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転生
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暖かい。体がとても重い。音も聞こえない。目も開けない。起き上がろうと思っても力が入らない。それどころか指一本動かす力も出ない。
(僕は一体どうなったんだ…?はっ、もしかして今までのは全部夢で実は奇跡的に助かっていたとか!?そうだ!きっとそうだよ!)
何かにくるまっている感覚がある。きっとこれは掛け布団で病院のベッドで寝てるはずだ!
そう気分が高揚したと同時に音が聞こえてきた。どうやら僅かだが聴覚が戻ってきたみたいだ。
パチ…パチ…
なんの音だろう。誰かが電気のスイッチを押してるのだろうか。気になり目を開けようと瞳に思い切り力を込める。
(ぐぐぐ…!)
かなり薄眼だが目を開くことができた。狭い視界の中に焚き火と焚き火を挟んで座っている二人の人間の足らしきものが映った。音はどうやら焚き火の音だったみたいだ。僕はその瞬間にがっかりした。
(やっぱり今までのことは全部本当だったんだ。はぁ、これから先が不安だなぁ…)
二人の人間が何か話してるが声が殆ど聞き取れない。向こうも僕が起きているのに気づいていないようだ。
(体が動かない今の状況じゃどうしようもないよね。今はゆっくり休もう。)
僕はゆっくりと瞳を閉じて眠った。
________________________________________
再び目が覚めた。昨日の極度の疲労感は無く体もちゃんと動くみたいだ。見るとどうやら掛けられていたのは布の掛け物だったみたいだ。僕は体を起こして辺りを見渡した。消火された焚き火跡に僕と同じ敷物に掛け物が2つ、周りは木に囲まれている。どうやらここは森の中みたいだ。…………?何か違和感を感じる。何というか、いつもよりも視線が低いような…。
「一体どうなってるんだ?」
中性的な透き通るような声が聞こえた。
(!?)
誰かいるのかと警戒して辺りを見渡すが特に人がいる感じはしない。今明らかに自分とは違う声がした。
(もしかしてあの時の人たちが戻ってきたのか…?)
暫くじっとしていたが何も起きない。固まっていても拉致が明かないと思い警戒を解く。
「なんだったんだ、今のは」
先程と同じ声がまた聞こえた。ビクリとしてまた辺りを見渡すがやはり誰もいない。おかしい。さっきから声は僕の言おうとしたことばかり言っている。そして肝心の僕の声は聞こえない。
(もしかして…)
思い付いたように僕はなにか水場のようなものを探して辺りを探索した。その間に体を動かした際に以前よりもずっと体が軽く、足も早く感じた。そうして5分も経たないうちに近くで湖が見つかった。湖の水は透き通っていてとても綺麗だ。しゃがみ込んで僕は水面に自分の顔を写してみる。
「やっぱり…」
そこには青く染まったショートの髪に翡翠色の瞳をした整った顔が写っていた。
「やっぱりさっきの声は僕の声だったんだ…。」
立ち上がって今の自分の全身を水面に写してみる。以前までの太っていた体とは対照的で全体的に小柄になっている。身長もだいたい中学生の平均身長くらいで肉もほとんど付いてない。筋肉は少ないみたいで肌はプニプニしている。一瞬女性に見えたが局部の感覚はちゃんとあるので一応は男だ。
「もしかして生きやすいように女神様が体を変えてくれたのかな。」
確かに前の太った体じゃサバイバルなんて出来るわけがないと納得できる。
「おーい!」
考え込んでいると湖の対面で二人組が手を振って呼んでいるのが見えた。
(僕は一体どうなったんだ…?はっ、もしかして今までのは全部夢で実は奇跡的に助かっていたとか!?そうだ!きっとそうだよ!)
何かにくるまっている感覚がある。きっとこれは掛け布団で病院のベッドで寝てるはずだ!
そう気分が高揚したと同時に音が聞こえてきた。どうやら僅かだが聴覚が戻ってきたみたいだ。
パチ…パチ…
なんの音だろう。誰かが電気のスイッチを押してるのだろうか。気になり目を開けようと瞳に思い切り力を込める。
(ぐぐぐ…!)
かなり薄眼だが目を開くことができた。狭い視界の中に焚き火と焚き火を挟んで座っている二人の人間の足らしきものが映った。音はどうやら焚き火の音だったみたいだ。僕はその瞬間にがっかりした。
(やっぱり今までのことは全部本当だったんだ。はぁ、これから先が不安だなぁ…)
二人の人間が何か話してるが声が殆ど聞き取れない。向こうも僕が起きているのに気づいていないようだ。
(体が動かない今の状況じゃどうしようもないよね。今はゆっくり休もう。)
僕はゆっくりと瞳を閉じて眠った。
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再び目が覚めた。昨日の極度の疲労感は無く体もちゃんと動くみたいだ。見るとどうやら掛けられていたのは布の掛け物だったみたいだ。僕は体を起こして辺りを見渡した。消火された焚き火跡に僕と同じ敷物に掛け物が2つ、周りは木に囲まれている。どうやらここは森の中みたいだ。…………?何か違和感を感じる。何というか、いつもよりも視線が低いような…。
「一体どうなってるんだ?」
中性的な透き通るような声が聞こえた。
(!?)
誰かいるのかと警戒して辺りを見渡すが特に人がいる感じはしない。今明らかに自分とは違う声がした。
(もしかしてあの時の人たちが戻ってきたのか…?)
暫くじっとしていたが何も起きない。固まっていても拉致が明かないと思い警戒を解く。
「なんだったんだ、今のは」
先程と同じ声がまた聞こえた。ビクリとしてまた辺りを見渡すがやはり誰もいない。おかしい。さっきから声は僕の言おうとしたことばかり言っている。そして肝心の僕の声は聞こえない。
(もしかして…)
思い付いたように僕はなにか水場のようなものを探して辺りを探索した。その間に体を動かした際に以前よりもずっと体が軽く、足も早く感じた。そうして5分も経たないうちに近くで湖が見つかった。湖の水は透き通っていてとても綺麗だ。しゃがみ込んで僕は水面に自分の顔を写してみる。
「やっぱり…」
そこには青く染まったショートの髪に翡翠色の瞳をした整った顔が写っていた。
「やっぱりさっきの声は僕の声だったんだ…。」
立ち上がって今の自分の全身を水面に写してみる。以前までの太っていた体とは対照的で全体的に小柄になっている。身長もだいたい中学生の平均身長くらいで肉もほとんど付いてない。筋肉は少ないみたいで肌はプニプニしている。一瞬女性に見えたが局部の感覚はちゃんとあるので一応は男だ。
「もしかして生きやすいように女神様が体を変えてくれたのかな。」
確かに前の太った体じゃサバイバルなんて出来るわけがないと納得できる。
「おーい!」
考え込んでいると湖の対面で二人組が手を振って呼んでいるのが見えた。
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