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自由の対価
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戸惑うRIZAに少しでも今後の道標になればと、にぃなはある提案をする。
「これまでの日常が無くなる訳じゃないの。ただ、これまで以上に命の危険が増えるってこと。貴方が望むのなら、これまでとはちょっと違うかもしれないけど、静かに日常を送ることも出来るかもしれない・・・」
彼女が提案したのは、この異変から逃げ続けるという方法だ。モンスターはこちらの存在をどうやってか認知することができ、見つけ次第襲ってくる。
なので、出来るだけ見つからないように過ごすか、先にこちらからモンスターを発見し回避するかという行動を、今後いつまで続くか分からない中で続けていくことになる。
それこそ神経がやつれてしまいそうな話だが、これまで通りという話ならば、それが最も近い方法なのかもしれない。
「けど、正直それは現実的とは言えないわ・・・。きっと貴方を狙ってくるのは、モンスターだけじゃないんだもの・・・」
「え・・・?他に誰かが来るの?」
「来るっていうのとは少し違うけど・・・。でもきっと、貴方の日常を奪いに来る者に違いはないわ」
にぃなの言う“奪いに来る者“とは、十中八九フィアーズのことだろう。それとも彼女は、他の勢力でも知っているのだろうか。
シンは知っている。他の勢力として思い浮かぶのは、彼のクラスでもあるアサシンのギルドだ。
奪うとは物騒な言い方だが、もし白獅らがRIZAに協力を求め承諾すれば、日常が一変すると言う意味ではそう違わないのかもしれない。
「その“奪いに来る人達“の組織の中に、私達も入ってるの」
「何でそんな怪しい奴らの仲間になったの・・・?」
RIZAが疑問に思うのも最もな話だ。言うなれば、普通の生活をしているところに、窃盗団を名乗る者達から勧誘され仲間になるようなもの。そんなこと、見ず知らずの人間がどうして受け入れられようか。
「勿論、好き好んで組織に入った訳ではないわ。半ば強制的によ。彼は分からないけど、私も貴方と同じように現実世界で毎日同じような日常を過ごしていたら、突然見えるようになっちゃったんだもの。戦い方も分からないのにね・・・」
シンもそれについては初めて知った。にぃながどういった経緯でフィアーズに入ったのか。RIZAと同じと言うことは、彼女も無抵抗にモンスターに襲われそうになったところを、誰かに救われたのか恩を着せられたのか。
フィアーズも実験の一環で、WoFのユーザーの力を借りたがっている。彼らがモンスターと戦う為の術を知っているフィアーズにとって、窮地に陥る何も知らないWoFユーザーとは、実においしい獲物であっただろう。
助けてやった代わりに力を貸せ。でなければ殺すだけ。実際は連れ去り実験の被検体にしていたのだろう。シンが一度訪れた何処かも分からない施設内で、それらしき光景を目にした。
フィアーズの勧誘を断るか対立すると、こうなるのだと言わんばかりに見世物にされていた。
「でも、私達の組織の中には貴方と同じような人がたくさんいる。仲間がいれば、少なくともすぐに命を落とすことはなくなる」
「そんな・・・。そんなの、私に選択肢何か・・・」
生きていたいと望むのならば、RIZAの言う通り選択肢などないだろう。それでも自由でいたいのなら、最初ににぃなが提案した逃げ続けると言う選択を選ぶしかない。
自由の対価が危険と隣り合わせの日々。だが、可能性を見出すのなら、にぃなやイヅツのようにフィアーズの懐へ潜り込み、仲間達と共に計画を実行するための一員となる方が、現状安全ではある。
「ただ、ここに残ると言う選択肢もある。・・・ただ、いずれここも目をつけられてしまうかもしれないけど・・・」
シンが口にしたのは、プレジャーフォレストに拠点を構えるコウらのチームに入るというものだった。同じ境遇の仲間を得られ、協力し合えるという点ではフィアーズに入るよりも自由で安全だ。
ただ、それもいつまで続くかは分からない。
「ここに・・・?他にも誰かいるの?」
「君と同じ体験をした人が何人かいるようだ。俺達もまだ一人しか会ってないけど・・・。これから他の施設を回ろうとしてたところで、君を見つけたんだ」
