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第五章 復讐その四 アルグレア王国と神の眷属 後編
誓い合う
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「ん……」
僕はムクリ、と起き上がって窓を見やると、特に陽の光が入っている気配もない。
つまり、まだ夜中なのだろう。
「すう……すう……」
僕はチラリ、と隣で寝息を立てているライラ様を見やる。
昨夜……って、今も夜か。とにかく、僕はライラ様と初めて結ばれた。
あの『天国への階段』から戻ったら、ライラ様と結ばれる約束をしていたのに、結局あれから八日も経過してしまい、申し訳なかったな……。
まあ、すぐにあの街から脱出しなければいけなかったことと、途中で宿泊した街では、ライラ様の体重のこともあって、その……うん、なかなかそういうことができる環境じゃなかったっていうのもあるけど……。
「あはは……気持ちよさそうに眠ってる……」
僕はライラ様の顔を優しく撫でると、その頬にそっと口づけをした。
……ライラ様、可愛かったな……。
というか、綺麗で、柔らかくて、素肌も絹のようになめらかで……………………って。
駄目だ……そんなこと考えたせいで、また……。
僕は少し反省しつつ服を着ると、気持ちを落ち着かせるためにそっと部屋を出た。
「うーん……!」
僕は軽く伸びをして、夜空を眺める。
あと二日もすれば、僕達はこの国を出る。
ライラ様の復讐を置き去りにして。
願わくば……これからの僕達の未来が、幸福でありますように……。
——ガシャ。
あー……起こしちゃったかなあ……。
僕は頭を掻きながら後ろを振り向くと、案の定ライラ様だった。
ただし、彼女は布だけを羽織って。
「すいません……起こしてしまいましたね……」
「ふふ……いえ」
ライラ様は柔らかい微笑みを浮かべると、僕の隣に立った。
「寒くないですか?」
「はい、大丈夫です」
とはいえ、ライラ様は布を一枚羽織っているだけだ。
だから。
「あ……」
「こうすれば、少しは」
「ふふ……はい」
僕はライラ様を後ろから抱き締めると、その白銀の手で僕の腕にそっと添えた。
「ライラ様は、この国を出たら何がしたいですか?」
「私……ですか?」
「はい」
そう尋ねると、ライラ様は首を傾げながら考え込む。
「えーと……今すぐは思い浮かびませんね……」
「あはは、そうですか」
「アデル様は?」
僕……僕かあ……。
せっかく三人で“白銀の翼”っていう冒険者パーティーを結成したんだし、新天地でも冒険者を続けるのもいいな。
あ、でも、[技術者]の力で日用品や雑貨なんかを作って、それを元手に商売を始めても……。
それで、ライラ様とハンナさんを看板娘にしたらお客さんも多く来て繁盛しそうだなあ。
だって、二人共可愛くて、綺麗で、絶対に評判に……って、それはそれで悪い虫がついても嫌だな……。
「クス……」
「? アデル様?」
「ああ、すいません……これからのことを考えていたら、少し幸せな気分になってしまいました」
「ふふ、そうですか……もちろん、私も一緒にいるのですよね?」
「当然です」
僕は断言すると、ライラ様の頬を撫でながら、こちらへと振り向かせた。
「ん……ちゅ、ちゅく……」
ライラ様に少し濃いめのキスをすると、やっぱり僕の心は静まるどころか火照ったままで……。
「あ……は……ん……んう……!」
「ライラ様……あなたをまた求めてもいいですか……?」
「あん……ふふ、ずるいです……こんなの……っ!」
ちりばめられた星空の元、僕とライラ様は愛を確かめ合った。
◇
「ふわあ……」
街道で馬車を走らせながら、僕は思わずあくびをしてしまった。
けど、これだけのどかだったら仕方ないよね。
「……少し、妬いてしまいますね……」
「イテッ……!?」
御者席の左隣に座るハンナさんが、口を尖らせながら僕の太ももをつねった。
ま、まあ、確かに僕が眠い原因はのどかって理由だけじゃないのは事実だけど……。
「ふふ、私だってアデル様とハンナが睦み合っている時は耐えたのですから、あなたも我慢なさい」
「あう……そ、それは……」
ライラ様にそう言われてしまい、ハンナさんが顔を真っ赤にして俯いてしまった。
ハンナさんって、実は意外と初心だったりする。
あの納屋での時も、終始恥ずかしそうに顔を隠していたり声を我慢したりしてたもんなあ……って。
「アデル様……」
「あ、あははー……」
イカンイカン、ハンナさんがジト目で僕を睨んでいる。
だけどハンナさん、たまに僕の心の中を読むの、やめて欲しいです……。
「あ、そうだ。ハンナ、昨夜アデル様とこの国を出た後のことについて話をしていたのですが、あなたは何がしたいですか?」
「それは当然お二人のお世話です」
ハンナさんは眼鏡をクイ、と持ち上げ、真顔でそう言い放った。
あ、あはは……ハンナさんらしいや。
「それと」
「「? それと?」」
お、まだ他にもあるのかな?
