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第一章 吸血少女は傷つけたい
デートしたい
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ジリリリと、目覚まし時計のやかましい音が鳴り響く。
あたしはすばやく飛び起きて、寝癖でぐっちゃぐちゃになった真っ赤な髪を整える。
肩甲骨の辺りまで伸びた髪は綺麗にするのが難しく、毎朝苦戦している。
それでも、この真っ赤な長い髪が大好きでなかなか切れずにいる。
髪が真っ赤なのは染めたからなのだが、染めたせいでもったいなくて切れないのだ。
あたしの全身をなるべく赤で染めたい。
もちろんカラコンも赤色のやつを入れている。
「うーん……」
あたしは背伸びをしながら、鏡に映る自分の姿を見た。
今日は黒いパーカーに赤いチェック柄のミニスカートを履いている。
黒と赤の相性はなかなかいい気がする。
まるで渚とあたしみたいな、なんて。
それだと、渚が黒髪じゃなかったら相性が悪いってことになってしまう。
そういうわけではない。
しかも、渚の髪色はダークブラウンだから、厳密に言うと黒髪ではないのだ。
「いやいや、そんなことより準備しないとね」
今日は大事な日だ。
いつもより念入りに化粧をして、髪をツーサイドアップにセットして、朝ごはんを手短に済ませて……
そうこうしているうちに、「ピンポーン」とインターホンが軽快に鳴った。
もう来たのかと思って玄関を開けると、案の定渚がいた。
渚も黒のパーカーを着ているから、心が通じ合っているんだと嬉しくなった。
「おはよ、花恋ちゃん!」
「おはよぉ。ちょっと待っててね」
あたしが準備を終わらせると、一緒に映画館に向かって歩き出す。
今日のデートプランを考えてくれたのは渚だった。
なんでも、最近流行りの映画らしい。
この前タイトルを聞いたような気がするけど、興味がないから忘れてしまった。
好きな人が興味のあるものを自分も好きになるべきかと昔から悩んでいるけど、どうもあたしはそういう気遣いができないようだ。
あたしはあたしが興味のあるものだけを楽しんで生きていきたい。
それでも渚はあたしのことも考えてくれたみたいで、あたしが今ハマっているゲームがあるゲーセンに連れて行ってくれるみたいだった。
そうやって人の好みをわかっているところが、渚がモテる一つの要因になっているのかもしれない。
もちろん、高身長のショートヘアという見た目も関係しているのかもしれないが。
「渚ってなんでモテたいの?」
「え、なに急に」
「いやー、なんとなく。もう渚にはこのあたしがいるっていうのに、女の子たちからチヤホヤされると満更でもなさそうじゃん」
あたしがわざとらしくそっぽを向くと、渚は顎に手を当てて考え込むような仕草を見せる。
なにも考えていなかったようで、しばらく長い沈黙が続いた。
「そりゃあ……だって可愛い子たちから頼られるのは嬉しいし?」
「ふぅ~ん? つまりあたしのことはどうでもいいんだぁ~」
「ちっ、違う! 花恋ちゃんのことが一番大事だよ!?」
あたしの言葉に焦ったように弁明する渚。
それが嘘じゃないとわかっていても、なんだかモヤッとする。
渚にとってあたしはどんな存在なのだろう。
なんだか無性にイラッとしてきた。
「じゃあ、映画見終わったらデートする場所変えよ」
「え、な、なんで? ゲーセン楽しみにしてたんじゃ……」
「だって――〝おしおき〟しないと」
おしおきという言葉を聞いた渚の肩がビクッと震えた。
そりゃそうだよね。なんたってあたしのおしおきは渚にとってはつらいもんね。
でも、あたしだけ我慢するのはやっぱり不公平だと思う。
別にそこまで女の子にモテるのが嫌ってわけでもないんだけど。
「……わかった」
「よし、決まりだね」