「でも私、家は東京なの・・・。いつでも帰れる?」
東京の現状を知っている二人は、彼女の帰宅を勧めることは出来なかった。ここ神奈川よりもモンスターの数が多く、またWoFのユーザーを狙う者も多い。とても安全とは言えない場所だった。
「これまでの日常が無くなる訳じゃないの。ただ、これまで以上に命の危険が増えるってこと。貴方が望むのなら、これまでとはちょっと違うかもしれないけど、静かに日常を送ることも出来るかもしれない・・・」
彼女が提案したのは、この異変から逃げ続けるという方法だ。モンスターはこちらの存在をどうやってか認知することができ、見つけ次第襲ってくる。
なので、出来るだけ見つからないように過ごすか、先にこちらからモンスターを発見し回避するかという行動を、今後いつまで続くか分からない中で続けていくことになる。
それこそ神経がやつれてしまいそうな話だが、これまで通りという話ならば、それが最も近い方法なのかもしれない。
「けど、正直それは現実的とは言えないわ・・・。きっと貴方を狙ってくるのは、モンスターだけじゃないんだもの・・・」
「え・・・?他に誰かが来るの?」
「来るっていうのとは少し違うけど・・・。でもきっと、貴方の日常を奪いに来る者に違いはないわ」
にぃなの言う“奪いに来る者“とは、十中八九フィアーズのことだろう。それとも彼女は、他の勢力でも知っているのだろうか。
シンは知っている。他の勢力として思い浮かぶのは、彼のクラスでもあるアサシンのギルドだ。
奪うとは物騒な言い方だが、もし白獅らがRIZAに協力を求め承諾すれば、日常が一変すると言う意味ではそう違わないのかもしれない。
「その“奪いに来る人達“の組織の中に、私達も入ってるの」
「何でそんな怪しい奴らの仲間になったの・・・?」
RIZAが疑問に思うのも最もな話だ。言うなれば、普通の生活をしているところに、窃盗団を名乗る者達から勧誘され仲間になるようなもの。そんなこと、見ず知らずの人間がどうして受け入れられようか。
「勿論、好き好んで組織に入った訳ではないわ。半ば強制的によ。彼は分からないけど、私も貴方と同じように現実世界で毎日同じような日常を過ごしていたら、突然見えるようになっちゃったんだもの。戦い方も分からないのにね・・・」
シンもそれについては初めて知った。にぃながどういった経緯でフィアーズに入ったのか。RIZAと同じと言うことは、彼女も無抵抗にモンスターに襲われそうになったところを、誰かに救われたのか恩を着せられたのか。
フィアーズも実験の一環で、WoFのユーザーの力を借りたがっている。彼らがモンスターと戦う為の術を知っているフィアーズにとって、窮地に陥る何も知らないWoFユーザーとは、実においしい獲物であっただろう。
助けてやった代わりに力を貸せ。でなければ殺すだけ。実際は連れ去り実験の被検体にしていたのだろう。シンが一度訪れた何処かも分からない施設内で、それらしき光景を目にした。
フィアーズの勧誘を断るか対立すると、こうなるのだと言わんばかりに見世物にされていた。
「でも、私達の組織の中には貴方と同じような人がたくさんいる。仲間がいれば、少なくともすぐに命を落とすことはなくなる」
「そんな・・・。そんなの、私に選択肢何か・・・」
生きていたいと望むのならば、RIZAの言う通り選択肢などないだろう。それでも自由でいたいのなら、最初ににぃなが提案した逃げ続けると言う選択を選ぶしかない。
自由の対価が危険と隣り合わせの日々。だが、可能性を見出すのなら、にぃなやイヅツのようにフィアーズの懐へ潜り込み、仲間達と共に計画を実行するための一員となる方が、現状安全ではある。
「ただ、ここに残ると言う選択肢もある。・・・ただ、いずれここも目をつけられてしまうかもしれないけど・・・」
シンが口にしたのは、プレジャーフォレストに拠点を構えるコウらのチームに入るというものだった。同じ境遇の仲間を得られ、協力し合えるという点ではフィアーズに入るよりも自由で安全だ。
ただ、それもいつまで続くかは分からない。
「ここに・・・?他にも誰かいるの?」
「君と同じ体験をした人が何人かいるようだ。俺達もまだ一人しか会ってないけど・・・。これから他の施設を回ろうとしてたところで、君を見つけたんだ」
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