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Part1
Д.а 晩餐会の招待状 - 06
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セシルの護衛の騎士達二人も、サンドイッチを軽く口に含んで行き、もう片方の手に、二つ続きのサンドイッチを手にしていた。
「残りは、皆さんで召し上がってください」
「いえ、我々のことは、お構いなく」
「ですが、皆さんが召し上がらない場合は、このまま、無駄になってしまいますので。よろしかったら、どうぞ」
そんな風に勧められたら、断るわけにもいかない。
「では、お言葉に甘えて」
次のサンドイッチは、ベーコンのようなお肉が挟まれていて、トマトの汁気もでてきて、カリカリのお肉と、瑞々しいトマトも、中々、悪くない食感だった。
無言で、モグモグと口を動かし、(親切な好意に甘え) バスケットのサンドイッチを、(一応) 全部、食べ切ったギルバート達の前に、コップが差し出された。
飲み物まで用意されて、ピクニックでもなんでもないのに、立ったままで夕食だ。
コップの中身は、セシルが呟いていたように、リンゴジュースだった。
少し、甘さと、酸味があって、喉が渇いていたとは思わなかったのに、ギルバートも、全部、ジュースを飲み干していた。
全員の(立ったままの) 食事が終わり、夕食を運んできた騎士達は、バスケット片手に、その場を去っていく。
そして、残されたギルバート達と、セシルの護衛をしている騎士達は、外で待ちぼうけ。
今日は、なんだか、ずっと外で待ちぼうけの状態が多いような気がするのは、ギルバートの気のせいではないだろう。
それから、外で待ちぼうけのギルバート達の前に、建物内から、セシルがゆっくりと出て来た。
「お待たせしました。皆様、夕食は終えられましたの?」
「はい。ご好意をありがとうございました」
「いいえ。移動で立ちながらの食事など、慌ただしいことですものね」
「どうか、お気になさらないでください」
互いに適度な礼節や礼儀があって、社交辞令のような会話でも、一応、二人とも、ちゃんと返答をしあっていた。
「では、次の場所に移動しますので」
「わかりました」
そして、セシルは、またも、身軽に馬の背に乗り上げていく。
「マスター、少し、時間が押しているようですね」
イシュトールが、ポケットから懐中時計を取り出し、時間を確認する。
「そうですか。では、少し急ぎましょうか」
セシルが、顔だけをギルバートの方に向けた。
「すみませんが、急がせますので」
「わかりました。我々のことは、お気になさらずに」
頷いたセシルは、簡単に馬の腹を蹴って、そのまま快調に疾駆する。護衛の二人も続き、ギルバート達もその後に続いた。
貴族のご令嬢なのに――この身軽さ……。
本当に、驚きである。
乗馬だって、すでにあまりに慣れている様子で、騎馬の姿勢だってきちんとしていて、姿勢がきれいだった。
かなり馬を乗りこなしているのは、間違いなかった。
すぐに次の目的地に着いたようで、またしても、どこかの建物の前にやって来ていた。
「会議がありますので、今度は、一時間ほどなのですが」
「我々のことは、お気になさらないでください」
「ベンチが近くにありますので、そこでお休みになられては、いかがですか?」
「いえ。我々のことは、お気になさらずに」
遠慮してそう言っているのか、それとも本心なのか、今の所、セシルにも判断しかねている。
だが、時間が押しているので、それ以上の口論も無駄で、セシルは軽く会釈を済ませて、建物の中に入っていた。
今度は一人の騎士――イシュトールが一緒についていくようで、もう一人は、ギルバートと一緒に、また、お外で待ちぼうけ、だった。
「先程も、会議だと思ったのですが? 会議と言うのは、場所を変えて、何度もあることなのでしょうかねえ」
そして、ギルバートの耳にだけ聞こえるような小声で、ポショポショと、クリストフが漏らす。
「さあ――」
セシルの仕事を知らないだけに、“会議”と言っているセシルは、なぜ、何度も会議に出席するのかも、ギルバートにはさっぱりだ。
おまけに、自分の邸に呼び寄せるのでもなく、自分自身で会議の場所に出向くなど――そんなことだって、ギルバートには初めてである。
謎のご令嬢…………。
