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第四十一話 目には目を
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俺は最低ランクの癖に何故かギルドマスターと対峙していた。俺は一体どうなってしまうのだろうか?
「それでお主はどうやってこのマラルルスを手懐けることができたんじゃ?」
手懐ける、かー。側から見たらそうなるのか。だが、どうやってと言われても難しいな。説明するにしても俺のスキルを説明しなきゃならんし、適当にはぐらかすか?
だが、バレたときは……最悪企業秘密でごり押そう。
「そうですね、適当にその時食べてた草を目の前に持っていったら食べそうになったので、それを利用して少しずつこちらに誘き寄せたのです。ですので、手懐けていた訳ではなく餌で釣った、に近いですかね?」
「フォッ、フォッ、そうかそうか。まさかそんなことをしでかす輩がいるとはのう。面白い奴じゃな。じゃが、マラルルスは自生している植物しか食わんと言われておるんじゃがどんな魔法を使ったのじゃ?」
え、そんな性質があんのか? 聞いていないんだが。ま、まだ誤魔化せるよな? 俺の営業で鍛えた力、発揮させてもらうぞ。
「え、そうだったのですか? それは知りませんでした。なんででしょう? 特に魔法を使ったわけでもありませんし、そもそも私は魔法を覚えてすらおりません」
うん、これは嘘じゃない。ランダム武器発生はパッと見魔法っぽいがあれはただのクソスキルだ。
高尚で扱いやすいであろう魔法と同列に扱われるのはこの俺が許さない。
「ふむ、そうか。じゃが、マラルルスは食用としてとても人気があっての。今まで何度も牧場化できないかと研究されてきたんじゃが、上手くいかなくてのう、もしお主にその力があるのならば……」
おいおいおい、これってそんなに大事になるもんなのか? マジかよー倒せないなら連れてくれば良いじゃんって思ったのにまさかこんなことになるとは……
しかも実際俺にそんな力が有れば良かったんだが、ランダム武器生成で生まれた猫じゃらしだからなー。再現性が一ミリたりとてないのだ。
参ったな、ここからどう切り抜けたものか。ここまで来たら上手くはぐらかすって言うのも厳しそうなんだよな。
企業秘密と言ったところで、繁殖させる為に後一体、いや番になるようにあと数体連れてきてくれんかの? って言われるだけだろうし、、、
よしここは馬鹿なフリして全部偶然だった、ということにしてしまおう。ってか、それしか方法がない。
ここまでにかかった思考時間はおよそ二秒。俺はフル回転で脳味噌を回し、返答した。
「い、いやー。厳しいと思いますよ? 私も何がなんだかって感じでしたし、まさか連れてくることすら厳しい動物だとは思ってもおりませんでした。もう一回やれ、と言われても、やることはできますが、恐らくそこら辺にいる冒険者に狩ってくるよう言った方が早いでしょうね」
ど、どうだ……?
「ふむ、そうか。お主がそう言うのであればそうなのじゃろうな」
あ、その言い方は俺が言いたくないから隠した、って思われてるだろ絶対。まあ、追求してくれないのならそれでいいや、その内忘れるだろ。
「まぁ、この件はこのくらいにしておくかの。では、本題に入らせてもらおう」
え、これ本題じゃなかったの??
「お主はこれがランクアップするための依頼であったことは知っておるかの?」
「は、はい……」
あ、この流れはそういうことか。
「お主がたまたまでは無く、実力でマラルルスを連れてきておったのならランクアップを認めぬわけには行かなかったのじゃが……」
やっぱりそうなるよな。だってこの爺さん俺が隠してるって思ってるんだもん、当然ランクアップと天秤にかけさせて情報を引き出そうとするよな。
だからと言って別にそんな実力を強調しなくてもいいと思うんだが。
しかし、作戦としてはこれ以上ないものだ。ランクアップを代償に、と言われれば大抵の冒険者は当然口を滑らせることだろう。
でも、俺はその大抵には含まれないのだ。
「あ、大丈夫ですよ? 私、ランクアップしなくても大丈夫です!」
俺はこう答えるしかない。
「ふぇ?」
「そもそもこの依頼も自発的に受けたものじゃありませんしね。私は薬草でも採取して日銭を稼げればそれでいいのです。あ、でも流石に依頼失敗にはしないでくださいね? 偶然でも連れてきたことには連れてこれたんですから」
ふふ、そっちが仕掛けてきたのだから同じ方法を取らせてもらうぞ? 依頼失敗扱いになるとこっちにも不都合があるかもだからな。
「ふむ……そうか、分かった。じゃが、当分ランクアップの依頼を受けることはできぬぞ?」
「はい、大丈夫です! それこそちゃんと実力をつけてまた出直します!」
「ふむむ…………」
ギルドマスターは押し黙って帰ってしまった。
これはちょっとやり過ぎたかな?
