
「そうっすね。一人になりたかったからっすかね?」
何をしに来たのか、自分ですら分かんないのだから、葉奈は無意識に疑問形になった。
……それにしても、綺麗な声しているな。
繊細って感じの綺麗さで、同性の葉奈でも少し惚れかけた。
……だったら、相当モテるだろうな。
葉奈はそんな嫉妬と羨ましさでいっぱいだった。
「だったら今すぐー人にしてあげるよ~」
そう言って、またここから飛び降りようとしていた。
そっちの意味じゃない!
「――へっ!? あ、いや、そうじゃないっす……!」
「じゃあ何……?」
「うーん……自殺はあんまオススメしないっすよ……?」
葉奈がそう言うと、少女は「やっぱり止めに来たんですね」と言った。
別にそんなつもりじゃなかったけど。
何故かそう言った後の少女の表情が、膨れっ面をしている様に見えて、不思議と少し可愛いなと思ってしまった。
「止めに来たわけじゃないっすよ。ただ……飛び降りした後って……その、野次馬とか大変そうじゃないっすか」
だが、葉奈は平静を装いながら言う。
「だから、うちはオススメしないって言ったんすけど。だって、別にあんたが死のうがうちには関係ないし、自殺を止めたって言う世間の賞賛も要らないっす。それに……」
――自分だって、本当は……
そんなこと、少女の前では言えない。
その子は不思議そうにしてたが、察してくれたのか、その後の言葉を追求しに来ることはなかった。
「……分かったよ~。でも、だったらどうすれば良いの? 僕は……死にたいぐらい悩んでるのに!」
涙目で、柵を拳で叩く。
ゴンと鈍い音が響いたが、本人は気にしていないようだった。
痛々しい音が響いたせい……いや、そのお陰で葉奈は目を覚ました。
過去の嫌なことを考えていた脳を、一気に現実に引き戻してくれたのだ。
声を掛けずらい……けど、声を掛けなきゃいけない気がした。
「何かあったんすか? えっと……あ、名前聞いてなかったっすね!?」
葉奈が思い出したようにそう言うと、少女は一瞬驚いた顔をしていたが、やがてフッと微笑んだ。
それはまるで、枯れていた花が水を与えられて復活したような、そんな感じがする。
「僕は……紫乃」
葉奈は、紫乃に何回惚れさせられただろうか。
笑顔の破壊力が半端ない。
「えっと……あなたは~?」
「うちは……葉奈っす。よろしく」
すぐにでも死にそうな感じだったのに、よろしくと言うのは変だろうか。
だけど……
「うん、よろしくね~」
ニッコリと微笑んで、「よろしく」と返してくれた紫乃に見惚れて、葉奈思考が停止した。
……可愛いすぎやしないだろうか。
はっきり言って尊い。
……っと、こんな事を語っている場合ではなかった。
「ところで、悩みってなんなんすか?」
葉奈がそう聞くと、ハッとした様子で困った顔をした。
言おうかどうか迷ってる感じだ。
葉奈は、何も言わずに待っていた。
気になってはいたが、別に急いで追求しようとは思わないから。
「えっと……僕、友達に裏切られたの……ずっと友達だったのに、急に『友達じゃない』って言われて……無視するようになったり、時々僕の方を見て嗤ってるような気がして……僕、耐えられなくて……何もしてないのに……」
「それだけっすか?」
そう聞いた瞬間、紫乃はビクッとして顔を上げたが、すぐに目を逸らした。
葉奈は一通り話を聞いたが、理由がそれだけとは思えない。
まあ、メンタルが思ったより弱ければそれだけなのだろうけど。
紫乃にはそんな感じがしない。
――ただのカンだが。
「ぼ、僕……家にも居場所が無くって……親の絵のスキルが凄くて、僕に過度な期待をしているようで……それも原因って言うか~……」
――もしかして、紫乃は……
「もしかして、絵が上手いって評判の!?」
『評判』と言うフレーズに驚いたのだろうか。
紫乃は目を見開き、顔を赤くしてコクッと頷いた。
「えー! 凄いっすね! 尊敬するっす!」
「えっ……と、ありがと~……」
「容姿も良くて頭もいいとか最強じゃんっす! いいなー……!」
葉奈のその言葉に何かを感じたのか。
紫乃は「そっか、そういう事か……」と、独り言を呟いている。
その様子をニヤニヤしながら眺めていると、紫乃はそれに気づき、一瞬にして顔が赤く染まる。
「これで分かったっすか?」
「うん……つまり、僕にとっては嫌なことでも、他人から見たら羨ましいって事だよね~?」
「そういう事っす! だから、友達も嫉妬してたんじゃないっすか? それと、親も紫乃ちゃんが絵上手いから期待してるんだと思うっす! だって、絵が上手くなかったら期待なんかしないっすもん」
葉奈はニコッと笑った。
さきほどまでのような、気味の悪い笑みじゃない。
それに釣られて、紫乃も笑う。
人の心を奪うような笑顔で。
「じゃあ、なんか食べに行こうっす」
