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Part 3
В.в 豊穣祭 - 03
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ワアアァっ――――!!
大盛況をみせ、大歓声が飛び交う中、セシルは(仕方なく) 領民達に手を振っている。
絶対に――自分がしても様にならないのになぁ……との独白は、誰一人として知らないだろう。
この世界に飛ばされて(生まれ変わったのか)、今は伯爵令嬢となったが、セシルは、前世(または現世) では普通の“平民”である。
人前で、女王もどきの芸当をするのは――さすがに、少々、抵抗があったのだ。
だが、大張り切りの領民の前で、断ることもできず。
宿場町では、観光情報館を町の中心に置き、大通りは左右に長く伸びている。
だから、パレードも片端だけで、中央に到達すると、大通りのすぐ裏側に面している公園に向かうのだ。
セシルが通り過ぎていると一緒に、パレードを初めて経験する領民達や、観光客達が揃って、ゾロゾロと、大通りを移動していく。
そう長い時間もなくパレードが、中央に差し掛かっていき――――
さっきから、賑やかな歓声が聞こえ、それと一緒に、ドラムやらトランペットの音が聞こえてきて、待ちぼうけのオスミンは、ソワソワ、ソワソワと、待っている場所で忙しない。
セシルの計らいで、開会式の壇上が組まれた目の前で、アトレシア大王国からのゲストは待機していた。
その公園には、腰ほどの高さの棒が何本も置かれ、棒と棒の間を縄がぶら下がっている。――云わば、現代版パーティション(Partition、日本語の発音では“パーテーション”)ポールである。
パーティションポールが横列にきちんと並べられ、パレードを知らない領民達や観光客でごった返すのを防ぐ役割をしている。
セシル曰く、
「人と言うものは、列を作られたり、区画を仕切られると、条件反射で、つい、並ばなければならないかな? と、そういう列や区画に従うものです」
それで、公園内の係員達が忙しく、ゾロゾロと、公園内に入ってくる群れを、上手に区分けしているのだ。
「賑やかになってきたな。オスミン、もうすぐだろうよ」
「ほんとうですかっ?」
「ああ、そうだね。――ほら、騎士達が入って来た」
その言葉の通り、中央だけは馬車が通れるスペースがあるので、壇上から見ると、観客席は左右に分かれているのだ。
一番前で、一番中央にいるオスミンだって、先程、しっかり注意されたパーティションポールから外に出ないように、首だけを出してみて、敷地内に入って来た騎士達を見上げる。
すぐ後からも、音楽隊が軽快な音楽を鳴らし、やって来た。
「うわあぁぁっ……!」
そんな歓喜の声も打ち消されるほどに、会場は興奮していて、オスミンの前を騎士達が通り過ぎて、音楽隊が通り過ぎていくと、騎士の二騎ずつ、音楽隊の左右で、行進しながら、壇上の前で左右にきれいに分かれていったのだ。
「うわあぁっ……! すごいですっ……!」
ウワァァァっ――――!