「それでお主はどうやってこのマラルルスを手懐けることができたんじゃ?」
手懐ける、かー。側から見たらそうなるのか。だが、どうやってと言われても難しいな。説明するにしても俺のスキルを説明しなきゃならんし、適当にはぐらかすか?
だが、バレたときは……最悪企業秘密でごり押そう。
「そうですね、適当にその時食べてた草を目の前に持っていったら食べそうになったので、それを利用して少しずつこちらに誘き寄せたのです。ですので、手懐けていた訳ではなく餌で釣った、に近いですかね?」
「フォッ、フォッ、そうかそうか。まさかそんなことをしでかす輩がいるとはのう。面白い奴じゃな。じゃが、マラルルスは自生している植物しか食わんと言われておるんじゃがどんな魔法を使ったのじゃ?」
え、そんな性質があんのか? 聞いていないんだが。ま、まだ誤魔化せるよな? 俺の営業で鍛えた力、発揮させてもらうぞ。
「え、そうだったのですか? それは知りませんでした。なんででしょう? 特に魔法を使ったわけでもありませんし、そもそも私は魔法を覚えてすらおりません」
うん、これは嘘じゃない。ランダム武器発生はパッと見魔法っぽいがあれはただのクソスキルだ。
高尚で扱いやすいであろう魔法と同列に扱われるのはこの俺が許さない。
「ふむ、そうか。じゃが、マラルルスは食用としてとても人気があっての。今まで何度も牧場化できないかと研究されてきたんじゃが、上手くいかなくてのう、もしお主にその力があるのならば……」
おいおいおい、これってそんなに大事になるもんなのか? マジかよー倒せないなら連れてくれば良いじゃんって思ったのにまさかこんなことになるとは……
しかも実際俺にそんな力が有れば良かったんだが、ランダム武器生成で生まれた猫じゃらしだからなー。再現性が一ミリたりとてないのだ。
参ったな、ここからどう切り抜けたものか。ここまで来たら上手くはぐらかすって言うのも厳しそうなんだよな。
企業秘密と言ったところで、繁殖させる為に後一体、いや番になるようにあと数体連れてきてくれんかの? って言われるだけだろうし、、、
よしここは馬鹿なフリして全部偶然だった、ということにしてしまおう。ってか、それしか方法がない。
ここまでにかかった思考時間はおよそ二秒。俺はフル回転で脳味噌を回し、返答した。
「い、いやー。厳しいと思いますよ? 私も何がなんだかって感じでしたし、まさか連れてくることすら厳しい動物だとは思ってもおりませんでした。もう一回やれ、と言われても、やることはできますが、恐らくそこら辺にいる冒険者に狩ってくるよう言った方が早いでしょうね」
ど、どうだ……?
「ふむ、そうか。お主がそう言うのであればそうなのじゃろうな」
あ、その言い方は俺が言いたくないから隠した、って思われてるだろ絶対。まあ、追求してくれないのならそれでいいや、その内忘れるだろ。
「まぁ、この件はこのくらいにしておくかの。では、本題に入らせてもらおう」
え、これ本題じゃなかったの??
「お主はこれがランクアップするための依頼であったことは知っておるかの?」
「は、はい……」
あ、この流れはそういうことか。
「お主がたまたまでは無く、実力でマラルルスを連れてきておったのならランクアップを認めぬわけには行かなかったのじゃが……」
やっぱりそうなるよな。だってこの爺さん俺が隠してるって思ってるんだもん、当然ランクアップと天秤にかけさせて情報を引き出そうとするよな。
だからと言って別にそんな実力を強調しなくてもいいと思うんだが。
しかし、作戦としてはこれ以上ないものだ。ランクアップを代償に、と言われれば大抵の冒険者は当然口を滑らせることだろう。
でも、俺はその大抵には含まれないのだ。
「あ、大丈夫ですよ? 私、ランクアップしなくても大丈夫です!」
俺はこう答えるしかない。
「ふぇ?」
「そもそもこの依頼も自発的に受けたものじゃありませんしね。私は薬草でも採取して日銭を稼げればそれでいいのです。あ、でも流石に依頼失敗にはしないでくださいね? 偶然でも連れてきたことには連れてこれたんですから」
ふふ、そっちが仕掛けてきたのだから同じ方法を取らせてもらうぞ? 依頼失敗扱いになるとこっちにも不都合があるかもだからな。
「ふむ……そうか、分かった。じゃが、当分ランクアップの依頼を受けることはできぬぞ?」
「はい、大丈夫です! それこそちゃんと実力をつけてまた出直します!」
「ふむむ…………」
ギルドマスターは押し黙って帰ってしまった。
これはちょっとやり過ぎたかな?
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