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戦闘開始
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場面は変わり宮殿入り口で、司令室に現れた黒い靄に覆われた謎の人物と同じものを相手にしていたシン達一行。ただこちらは司令室とは違い、単純な戦力ではシン達に部がある。
既に戦闘を始めていたシンとアンナは、仲間達から少し離れたところで戦場を活かした空中戦を繰り広げている。対して黒い人物の襲来で、治療中でありながらも戦闘に参加せざるを得なくなったプラチドとツクヨ。
しかし新たな戦力としてガジェットにより強化されたツバキと、炎の風を操り敵対する者達へ有効な攻撃手段を覚醒させた紅葉という新たな戦力を手にし、四対一という圧倒的に有利な状況にある。
但し彼らが抱える弱点として、回復役のアカリと敵が所持する厄介な能力を顕現させるアイテム、月光写譜を無力化し逆に利用することの出来るジルを
守りながら戦わなくてはならない点だ。
故に四人全員で攻勢に出ることは出来ず、必ず誰かは守り役に回らなければならない。
「コイツの相手は私達でする。ツバキと紅葉は二人を」
「あぁ、分かったぜ!」
「キィー!」
「病み上がりで悪いけど・・・力を貸してくれますか?プラチドさん」
「勿論。願ってもない展開だ。俺も奴を逃すつもりはないからな・・・」
ツクヨへ奇襲を仕掛けてからというものの、不気味なほど大人しくしている黒い人物。するとその人物は目の前の敵であるツクヨらを無視してアンナ達の方を見ている。
「テマ ヲ オカケシマシタ。デスガ ワタシ ガ キタカラニハ モウ テハ ワズラワセマセンヨ・・・」
ぶつぶつと独り言を言い始めた黒い人物を見て、それがただの油断や慢心ではない事を悟り、ツクヨに忠告するプラチド。しかしただならぬ空気を漂わせる黒い人物の雰囲気に気が付かぬツクヨではなかった。
最初から全力だと言わんばかりに、既に布都御魂剣による創造の景色の中から、相手の素性を探っていた。
「あいつ、何か喋ってやがる・・・。やっぱり他の奴らとは明らかに違う。気を引き締めろよ、ツクヨ」
「言われなくて最初から全力で行きますよ・・・。ただ違うのは雰囲気だけじゃないみたいですけどね・・・」
ツクヨが瞼の裏に見ている景色には、黒い人物の放つ異様なオーラが禍々しく立ち込めているのが見えていた。それは黒い人物のシルエットを飲み込むほど溢れ出している。
黒い人物が身構える彼らの方へ向き直すと、彼は聞き取りずらい声で犯人の目的にも繋がる意味深な言葉を掛ける。
「アナタタチ ヲ マキコム ツモリ ハ ナカッタ。ダガ マキコマレテ シマッタノナラ シカタガナイ・・・」
「巻き込まれた?私達の事か」
「アンシン シテクレテ イイ。アナタタチ ニハ イキテ モラワネバ コマル。ユエニ オトナシク コノセカイデ シンデクレ」
強い言葉を放つ黒い人物に殺気が集まる。それが彼の慈悲か狙いかは分からないが、黒い人物は前線のツクヨとプラチドに向かって動き出す。いち早く黒い人物の殺気を気配で感じていたツクヨの“来るぞ”という声に反応して、左右に分かれて相手の動きを見る二人。
姿を消すように素早い動きでその場から移動した黒い人物。残された黒い靄が彼の動きに釣られるように、風で何処かへ移動した黒い人物の後を追う。靄が僅かに動き出したのはツクヨの方だった。
オーラの動きが自分の方へ向かってくるのを察したツクヨは、直様武器を構え様子を見る意味でも剣から発する衝撃波でそれを迎え撃つ。数発放った衝撃波の隙間を縫うように避けながら近づいてくる黒い人物。
ただならぬその動きは、素早い身のこなしというだけでは説明がつかない。目に見えていた黒い人物の質量、ツクヨが見ていたオーラの様子からも、大きく外に避けなければ回避など出来ない筈だった。
「何ッ・・・!?」
「オモシロイ チカラ ヲ ツカイマスネ。ミタコトモ ナイ チカラダ。ダケド・・・!」
ツクヨの懐へと近づいた黒い人物。その様子を見ていたジルが、彼の身に起きた変化に反応する。それは彼女にしか気がつく事のできなかった変化。先程黒い人物の周りで聞こえていた音楽の曲調が、ツクヨへの攻撃に際にこれまでのものとは全く違うものへと変化したのだ。
「まただ・・・!」
「え?」
「また聞こえたの。あの人の側にだけ流れてる音楽。それが早いテンポの曲調から、胸を打ち鳴らすような重く激しい曲調に・・・!」