ああ……、隣国ノーウッド王国にやって来ても、またしても、この――訳の判らない異名が、すぐに頭に浮かんでくるなんて。
もしかしなくても、またも――ギルバート達は、セシルによって、困惑だけを残されてしまうのだろうか……。
* * *
「多忙なお方でしたね」
「確かに」
用意された客室に戻って来たギルバートに付き添ってきたクリストフが、ソファーに腰を下ろしたギルバートを見て、その向かいに、クリストフも座っていく。
クリストフは自分の着ている制服のポケットから、ちょっと、懐中時計を取り出してみた。蓋を開けて時間を確認してみると、もう、夜遅い。
「8時半過ぎですか」
「そうなのか?」
王宮で、警護や護衛の任務についている時など、夜遅くだろうと、朝早くだろうと、あまり時間など関係ないだけに、ギルバート達も、時間を確認したりすることは、ほとんどなくなっていた。
「確か、まだ、お仕事が残っているのでしょう?」
「会議があると、おっしゃっていたが」
「ですが、外でも会議がありましたよね。いえ、外で会議ではなく、建物の中で会議でしたが」
わざわざ、そこを言い直すクリストフに、はは、とギルバートも笑ってしまう。
「なんなんでしょうねえ、あのご令嬢は」
それについては、ギルバートもノーコメント。
王国にいた時から、
「一体、何者なんだ、この令嬢は?!」
と、何度も叫びそうになっていた記憶が、まだ新しい。
色々な意味で、「何者なんだ?」 という質問が上がってくるだけに、今回の意味も、一体どれに当てはまるのか、全部にあてはまるのか、もう……それ以上、深くは指摘しないギルバートだったのだ。
「どうなさるんですか?」
「そうだな」
「口で言うより行動が早し、で証明してくるなど、余程、我々が、ご令嬢の言葉を信用しないと、思われているようですね」
「まあ、そうかもしれないな」
おまけに、夜会に招待されていても、無理矢理連れて来られた、などと思っているほどなのだから、セシルが、アトレシア大王国の関係者と、これ以上関り合いになりたくないのは、あまりに明解だった。
「でも、言いたいことは解った」
「おやめになるのですか?」
「仕方がない」
「ですが、王太子殿下の勅使ですよ」
「わかっている。だが、仕方がないのだろう」
たった半日も一緒に行動していないのに、ギルバートには、もう、「不可能」 とまで言われてしまったその理由を、理解してしまったのだから。
「残りは、皆さんで召し上がってください」
「いえ、我々のことは、お構いなく」
「ですが、皆さんが召し上がらない場合は、このまま、無駄になってしまいますので。よろしかったら、どうぞ」
そんな風に勧められたら、断るわけにもいかない。
「では、お言葉に甘えて」
次のサンドイッチは、ベーコンのようなお肉が挟まれていて、トマトの汁気もでてきて、カリカリのお肉と、瑞々しいトマトも、中々、悪くない食感だった。
無言で、モグモグと口を動かし、(親切な好意に甘え) バスケットのサンドイッチを、(一応) 全部、食べ切ったギルバート達の前に、コップが差し出された。
飲み物まで用意されて、ピクニックでもなんでもないのに、立ったままで夕食だ。
コップの中身は、セシルが呟いていたように、リンゴジュースだった。
少し、甘さと、酸味があって、喉が渇いていたとは思わなかったのに、ギルバートも、全部、ジュースを飲み干していた。
全員の(立ったままの) 食事が終わり、夕食を運んできた騎士達は、バスケット片手に、その場を去っていく。
そして、残されたギルバート達と、セシルの護衛をしている騎士達は、外で待ちぼうけ。
今日は、なんだか、ずっと外で待ちぼうけの状態が多いような気がするのは、ギルバートの気のせいではないだろう。
それから、外で待ちぼうけのギルバート達の前に、建物内から、セシルがゆっくりと出て来た。
「お待たせしました。皆様、夕食は終えられましたの?」
「はい。ご好意をありがとうございました」
「いいえ。移動で立ちながらの食事など、慌ただしいことですものね」
「どうか、お気になさらないでください」
互いに適度な礼節や礼儀があって、社交辞令のような会話でも、一応、二人とも、ちゃんと返答をしあっていた。
「では、次の場所に移動しますので」
「わかりました」
そして、セシルは、またも、身軽に馬の背に乗り上げていく。
「マスター、少し、時間が押しているようですね」
イシュトールが、ポケットから懐中時計を取り出し、時間を確認する。
