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第四章 復讐その四 アルグレア王国と神の眷属 前編
招かれざる者達
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「アデル様!」
王都の噴水の傍で出会った、神官服を着たあの女の子……ソフィアさんが馬車の扉から飛び出し、そして……僕の胸に飛び込んできた。
「え? ええ!?」
突然の状況に、困惑のあまり僕は周りをキョロキョロと見る。
「あ、あなた! すぐにアデル様から離れなさい!」
ライラ様が強い口調でそう叫ぶと、僕と彼女の間にグイ、と割って入った。
「ああ……アデル様、お逢いしとうございました……」
だけど彼女は、何故か僕を見つめながら恍惚とした表情を浮かべる。
い、一体どういうこと!?
「「アデル様……?」」
そして、何故かライラ様とハンナさんがジト目で僕を見るけど……僕は一切知りませんからね!?
そんな中、馬車から二人の男女が後に続いて降りてきた。
もちろん……エリアルとカルラが。
「…………………………!」
僕はその二人を睨み続ける。
「「「ア、アデル様……!?」」」
そんな僕の様子に、ソフィアさんはおろか、ライラ様とハンナさんまでもが驚いている様子だった。
「っ! アデルのくせにその生意気な視線は何よ!」
すると、続いて降りてきたレジーナが僕を見るなりケンカ腰に叫んだ。
「「なっ! 貴様!」」
そんな彼女にライラ様とハンナさんが素早く反応を示すけど……僕は二人を制止した。
僕はゆっくりしゃがみ、地面に両手をつけると。
「……【加工】」
「え……!? キャアッ!?」
レジーナの足元に大きく穴を開けると、彼女はそこに見事に落ち、顔だけを覗かせる。
そして。
「【加工】、【製作】」
僕は穴の中を石の壁のようなもので形成し、それでレジーナを挟むようにして閉じ込めた。
「な!? 何なのよこれ!?」
いきなりのことで訳が分からないレジーナが喚く。
だけど、これで終わりだと思っているのか?
——ギチ、ギチチ……。
「え……? ちょ、ちょっと!?」
穴の隙間がどんどん狭くなり、レジーナが徐々に押し潰されていく。
そして、レジーナは顔を青くさせながら僕を見た。
……ようやく、気づいたいみたいだな。
「……この僕が、ライラ様を売ったオマエ達を許すと思っているのか?」
「「「「「っ!?」」」」」
自分でも驚くほど低い僕の言葉に、“黄金の旋風”の連中の顔色が一斉に変わった。
その間も、レジーナを閉じ込めている穴は彼女を押し潰していく。
「ヒ……イ、イヤア……!」
レジーナの顔が恐怖に歪む。
「っ! や、やめなさい!」
カルラが剣を抜き、僕に能力を止めさせようと詰め寄る。
だが。
「来るな! 無礼者!」
「私達のアデル様に近づけさせない!」
そうはさせまいと、ライラ様が死神の鎌を、ハンナさんがフギンとムニンを構え、カルラの前に立ちはだかる。
「オマエ達、自分がやったことを分かっているのか? 僕達の前に姿を現した時点でただでは済まさないことくらい理解しろよ」
僕は吐き捨てるようにそう言うと、なおもジワリ、ジワリ、と穴を縮めていく。
できる限り、レジーナに恐怖を与えるために。
「ヒ……ヒヒ……イヤアアアアアアアアアア!?」
恐怖のあまり、とうとうレジーナが泣き叫んだ。
「わ、分かった! 私達が悪かったわ! お、お願いだからもうヤメテ!」
「た、頼む! この通りだ!」
“黄金の旋風”の連中がようやく事態を理解したのか、頭を下げて懇願する。
「お、お願い! ソフィア様からも何とか言ってよ! [聖女]のあなたから言ってくれれば……!」
「はい? どうしてこの私が、あなた方のためにアデル様にもの申さなければいけないのですか? むしろ、こんなにアデル様を怒らせたのですから、報いを受けるのは当然では?」
ロロが、どういう訳かソフィアさん……いや、ソフィア様に僕を止めるよう懇願するが、逆にソフィア様からは冷たい視線で吐き捨てるようにそう言われてしまう。
だけど。
「……とはいえ、これはあなた方を雇ってしまった私の責任でもありますね……」
そう言うと、ソフィア様は僕の前に来て跪き、祈るような姿勢を取った。
「アデル様、この方達には[聖女]であるこの“ソフィア=アルベルティーニ”が責任をもってアデル様を煩わせるようなことはさせませんので、ここはどうか、矛を収めてはいただけませんでしょうか……」
そう話すソフィア様の姿には、どこか威厳があり、僕を惹きつけるような何かがあった。
「……【加工】」
僕は渋々、レジーナを挟んでいる石の壁を砂に変えた。
「……私の屋敷には、ソフィア様だけをお連れします。“黄金の旋風”は、私の屋敷及びその周辺に立ち入ることを一切禁じます」
ライラ様もここが収め時と判断したのか、“黄金の旋風”にそう告げた。
「では、よろしくお願いします」
ソフィア様は一礼すると、ライラ様自ら鋼鉄の馬車へとお連れし、一緒に車内へと入って行った。
「……アデル様、行きましょう」
「……はい」
僕の背中に手を当てるハンナさんに僕は頷くと、“黄金の旋風”に一瞥もくれずに御者台に乗り込む。
そして、呆然と立ち尽くすカルラ達と埋まったまま嗚咽を漏らすレジーナを置き去りにしたまま、屋敷へと向かった。
王都の噴水の傍で出会った、神官服を着たあの女の子……ソフィアさんが馬車の扉から飛び出し、そして……僕の胸に飛び込んできた。
「え? ええ!?」
突然の状況に、困惑のあまり僕は周りをキョロキョロと見る。
「あ、あなた! すぐにアデル様から離れなさい!」
ライラ様が強い口調でそう叫ぶと、僕と彼女の間にグイ、と割って入った。
「ああ……アデル様、お逢いしとうございました……」
だけど彼女は、何故か僕を見つめながら恍惚とした表情を浮かべる。
い、一体どういうこと!?
「「アデル様……?」」
そして、何故かライラ様とハンナさんがジト目で僕を見るけど……僕は一切知りませんからね!?
そんな中、馬車から二人の男女が後に続いて降りてきた。
もちろん……エリアルとカルラが。
「…………………………!」
僕はその二人を睨み続ける。
「「「ア、アデル様……!?」」」
そんな僕の様子に、ソフィアさんはおろか、ライラ様とハンナさんまでもが驚いている様子だった。
「っ! アデルのくせにその生意気な視線は何よ!」
すると、続いて降りてきたレジーナが僕を見るなりケンカ腰に叫んだ。
「「なっ! 貴様!」」
そんな彼女にライラ様とハンナさんが素早く反応を示すけど……僕は二人を制止した。
僕はゆっくりしゃがみ、地面に両手をつけると。
「……【加工】」
「え……!? キャアッ!?」
レジーナの足元に大きく穴を開けると、彼女はそこに見事に落ち、顔だけを覗かせる。
そして。
「【加工】、【製作】」
僕は穴の中を石の壁のようなもので形成し、それでレジーナを挟むようにして閉じ込めた。
「な!? 何なのよこれ!?」
いきなりのことで訳が分からないレジーナが喚く。
だけど、これで終わりだと思っているのか?
——ギチ、ギチチ……。
「え……? ちょ、ちょっと!?」
穴の隙間がどんどん狭くなり、レジーナが徐々に押し潰されていく。
そして、レジーナは顔を青くさせながら僕を見た。
……ようやく、気づいたいみたいだな。
「……この僕が、ライラ様を売ったオマエ達を許すと思っているのか?」
「「「「「っ!?」」」」」
自分でも驚くほど低い僕の言葉に、“黄金の旋風”の連中の顔色が一斉に変わった。
その間も、レジーナを閉じ込めている穴は彼女を押し潰していく。
「ヒ……イ、イヤア……!」
レジーナの顔が恐怖に歪む。
「っ! や、やめなさい!」
カルラが剣を抜き、僕に能力を止めさせようと詰め寄る。
だが。
「来るな! 無礼者!」
「私達のアデル様に近づけさせない!」
そうはさせまいと、ライラ様が死神の鎌を、ハンナさんがフギンとムニンを構え、カルラの前に立ちはだかる。
「オマエ達、自分がやったことを分かっているのか? 僕達の前に姿を現した時点でただでは済まさないことくらい理解しろよ」
僕は吐き捨てるようにそう言うと、なおもジワリ、ジワリ、と穴を縮めていく。
できる限り、レジーナに恐怖を与えるために。
「ヒ……ヒヒ……イヤアアアアアアアアアア!?」
恐怖のあまり、とうとうレジーナが泣き叫んだ。
「わ、分かった! 私達が悪かったわ! お、お願いだからもうヤメテ!」
「た、頼む! この通りだ!」
“黄金の旋風”の連中がようやく事態を理解したのか、頭を下げて懇願する。
「お、お願い! ソフィア様からも何とか言ってよ! [聖女]のあなたから言ってくれれば……!」
「はい? どうしてこの私が、あなた方のためにアデル様にもの申さなければいけないのですか? むしろ、こんなにアデル様を怒らせたのですから、報いを受けるのは当然では?」
ロロが、どういう訳かソフィアさん……いや、ソフィア様に僕を止めるよう懇願するが、逆にソフィア様からは冷たい視線で吐き捨てるようにそう言われてしまう。
だけど。
「……とはいえ、これはあなた方を雇ってしまった私の責任でもありますね……」
そう言うと、ソフィア様は僕の前に来て跪き、祈るような姿勢を取った。
「アデル様、この方達には[聖女]であるこの“ソフィア=アルベルティーニ”が責任をもってアデル様を煩わせるようなことはさせませんので、ここはどうか、矛を収めてはいただけませんでしょうか……」
そう話すソフィア様の姿には、どこか威厳があり、僕を惹きつけるような何かがあった。
「……【加工】」
僕は渋々、レジーナを挟んでいる石の壁を砂に変えた。
「……私の屋敷には、ソフィア様だけをお連れします。“黄金の旋風”は、私の屋敷及びその周辺に立ち入ることを一切禁じます」
ライラ様もここが収め時と判断したのか、“黄金の旋風”にそう告げた。
「では、よろしくお願いします」
ソフィア様は一礼すると、ライラ様自ら鋼鉄の馬車へとお連れし、一緒に車内へと入って行った。
「……アデル様、行きましょう」
「……はい」
僕の背中に手を当てるハンナさんに僕は頷くと、“黄金の旋風”に一瞥もくれずに御者台に乗り込む。
そして、呆然と立ち尽くすカルラ達と埋まったまま嗚咽を漏らすレジーナを置き去りにしたまま、屋敷へと向かった。
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