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こちらの世界
一緒に大学へ
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「じゃ、いってきまーす」
「いってらっしゃい。気をつけてね~」
今日は一限目から授業がある。
大学の一限はかなりキツいから、必修科目じゃない限り取らない方が吉。いや、ほんとに。
そんな時間にめいと二人並んで歩く。
新鮮というか落ち着かないというか……
「あ、あのー……めい? みんな見てるから、その、恥ずかしいというか……」
「えー? これくらい普通ですよ普通」
「そうかなぁ?」
「そうですよ、お姉ちゃんは気にしすぎです」
めいはそう言いながら腕を組んでくる。
周りから見たらカップルにしか見えないよねこれ。
目立つからやめて欲しいんだけど……
「ほら、もっとくっつかないと!」
めいはさらに体を密着させ、腕に抱きついてくる。
なんか柔らかいのが当たってるんだけど……!?
「ちょ、ちょっと……近すぎない?」
「そうですか? これくらい普通ですよ?」
「そ、そうなの……?」
周りからの視線が痛いけど、めいは気にしていない様子だ。
そんなこんなしているうちに大学についた。
「はぁ……」
ようやく解放された。朝からどっと疲れた気がする。
そんな私とは対照的にめいは元気そうだ。
どうしてやろうかと考えていると、前方からおずおずと遠慮がちに近づいてくる人影があった。
「あ、この前の……」
「えと、その、この前は一緒にご飯食べてくれてありがとね。今日もどうかなって誘いに来たんだけど……取り込み中だったかな?」
その子はめいの方をちらりと窺いながらそう言った。
めいはと言うと、少しむすっとしている。
私のことを取られたくないとか思っているのだろう。
「えと、その、私は大丈夫だけど……」
「そう? なら良かった。また一緒にご飯食べよ!」
「……待ってください」
めいはその子を呼び止める。
「あなたはお姉ちゃんのなんなんですか?」
「え?」
「お姉ちゃんとどういう関係なんですか?」
めいの質問は至ってシンプルだが、妙な威圧感があった。
「わ、私はその……ただの友達で……」
その子も気圧されているようで、歯切れが悪い。
少し可哀想になってきたが、私が止めたらさらに厄介なことになりそうで何も出来なかった。
「ただの友達ですか」
「う、うん! そう!」
「そうですか」
めいはそう言うと私の腕を引っ張って歩き出した。
「ちょ、ちょっと……どこ行くの……?」
私はめいに引っ張られながら尋ねる。
「お姉ちゃんはわたしとご飯食べるんですよね?」
「え? いや、でもさっきの子が……」
「あの人は放っておいてもいいでしょう。それとも、お姉ちゃんはわたしよりあの人を選びますか?」
めいはこちらを振り返ってそう言った。
その表情は真剣で、冗談を言っているわけではなさそうだ。
あの子とは知り合ったばかりだし、あまり親しくもない。
どっちを取るかと言われればめいだ。
「……いや、それはないよ」
「ですよね」
だけど、ようやく大学で作れた友達を手放せるほど私の心は強くない。
「でも、あの子と友達になったばかりだからさ。あまり無下にはできないというか……」
「お姉ちゃんは優しいですね」