「そうですか。では、少し急ぎましょうか」
セシルが、顔だけをギルバートの方に向けた。
「すみませんが、急がせますので」
「わかりました。我々のことは、お気になさらずに」
頷いたセシルは、簡単に馬の腹を蹴って、そのまま快調に疾駆する。護衛の二人も続き、ギルバート達もその後に続いた。
貴族のご令嬢なのに――この身軽さ……。
本当に、驚きである。
乗馬だって、すでにあまりに慣れている様子で、騎馬の姿勢だってきちんとしていて、姿勢がきれいだった。
かなり馬を乗りこなしているのは、間違いなかった。
すぐに次の目的地に着いたようで、またしても、どこかの建物の前にやって来ていた。
「会議がありますので、今度は、一時間ほどなのですが」
「我々のことは、お気になさらないでください」
「ベンチが近くにありますので、そこでお休みになられては、いかがですか?」
「いえ。我々のことは、お気になさらずに」
遠慮してそう言っているのか、それとも本心なのか、今の所、セシルにも判断しかねている。
だが、時間が押しているので、それ以上の口論も無駄で、セシルは軽く会釈を済ませて、建物の中に入っていた。
今度は一人の騎士――イシュトールが一緒についていくようで、もう一人は、ギルバートと一緒に、また、お外で待ちぼうけ、だった。
「先程も、会議だと思ったのですが? 会議と言うのは、場所を変えて、何度もあることなのでしょうかねえ」
そして、ギルバートの耳にだけ聞こえるような小声で、ポショポショと、クリストフが漏らす。
「さあ――」
セシルの仕事を知らないだけに、“会議”と言っているセシルは、なぜ、何度も会議に出席するのかも、ギルバートにはさっぱりだ。
おまけに、自分の邸に呼び寄せるのでもなく、自分自身で会議の場所に出向くなど――そんなことだって、ギルバートには初めてである。
謎のご令嬢…………。
ああ……、隣国ノーウッド王国にやって来ても、またしても、この――訳の判らない異名が、すぐに頭に浮かんでくるなんて。
もしかしなくても、またも――ギルバート達は、セシルによって、困惑だけを残されてしまうのだろうか……。
* * *
「多忙なお方でしたね」
「確かに」
用意された客室に戻って来たギルバートに付き添ってきたクリストフが、ソファーに腰を下ろしたギルバートを見て、その向かいに、クリストフも座っていく。
クリストフは自分の着ている制服のポケットから、ちょっと、懐中時計を取り出してみた。蓋を開けて時間を確認してみると、もう、夜遅い。
「8時半過ぎですか」
「そうなのか?」
王宮で、警護や護衛の任務についている時など、夜遅くだろうと、朝早くだろうと、あまり時間など関係ないだけに、ギルバート達も、時間を確認したりすることは、ほとんどなくなっていた。
「確か、まだ、お仕事が残っているのでしょう?」
「会議があると、おっしゃっていたが」
「ですが、外でも会議がありましたよね。いえ、外で会議ではなく、建物の中で会議でしたが」
わざわざ、そこを言い直すクリストフに、はは、とギルバートも笑ってしまう。
「なんなんでしょうねえ、あのご令嬢は」
それについては、ギルバートもノーコメント。
王国にいた時から、
「一体、何者なんだ、この令嬢は?!」
と、何度も叫びそうになっていた記憶が、まだ新しい。
色々な意味で、「何者なんだ?」 という質問が上がってくるだけに、今回の意味も、一体どれに当てはまるのか、全部にあてはまるのか、もう……それ以上、深くは指摘しないギルバートだったのだ。
「どうなさるんですか?」
「そうだな」
「口で言うより行動が早し、で証明してくるなど、余程、我々が、ご令嬢の言葉を信用しないと、思われているようですね」
「まあ、そうかもしれないな」
おまけに、夜会に招待されていても、無理矢理連れて来られた、などと思っているほどなのだから、セシルが、アトレシア大王国の関係者と、これ以上関り合いになりたくないのは、あまりに明解だった。
「でも、言いたいことは解った」
「おやめになるのですか?」
「仕方がない」
「ですが、王太子殿下の勅使ですよ」
「わかっている。だが、仕方がないのだろう」
たった半日も一緒に行動していないのに、ギルバートには、もう、「不可能」 とまで言われてしまったその理由を、理解してしまったのだから。
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