イケメン女子を攻略せよ!〜女の子に人気のイケ女の弱みを握ったので、イチャイチャしたりしてどうにかして自分のものにしようと思います〜

M・A・J・O

文字の大きさ
14 / 33
第一章 変態とイケ女

イケ女は萌花と行きたいところがあるそうです

しおりを挟む
「萌花、ちょっといいか?」

 放課後。教科書をカバンに詰めていると、朔良さんが話しかけてきた。
 あまりの展開に、私は教科書を持つ手が震える。

「朔良さん!? ついに私のことを!?」
「え? 何の話だ?」
「デスヨネー」

 いや、うん……わかっていた。わかっていたさ。
 でも、少しくらい期待してもいいじゃないか!
 そんな思いでいっぱいになる。

「お前……なんかあったのか?」
「へっ? ななな何もないですよー?」

 動揺しすぎて変な声が出てしまった。
 これでは何かありましたと言っているようなものではないか。
 しかし、朔良さんはそれ以上追及することなく、「そうか」と言って会話を終えた。

「…………」

 私の中で、モヤモヤとした感情が生まれる。
 朔良さんにとって、私はその程度の存在だったのだろうか。

「いや、実は話したいことがあるんだ」
「……話したい、こと?」

 朔良さんの口から放たれた言葉を聞いて、一瞬思考停止する。
 そしてすぐに理解する。
 ああ、そういうことか。

「はい、わかりました!」

 私は満面の笑みを浮かべて答える。
 ふふーん、私は朔良さんのことをわかっている。
 朔良さんは改まって私に向き直った。
 つまり、これは……告白されるのだということに他ならない!

 きっとそうだ。
 だって、こんなにも真剣な表情をしているのだもの!

「あのな、萌花……」
「はい!」

 私は目をキラキラさせながら返事をする。
 心臓が激しく鼓動している。緊張で吐き気がした。
 朔良さんは深呼吸をして息を整えると、意を決したように口を開いた。

「今日の帰り、というか今だな……今から寄り道しないか?」
「……へ? あっ、あー、全然大丈夫ですよ」

 告白ではないとわかった瞬間、急激にテンションが下がった。
 まあ、よく考えたらわかることだったのだが……
 告白ならもっとロマンチックな雰囲気にするだろうし。
 というか、それだと私が困ってしまう。
 だって、ムードもへったくれもないじゃないか。

「どこ行きますか?」

 私は気を取り直して尋ねる。
 すると、朔良さんはキョトンとして首を傾げた。

「あれ、言ってなかったっけ?」
「えっと……何をですか?」

 なんのことかさっぱりわからない。
 今日どこかに行くなんて聞いていないぞ。
 朔良さんは頭をポリポリ掻くと、「あー」とか「うー」とか言っている。
 それからやっと決心がついたようで、再び私を見据えた。

「……クレープ屋」
「へ?」

 思わず間抜けな声を出してしまう。
 予想外すぎる答えに、頭が追いつかなかった。
 朔良さんは顔を真っ赤にして俯いている。
 その姿はとても可愛らしいが、今はそんなこと考えている場合じゃない。

 なんでクレープ屋?
 なぜそんなところに行きたがるのだろうか。
 朔良さんのイメージとかけ離れすぎていて、頭の中は疑問符でいっぱいになる。

「そ、それだけです……か?」

 恐る恐る聞くと、こくりと小さく首を縦に振った。
 ……なんだこの可愛い生き物は!
 普段とのギャップがありすぎて、もう胸キュンどころの騒ぎじゃなくなる。
 萌え死ぬとはこういうことを言うのだろうか。
 いや、絶対に違うと思うけど。

 しかし、一体どうしたというのだろうか。
 朔良さんって甘いもの好きだったかなと思い返すが、記憶の中にそれらしき情報はない。
 それに、今まで食べたとしてもコンビニスイーツくらいなものだし。

 ますます謎が深まるばかりである。
 でも、そんなことは些細な問題にすぎない。
 朔良さんと一緒にいるだけで幸せだからね!

 結局、私たちは二駅先にある駅前のお店に向かうことになった。
 電車に乗って数分後、目的地に着いた。
 駅から出ると、そこは人で溢れかえっていた。
 休日ほどではないが、人通りは多い方だと思う。

「わぁ、人がたくさんいますねぇ」
「そうだなー」
「……」
「……」

 会話終了。
 沈黙が続く。

 いつもなら平然と喋れるはずなのに、なぜか言葉が出て来ない。
 さっきまではあんなにも会話が続いていたというのに。
 やはり、二人きりという状況を意識しているからだろうか。
 朔良さんも同じことを思ってくれていたらいなーなんて淡い期待を抱く。

「……」
「……」

 私たちの間に流れる無言の時間。
 それはとても長く感じられた。
 だけど、不思議と嫌な気分ではない。
 むしろ心地いいと思ってしまう自分がいることに驚いた。

 そして、ふとあることに気づく。
 ――手、繋ぎたいかも。
 そう思った時には既に手が動いていて、気づいた頃には朔良さんの手を掴んでいた。

「!?」

 突然の行動に驚いているのか、朔良さんは目を大きく見開いてこちらを見る。
 私は「やってしまった」と思って咄嵯に手を引っ込めようとした。
 だが、それよりも早く腕を引かれて引き戻される。
 そして、そのまま朔良さんの手に包まれた。

 ああ、温かい……安心する。
 心の底からホッとしたような感覚に陥る。
 朔良さんの顔を見ると、耳まで真っ赤になっていた。
 きっと私の顔も同じように赤く染まっていることだろう。

「……行くか」
「……はい」

 お互いにぎこちない動きで歩き出す。
 このまま時が止まればいいのにと、本気で思った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

百合ハーレムが大好きです!〜全ルート攻略開始〜

M・A・J・O
大衆娯楽
【大衆娯楽小説ランキング、最高第7位達成!】 黒髪赤目の、女の子に囲まれたい願望を持つ朱美。 そんな彼女には、美少女の妹、美少女の幼なじみ、美少女の先輩、美少女のクラスメイトがいた。 そんな美少女な彼女たちは、朱美のことが好きらしく――? 「私は“百合ハーレム”が好きなのぉぉぉぉぉぉ!!」 誰か一人に絞りこめなかった朱美は、彼女たちから逃げ出した。 …… ここから朱美の全ルート攻略が始まる! ・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

処理中です...