渋々承諾した渚を連れて、あたしたちは映画館へと向かった。
あたしは無意識にスキップをしていたが、渚は足取りが重いようだった。
あたしはすばやく飛び起きて、寝癖でぐっちゃぐちゃになった真っ赤な髪を整える。
肩甲骨の辺りまで伸びた髪は綺麗にするのが難しく、毎朝苦戦している。
それでも、この真っ赤な長い髪が大好きでなかなか切れずにいる。
髪が真っ赤なのは染めたからなのだが、染めたせいでもったいなくて切れないのだ。
あたしの全身をなるべく赤で染めたい。
もちろんカラコンも赤色のやつを入れている。
「うーん……」
あたしは背伸びをしながら、鏡に映る自分の姿を見た。
今日は黒いパーカーに赤いチェック柄のミニスカートを履いている。
黒と赤の相性はなかなかいい気がする。
まるで渚とあたしみたいな、なんて。
それだと、渚が黒髪じゃなかったら相性が悪いってことになってしまう。
そういうわけではない。
しかも、渚の髪色はダークブラウンだから、厳密に言うと黒髪ではないのだ。
「いやいや、そんなことより準備しないとね」
今日は大事な日だ。
いつもより念入りに化粧をして、髪をツーサイドアップにセットして、朝ごはんを手短に済ませて……
そうこうしているうちに、「ピンポーン」とインターホンが軽快に鳴った。
もう来たのかと思って玄関を開けると、案の定渚がいた。
渚も黒のパーカーを着ているから、心が通じ合っているんだと嬉しくなった。
「おはよ、花恋ちゃん!」
「おはよぉ。ちょっと待っててね」
あたしが準備を終わらせると、一緒に映画館に向かって歩き出す。
今日のデートプランを考えてくれたのは渚だった。
なんでも、最近流行りの映画らしい。
この前タイトルを聞いたような気がするけど、興味がないから忘れてしまった。
好きな人が興味のあるものを自分も好きになるべきかと昔から悩んでいるけど、どうもあたしはそういう気遣いができないようだ。
あたしはあたしが興味のあるものだけを楽しんで生きていきたい。
それでも渚はあたしのことも考えてくれたみたいで、あたしが今ハマっているゲームがあるゲーセンに連れて行ってくれるみたいだった。
そうやって人の好みをわかっているところが、渚がモテる一つの要因になっているのかもしれない。
もちろん、高身長のショートヘアという見た目も関係しているのかもしれないが。
「渚ってなんでモテたいの?」
「え、なに急に」
「いやー、なんとなく。もう渚にはこのあたしがいるっていうのに、女の子たちからチヤホヤされると満更でもなさそうじゃん」
あたしがわざとらしくそっぽを向くと、渚は顎に手を当てて考え込むような仕草を見せる。
なにも考えていなかったようで、しばらく長い沈黙が続いた。
「そりゃあ……だって可愛い子たちから頼られるのは嬉しいし?」
「ふぅ~ん? つまりあたしのことはどうでもいいんだぁ~」
「ちっ、違う! 花恋ちゃんのことが一番大事だよ!?」
あたしの言葉に焦ったように弁明する渚。
それが嘘じゃないとわかっていても、なんだかモヤッとする。
渚にとってあたしはどんな存在なのだろう。
なんだか無性にイラッとしてきた。
「じゃあ、映画見終わったらデートする場所変えよ」
「え、な、なんで? ゲーセン楽しみにしてたんじゃ……」
「だって――〝おしおき〟しないと」
おしおきという言葉を聞いた渚の肩がビクッと震えた。
そりゃそうだよね。なんたってあたしのおしおきは渚にとってはつらいもんね。
でも、あたしだけ我慢するのはやっぱり不公平だと思う。
別にそこまで女の子にモテるのが嫌ってわけでもないんだけど。
「……わかった」
「よし、決まりだね」
渋々承諾した渚を連れて、あたしたちは映画館へと向かった。
あたしは無意識にスキップをしていたが、渚は足取りが重いようだった。
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