新しい世界で何をしよう?

ライドリア

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手土産と能力

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「この箱ってなんなんだろう」

 街の方向へ歩きながら箱のことを観察していた。手の上で転がしたり開こうと引っ張ったりしてみたがビクともしない。中心の青い宝石から線が箱の周りを一周しているのでこの箱は開封できるものだと考える。

「もしかして要らないものの処理を頼まれただけとか…」

 不安をかき消すように箱のことをもっとよく観察する。すると中心の青い宝石の中に小さな粒のようなものが見えることに気づいた。中心の青い宝石を覗いてみると宝石から箱の中にある空間とその中にあるアイテムが確認できた。

「よかった、やっぱりちゃんとしたアイテムみたいだ。」

 一瞬アッシュさん達を疑ってしまって申し訳無く思う。

「でも取り出し方が分からない。どうしようか…」

 色々と思考錯誤して開こうとするがどうしてもうまくいかない。段々と苛立ちが強くなってきた。

「あーもー!何で開かないの!?いい加減に開いてってばー!」

 感情に任せて箱を思いっきり地面に叩きつけた。すると箱が地面にぶつかった瞬間にポンっと音が響いたと思うと箱の中身が地面に散らばった。

「…………!!」

 一瞬何が起こったか分からなかったが目の前に散らばったアイテムを見てはっきりと状況を認識する。

「やった!やった!なんかよく分からないけど開いた!」

 偶然だがうまくいったことに嬉しくなって小躍りする。そのまま散らばった箱の中身の確認する。剣や盾、軽鎧、腕当てや膝当てなど武器防具一式に緑や赤の液体が入った瓶がいくつかあった。

「くぅ~、やっぱりこういうものを見ると全く別の世界だって改めて実感するなぁ!」

 元の世界ならばこういったものは画面の中にしか存在しておらずこうして触れること自体が感動だった。暫くの間アイテムを触ったり見つめたりを繰り返していた。

『スキル<鑑定>を習得しました』

 無機質な声が響いた。驚いて周囲を確認するが特に人がいる感じはしない。

「気のせいじゃ…ないよね。確かに声が聞こえたはずだし。確か<鑑定>って…。」

 一瞬考えると思い当たる節があった。こういう展開は何度も本で見たことがある。剣に向かって手をかざしてスキル名を唱えた。

「鑑定!」

・銅の剣

「おお!やっぱり出来た!でも、あれ?なんか情報が少なくない?」

 頭の中に剣の名前が浮かんだ。しかしそれだけだった。テンプレの流れならここからアイテムの強さやレア度や細かい説明が入るものじゃないだろうか。

「鑑定!」「鑑定!」「鑑定!!」

・銅の剣      ・銅の剣    ・銅の剣

「えぇ…。なんか名前しか分からないんだけど。もうちょっと詳しく調べることは出来ないのかな。」

他のアイテムにも鑑定を試してみる。

・皮の軽鎧   ・皮の盾   ・皮の靴   ・皮の額当て   ・ポーション    ・マナポーション

 結果は変わらず名前だけが分かるだけだった。

「やっぱりそう上手くはいかないかぁ。」

 一応名前が分かるだけでも使い道をある程度察することができるのでそれでよしとする。それでも多少ガッカリしつつアイテムを装備する。アッシュさんのお古に加えて僕自身も体格が小柄なためサイズは少し大きいみたいだ。でも動くことに関しては問題ないレベルだと思う。

「ふう、まあこんな感じかな。」

 装備を一通り着け終えて改めて自身を見てみる。RPGの王城の衛兵に居そうな格好だなと思った。

「さてと、準備もできたし街に向かいますか!」

 街へ向かって再度歩き始めた。
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