「そ、その……願わくば、アデル様の……は、伴侶に……」
真っ赤になった顔を両手で覆いながら、ハンナさんが消え入る声でそう呟いた。
「そ、それは! あの……私も……」
ライラ様も負けじと、聞こえるか聞こえないかという程の声で呟く。
そう、だよな……。
僕も、二人と一緒に生きていくって決めたんだ。
だったら。
「はい……それでしたら、大陸に渡ったらまずは教会を探さないと、ですね……」
「「っ! は、はい……!」」
二人が大粒の涙を零しながら、両側から僕に抱き着いた。
「アデル様……愛しています……!」
「私も……私も、アデル様と添い遂げます……!」
「あはは……はい」
僕達は生涯を誓い合うながら、街道をゆっくりと進み続ける。
そして……港湾都市“ブラムス”に到着した。
僕はムクリ、と起き上がって窓を見やると、特に陽の光が入っている気配もない。
つまり、まだ夜中なのだろう。
「すう……すう……」
僕はチラリ、と隣で寝息を立てているライラ様を見やる。
昨夜……って、今も夜か。とにかく、僕はライラ様と初めて結ばれた。
あの『天国への階段』から戻ったら、ライラ様と結ばれる約束をしていたのに、結局あれから八日も経過してしまい、申し訳なかったな……。
まあ、すぐにあの街から脱出しなければいけなかったことと、途中で宿泊した街では、ライラ様の体重のこともあって、その……うん、なかなかそういうことができる環境じゃなかったっていうのもあるけど……。
「あはは……気持ちよさそうに眠ってる……」
僕はライラ様の顔を優しく撫でると、その頬にそっと口づけをした。
……ライラ様、可愛かったな……。
というか、綺麗で、柔らかくて、素肌も絹のようになめらかで……………………って。
駄目だ……そんなこと考えたせいで、また……。
僕は少し反省しつつ服を着ると、気持ちを落ち着かせるためにそっと部屋を出た。
「うーん……!」
僕は軽く伸びをして、夜空を眺める。
あと二日もすれば、僕達はこの国を出る。
ライラ様の復讐を置き去りにして。
願わくば……これからの僕達の未来が、幸福でありますように……。
——ガシャ。
あー……起こしちゃったかなあ……。
僕は頭を掻きながら後ろを振り向くと、案の定ライラ様だった。
ただし、彼女は布だけを羽織って。
「すいません……起こしてしまいましたね……」
「ふふ……いえ」
ライラ様は柔らかい微笑みを浮かべると、僕の隣に立った。
「寒くないですか?」
「はい、大丈夫です」
とはいえ、ライラ様は布を一枚羽織っているだけだ。
だから。
「あ……」
「こうすれば、少しは」
「ふふ……はい」
僕はライラ様を後ろから抱き締めると、その白銀の手で僕の腕にそっと添えた。
「ライラ様は、この国を出たら何がしたいですか?」
「私……ですか?」
「はい」
そう尋ねると、ライラ様は首を傾げながら考え込む。
「えーと……今すぐは思い浮かびませんね……」
「あはは、そうですか」
「アデル様は?」
僕……僕かあ……。
せっかく三人で“白銀の翼”っていう冒険者パーティーを結成したんだし、新天地でも冒険者を続けるのもいいな。
あ、でも、[技術者]の力で日用品や雑貨なんかを作って、それを元手に商売を始めても……。