だが、オスミンの驚きが簡単にかき消されるほどの大歓声が轟き、馬車に乗ったセシルが登場すると同時に、その場に集まっていた領民から歓声が飛び交う。
「マイレディーっ――!」
「マイレディー――!!」
熱狂的な歓声の中、セシルが乗った馬車が壇上の前で止まり、騎士にエスコートされてセシルが、ゆっくりと馬車から下りて来た。
「マイレディーっ――!!」
歓声が鳴りやまず、会場全体で、全員が呼応するかのような勢いだ。
「――ものすごい人気だな……」
「まだまだ序の口ですよ」
大歓声に紛れて漏れたレイフの一言に、ギルバートが親切に付け足していた。
ゆっくりと騎士にエスコートされたセシルが、設置された壇上の上に上がっていく。
「皆さん」
まだ熱狂が収まらなくて、歓声が鳴り引く中、セシルの声は聞こえない。
だが、セシルは、ただ静かに全員を見渡している。
シンっ――と、一気にその場が静まり返っていた。
「皆さん。今日は、コトレア領地の輝かしい十周年記念をお祝いした豊穣祭です。天候にも恵まれ、今までになく、大きな賑わいをみせる、素晴らしい記念祭になることでしょう。この日の為に、準備に余念なく、たくさんの努力や手伝いを提供してくれた、ここにいる皆さんのおかげで、私達は、今日、無事にこの日を迎えられました。皆さんのご協力に感謝しております」
大声を張り上げているのではないのに、会場の全員に届き渡る、響き渡るようなセシルの演説に、歓声と共に拍手が沸き上がる。
そっと手を上げて、それを制したセシルが、また続けていく。
「この豊穣祭にやってきた皆さん。ようこそ、コトレア領へ。私は、コトレア領領主、ヘルバート準伯爵です。皆さんを心より歓迎いたします。昨夜のうちに豊穣祭の登録を済ませた方は、これからすぐにでも観光を楽しめますので、移動に気を付け、どうぞ、大通りに戻ってくださいね」
それから、スッと、セシルが横にいる係員を指すように腕を上げてみせた。
「登録を済ませていない方は、中央にある観光情報館にて登録を済まし、それから豊穣祭を楽しんでください。観光情報館の居場所を知らない方は、開会式の後、こちらの係員の後についていってください。一緒に豊穣祭の説明もしてくれますので」
そして、次に、数人の係員達が、壇上にいるセシルの前にやってきた。
「豊穣祭において、たくさんの護衛や案内役、豊穣祭の係員が、常時、通りに待機しています。係員や案内役には、このように、見分けやすいようにと、青い布を腕に巻いています。なにか困ったことや、分からないこと、質問がある場合など、すぐに知らせてください。――では、皆さん、コトレア領豊穣祭の始まりですっ!」
セシルが両腕を大きく上げた。
それと同時に、
ドドドン、ドドドドン、ダンダンっ――!
パッパパッパラ、パパン――――!
壇上の前にいるドラムとトランペットを持った音楽隊が、一斉に、音を鳴らした。
そして、両端に移動していた花籠を持った子供達も、一斉に、籠から花びらを空に向かって放り投げる。
その光景に驚いて、たくさんの拍手が鳴り響いていた。
コトレア領豊穣祭の開始である!
~・~・~・~・~・~・~・~・
読んでいただき、ありがとうございます。
Был романды уҡығанығыҙ өсөн рәхмәт
~・~・~・~・~・~・~・~・
大盛況をみせ、大歓声が飛び交う中、セシルは(仕方なく) 領民達に手を振っている。
絶対に――自分がしても様にならないのになぁ……との独白は、誰一人として知らないだろう。
この世界に飛ばされて(生まれ変わったのか)、今は伯爵令嬢となったが、セシルは、前世(または現世) では普通の“平民”である。
人前で、女王もどきの芸当をするのは――さすがに、少々、抵抗があったのだ。
だが、大張り切りの領民の前で、断ることもできず。
宿場町では、観光情報館を町の中心に置き、大通りは左右に長く伸びている。
だから、パレードも片端だけで、中央に到達すると、大通りのすぐ裏側に面している公園に向かうのだ。
セシルが通り過ぎていると一緒に、パレードを初めて経験する領民達や、観光客達が揃って、ゾロゾロと、大通りを移動していく。
そう長い時間もなくパレードが、中央に差し掛かっていき――――
さっきから、賑やかな歓声が聞こえ、それと一緒に、ドラムやらトランペットの音が聞こえてきて、待ちぼうけのオスミンは、ソワソワ、ソワソワと、待っている場所で忙しない。
セシルの計らいで、開会式の壇上が組まれた目の前で、アトレシア大王国からのゲストは待機していた。
その公園には、腰ほどの高さの棒が何本も置かれ、棒と棒の間を縄がぶら下がっている。――云わば、現代版パーティション(Partition、日本語の発音では“パーテーション”)ポールである。
パーティションポールが横列にきちんと並べられ、パレードを知らない領民達や観光客でごった返すのを防ぐ役割をしている。
セシル曰く、
「人と言うものは、列を作られたり、区画を仕切られると、条件反射で、つい、並ばなければならないかな? と、そういう列や区画に従うものです」
それで、公園内の係員達が忙しく、ゾロゾロと、公園内に入ってくる群れを、上手に区分けしているのだ。
「賑やかになってきたな。オスミン、もうすぐだろうよ」
「ほんとうですかっ?」
「ああ、そうだね。――ほら、騎士達が入って来た」
その言葉の通り、中央だけは馬車が通れるスペースがあるので、壇上から見ると、観客席は左右に分かれているのだ。
一番前で、一番中央にいるオスミンだって、先程、しっかり注意されたパーティションポールから外に出ないように、首だけを出してみて、敷地内に入って来た騎士達を見上げる。
すぐ後からも、音楽隊が軽快な音楽を鳴らし、やって来た。
「うわあぁぁっ……!」
そんな歓喜の声も打ち消されるほどに、会場は興奮していて、オスミンの前を騎士達が通り過ぎて、音楽隊が通り過ぎていくと、騎士の二騎ずつ、音楽隊の左右で、行進しながら、壇上の前で左右にきれいに分かれていったのだ。
「うわあぁっ……! すごいですっ……!」
ウワァァァっ――――!
