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第十一話 救いの手?
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「あ、」
そういえばこに鉄パイプ消えないじゃん。だって、街を見つけるという戦闘だから狼との戦いが終わっても消える事はないよな。
まずい、このままでは俺はこの森に大量の不法投棄をしたことになる。それにこの世界に鉄パイプがあるかはわからないが、森と鉄パイプの組み合わせは些か不自然すぎるだろう。鉄パイプを消す為にも一刻も早い街の発見をしなければ……
俺は逃げてきた方向に歩き続けた。どうせ行くあても帰るあてもないのだ、どっちに進んでも変わらないだろう。
だが、思い返してみると、この数日の間に俺はずっと逃げ続けているような気がする。初期地点からかなりの距離を移動してきたのではなかろうか? 周りに生えている木たちも心なしか別の種類のように見受けられる。
って、本当にそんなこと考えている場合じゃない。周りの樹なんかよりも今は街だ、街を見つけないと。それだけで大きく違うのだ、寝床、食事、そしてAランクになるための手立てなど、色々得られるものがあるのだ。
しかし、見つけられなかったらまた命の危険を冒しながらここで寝る羽目になる。もちろん食材も自力調達だ。くっそー、せめて神様の野郎、初期スポーン地点を街にしといてくれよ、こんなことライオンの親でもしないだろ。
その後も俺は歩き続けた。ただただひたすらに歩き続けた。お腹がいくらなろうとも気にせず、足が棒のようになろうと無視し、どれだけ目がショボショボになって頭が割れそうになっても歩き続けた。だが、それでもいづれ限界はくる。気力だけではそうしようもない壁だ。
バタっ
恐らく俺は死ぬように寝ていたんだと思う。まあこれだけやって死ぬのならば後悔はないって思える。だって、連れてこられたのも不可抗力だし、武器生成もガチャだからな。もう、運が悪かったんだと、心の底から染めるのだ。
もう、これで開放され、
「おーい、大丈夫ですかー? なんでこんなところで寝ているんですかー?」
「はっ!」
俺は聞こえるはずもない、日本語で目が覚めた。目の前には二人に男性がいた。一人はいかにもクラスの人気者、って感じの爽やか系イケメンだった。恐らく、性格の良さが発動して俺に声をかけてくれたのだろう。
そしてもう一人は無口クール系の男子だ。こちらもしっかりとイケメンだが、話しかけてくれた人よりかは一歩引いており、話しかけるのなんて面倒臭いことしたくない、とか思ってそうだな。
「お、ようやく気づきましたね! 死んでたらどうしようかと思ってましたよー。それで、貴方はなぜこんなところで寝ているんですか?」
生きているの分かってなくて声かけたのかよ、とも思ったが、声をかけてくれた人にそんなことできないし、もしかしたら彼なりのジョークかもしれないから、曖昧に笑っておいた。
しかしその後の質問にはなんと答えればいいか、迷うな。なぜ、と理由を聞かれているのってどこから答えればいいのか難しいよな。だって、極論この世界に連れてこられたから、というのも理由になりうるからな。
だが、一番無難で直接的な理由を答えよう。
「私は街を探して歩いておりました。しかし、どれだけ歩いても歩いても辿り着かなかったため恐らくここに倒れていたのでしょう。かなり無理をして歩いてい他ものですから……」
「そうなんですかー、それは大変でしたねー。じゃあなぜ街を探していたんですかー?」
ん、こいつやりおるな。流石にこんな怪しい奴のいうことを間に受けはしないか。これは少し返答も気をつけなければ、折角のイベントも台無しになってしまうぞ。
そういえばこに鉄パイプ消えないじゃん。だって、街を見つけるという戦闘だから狼との戦いが終わっても消える事はないよな。
まずい、このままでは俺はこの森に大量の不法投棄をしたことになる。それにこの世界に鉄パイプがあるかはわからないが、森と鉄パイプの組み合わせは些か不自然すぎるだろう。鉄パイプを消す為にも一刻も早い街の発見をしなければ……
俺は逃げてきた方向に歩き続けた。どうせ行くあても帰るあてもないのだ、どっちに進んでも変わらないだろう。
だが、思い返してみると、この数日の間に俺はずっと逃げ続けているような気がする。初期地点からかなりの距離を移動してきたのではなかろうか? 周りに生えている木たちも心なしか別の種類のように見受けられる。
って、本当にそんなこと考えている場合じゃない。周りの樹なんかよりも今は街だ、街を見つけないと。それだけで大きく違うのだ、寝床、食事、そしてAランクになるための手立てなど、色々得られるものがあるのだ。
しかし、見つけられなかったらまた命の危険を冒しながらここで寝る羽目になる。もちろん食材も自力調達だ。くっそー、せめて神様の野郎、初期スポーン地点を街にしといてくれよ、こんなことライオンの親でもしないだろ。
その後も俺は歩き続けた。ただただひたすらに歩き続けた。お腹がいくらなろうとも気にせず、足が棒のようになろうと無視し、どれだけ目がショボショボになって頭が割れそうになっても歩き続けた。だが、それでもいづれ限界はくる。気力だけではそうしようもない壁だ。
バタっ
恐らく俺は死ぬように寝ていたんだと思う。まあこれだけやって死ぬのならば後悔はないって思える。だって、連れてこられたのも不可抗力だし、武器生成もガチャだからな。もう、運が悪かったんだと、心の底から染めるのだ。
もう、これで開放され、
「おーい、大丈夫ですかー? なんでこんなところで寝ているんですかー?」
「はっ!」
俺は聞こえるはずもない、日本語で目が覚めた。目の前には二人に男性がいた。一人はいかにもクラスの人気者、って感じの爽やか系イケメンだった。恐らく、性格の良さが発動して俺に声をかけてくれたのだろう。
そしてもう一人は無口クール系の男子だ。こちらもしっかりとイケメンだが、話しかけてくれた人よりかは一歩引いており、話しかけるのなんて面倒臭いことしたくない、とか思ってそうだな。
「お、ようやく気づきましたね! 死んでたらどうしようかと思ってましたよー。それで、貴方はなぜこんなところで寝ているんですか?」
生きているの分かってなくて声かけたのかよ、とも思ったが、声をかけてくれた人にそんなことできないし、もしかしたら彼なりのジョークかもしれないから、曖昧に笑っておいた。
しかしその後の質問にはなんと答えればいいか、迷うな。なぜ、と理由を聞かれているのってどこから答えればいいのか難しいよな。だって、極論この世界に連れてこられたから、というのも理由になりうるからな。
だが、一番無難で直接的な理由を答えよう。
「私は街を探して歩いておりました。しかし、どれだけ歩いても歩いても辿り着かなかったため恐らくここに倒れていたのでしょう。かなり無理をして歩いてい他ものですから……」
「そうなんですかー、それは大変でしたねー。じゃあなぜ街を探していたんですかー?」
ん、こいつやりおるな。流石にこんな怪しい奴のいうことを間に受けはしないか。これは少し返答も気をつけなければ、折角のイベントも台無しになってしまうぞ。
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