それで、ライラ様とハンナさんを看板娘にしたらお客さんも多く来て繁盛しそうだなあ。
だって、二人共可愛くて、綺麗で、絶対に評判に……って、それはそれで悪い虫がついても嫌だな……。
「クス……」
「? アデル様?」
「ああ、すいません……これからのことを考えていたら、少し幸せな気分になってしまいました」
「ふふ、そうですか……もちろん、私も一緒にいるのですよね?」
「当然です」
僕は断言すると、ライラ様の頬を撫でながら、こちらへと振り向かせた。
「ん……ちゅ、ちゅく……」
ライラ様に少し濃いめのキスをすると、やっぱり僕の心は静まるどころか火照ったままで……。
「あ……は……ん……んう……!」
「ライラ様……あなたをまた求めてもいいですか……?」
「あん……ふふ、ずるいです……こんなの……っ!」
ちりばめられた星空の元、僕とライラ様は愛を確かめ合った。
◇
「ふわあ……」
街道で馬車を走らせながら、僕は思わずあくびをしてしまった。
けど、これだけのどかだったら仕方ないよね。
「……少し、妬いてしまいますね……」
「イテッ……!?」
御者席の左隣に座るハンナさんが、口を尖らせながら僕の太ももをつねった。
ま、まあ、確かに僕が眠い原因はのどかって理由だけじゃないのは事実だけど……。
「ふふ、私だってアデル様とハンナが睦み合っている時は耐えたのですから、あなたも我慢なさい」
「あう……そ、それは……」
ライラ様にそう言われてしまい、ハンナさんが顔を真っ赤にして俯いてしまった。
ハンナさんって、実は意外と初心だったりする。
あの納屋での時も、終始恥ずかしそうに顔を隠していたり声を我慢したりしてたもんなあ……って。
「アデル様……」
「あ、あははー……」
イカンイカン、ハンナさんがジト目で僕を睨んでいる。
だけどハンナさん、たまに僕の心の中を読むの、やめて欲しいです……。
「あ、そうだ。ハンナ、昨夜アデル様とこの国を出た後のことについて話をしていたのですが、あなたは何がしたいですか?」
「それは当然お二人のお世話です」
ハンナさんは眼鏡をクイ、と持ち上げ、真顔でそう言い放った。
あ、あはは……ハンナさんらしいや。
「それと」
「「? それと?」」
お、まだ他にもあるのかな?
「そ、その……願わくば、アデル様の……は、伴侶に……」
真っ赤になった顔を両手で覆いながら、ハンナさんが消え入る声でそう呟いた。
「そ、それは! あの……私も……」
ライラ様も負けじと、聞こえるか聞こえないかという程の声で呟く。
そう、だよな……。
僕も、二人と一緒に生きていくって決めたんだ。
だったら。
「はい……それでしたら、大陸に渡ったらまずは教会を探さないと、ですね……」
「「っ! は、はい……!」」
二人が大粒の涙を零しながら、両側から僕に抱き着いた。
「アデル様……愛しています……!」
「私も……私も、アデル様と添い遂げます……!」
「あはは……はい」
僕達は生涯を誓い合うながら、街道をゆっくりと進み続ける。
そして……港湾都市“ブラムス”に到着した。
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