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第4章
シグナル
しおりを挟む激しい衝撃に僕は飛び起きた。
なにがあったんだ? 冷や汗をぬぐいながらあたりを見回す。
雷に打たれたような衝撃を感じたのに、僕がいるのは見慣れた自分の部屋で、僕自身にもなんの変化もない。痛みもない。
変な夢でも見てたんだろうか? 思い出せない。
落ち着かない自分の心をなだめながら、僕の視線はスマホの画面にたどりついた。
涼乃からメッセージが入っている。着信は一分前。スマホが枕もとで震えたのを、大げさに受け止めたんだろうか。
『なんかちょっとマズイかも』
画面に、涼乃の言葉。デジタルの画面がひんやりと冷気を放った気がした。
メッセージが続く。
『モモちゃんの知らない男の人が
たくさんいて、
怖い』
眠気が吹き飛んだ。僕は即座に『今どこ?』とだけ返信する。
『駒沢公園』
スマホをつかんで部屋を飛び出した。
駒沢公園なら自転車を走らせればものの十数分だ。すぐに着く。
玄関で返信する。
『今行く。駒沢公園のどこ?』
もう既読はつかなかった。震えが足もとから這い上がる。
歯を食いしばって震えをおさえつけ、スニーカーを履く。
手をかける前になぜかドアが開いた。ちょうど賢都が帰宅してきたんだ。いつもなら義理の兄に場所を譲るところだけど、なりふり構わず彼を押し退け玄関を飛び出した。
僕の中で誰かがシグナルを送っている。巨大な鐘が、けたたましくかき鳴らされる。
――さぁ、運命の一日の始まりですよ。
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