「うん!」
自分に出来ることがあればなんでもしよう。
そう、心に決めて歩き出した。
傷を舐め合うだけでも、かなり居心地が良いから。
曇っていた空から光が差した。
「明日は晴れるかな……」と、葉奈が小声で呟く。
「晴れるといいよね~」と、紫乃も小声で呟いた。
これからの人生――二人で乗り越えよう。
二人はそんなことを同時に思った。
雲の厚みも薄れ、太陽の光が強くなる。
それは、二人の今後を表しているようだった。
屋上のドアを開ける。
――キィィ……パタン。
そう音を立てながら、ドアが閉まる。
ふと顔を上げると、柵の外に立っている人物が見えた。
――先客か。
そう思っただけだ。
別にあの子が何をしようが、自分には関係ない。
――だけど。
葉奈は少女のちょうど後ろに立つように移動した。
その子は深呼吸して、「よし」と小声で呟いてから、覚悟を決めたようで。
少し斜めって、今にも落ちそうな感じになる。
このまま何もしなければ少女は落ちてしまうだろう。
「やあ、こんにちはっす」
「!?」
葉奈が声を掛けた事で我に返ったように、斜めっていた体勢から普通の体勢に戻る。
そして、後ろを振り向いて葉奈の姿を見ると驚いた顔をして……いや、どこか怯えたような目つきをして立っていた。
「いやー、すみませんっす。邪魔しちゃったっすか?」
葉奈はわざと惚けて、まじまじと少女を見る。
体格は葉奈とは違って細身、青色の髪の毛は肩まで伸びていてとても綺麗だ。
顔立ちも整っているが、どこか変な痩せ方をしている。
そんな葉奈の態度と言動に、少女は訝しげな表情で窺っている。
「えっと……何しに来たの~?」
「そうっすね。一人になりたかったからっすかね?」
何をしに来たのか、自分ですら分かんないのだから、葉奈は無意識に疑問形になった。
……それにしても、綺麗な声しているな。
繊細って感じの綺麗さで、同性の葉奈でも少し惚れかけた。
……だったら、相当モテるだろうな。
葉奈はそんな嫉妬と羨ましさでいっぱいだった。
「だったら今すぐー人にしてあげるよ~」
そう言って、またここから飛び降りようとしていた。
そっちの意味じゃない!
「――へっ!? あ、いや、そうじゃないっす……!」
「じゃあ何……?」
「うーん……自殺はあんまオススメしないっすよ……?」
葉奈がそう言うと、少女は「やっぱり止めに来たんですね」と言った。
別にそんなつもりじゃなかったけど。
何故かそう言った後の少女の表情が、膨れっ面をしている様に見えて、不思議と少し可愛いなと思ってしまった。
「止めに来たわけじゃないっすよ。ただ……飛び降りした後って……その、野次馬とか大変そうじゃないっすか」
だが、葉奈は平静を装いながら言う。
「だから、うちはオススメしないって言ったんすけど。だって、別にあんたが死のうがうちには関係ないし、自殺を止めたって言う世間の賞賛も要らないっす。それに……」
――自分だって、本当は……
そんなこと、少女の前では言えない。
その子は不思議そうにしてたが、察してくれたのか、その後の言葉を追求しに来ることはなかった。
「……分かったよ~。でも、だったらどうすれば良いの? 僕は……死にたいぐらい悩んでるのに!」
涙目で、柵を拳で叩く。
ゴンと鈍い音が響いたが、本人は気にしていないようだった。
痛々しい音が響いたせい……いや、そのお陰で葉奈は目を覚ました。
過去の嫌なことを考えていた脳を、一気に現実に引き戻してくれたのだ。
声を掛けずらい……けど、声を掛けなきゃいけない気がした。
「何かあったんすか? えっと……あ、名前聞いてなかったっすね!?」
葉奈が思い出したようにそう言うと、少女は一瞬驚いた顔をしていたが、やがてフッと微笑んだ。
それはまるで、枯れていた花が水を与えられて復活したような、そんな感じがする。
「僕は……紫乃」
葉奈は、紫乃に何回惚れさせられただろうか。
笑顔の破壊力が半端ない。
「えっと……あなたは~?」
「うちは……葉奈っす。よろしく」
すぐにでも死にそうな感じだったのに、よろしくと言うのは変だろうか。
だけど……
「うん、よろしくね~」
ニッコリと微笑んで、「よろしく」と返してくれた紫乃に見惚れて、葉奈思考が停止した。
……可愛いすぎやしないだろうか。
はっきり言って尊い。
……っと、こんな事を語っている場合ではなかった。
「ところで、悩みってなんなんすか?」
葉奈がそう聞くと、ハッとした様子で困った顔をした。
言おうかどうか迷ってる感じだ。
葉奈は、何も言わずに待っていた。
気になってはいたが、別に急いで追求しようとは思わないから。
「えっと……僕、友達に裏切られたの……ずっと友達だったのに、急に『友達じゃない』って言われて……無視するようになったり、時々僕の方を見て嗤ってるような気がして……僕、耐えられなくて……何もしてないのに……」