めいはそう言って微笑んだ。
その笑顔にドキッとする。
「でも、お姉ちゃんが他の誰かを優先するのは嫌です」
めいはそう言って私の腕に抱きついてくる。
そんな私たちを周りの人達が見ている気がするけど、めいは気にしていないようだ。
まあ、今更か。
「だから、今日はわたしとご飯に行きましょう?」
めいは上目遣いでそう頼んでくる。
断ることなんて出来るはずもなく、私は首を縦に振った。
めいが連れて来てくれたのは大学近くのカフェだった。
落ち着いた雰囲気で、いかにもめいが好きそうな場所だ。
案の定、めいは目を輝かせながらメニュー表に目を通している。
そんなめいを微笑ましく思いながら私もどれを注文しようかと頭を悩ませた。
「めいは決まった?」
「はい! わたしはこのパンケーキにします」
めいはそう言って見せてくれた。
どうやらフルーツがたっぷり乗ったパンケーキが気になっているらしい。
「じゃあ、私はこっちのサンドイッチにしようかな。ポテトついてくるし」
「いいと思います! 美味しそうです!」
めいはニコニコしながら店員さんを呼ぶボタンを押した。
それから注文を済ます。
注文した品が来るまで、私たちは雑談をして過ごした。
「そういえばさ」
私はふと疑問に思っていたことを尋ねた。
「めいは私のどこが好きなの?」
そんな質問にめいはキョトンとしている。
「なんでそんなことを聞くんですか?」
「いや、前々から聞きたかったんだけどさ……なんかタイミング逃してて」
「うーん、そうですねぇ……」
めいは腕を組んで考え始める。
しばらく沈黙が続いた後、めいは口を開いた。
「優しいところとか、面倒見がいいところとか、可愛らしい笑顔とか……挙げたらキリがないくらい好きなところはありますよ」
めいはそう言って微笑んだ。
その純粋な笑みに思わずドキッとしてしまう。
そんな私の様子にも気づかない様子で、めいは言葉を続けた。
「でも、やっぱり一番惹かれたのはお姉ちゃんがわたしを受け入れてくれたことです」
「あー……まあ、出会いがあれだったし最初は私なりに警戒してたんだけどね」
私は苦笑いしながら答えた。
そんな私に対してめいは首を横に振って否定する。
その目は真剣そのもので、思わず息を呑むほどだ。
めいは私の目を真っ直ぐ見て口を開いた。
「だからこそ、今でも一緒にいてくれるのが嬉しいんです」
その瞳には迷いがないように思えた。
それはきっと私が欲しかった言葉で、望んでいたものだったんだ。
だから私も素直に受け止めることにした。
だってそれが真実だから。
「いってらっしゃい。気をつけてね~」
今日は一限目から授業がある。
大学の一限はかなりキツいから、必修科目じゃない限り取らない方が吉。いや、ほんとに。
そんな時間にめいと二人並んで歩く。
新鮮というか落ち着かないというか……
「あ、あのー……めい? みんな見てるから、その、恥ずかしいというか……」
「えー? これくらい普通ですよ普通」
「そうかなぁ?」
「そうですよ、お姉ちゃんは気にしすぎです」
めいはそう言いながら腕を組んでくる。
周りから見たらカップルにしか見えないよねこれ。
目立つからやめて欲しいんだけど……
「ほら、もっとくっつかないと!」
めいはさらに体を密着させ、腕に抱きついてくる。
なんか柔らかいのが当たってるんだけど……!?
