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第一章 吸血少女は傷つけたい
またお泊まりしたい
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「それで、次はどこ行こうか」
肉まんとおでんを食べ終わったあと、渚が優しく聞いてくれた。
だけど、あたしは渚と一緒にいられればそれでいい。
だから、何も答えないでただ黙って彼女の手を握る。
すると彼女は少しだけ驚いた表情を見せたけど、すぐに笑顔になって握り返してくれた。
そのまましばらく二人で黙ったままだった。
人といる時の静寂に耐えられないという人もいるだろうけど、あたしは渚といる時の静寂は気にならない。
この静けさも、渚との大切なひと時だから。
「今日は楽しかったよ。ありがとね、渚」
「いやいや、私はなにもしてないよ。こちらこそありがとう」
お互いお礼を言い合うのも変な話だと思ったけれど、それでも言ってしまうくらいに今日のデートは本当に楽しかったのだ。
……でも、その楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。
「……もうすぐ終電の時間だね」
渚がスマホを見ながらそう言う。
時刻を見ると、確かに終電までもう少し時間があるようだった。
「そうだね。それじゃあ帰ろうか」
「うん、そうしようか」
渚の返事を聞きながら立ち上がる。
そして手を繋いだまま駅に向かって歩き出した。
本当は帰りたくなかったけど、これ以上迷惑かけるわけにはいかない。
それに、会おうと思えばいつでも会えるんだから、今は我慢しないと。
そう自分に言い聞かせて、駅までの道のりを素直に歩く。
その間、渚は何も言わずに隣を歩いていた。
だけどやっぱり、このまま終わりたくない。
そんな気持ちがふつふつ湧き上がってくる。
「……ねえ、渚」
「ん? どうしたの?」
「えっと、その……」
勇気を出して声をかけたものの、そこから先がなかなか言葉にできない。
普段はこんなことないのに。
どうしてなのかわからない。
なにか言わないと……
そう思って口を開こうとすると、先に渚の声が聞こえてきた。
「あのさ、花恋ちゃんさえよければなんだど……今日うちに泊まってく?」
それは意外な一言だった。
もちろん嬉しい誘いではあるんだけど、あたしはなにをするかわからない爆弾を抱えているのに。
渚がいいならいいのだけど、家で二人きりなんてあたしの性癖が爆発してしまう。
……と思ったところで、ふと気づく。
そう言えば渚には妹がいたし、こんなに夜遅い時間なら両親も家にいるだろうと。
それならあたしが暴走することもないし、素敵なクリスマスを過ごせるだろう。
「……いいの? 迷惑じゃない?」
「全然大丈夫だよ! って、私の家族のことよく知ってるでしょ。こんなことで迷惑なんて思わないって」
「それもそっか……じゃあお邪魔するね」
「えへへ、実は花恋ちゃんとまたお泊まりしてみたかったんだ」
嬉しさを隠しきれない様子で喜ぶ渚。
その姿はとても可愛くて愛おしくなる。
いや、多分喜びはあたしも同じくらいあるけど。
それと同時に、早く家に帰って一緒に過ごしたいとも思った。
電車に乗って渚の家の近くの駅で降りると、駅前にあるコンビニに寄ってお菓子を買い込む。
その後、渚の家に向かいながらコンビニ袋の中に入っているお菓子を取り出した。
「これ買ったんだー」
「おっ、期間限定のアイス! でも冬にアイスって……お腹痛くならない?」
「花恋ちゃん好きかなーと思って」
「まあ好きだけど……」
なんでわざわざあたしが好きそうなものを選んでくれたのか不思議だったけど、その理由はすぐにわかった。
「喜んでもらえたかな?」
渚はただ、あたしに喜んでもらいたくて買ってくれたのだ。
きっと、ただそれだけ。
そんな渚の底抜けの優しさに、あたしは胸が痛くなりながら「ありがとう」と返したのだった。
肉まんとおでんを食べ終わったあと、渚が優しく聞いてくれた。
だけど、あたしは渚と一緒にいられればそれでいい。
だから、何も答えないでただ黙って彼女の手を握る。
すると彼女は少しだけ驚いた表情を見せたけど、すぐに笑顔になって握り返してくれた。
そのまましばらく二人で黙ったままだった。
人といる時の静寂に耐えられないという人もいるだろうけど、あたしは渚といる時の静寂は気にならない。
この静けさも、渚との大切なひと時だから。
「今日は楽しかったよ。ありがとね、渚」
「いやいや、私はなにもしてないよ。こちらこそありがとう」
お互いお礼を言い合うのも変な話だと思ったけれど、それでも言ってしまうくらいに今日のデートは本当に楽しかったのだ。
……でも、その楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。
「……もうすぐ終電の時間だね」
渚がスマホを見ながらそう言う。
時刻を見ると、確かに終電までもう少し時間があるようだった。
「そうだね。それじゃあ帰ろうか」
「うん、そうしようか」
渚の返事を聞きながら立ち上がる。
そして手を繋いだまま駅に向かって歩き出した。
本当は帰りたくなかったけど、これ以上迷惑かけるわけにはいかない。
それに、会おうと思えばいつでも会えるんだから、今は我慢しないと。
そう自分に言い聞かせて、駅までの道のりを素直に歩く。
その間、渚は何も言わずに隣を歩いていた。
だけどやっぱり、このまま終わりたくない。
そんな気持ちがふつふつ湧き上がってくる。
「……ねえ、渚」
「ん? どうしたの?」
「えっと、その……」
勇気を出して声をかけたものの、そこから先がなかなか言葉にできない。
普段はこんなことないのに。
どうしてなのかわからない。
なにか言わないと……
そう思って口を開こうとすると、先に渚の声が聞こえてきた。
「あのさ、花恋ちゃんさえよければなんだど……今日うちに泊まってく?」
それは意外な一言だった。
もちろん嬉しい誘いではあるんだけど、あたしはなにをするかわからない爆弾を抱えているのに。
渚がいいならいいのだけど、家で二人きりなんてあたしの性癖が爆発してしまう。
……と思ったところで、ふと気づく。
そう言えば渚には妹がいたし、こんなに夜遅い時間なら両親も家にいるだろうと。
それならあたしが暴走することもないし、素敵なクリスマスを過ごせるだろう。
「……いいの? 迷惑じゃない?」
「全然大丈夫だよ! って、私の家族のことよく知ってるでしょ。こんなことで迷惑なんて思わないって」
「それもそっか……じゃあお邪魔するね」
「えへへ、実は花恋ちゃんとまたお泊まりしてみたかったんだ」
嬉しさを隠しきれない様子で喜ぶ渚。
その姿はとても可愛くて愛おしくなる。
いや、多分喜びはあたしも同じくらいあるけど。
それと同時に、早く家に帰って一緒に過ごしたいとも思った。
電車に乗って渚の家の近くの駅で降りると、駅前にあるコンビニに寄ってお菓子を買い込む。
その後、渚の家に向かいながらコンビニ袋の中に入っているお菓子を取り出した。
「これ買ったんだー」
「おっ、期間限定のアイス! でも冬にアイスって……お腹痛くならない?」
「花恋ちゃん好きかなーと思って」
「まあ好きだけど……」
なんでわざわざあたしが好きそうなものを選んでくれたのか不思議だったけど、その理由はすぐにわかった。
「喜んでもらえたかな?」
渚はただ、あたしに喜んでもらいたくて買ってくれたのだ。
きっと、ただそれだけ。
そんな渚の底抜けの優しさに、あたしは胸が痛くなりながら「ありがとう」と返したのだった。
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