だが、オスミンの驚きが簡単にかき消されるほどの大歓声が轟き、馬車に乗ったセシルが登場すると同時に、その場に集まっていた領民から歓声が飛び交う。
「マイレディーっ――!」
「マイレディー――!!」
熱狂的な歓声の中、セシルが乗った馬車が壇上の前で止まり、騎士にエスコートされてセシルが、ゆっくりと馬車から下りて来た。
「マイレディーっ――!!」
歓声が鳴りやまず、会場全体で、全員が呼応するかのような勢いだ。
「――ものすごい人気だな……」
「まだまだ序の口ですよ」
大歓声に紛れて漏れたレイフの一言に、ギルバートが親切に付け足していた。
ゆっくりと騎士にエスコートされたセシルが、設置された壇上の上に上がっていく。
「皆さん」
まだ熱狂が収まらなくて、歓声が鳴り引く中、セシルの声は聞こえない。
だが、セシルは、ただ静かに全員を見渡している。
シンっ――と、一気にその場が静まり返っていた。
「皆さん。今日は、コトレア領地の輝かしい十周年記念をお祝いした豊穣祭です。天候にも恵まれ、今までになく、大きな賑わいをみせる、素晴らしい記念祭になることでしょう。この日の為に、準備に余念なく、たくさんの努力や手伝いを提供してくれた、ここにいる皆さんのおかげで、私達は、今日、無事にこの日を迎えられました。皆さんのご協力に感謝しております」
大声を張り上げているのではないのに、会場の全員に届き渡る、響き渡るようなセシルの演説に、歓声と共に拍手が沸き上がる。
そっと手を上げて、それを制したセシルが、また続けていく。
「この豊穣祭にやってきた皆さん。ようこそ、コトレア領へ。私は、コトレア領領主、ヘルバート準伯爵です。皆さんを心より歓迎いたします。昨夜のうちに豊穣祭の登録を済ませた方は、これからすぐにでも観光を楽しめますので、移動に気を付け、どうぞ、大通りに戻ってくださいね」
それから、スッと、セシルが横にいる係員を指すように腕を上げてみせた。
「登録を済ませていない方は、中央にある観光情報館にて登録を済まし、それから豊穣祭を楽しんでください。観光情報館の居場所を知らない方は、開会式の後、こちらの係員の後についていってください。一緒に豊穣祭の説明もしてくれますので」
そして、次に、数人の係員達が、壇上にいるセシルの前にやってきた。
「豊穣祭において、たくさんの護衛や案内役、豊穣祭の係員が、常時、通りに待機しています。係員や案内役には、このように、見分けやすいようにと、青い布を腕に巻いています。なにか困ったことや、分からないこと、質問がある場合など、すぐに知らせてください。――では、皆さん、コトレア領豊穣祭の始まりですっ!」
セシルが両腕を大きく上げた。
それと同時に、
ドドドン、ドドドドン、ダンダンっ――!
パッパパッパラ、パパン――――!
壇上の前にいるドラムとトランペットを持った音楽隊が、一斉に、音を鳴らした。
そして、両端に移動していた花籠を持った子供達も、一斉に、籠から花びらを空に向かって放り投げる。
その光景に驚いて、たくさんの拍手が鳴り響いていた。
コトレア領豊穣祭の開始である!
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