45 / 104
19.05.07
しおりを挟む
Pairsを眺めていたら、元カノを発見した。合コンで付き合うこととなった3人目の子だ。Pairsにはコミュニティというものがあり、例えば「連絡をマメにして欲しい派」とか「純文学が好き」みたいな感じで趣味嗜好のくくりがあり、どのコミュニティを選択しているかでその人となりを察することが出来たり、同じコミュニティに属している人を検索することが出来たりするのだが、その中で私と同じコミュニティに属する人を探している最中の遭遇だった。顔は最後まで好きになれなかったけれど、趣味は本当に合っていたのだな、と今更に思い知らされた。足跡でも残してやろうかと考えたが、それをその子から共通の友人である同期へと話題が繋がっては面倒なので、ブロックをしておいた。ブロックをしようとすると「二度と表示されなくなりますが、よろしいですか?」といった内容の警告文が表示される。これで本当にもう会わなくなるだろうな。少しだけ、懐かしい気持ちになれた半面、こんなことに気持ちを引っ張られている以上、いつまで経っても令和に生きられない気もした。勿論、ブロックした。
昨日からの続き。ヒョウコとの写真交換を終え、ついに実際に会うことへ向けて、どんどん話は進んでいった。お互いの中間ということを考えれば、名古屋くらいがちょうどよかったのかもしれないが、お互いに名古屋がよくわからないこともあり、京都で落ち合うことにした。私がかなり距離的には負担をしているが、ヒョウコは京都にはしばしば行くらしく、案内が出来るとのことで、久し振りに寺社仏閣を巡りたい気もしてきた、なんて口から出まかせで了承した。
女性1人の為に京都まで赴く。今になって思えば馬鹿々々しい。私は何を期待していたのだろう。いきなりセックスまでいけるとは流石に思っていなかった。会うのはなぜか日曜日に設定して次の日は仕事、みたいな形にしてしまったのも愚かだった。そういう下心の見え辛さが、却って会いやすい空気を作ったのかもしれないが。
移動手段は新幹線にした。高速バスは、万が一の事故に合う危険を恐れていた。片道8,000円くらい。数字として改めてみると呆れる。振り返れば、1つ1つの行動、数値が全て間抜け。
しかし、当時はそれだけその関係性に期待を抱いていたのだろう。今まで散々失敗を重ねてきた自分の性とか人との関係性について、全く会ったことが無い、その気になればいつ切っても構わない間柄なのに、実際に会う話になる程上手くいっている。産み落とされ暮らしてきた物理的な土地に纏わる縁にしかその可能性を見出してこなかった結果が、これまでの経過だとするならば、新しい時代らしい縁の捕まえ方に希望を見ても、寧ろ、それこそが私らしい縁なのではないか、とくどくど並べ立ててみたが、基本的には自分を承認してくれそうな人がいるところならば、私は喜んで尻尾を振りながら会いに行くということなのだろう。これが沖縄、北海道、或いは外国のどこかだったらどうだっただろうか。とにかく、私は新幹線の切符を取った。
今までの傾向通り、当日が近づくにつれてどんどん面倒臭くなり、異性に会いにわざわざ京都まで出向く自分が恥ずかしくなりつつも、ヒョウコからの連絡が絶えなかったこともあり、逃亡をすることは無かった。
「会うの緊張しますね」
「でも、とても楽しみ」
「ですね。ワクワクします!」
そんなくすぐったいやり取りを毎日のようにしていた。もしかしたら、いつまでも会わないほうが、この楽しさを保存することが出来たのかもしれない。当然、それはそれでいずれ冷める話だったのだろうけれど。存在しない世界の話、と言うのは、やはりとても愛おしい。無数に分岐していく世界の中で、そのどこかにまだ1人目の彼女と付き合っている私、2人目と成功した私、3人目とセックスが上手く出来た私、がいるかもしれない、なんて時々考えてしまう。それで誰が救われる、と言うこともない。その別世界を知ることが出来たとして、この世界に辿り着いた私は満足できるだろうか。別の世界の私が上手くやっているさ、それで、私は?
話が逸れた。実際に会うこと、それがヒョウコと私の間の熱源だったのだろう。当日まで熱が冷めることはなかった。私は京都へ向かう。
細かい話は明日以降に続ける。
昨日からの続き。ヒョウコとの写真交換を終え、ついに実際に会うことへ向けて、どんどん話は進んでいった。お互いの中間ということを考えれば、名古屋くらいがちょうどよかったのかもしれないが、お互いに名古屋がよくわからないこともあり、京都で落ち合うことにした。私がかなり距離的には負担をしているが、ヒョウコは京都にはしばしば行くらしく、案内が出来るとのことで、久し振りに寺社仏閣を巡りたい気もしてきた、なんて口から出まかせで了承した。
女性1人の為に京都まで赴く。今になって思えば馬鹿々々しい。私は何を期待していたのだろう。いきなりセックスまでいけるとは流石に思っていなかった。会うのはなぜか日曜日に設定して次の日は仕事、みたいな形にしてしまったのも愚かだった。そういう下心の見え辛さが、却って会いやすい空気を作ったのかもしれないが。
移動手段は新幹線にした。高速バスは、万が一の事故に合う危険を恐れていた。片道8,000円くらい。数字として改めてみると呆れる。振り返れば、1つ1つの行動、数値が全て間抜け。
しかし、当時はそれだけその関係性に期待を抱いていたのだろう。今まで散々失敗を重ねてきた自分の性とか人との関係性について、全く会ったことが無い、その気になればいつ切っても構わない間柄なのに、実際に会う話になる程上手くいっている。産み落とされ暮らしてきた物理的な土地に纏わる縁にしかその可能性を見出してこなかった結果が、これまでの経過だとするならば、新しい時代らしい縁の捕まえ方に希望を見ても、寧ろ、それこそが私らしい縁なのではないか、とくどくど並べ立ててみたが、基本的には自分を承認してくれそうな人がいるところならば、私は喜んで尻尾を振りながら会いに行くということなのだろう。これが沖縄、北海道、或いは外国のどこかだったらどうだっただろうか。とにかく、私は新幹線の切符を取った。
今までの傾向通り、当日が近づくにつれてどんどん面倒臭くなり、異性に会いにわざわざ京都まで出向く自分が恥ずかしくなりつつも、ヒョウコからの連絡が絶えなかったこともあり、逃亡をすることは無かった。
「会うの緊張しますね」
「でも、とても楽しみ」
「ですね。ワクワクします!」
そんなくすぐったいやり取りを毎日のようにしていた。もしかしたら、いつまでも会わないほうが、この楽しさを保存することが出来たのかもしれない。当然、それはそれでいずれ冷める話だったのだろうけれど。存在しない世界の話、と言うのは、やはりとても愛おしい。無数に分岐していく世界の中で、そのどこかにまだ1人目の彼女と付き合っている私、2人目と成功した私、3人目とセックスが上手く出来た私、がいるかもしれない、なんて時々考えてしまう。それで誰が救われる、と言うこともない。その別世界を知ることが出来たとして、この世界に辿り着いた私は満足できるだろうか。別の世界の私が上手くやっているさ、それで、私は?
話が逸れた。実際に会うこと、それがヒョウコと私の間の熱源だったのだろう。当日まで熱が冷めることはなかった。私は京都へ向かう。
細かい話は明日以降に続ける。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる