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第四章 復讐その四 アルグレア王国と神の眷属 前編
地下室
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「では……行きましょう」
ライラ様が鉄の扉に手を掛けた。
だけど。
「……ライラ様?」
「ええと……鍵が掛かっているみたいです……」
そう言うと、ライラ様が思わず肩を落とした。
「あはは、じゃあ僕が開けますね」
「お願いします……」
僕はライラ様とバトンタッチし、鉄の扉に手を掛けると。
「【加工】」
鍵を分解して無効化し、取っ手を握りゆっくりと引く。
——ギイ。
鉄の扉が開き、中を覗くが……真っ暗で何も見えないな……。
「アデル様。少々お待ちくださいませ」
ハンナさんがそう言って一礼すると、急ぎ気味に書斎を出る。
しばらくすると、ハンナさんが蝋燭の入ったランタンを持って来てくれた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
ハンナさんからランタンを受け取り、蝋燭に火を灯して中へとかざすと。
「……どうやら下へと階段が続いているようですね」
「ええ……」
ライラ様の呟きに、僕は頷く。
「では、今度こそ行きましょう」
「「「はい」」」
狭い扉を身を屈めてくぐり、中に入る。
入口に反比例し、中は充分な広さが確保されていた。
ライラ様、ソフィア様、ハンナさんの順に扉をくぐり終えると、僕達はゆっくりと階段を下りて行く。
階段はつづら折りになっており、既に十を超える踊り場を通過したが、未だに終点まで到達する気配はない。
「かなり深いですね……」
「はい……」
僕の呟きを聞いていたライラ様が返事をすると。
——ぴと。
「ライラ様?」
「あ、その……少しだけ不安になってしまいまして……」
僕の右腕にくっついたライラ様が、そう言いながら恥ずかしそうに目を伏せた。
「あはは……では、しっかり僕の傍にいてくださいね?」
「はい……」
僕の言葉を受け、ライラ様は白銀の腕を僕の右腕に絡めてより密着する。
「……お嬢様、それはいかがなものかと」
すると、ハンナさんがライラ様にすかさず抗議する。
まあ、こうなるとは思っていましたけどね。
「ふふ……皆様、仲がよろしいんですね」
そして、そんな僕達の様子を見ていたソフィア様が、クスクスと笑った。
「はい……ライラ様もハンナさんも、僕の誰よりも大切な方ですから……」
「「アデル様……」」
ソフィア様に僕がそう告げると、ライラ様とハンナさんが優しい瞳で僕を見つめる。
「さすがはアデル様です」
するとソフィア様が僕を見ながらニコリ、と微笑んだ。
というか、ソフィア様の意外な反応に面喰ってしまった。
「……ソフィア様はアデル様のことは何とも思ってはいないのですか?」
ライラ様はソフィア様の顔色を窺いながら尋ねる。
その右の瞳は、疑っているようで、ホッとしているようで、ほんの少しだけ怒っているようで……。
「ふふ……どうなのでしょうか……」
だけどソフィア様からは微笑みと共に曖昧な言葉だけが返ってきた。
「……まあ、いいです」
ライラ様はプイ、とソフィア様から顔を逸らすと、僕の腕を引きながら階段を少し早めに下りた。
逆に僕はソフィア様の様子が気掛かりになり、後ろを振り返ると。
「…………………………くふ♪」
……ソフィア様は、またあの時と同じ嗤いを見せた。
一体、何を考えているのか……。
色々と考えがよぎるが、今は『天国への階段』の手掛かりを見つけることが先決だ。
僕はかぶりを振ると、また前をしっかりと見据えて階段を降りる。
そして。
「ようやく、一番下までたどり着きましたね……」
「「「はい」」」
僕は、階段の終着地点をランタンで照らしながらそう告げると、三人は強く頷いた。
そこは、今までの踊り場より少しだけ広く、鉄の扉が一つ備えつけられていた。
「あの扉の向こうに……」
「あるかどうかは分かりませんが、少なくとも何かしらの手掛かりはある筈です」
扉の前へと来ると、僕は扉に手をかざす。
「【加工】
鍵を無効化し、鉄の扉を開ける。
「……何も、ない……?」
扉の向こうは、がらん、とした少し広めの部屋だった。
「こ、これはどういうことでしょうか……?」
ソフィア様がわずかに困惑した表情を浮かべる。
まあ、ずっと期待していた分、肩透かしにあったようなものだしなあ……。
だけど。
「あの書斎と同様、何か仕掛けがあると見るのが妥当でしょう」
そう言うと、僕は床に手をつく。
そして。
「……【設計】」
そう呟くと、数枚の図面が展開される。
案の定、この部屋の床には隠された小さな空洞が一つだけあった。
僕はその場所まで歩を進め、その手前でピタリ、と止まる。
「ここです」
僕はまた屈み、床に手をつける。
「【加工】」
床の一部を砂に変化させると、その下に隠された空洞が露わになる。
「これは……?」
そこには、古い羊皮紙が丸められたものと、鍵のようなものが一つ入っていた。
そして、それぞれに同じ印のようなものが記されていた。