一瞬のうちに起きた黒い人物の変化。狙われていた彼にだけその変化が分かった。反対側にいたプラチドには何が起きているのか分からない。強烈な一撃が来るのを察したツクヨは急ぎ防御の姿勢を取るのだが、彼は再び大きく後方へと弾き飛ばされ壁に打ち付けられてしまう。
既に戦闘を始めていたシンとアンナは、仲間達から少し離れたところで戦場を活かした空中戦を繰り広げている。対して黒い人物の襲来で、治療中でありながらも戦闘に参加せざるを得なくなったプラチドとツクヨ。
しかし新たな戦力としてガジェットにより強化されたツバキと、炎の風を操り敵対する者達へ有効な攻撃手段を覚醒させた紅葉という新たな戦力を手にし、四対一という圧倒的に有利な状況にある。
但し彼らが抱える弱点として、回復役のアカリと敵が所持する厄介な能力を顕現させるアイテム、月光写譜を無力化し逆に利用することの出来るジルを
守りながら戦わなくてはならない点だ。
故に四人全員で攻勢に出ることは出来ず、必ず誰かは守り役に回らなければならない。
「コイツの相手は私達でする。ツバキと紅葉は二人を」
「あぁ、分かったぜ!」
「キィー!」
「病み上がりで悪いけど・・・力を貸してくれますか?プラチドさん」
「勿論。願ってもない展開だ。俺も奴を逃すつもりはないからな・・・」
ツクヨへ奇襲を仕掛けてからというものの、不気味なほど大人しくしている黒い人物。するとその人物は目の前の敵であるツクヨらを無視してアンナ達の方を見ている。
「テマ ヲ オカケシマシタ。デスガ ワタシ ガ キタカラニハ モウ テハ ワズラワセマセンヨ・・・」
ぶつぶつと独り言を言い始めた黒い人物を見て、それがただの油断や慢心ではない事を悟り、ツクヨに忠告するプラチド。しかしただならぬ空気を漂わせる黒い人物の雰囲気に気が付かぬツクヨではなかった。
最初から全力だと言わんばかりに、既に布都御魂剣による創造の景色の中から、相手の素性を探っていた。
「あいつ、何か喋ってやがる・・・。やっぱり他の奴らとは明らかに違う。気を引き締めろよ、ツクヨ」
「言われなくて最初から全力で行きますよ・・・。ただ違うのは雰囲気だけじゃないみたいですけどね・・・」
ツクヨが瞼の裏に見ている景色には、黒い人物の放つ異様なオーラが禍々しく立ち込めているのが見えていた。それは黒い人物のシルエットを飲み込むほど溢れ出している。
黒い人物が身構える彼らの方へ向き直すと、彼は聞き取りずらい声で犯人の目的にも繋がる意味深な言葉を掛ける。
「アナタタチ ヲ マキコム ツモリ ハ ナカッタ。ダガ マキコマレテ シマッタノナラ シカタガナイ・・・」
「巻き込まれた?私達の事か」
「アンシン シテクレテ イイ。アナタタチ ニハ イキテ モラワネバ コマル。ユエニ オトナシク コノセカイデ シンデクレ」
強い言葉を放つ黒い人物に殺気が集まる。それが彼の慈悲か狙いかは分からないが、黒い人物は前線のツクヨとプラチドに向かって動き出す。いち早く黒い人物の殺気を気配で感じていたツクヨの“来るぞ”という声に反応して、左右に分かれて相手の動きを見る二人。
姿を消すように素早い動きでその場から移動した黒い人物。残された黒い靄が彼の動きに釣られるように、風で何処かへ移動した黒い人物の後を追う。靄が僅かに動き出したのはツクヨの方だった。
オーラの動きが自分の方へ向かってくるのを察したツクヨは、直様武器を構え様子を見る意味でも剣から発する衝撃波でそれを迎え撃つ。数発放った衝撃波の隙間を縫うように避けながら近づいてくる黒い人物。
ただならぬその動きは、素早い身のこなしというだけでは説明がつかない。目に見えていた黒い人物の質量、ツクヨが見ていたオーラの様子からも、大きく外に避けなければ回避など出来ない筈だった。
「何ッ・・・!?」
「オモシロイ チカラ ヲ ツカイマスネ。ミタコトモ ナイ チカラダ。ダケド・・・!」
ツクヨの懐へと近づいた黒い人物。その様子を見ていたジルが、彼の身に起きた変化に反応する。それは彼女にしか気がつく事のできなかった変化。先程黒い人物の周りで聞こえていた音楽の曲調が、ツクヨへの攻撃に際にこれまでのものとは全く違うものへと変化したのだ。
「まただ・・・!」
「え?」
「また聞こえたの。あの人の側にだけ流れてる音楽。それが早いテンポの曲調から、胸を打ち鳴らすような重く激しい曲調に・・・!」
一瞬のうちに起きた黒い人物の変化。狙われていた彼にだけその変化が分かった。反対側にいたプラチドには何が起きているのか分からない。強烈な一撃が来るのを察したツクヨは急ぎ防御の姿勢を取るのだが、彼は再び大きく後方へと弾き飛ばされ壁に打ち付けられてしまう。
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