「ちょ、ちょっと……近すぎない?」
「そうですか? これくらい普通ですよ?」
「そ、そうなの……?」
周りからの視線が痛いけど、めいは気にしていない様子だ。
そんなこんなしているうちに大学についた。
「はぁ……」
ようやく解放された。朝からどっと疲れた気がする。
そんな私とは対照的にめいは元気そうだ。
どうしてやろうかと考えていると、前方からおずおずと遠慮がちに近づいてくる人影があった。
「あ、この前の……」
「えと、その、この前は一緒にご飯食べてくれてありがとね。今日もどうかなって誘いに来たんだけど……取り込み中だったかな?」
その子はめいの方をちらりと窺いながらそう言った。
めいはと言うと、少しむすっとしている。
私のことを取られたくないとか思っているのだろう。
「えと、その、私は大丈夫だけど……」
「そう? なら良かった。また一緒にご飯食べよ!」
「……待ってください」
めいはその子を呼び止める。
「あなたはお姉ちゃんのなんなんですか?」
「え?」
「お姉ちゃんとどういう関係なんですか?」
めいの質問は至ってシンプルだが、妙な威圧感があった。
「わ、私はその……ただの友達で……」
その子も気圧されているようで、歯切れが悪い。
少し可哀想になってきたが、私が止めたらさらに厄介なことになりそうで何も出来なかった。
「ただの友達ですか」
「う、うん! そう!」
「そうですか」
めいはそう言うと私の腕を引っ張って歩き出した。
「ちょ、ちょっと……どこ行くの……?」
私はめいに引っ張られながら尋ねる。
「お姉ちゃんはわたしとご飯食べるんですよね?」
「え? いや、でもさっきの子が……」
「あの人は放っておいてもいいでしょう。それとも、お姉ちゃんはわたしよりあの人を選びますか?」
めいはこちらを振り返ってそう言った。
その表情は真剣で、冗談を言っているわけではなさそうだ。
あの子とは知り合ったばかりだし、あまり親しくもない。
どっちを取るかと言われればめいだ。
「……いや、それはないよ」
「ですよね」
だけど、ようやく大学で作れた友達を手放せるほど私の心は強くない。
「でも、あの子と友達になったばかりだからさ。あまり無下にはできないというか……」
「お姉ちゃんは優しいですね」
めいはそう言って微笑んだ。
その笑顔にドキッとする。
「でも、お姉ちゃんが他の誰かを優先するのは嫌です」
めいはそう言って私の腕に抱きついてくる。
そんな私たちを周りの人達が見ている気がするけど、めいは気にしていないようだ。
まあ、今更か。
「だから、今日はわたしとご飯に行きましょう?」
めいは上目遣いでそう頼んでくる。
断ることなんて出来るはずもなく、私は首を縦に振った。
めいが連れて来てくれたのは大学近くのカフェだった。
落ち着いた雰囲気で、いかにもめいが好きそうな場所だ。
案の定、めいは目を輝かせながらメニュー表に目を通している。
そんなめいを微笑ましく思いながら私もどれを注文しようかと頭を悩ませた。
「めいは決まった?」
「はい! わたしはこのパンケーキにします」
めいはそう言って見せてくれた。
どうやらフルーツがたっぷり乗ったパンケーキが気になっているらしい。
「じゃあ、私はこっちのサンドイッチにしようかな。ポテトついてくるし」
「いいと思います! 美味しそうです!」
めいはニコニコしながら店員さんを呼ぶボタンを押した。
それから注文を済ます。
注文した品が来るまで、私たちは雑談をして過ごした。
「そういえばさ」
私はふと疑問に思っていたことを尋ねた。
「めいは私のどこが好きなの?」
そんな質問にめいはキョトンとしている。
「なんでそんなことを聞くんですか?」
「いや、前々から聞きたかったんだけどさ……なんかタイミング逃してて」
「うーん、そうですねぇ……」
めいは腕を組んで考え始める。
しばらく沈黙が続いた後、めいは口を開いた。
「優しいところとか、面倒見がいいところとか、可愛らしい笑顔とか……挙げたらキリがないくらい好きなところはありますよ」
めいはそう言って微笑んだ。
その純粋な笑みに思わずドキッとしてしまう。
そんな私の様子にも気づかない様子で、めいは言葉を続けた。
「でも、やっぱり一番惹かれたのはお姉ちゃんがわたしを受け入れてくれたことです」
「あー……まあ、出会いがあれだったし最初は私なりに警戒してたんだけどね」
私は苦笑いしながら答えた。
そんな私に対してめいは首を横に振って否定する。
その目は真剣そのもので、思わず息を呑むほどだ。
めいは私の目を真っ直ぐ見て口を開いた。
「だからこそ、今でも一緒にいてくれるのが嬉しいんです」
その瞳には迷いがないように思えた。
それはきっと私が欲しかった言葉で、望んでいたものだったんだ。
だから私も素直に受け止めることにした。
だってそれが真実だから。
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