だけど……どこかで……。
「あ……紋様……」
ライラ様がポツリと呟き、左胸に白銀の手をそっと押さえた。
ライラ様が鉄の扉に手を掛けた。
だけど。
「……ライラ様?」
「ええと……鍵が掛かっているみたいです……」
そう言うと、ライラ様が思わず肩を落とした。
「あはは、じゃあ僕が開けますね」
「お願いします……」
僕はライラ様とバトンタッチし、鉄の扉に手を掛けると。
「【加工】」
鍵を分解して無効化し、取っ手を握りゆっくりと引く。
——ギイ。
鉄の扉が開き、中を覗くが……真っ暗で何も見えないな……。
「アデル様。少々お待ちくださいませ」
ハンナさんがそう言って一礼すると、急ぎ気味に書斎を出る。
しばらくすると、ハンナさんが蝋燭の入ったランタンを持って来てくれた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
ハンナさんからランタンを受け取り、蝋燭に火を灯して中へとかざすと。
「……どうやら下へと階段が続いているようですね」
「ええ……」
ライラ様の呟きに、僕は頷く。
「では、今度こそ行きましょう」
「「「はい」」」
狭い扉を身を屈めてくぐり、中に入る。
入口に反比例し、中は充分な広さが確保されていた。
ライラ様、ソフィア様、ハンナさんの順に扉をくぐり終えると、僕達はゆっくりと階段を下りて行く。
階段はつづら折りになっており、既に十を超える踊り場を通過したが、未だに終点まで到達する気配はない。
「かなり深いですね……」
「はい……」
僕の呟きを聞いていたライラ様が返事をすると。
——ぴと。
「ライラ様?」
「あ、その……少しだけ不安になってしまいまして……」
僕の右腕にくっついたライラ様が、そう言いながら恥ずかしそうに目を伏せた。
「あはは……では、しっかり僕の傍にいてくださいね?」
「はい……」
僕の言葉を受け、ライラ様は白銀の腕を僕の右腕に絡めてより密着する。
「……お嬢様、それはいかがなものかと」
すると、ハンナさんがライラ様にすかさず抗議する。
まあ、こうなるとは思っていましたけどね。
「ふふ……皆様、仲がよろしいんですね」
そして、そんな僕達の様子を見ていたソフィア様が、クスクスと笑った。
「はい……ライラ様もハンナさんも、僕の誰よりも大切な方ですから……」
「「アデル様……」」
ソフィア様に僕がそう告げると、ライラ様とハンナさんが優しい瞳で僕を見つめる。
「さすがはアデル様です」
するとソフィア様が僕を見ながらニコリ、と微笑んだ。
というか、ソフィア様の意外な反応に面喰ってしまった。
「……ソフィア様はアデル様のことは何とも思ってはいないのですか?」
ライラ様はソフィア様の顔色を窺いながら尋ねる。
その右の瞳は、疑っているようで、ホッとしているようで、ほんの少しだけ怒っているようで……。
「ふふ……どうなのでしょうか……」
だけどソフィア様からは微笑みと共に曖昧な言葉だけが返ってきた。
「……まあ、いいです」
ライラ様はプイ、とソフィア様から顔を逸らすと、僕の腕を引きながら階段を少し早めに下りた。
逆に僕はソフィア様の様子が気掛かりになり、後ろを振り返ると。
「…………………………くふ♪」
……ソフィア様は、またあの時と同じ嗤いを見せた。
一体、何を考えているのか……。
色々と考えがよぎるが、今は『天国への階段』の手掛かりを見つけることが先決だ。
僕はかぶりを振ると、また前をしっかりと見据えて階段を降りる。
そして。
「ようやく、一番下までたどり着きましたね……」
「「「はい」」」
僕は、階段の終着地点をランタンで照らしながらそう告げると、三人は強く頷いた。
そこは、今までの踊り場より少しだけ広く、鉄の扉が一つ備えつけられていた。
「あの扉の向こうに……」
「あるかどうかは分かりませんが、少なくとも何かしらの手掛かりはある筈です」
扉の前へと来ると、僕は扉に手をかざす。
「【加工】
鍵を無効化し、鉄の扉を開ける。
「……何も、ない……?」
扉の向こうは、がらん、とした少し広めの部屋だった。
「こ、これはどういうことでしょうか……?」
ソフィア様がわずかに困惑した表情を浮かべる。
まあ、ずっと期待していた分、肩透かしにあったようなものだしなあ……。
だけど。
「あの書斎と同様、何か仕掛けがあると見るのが妥当でしょう」
そう言うと、僕は床に手をつく。
そして。
「……【設計】」
そう呟くと、数枚の図面が展開される。
案の定、この部屋の床には隠された小さな空洞が一つだけあった。
僕はその場所まで歩を進め、その手前でピタリ、と止まる。
「ここです」
僕はまた屈み、床に手をつける。
「【加工】」
床の一部を砂に変化させると、その下に隠された空洞が露わになる。
「これは……?」
そこには、古い羊皮紙が丸められたものと、鍵のようなものが一つ入っていた。
そして、それぞれに同じ印のようなものが記されていた。
だけど……どこかで……。
「あ……紋様……」
ライラ様がポツリと呟き、左胸に白銀の手をそっと押さえた。
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