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第1話 やば、死んだかも
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はじめまして、絶賛遅刻の危機に瀕している高校2年生男です!
なぜこんなことになっているのかと言うと、姉の「推しがどれだけ尊い」のかという話を永遠と話され逃げられず……
今、必死にチャリをこいでいるわけですね。
男というのはどうしても姉に対して弱くなるんよね。姉ちゃん怖すぎ、絶対勝てない。
なんて、話してる場合じゃなくて!!
俺はもう一段階スピードを上げた。
それから5分くらい漕いで、この歩道橋を渡れば学校というところまで来た。
良かった、ギリギリ間に合いそう。
ほっとして自転車からおりて、歩道橋のスロープに前輪を乗せ少し進んだ時、人影が見えた。
あちゃー……
あのお母さん、ベビーカーが斜めになったまま柵に引っかかっちゃってる。
助けなきゃいけないんだろうけど、俺も遅刻したくないし……
立ち止まって考える。
この時間なら決して人が少ないわけじゃないし……
でもたまたま誰も通らなかったら?
ベビーカーの中には、もちろん赤ちゃんもいるだろうし、お母さん一人で抜け出すのは至難の技だろう。
それでも高一からずっと続けている無遅刻無欠席の記録をここで壊したくないんだよな。
そんな俺が最終的に出した答えは……
「大丈夫ですか?」
真ん中まで登っていたところから一度、下まで戻り自転車を止めてからベビーカーのところまで走って向かう。
やっぱりここで素通りするのは良心も痛むし、なによりコイツここ通るなら助けろよという視線に耐えられる気がしなかった。
「すみません…車輪が柵に引っかかっちゃってて……」
「じゃあ、俺がベビーカー持ってるのでお母さんはお子さん抱っこしてあげてください。」
そう言ってなるべく威圧感が出ないようになくそうと少し笑顔を見せながらそう伝えた。
──────────────────
「本当にありがとうございました。助かりました。」
「いえいえ大丈夫ですよ。困った時はお互い様ですから。」
なんて、かっこいいことを言ってはいるが内心は何も大丈夫じゃない。
だって、さっきチャイムが聞こえた。遅刻は確定だろうから、諦めてゆっくり行こう。
いつもそうだ、お人よしを発動した後に毎回後悔する。
助けなければいいのかもしれないが、気が付けば体が動いている。
いいのか悪いのか……
俺の数ある悪い癖のひとつ。
そんなことを考えながらバレないように小さくため息を吐いてから、ついさっき助けた母子に手を振って別れて少しだけ後悔しながら学校へ向き直った。
すると次の瞬間、ギャリギャリッ!
とすごい音を立てながらトラックがこっちへ突っ込んでくる。
あれ。
俺、もしかしなくても……死ぬ?
そう思った時には遅くて、直後弾き飛ばされ壁にあたった感覚と体が冷えていく感覚が同時に襲ってくる。
うわ~。
最悪。
こんなところで死にたくなかった…な……
そんなことを思いながら視界は暗転したが、どこからか俺の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
なぜこんなことになっているのかと言うと、姉の「推しがどれだけ尊い」のかという話を永遠と話され逃げられず……
今、必死にチャリをこいでいるわけですね。
男というのはどうしても姉に対して弱くなるんよね。姉ちゃん怖すぎ、絶対勝てない。
なんて、話してる場合じゃなくて!!
俺はもう一段階スピードを上げた。
それから5分くらい漕いで、この歩道橋を渡れば学校というところまで来た。
良かった、ギリギリ間に合いそう。
ほっとして自転車からおりて、歩道橋のスロープに前輪を乗せ少し進んだ時、人影が見えた。
あちゃー……
あのお母さん、ベビーカーが斜めになったまま柵に引っかかっちゃってる。
助けなきゃいけないんだろうけど、俺も遅刻したくないし……
立ち止まって考える。
この時間なら決して人が少ないわけじゃないし……
でもたまたま誰も通らなかったら?
ベビーカーの中には、もちろん赤ちゃんもいるだろうし、お母さん一人で抜け出すのは至難の技だろう。
それでも高一からずっと続けている無遅刻無欠席の記録をここで壊したくないんだよな。
そんな俺が最終的に出した答えは……
「大丈夫ですか?」
真ん中まで登っていたところから一度、下まで戻り自転車を止めてからベビーカーのところまで走って向かう。
やっぱりここで素通りするのは良心も痛むし、なによりコイツここ通るなら助けろよという視線に耐えられる気がしなかった。
「すみません…車輪が柵に引っかかっちゃってて……」
「じゃあ、俺がベビーカー持ってるのでお母さんはお子さん抱っこしてあげてください。」
そう言ってなるべく威圧感が出ないようになくそうと少し笑顔を見せながらそう伝えた。
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「本当にありがとうございました。助かりました。」
「いえいえ大丈夫ですよ。困った時はお互い様ですから。」
なんて、かっこいいことを言ってはいるが内心は何も大丈夫じゃない。
だって、さっきチャイムが聞こえた。遅刻は確定だろうから、諦めてゆっくり行こう。
いつもそうだ、お人よしを発動した後に毎回後悔する。
助けなければいいのかもしれないが、気が付けば体が動いている。
いいのか悪いのか……
俺の数ある悪い癖のひとつ。
そんなことを考えながらバレないように小さくため息を吐いてから、ついさっき助けた母子に手を振って別れて少しだけ後悔しながら学校へ向き直った。
すると次の瞬間、ギャリギャリッ!
とすごい音を立てながらトラックがこっちへ突っ込んでくる。
あれ。
俺、もしかしなくても……死ぬ?
そう思った時には遅くて、直後弾き飛ばされ壁にあたった感覚と体が冷えていく感覚が同時に襲ってくる。
うわ~。
最悪。
こんなところで死にたくなかった…な……
そんなことを思いながら視界は暗転したが、どこからか俺の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
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