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あちらの世界
恋心の自覚
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「めいが……私を……おっと!?」
昨日のことを考えて歩いていると、交差点で横切ろうとする車とぶつかりそうになる。
さすがに危なすぎるので私は極力気にしないようにして、いつものように通学路を歩く。
今日も天気が良くて、気持ちが良い朝だ。
そして学校へ着くと、めるが教室にいるのが見えたので声をかけてみることにした。
席に座って何かを読んでいたようだが、私が入ってきたことに気づくと本を閉じて机の中に入れた。
何を見ていたのか気になるところだが、きっと私には見せてくれないだろうな。
「おはよ、める」
「おはよう、昨日はよく眠れたかしら?」
「うん! ぐっすりと!」
「そう。それはよかったわ」
私の元気いっぱいな返事を聞くと、めるは優しく微笑んでくれた。
やはりこの人の笑顔は素敵で癒される。
いや、癒されるなんてレベルではない。
これはもう国宝級と言ってもいいのではないだろうか!?
守りたい、この笑顔――!
「どうしたの? なんかぼーっとしているけど……」
「えっ!? いや、なんでもない! それより昨日は楽しかったね!」
危ない危ない。
つい見惚れてしまっていた。
こんなところをまた他の彼女たちに見られてしまえば、なんて思われるか。
最悪血祭りどころの騒ぎじゃないかもしれない。
それだけはなんとしても避けなければ!
めるに迷惑はかけられない。
……いや、無理やり自分と付き合わせてしまったことがそもそも間違っている気はするが、それはそれ。
「そうね……また遊びに行きたいわ。ういともっと仲良くなりたいし」
「え……?」
この人は今、なんと言ったのだろうか。
私と仲良くしたい? めるが?
聞き間違いかと疑ったが、心なしかめるの顔が少しだけ赤い気がする。
いつもなら超絶ウザいムーブをかますのだが、どうにもそんな気分になれなかった。
「うい?」
「あ、ごめん! いや、その……めるがそう言ってくれるなんて思わなくて……」
「あら。私だって友達と遊びたいと思うことくらいあるわよ」
「そ、そうだよね!」
私は動揺を隠しきれずに思わず視線を逸らす。
まずいな……これは非常にまずい。
この調子ではいつボロが出るかわかったものじゃない。
ここはなんとかして話を別の方向へ持っていかなければ……!
「あ! あ~そうだ! さっき本読んでたみたいだけど何読んでたの?」
「ああ、恋愛ものなんだけどなかなか面白いの。そういうの読んでるところ見られたくなかったから思わず隠しちゃったけど」
めるは鞄の中から本を取り出して見せてくれた。
「へぇ~。こういうの読むんだ?」
「意外かしら?」
「まあ……うん」
正直に答えると、めるは苦笑いしていた。
いや、でも本当に意外だ。
めるは恋愛ものとかあまり興味なさそうなのに。
「そういうういは何か好きな本とかある?」
「私? うーん……私は児童書以外あんまり読まないからなぁ。漫画ならたまに読むけど」
「……漫画?」
めるは首を傾げると、少し考える素振りを見せた。
そして何かを思いついたように手を叩いた。
「ねえ、今度一緒に本屋さんに行きましょうよ! 私もういのオススメ漫画読んでみたいわ!」
「いいけど……今日は積極的だね?」
「そうかしら? そんなつもりはないのだけれど……」
めるは少し照れたように顔を背けた。
なんだか今日のめるはいつもと違う気がする。
いや、私が勝手にそう思っているだけかもしれないが。
「……うん。今度、行こうか」
「え?」
いつもなら即座に「今日行く?」とか「今日がだめなら明日行こうよ!」とか言うのだが、本当に今日はおかしいらしい。
めるも違和感に気づいたみたいで、少し動揺しているように見える。
「そ、そうね。絶対行きましょ」
「ん。行こうね」
なんだかどこか気まずいまま、私はめるのいる教室から出た。
「はぁぁぁ……」
私は教室を出ると大きな溜め息を吐いた。
そして誰もいないことを確認するとその場に座り込んでしまう。
「やっぱり、そうだよね」
私は一人で勝手に納得していた。
私がめるに固執していた理由、色んな女の子に手を出していた理由、すぐその女の子たちに飽きる理由……全部がようやく腑に落ちた。
自覚するのに随分な時間がかかった。
いや、自覚しないように自己防衛本能が働いていたのかもしれない。
「私……妹に恋愛感情抱いてたんだ」
そのことに気づきたくなくて、妹を蔑ろにしていた。
そんな自分に嫌気がさして、色んな女の子と付き合って気を紛らわせようとしていた。
しかし、そんなカモフラージュが長く続くはずもなく、だんだんと付き合うのがつらくなってくる。
きっとそれがすべての答えだろう。
私は妹を好きになってしまった。
妹は大切な家族で、かけがえのない存在だ。
そんな相手と自分の感情が同じだったら? それはとても喜ばしいことのはずだ。
だけど……
「単に女の子と付き合うより断然ハードル高いよな……」
妹も私のことを好きだと言ってくれてるから、本人の気持ちは問題ないだろう。
だけど、問題は周りの人がどう思うかだ。
疑似姉妹ならともかく、がっつり血が繋がっている。世間的に見れば、それは禁忌だ。
「はぁ……」
私はまた大きく溜め息を吐いた。
「とりあえず、色んなもの清算してからだな」
昨日のことを考えて歩いていると、交差点で横切ろうとする車とぶつかりそうになる。
さすがに危なすぎるので私は極力気にしないようにして、いつものように通学路を歩く。
今日も天気が良くて、気持ちが良い朝だ。
そして学校へ着くと、めるが教室にいるのが見えたので声をかけてみることにした。
席に座って何かを読んでいたようだが、私が入ってきたことに気づくと本を閉じて机の中に入れた。
何を見ていたのか気になるところだが、きっと私には見せてくれないだろうな。
「おはよ、める」
「おはよう、昨日はよく眠れたかしら?」
「うん! ぐっすりと!」
「そう。それはよかったわ」
私の元気いっぱいな返事を聞くと、めるは優しく微笑んでくれた。
やはりこの人の笑顔は素敵で癒される。
いや、癒されるなんてレベルではない。
これはもう国宝級と言ってもいいのではないだろうか!?
