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19.06.06
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悲しいニュースが多く、何となく気落ちしている。世間のそれらについて私には恐らく殆ど原因が無いのだけれど、気分は落ち込んでいる。起こったことに対して原因が無いのはまだわかっているのだけれど、それに対して何も出来ない気がするのが、より嫌な気持ちにさせるのだ。無力感。それは常にあって、私は自分によって何か世の中が少し良くなればいいと思うのだけれど、大抵そんなことは何も思い付かず、悲しいままこの世は続いていくので悲しい。施設にいる人たちは、そういう意味では悲しいことを乗り越えて復活しようとしている人たちなのでとても良い。明日が最後だが、今更振り返って気付いた。
一昨日からの続き。父の浮気が発覚し、息子である私の気持ちもぐだぐだにぐらついていた。一昨日は浮気から自分の恋愛に対する人間性みたいなものを考えることが出来たのだけれど、それも今になったから冷静に見れるようになっただけで、その当時は本当に辛い心持ちだった。浮気なんてどこにでもあるありがちなイベントに違いないのだけれど、それが身の回りに起きてしまうとそれは唯一無二の衝撃がある。
私にとって父の浮気は規範の崩壊だった。誰にとってもそうかもしれないが、元は真面目な人だと思っていたし、父のようになりたいと真っ直ぐ思わないまでも、感謝をしていて私が過ごしてきたような生活をもし家庭を持つことがあったら与えたいと思っていた程だ。浮気があったのは最近のことだから、私が与えられたものを裏切ることではないかもしれないが、父が母を愛していたように見えて、結局そういう人だったのだと思わされたし、今まで受けてきた様々な躾が空しくなった。誤った人から誤った教育を受けてきたのだと思った。浮気なんて、かつて私に与えられた躾の基準に照らせば、衣食住の剥奪は最低ラインに思え、父が母と私にどのような贖罪をするのか、何をすれば私は父を許せるのかと考えた。
浮気について言えば、まだ働いていた頃、仕事帰りに乗ったタクシーの運転手がかつて浮気をしていたらしく、そのことを自慢されたこともあった。曰く、浮気相手の女性には本命には出来なかったこともしたらしく、楽しませてもらったとか最終的にバレそうになった時には彼女は自ら身を引いて、誰にもそれを告げることはなかったとか。何故、そういう話になったのかは覚えていないけれど、私は愛想笑いをしながら、気持ちが悪いなと思っていた。とにかく気がつけば浮気なんて周囲に蔓延しているのだ。
規範の崩壊と書いたが、それに伴って私は無気力となった。なんとなくどうでもよくなってしまったのだ。なにもかも。基準点を失って恋愛に限らず仕事も真面目に復帰しようとすることも馬鹿らしく思え、浮気するような父の血の下に生まれたならば、風俗通いも仕方なく、いずれ家庭を持っても私も浮気をするだろう等と存在しない未来を想像して、勝手に苦しんでいた。
週に1回の通院と医務室担当へのやり取りは欠かさずに続けていたが、それは無気力の内にあった真面目さの残滓みたいなもので、会話や文章の内容は定型文で回復しているようには全く見えなかっただろう。この無気力は数ヶ月続き、一向に復帰の兆しは見えなかった。
細かい話は明日以降に続ける。
一昨日からの続き。父の浮気が発覚し、息子である私の気持ちもぐだぐだにぐらついていた。一昨日は浮気から自分の恋愛に対する人間性みたいなものを考えることが出来たのだけれど、それも今になったから冷静に見れるようになっただけで、その当時は本当に辛い心持ちだった。浮気なんてどこにでもあるありがちなイベントに違いないのだけれど、それが身の回りに起きてしまうとそれは唯一無二の衝撃がある。
私にとって父の浮気は規範の崩壊だった。誰にとってもそうかもしれないが、元は真面目な人だと思っていたし、父のようになりたいと真っ直ぐ思わないまでも、感謝をしていて私が過ごしてきたような生活をもし家庭を持つことがあったら与えたいと思っていた程だ。浮気があったのは最近のことだから、私が与えられたものを裏切ることではないかもしれないが、父が母を愛していたように見えて、結局そういう人だったのだと思わされたし、今まで受けてきた様々な躾が空しくなった。誤った人から誤った教育を受けてきたのだと思った。浮気なんて、かつて私に与えられた躾の基準に照らせば、衣食住の剥奪は最低ラインに思え、父が母と私にどのような贖罪をするのか、何をすれば私は父を許せるのかと考えた。
浮気について言えば、まだ働いていた頃、仕事帰りに乗ったタクシーの運転手がかつて浮気をしていたらしく、そのことを自慢されたこともあった。曰く、浮気相手の女性には本命には出来なかったこともしたらしく、楽しませてもらったとか最終的にバレそうになった時には彼女は自ら身を引いて、誰にもそれを告げることはなかったとか。何故、そういう話になったのかは覚えていないけれど、私は愛想笑いをしながら、気持ちが悪いなと思っていた。とにかく気がつけば浮気なんて周囲に蔓延しているのだ。
規範の崩壊と書いたが、それに伴って私は無気力となった。なんとなくどうでもよくなってしまったのだ。なにもかも。基準点を失って恋愛に限らず仕事も真面目に復帰しようとすることも馬鹿らしく思え、浮気するような父の血の下に生まれたならば、風俗通いも仕方なく、いずれ家庭を持っても私も浮気をするだろう等と存在しない未来を想像して、勝手に苦しんでいた。
週に1回の通院と医務室担当へのやり取りは欠かさずに続けていたが、それは無気力の内にあった真面目さの残滓みたいなもので、会話や文章の内容は定型文で回復しているようには全く見えなかっただろう。この無気力は数ヶ月続き、一向に復帰の兆しは見えなかった。
細かい話は明日以降に続ける。
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