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もう一つのアジトへ
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シンの到着から間も無くして、すぐに魔物達との戦闘を終えたイヅツが、二人の元へとやって来る。最後に見た剣は手元になく、身体に汚れ一つつけることなく帰ってきた。
「今戻った。アンタも無事に運んでくれたみたいだな」
彼の言葉に、随分と早かったなと声をかけようとしたシンだったが、上官の方が先に帰ってきたイヅツに同じ言葉を投げかけたのだ。
オートマタという魔物は、個体にもよるがWoF内ではそれほど強力な敵ではない。しかし、そこそこの数はいた筈。本来のWoF内データに存在するシンのキャラであっても、あの数を始末するのにはもう少し時間が掛かる。
勿論、クラスの相性というものもあるが、ある程度複数の敵を相手にする戦闘に慣れていないと、こうも早く帰ってくることはできないだろう。それにイヅツは、疲労した様子もなければ、汚れ一つついていない。
WoFのユーザーはこの“異変“に巻き込まれ、現実世界での戦闘に慣れていないと彼は言っていたが、当の本人は少なくとも今のシン以上には、この世界での戦闘を経験していたことになる。
「随分と早かったな。そんなに簡単な相手だったのか?」
「いや、今回は彼が居たから役割分担ができた。それだけのことだ・・・」
多くは語らなかったが、イヅツはそれとなくシンが組織において有益な存在であることを伝えた。すると上官は、シンの方に視線を向け、足から頭へと品定めするかのように眺める。
「足手まといではなさそうだ・・・。いいだろう、ついて来い。お前が見たがってたもの・・・見せてやる」
僅かに声のトーンを落とし、低い声で度胸を確かめるように、シンへそう告げると、足早に上官の男は都心部から更に離れていくように移動を始める。
どうして魔物を捕らえているのか。その理由を見せてやるということは、これから彼らの拠点へと移動するのかもしれない。
拠点に着けば、今より更に気が抜けない状況になることは目に見えている。引き返すなら今の内だろうが、上官に逆らうことなく従っているイヅツを見るに、どうやら2人掛かりでもこの上官の男を仕留めるのは難しいということか。
或いは、ここで仕留めてはマズイ理由があるのだろう。恐らく他の場所でも同じような小隊が、この東京のセントラルシティにいるのは間違いない。
もし部隊長の者を殺せばすぐに連絡がいき、決して逃れられないことを示唆しているのかもしれない。下手なことは出来ぬと、シンは黙って上官の男の後を追う。
それに続いて、イヅツはシンが捕らえた魔物を担ぎあげ、2人の後ろから殿を務めるようについていく。
再び三人はパルクールのように建物の間や屋上を飛び回り、道中の警備ドローンの発する光を避けながら進んでいく。その様子にシンは違和感を感じた。何故目的の場所へ向かう時は気にしなかった警備ドローンを、今更意識し始めているのか。
疑問はあれど、今は黙って後を追うことに集中することを選んだシン。意外なことに上官の男は、ドローンの動きを確認し、ちゃんと最後尾にいるイヅツがカメラに映されぬタイミングを見計らって進んでいる。
騒ぎになれば面倒ごとが起こるのは目に見えている。どうやら急いでいる訳でもないので、アクシデントを避けるのは必然。それにしても、冷酷に感じていた上官の男が、その様なことを気にしていること自体に違和感を感じる。
少しヒヤヒヤする場面もありながらも、三人はビル群の間にある薄暗い路地裏まで降りてきていた。
するとそこには、彼らの仲間と思われる数人の人物が立っていた。思わず身構えるシンだったが、上官の男が到着早々にその者達から挨拶をされているのを見て、身体の力を抜く。
「スペクターさん、お帰りで?」
「あぁ、ゲートの準備頼むわ」
そう言うと、その場にいた複数の者達が動き出し、何やら装置の様なものを動かし、建物の扉に取り付けた。
「今戻った。アンタも無事に運んでくれたみたいだな」
彼の言葉に、随分と早かったなと声をかけようとしたシンだったが、上官の方が先に帰ってきたイヅツに同じ言葉を投げかけたのだ。
オートマタという魔物は、個体にもよるがWoF内ではそれほど強力な敵ではない。しかし、そこそこの数はいた筈。本来のWoF内データに存在するシンのキャラであっても、あの数を始末するのにはもう少し時間が掛かる。
勿論、クラスの相性というものもあるが、ある程度複数の敵を相手にする戦闘に慣れていないと、こうも早く帰ってくることはできないだろう。それにイヅツは、疲労した様子もなければ、汚れ一つついていない。
WoFのユーザーはこの“異変“に巻き込まれ、現実世界での戦闘に慣れていないと彼は言っていたが、当の本人は少なくとも今のシン以上には、この世界での戦闘を経験していたことになる。
「随分と早かったな。そんなに簡単な相手だったのか?」
「いや、今回は彼が居たから役割分担ができた。それだけのことだ・・・」
多くは語らなかったが、イヅツはそれとなくシンが組織において有益な存在であることを伝えた。すると上官は、シンの方に視線を向け、足から頭へと品定めするかのように眺める。
「足手まといではなさそうだ・・・。いいだろう、ついて来い。お前が見たがってたもの・・・見せてやる」
僅かに声のトーンを落とし、低い声で度胸を確かめるように、シンへそう告げると、足早に上官の男は都心部から更に離れていくように移動を始める。
どうして魔物を捕らえているのか。その理由を見せてやるということは、これから彼らの拠点へと移動するのかもしれない。
拠点に着けば、今より更に気が抜けない状況になることは目に見えている。引き返すなら今の内だろうが、上官に逆らうことなく従っているイヅツを見るに、どうやら2人掛かりでもこの上官の男を仕留めるのは難しいということか。
或いは、ここで仕留めてはマズイ理由があるのだろう。恐らく他の場所でも同じような小隊が、この東京のセントラルシティにいるのは間違いない。
もし部隊長の者を殺せばすぐに連絡がいき、決して逃れられないことを示唆しているのかもしれない。下手なことは出来ぬと、シンは黙って上官の男の後を追う。
それに続いて、イヅツはシンが捕らえた魔物を担ぎあげ、2人の後ろから殿を務めるようについていく。
再び三人はパルクールのように建物の間や屋上を飛び回り、道中の警備ドローンの発する光を避けながら進んでいく。その様子にシンは違和感を感じた。何故目的の場所へ向かう時は気にしなかった警備ドローンを、今更意識し始めているのか。
疑問はあれど、今は黙って後を追うことに集中することを選んだシン。意外なことに上官の男は、ドローンの動きを確認し、ちゃんと最後尾にいるイヅツがカメラに映されぬタイミングを見計らって進んでいる。
騒ぎになれば面倒ごとが起こるのは目に見えている。どうやら急いでいる訳でもないので、アクシデントを避けるのは必然。それにしても、冷酷に感じていた上官の男が、その様なことを気にしていること自体に違和感を感じる。
少しヒヤヒヤする場面もありながらも、三人はビル群の間にある薄暗い路地裏まで降りてきていた。
するとそこには、彼らの仲間と思われる数人の人物が立っていた。思わず身構えるシンだったが、上官の男が到着早々にその者達から挨拶をされているのを見て、身体の力を抜く。
「スペクターさん、お帰りで?」
「あぁ、ゲートの準備頼むわ」
そう言うと、その場にいた複数の者達が動き出し、何やら装置の様なものを動かし、建物の扉に取り付けた。
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