守りたい、この笑顔――!
「どうしたの? なんかぼーっとしているけど……」
「えっ!? いや、なんでもない! それより昨日は楽しかったね!」
危ない危ない。
つい見惚れてしまっていた。
こんなところをまた他の彼女たちに見られてしまえば、なんて思われるか。
最悪血祭りどころの騒ぎじゃないかもしれない。
それだけはなんとしても避けなければ!
めるに迷惑はかけられない。
……いや、無理やり自分と付き合わせてしまったことがそもそも間違っている気はするが、それはそれ。
「そうね……また遊びに行きたいわ。ういともっと仲良くなりたいし」
「え……?」
この人は今、なんと言ったのだろうか。
私と仲良くしたい? めるが?
聞き間違いかと疑ったが、心なしかめるの顔が少しだけ赤い気がする。
いつもなら超絶ウザいムーブをかますのだが、どうにもそんな気分になれなかった。
「うい?」
「あ、ごめん! いや、その……めるがそう言ってくれるなんて思わなくて……」
「あら。私だって友達と遊びたいと思うことくらいあるわよ」
「そ、そうだよね!」
私は動揺を隠しきれずに思わず視線を逸らす。
まずいな……これは非常にまずい。
この調子ではいつボロが出るかわかったものじゃない。
ここはなんとかして話を別の方向へ持っていかなければ……!
「あ! あ~そうだ! さっき本読んでたみたいだけど何読んでたの?」
「ああ、恋愛ものなんだけどなかなか面白いの。そういうの読んでるところ見られたくなかったから思わず隠しちゃったけど」
めるは鞄の中から本を取り出して見せてくれた。
「へぇ~。こういうの読むんだ?」
「意外かしら?」
「まあ……うん」
正直に答えると、めるは苦笑いしていた。
いや、でも本当に意外だ。
めるは恋愛ものとかあまり興味なさそうなのに。
「そういうういは何か好きな本とかある?」
「私? うーん……私は児童書以外あんまり読まないからなぁ。漫画ならたまに読むけど」
「……漫画?」
めるは首を傾げると、少し考える素振りを見せた。
そして何かを思いついたように手を叩いた。
「ねえ、今度一緒に本屋さんに行きましょうよ! 私もういのオススメ漫画読んでみたいわ!」
「いいけど……今日は積極的だね?」
「そうかしら? そんなつもりはないのだけれど……」
めるは少し照れたように顔を背けた。
なんだか今日のめるはいつもと違う気がする。
いや、私が勝手にそう思っているだけかもしれないが。
「……うん。今度、行こうか」
「え?」
いつもなら即座に「今日行く?」とか「今日がだめなら明日行こうよ!」とか言うのだが、本当に今日はおかしいらしい。
めるも違和感に気づいたみたいで、少し動揺しているように見える。
「そ、そうね。絶対行きましょ」
「ん。行こうね」
なんだかどこか気まずいまま、私はめるのいる教室から出た。
「はぁぁぁ……」
私は教室を出ると大きな溜め息を吐いた。
そして誰もいないことを確認するとその場に座り込んでしまう。
「やっぱり、そうだよね」
私は一人で勝手に納得していた。
私がめるに固執していた理由、色んな女の子に手を出していた理由、すぐその女の子たちに飽きる理由……全部がようやく腑に落ちた。
自覚するのに随分な時間がかかった。
いや、自覚しないように自己防衛本能が働いていたのかもしれない。
「私……妹に恋愛感情抱いてたんだ」
そのことに気づきたくなくて、妹を蔑ろにしていた。
そんな自分に嫌気がさして、色んな女の子と付き合って気を紛らわせようとしていた。
しかし、そんなカモフラージュが長く続くはずもなく、だんだんと付き合うのがつらくなってくる。
きっとそれがすべての答えだろう。
私は妹を好きになってしまった。
妹は大切な家族で、かけがえのない存在だ。
そんな相手と自分の感情が同じだったら? それはとても喜ばしいことのはずだ。
だけど……
「単に女の子と付き合うより断然ハードル高いよな……」
妹も私のことを好きだと言ってくれてるから、本人の気持ちは問題ないだろう。
だけど、問題は周りの人がどう思うかだ。
疑似姉妹ならともかく、がっつり血が繋がっている。世間的に見れば、それは禁忌だ。
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