個性派JK☆勢揃いっ!【完結済み】

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第一章 高校一年生(三学期)

おとまり(萌花)

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 机の上に並べられたのはクッキーやポテチなど、本来ならば夜に食べるのがはばかられるものばかり。
 しかしそんな考えは、普段と少し違う状況であればたやすく妥協されるものだった。

 今、萌花たちが着ているのはパジャマ。
 しかし萌花の自宅ではないわけで、つまりは。

「お泊まりの醍醐味と言えば!」
「パジャマパーティーです!」

 「わー!」という若干棒読みの歓声を出した後、この妙なテンションを落ち着かせるために、萌花はジュースに口をつけた。

「でも……へへ、嬉しいっす。萌花ちゃんとお泊まりなんて」

 口元を手で隠しながらも、葉奈は無邪気に笑う。
 その顔を見ながら思い返してみると、夕飯の量が心なしか少なかった気がした。
 もしかして、こうして一緒にお菓子を食べたりするのを想定してのことだったりするのだろうか。

 それはさておき、泊まることになった今だからこそ気になることがあった。

「そういや、家の人って出掛けてるんですか?」

 萌花がここに来てからずっと、葉奈の家族の影すら見なかった。
 もし居れば挨拶を、と萌花は思っていたのだが。

「……そっすね。うち、父親いなくて母親が夜遅くまで働いているっすから」
「え、そうだったんですか?」

 だから料理上手だったり、門限も特に無かったりするらしい。
 しかし、父親がいないとなると。

「寂しかったりしないんですか? 私は家でワイワイしてるのが好きだったりするんですけど……」
「うん、大丈夫っす。慣れてるっすから……」
「そ、そうですか」

 そう笑って答える葉奈の顔は、普段よりも明らかに表情が固い。
 なぜだか無理に笑っているようにも感じられた。

(なんか……大丈夫かな……)

 父親がいないこと自体はどうにもならないが、葉奈の気持ちくらいはどうにかしてあげたい。
 そう思い、萌花は人を気遣うにはあまり出来の良くない頭を必死に働かせる。

「逆に考えれば……ほら! いつ私が泊まりに来ても迷惑はかかんないってわけですよ!」

 元気付けようとしての発言なのだが、萌花は上手く他人を気遣えるほど器用ではない。
 図々しく思われるかも知れないし、葉奈の気持ちは何も変わらないかも知れなかった。
 しかし、改めて笑った葉奈の表情は。

「……うん! またいつでも泊まりに来てくださいっす!」

 いつも通りの明るさが戻っているように見えた。
 ひとまず安心ではあるが、この話題はまずそうだということは分かった。
 とりあえずと、萌花は適当に気になっていたことへ話題をシフトさせる。

「あ、そういえば、よく私のサイズに合う服がありましたね」

 萌花は家に帰らず、学校からそのまま葉奈の家に来た。
 なので、今着ているパジャマや下着まで葉奈のものを借りている。
 パジャマも下着も最近買った新品だと言っていたのだが、着てみるとサイズがピッタリ合うのだ。

「う、うん……たまたま間違えて買っちゃったんすよね。あは、ははは……」
「間違えてですか……? うーん、そうですかねぇ……」

 とてつもないほど目線を逸らした葉奈が言うには、サイズを間違えて買ったらしい。
 しかし、萌花と葉奈は割と体格が違っている。

 身長は葉奈の方が大きく、胸は萌花の方が――若干ではあるが――大きい。
 萌花はそこに僅かな違和感を感じたのだが。

「まあ、いいか……」

 気にしないようにして、葉奈とのお泊まりを楽しんだ。
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