「それだけっすか?」
そう聞いた瞬間、紫乃はビクッとして顔を上げたが、すぐに目を逸らした。
葉奈は一通り話を聞いたが、理由がそれだけとは思えない。
まあ、メンタルが思ったより弱ければそれだけなのだろうけど。
紫乃にはそんな感じがしない。
――ただのカンだが。
「ぼ、僕……家にも居場所が無くって……親の絵のスキルが凄くて、僕に過度な期待をしているようで……それも原因って言うか~……」
――もしかして、紫乃は……
「もしかして、絵が上手いって評判の!?」
『評判』と言うフレーズに驚いたのだろうか。
紫乃は目を見開き、顔を赤くしてコクッと頷いた。
「えー! 凄いっすね! 尊敬するっす!」
「えっ……と、ありがと~……」
「容姿も良くて頭もいいとか最強じゃんっす! いいなー……!」
葉奈のその言葉に何かを感じたのか。
紫乃は「そっか、そういう事か……」と、独り言を呟いている。
その様子をニヤニヤしながら眺めていると、紫乃はそれに気づき、一瞬にして顔が赤く染まる。
「これで分かったっすか?」
「うん……つまり、僕にとっては嫌なことでも、他人から見たら羨ましいって事だよね~?」
「そういう事っす! だから、友達も嫉妬してたんじゃないっすか? それと、親も紫乃ちゃんが絵上手いから期待してるんだと思うっす! だって、絵が上手くなかったら期待なんかしないっすもん」
葉奈はニコッと笑った。
さきほどまでのような、気味の悪い笑みじゃない。
それに釣られて、紫乃も笑う。
人の心を奪うような笑顔で。
「じゃあ、なんか食べに行こうっす」
「うん!」
自分に出来ることがあればなんでもしよう。
そう、心に決めて歩き出した。
傷を舐め合うだけでも、かなり居心地が良いから。
曇っていた空から光が差した。
「明日は晴れるかな……」と、葉奈が小声で呟く。
「晴れるといいよね~」と、紫乃も小声で呟いた。
これからの人生――二人で乗り越えよう。
二人はそんなことを同時に思った。
雲の厚みも薄れ、太陽の光が強くなる。
それは、二人の今後を表しているようだった。
0
あなたにおすすめの小説
神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~
葵はるか
ファンタジー
「少子化で、八百万の神々の力が衰えるどころか滅亡しそうです! ですので、氷河期世代を救います!」
国会に突如、降臨した絶世の美少女である天照大御神は、氷河期世代を救うために日本中に日本人専用のダンジョンを作りだすことを宣言するのであった。
会社に一方的にクビにされた佐藤和也も、日本中に発生したダンジョンへ生活の糧を得るために潜ることになったのであった。
転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!
カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地!
恋に仕事に事件に忙しい!
カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
婚約者はこの世界のヒロインで、どうやら僕は悪役で追放される運命らしい
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
僕の前世は日本人で25歳の営業マン。社畜のように働き、過労死。目が覚めれば妹が大好きだった少女漫画のヒロインを苦しめる悪役令息アドルフ・ヴァレンシュタインとして転生していた。しかも彼はヒロインの婚約者で、最終的にメインヒーローによって国を追放されてしまう運命。そこで僕は運命を回避する為に近い将来彼女に婚約解消を告げ、ヒロインとヒーローの仲を取り持つことに決めた――。
※他サイトでも投稿中
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
幼き改革者、皇孫降臨 〜三歳にして朝廷を震わせる〜
由香
キャラ文芸
瑞栄王朝の皇孫・凌曜は、わずか三歳。
泣かず、騒がず、ただ静かに周囲を見つめる幼子だった。
しかしその「無邪気な疑問」は、後宮の不正を暴き、腐敗した朝廷を揺るがしていく。
皇帝である祖父の絶対的な溺愛と後ろ盾のもと、血を流すことなく失脚者を生み、国の歪みを正していく凌曜。
やがて反改革派の最後の抵抗を越え、彼は“決める者”ではなく、“問い続ける存在”として朝廷に立つ。
これは、剣も権謀も持たぬ幼き改革者が、「なぜ?」という一言で国を変えていく物語。
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる