俺に7人の伴侶が出来るまで

太郎月

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魔王編

歯車の軋み29

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ジンを襲う、ドッと訪れる疲労感。とんでもない運動をした後のような汗が流れ落ちる。顔を拭い、ジンは周囲を見渡す。
足元には恋人達が倒れ込んでいた。それぞれの従魔達がそばについている。

愛属で繋がる心臓から、恋人達は気を失っているだけと分かるが、取り敢えず、1番魔力が少ないハンスに触れて確認した。
体温もあるし、呼吸も安定している。
暫く寝れば目を覚ますだろう。


無事かどうか分からないのはヤマト達だ。まあ、呼吸音が微かに聞こえるので無事だろう。


ジンはルパと共に寝そべるフィルへと顔を向けた、その時。




「そ、そんな……」



ヤマト達の方から声がして、顔をすぐ戻す。
這いずるように頭を上げたリィンが、愕然としている。

「バカな……対消滅、だなんて」

どんな魔術でも同系統の魔術で、寸分違わぬ魔力をぶつけ合えば消滅する。それが対消滅。

「ありえない……オマエが、どうして、神降歌を使えた。なんで知っている」

喋る度に罅が深まり、パラパラと小さな破片が落ちていく。リィンの顔色は一層青黒い。

ハイエルフにも人間にも見えない。

睨み付けて来る目も、肌と同系色で、彩色をする前のおもちゃのようだった。

「知ってた訳じゃねぇよ。なんか、急に出来るって思ったんだ」

ジンは言うだけ言ってリィンから顔を離した。俯せになっているロキの身体を優しくひっくり返す。潰された魔王(玉)が腹から転がり出て来て、小さく笑ったりした。

「そんな、バカな…神降しは勇者が手にする預言書にだけ刻まれてる。この世界のリセットボタンだって、彼が……条件だって決められている。急に出来る技じゃない。なのに、なぜ」

よげんしょ?りせっと?
ジンは眉を少し寄せた。

「お前もよく分かんねぇ言葉を使うんだな。何言われても俺も説明出来ない。……ああ、もしかしたら、俺にも何かが降臨してたのかもな」

身体を押された、あの感覚。
何故か分からないが言葉が浮かんだ。そして感じた。



────大丈夫だ、お前/俺なら出来る



それは声だったのかもしれない。
自分の声だと思ったが、思い返す今は、少し違う気もする。

考えながら、倒れてしまった恋人達の身体を仰向けに寝かし直していく。
本当に突然気を失ったのだろう。顔に傷がついてる者もいて、ジンはそっと傷口の砂を払う。

すると、ピクリと動いた。

「………流石、タフだな。1番目のお目覚めだ」

目を開いたギルバートへと微笑むと、ギルバートも無言で微笑んだ。片手を差し出すと、力強く手を掴んでくる。それだけで無事が伝わってきた。立ち上がったギルバートへ、グラディウスとスクトゥムが顔を寄せ合った。折れてしまった角が痛々しく、ギルバートはグラディウスの角を撫でる。



「ダメ。こんなの、認められない。や、やり直すんだ」



ジンとギルバートは声の方へと顔を向けた。
もう古ぼけただけの木の枝に見える杖を手繰り寄せ、リィンが立ち上がる。握り込んだ左手は胸に押し当てて。

「やり直して、今度こそ彼と」

「うるさい!!早くエゴイラを放せ!!」

どこに行ったのかと思っていたドラゴが、リィン目掛けて飛び掛かった。

上から降りて来た軌道を考えれば、上空に漂っているだけになったエゴイラの所に居たのだろう。

リィンはビクッと身を強張らせる事しか出来ず、顔面に頭突きを受けた。ドラゴは同時に放電までしたので、リィンは全身を痙攣させながら悲鳴を上げた。

その声に、また数人が目を開いた。

放電は周囲に広がり、リィンと繋がる鎖へと伝わった。雷撃が鎖を粉砕する。


鎖がバラけると共に、エゴイラ達の身体も5体に分かれて降りて来た。リィンへの放電に満足し、空を見上げていたドラゴに向かって。

エゴイラ達の身体は生前より小さかった。更にどんどん小さくなり、小さなドラゴより尚も小さくなった。

その小さい身体で、ドラゴの胸元を次々と通り過ぎて行った。

小さなドラゴン達は、各々の属性色に淡く光りながら、戯れ合うように空へと昇っていき、そして消えた。
ドラゴは両手をぶら下げて、ただジッとエゴイラ達が消えた空を見上げていた。


「……ドラゴ、寂しいのかな」


目を覚ましたばかりのユリウスが、起き上がりながら動かないドラゴの背を眺めて呟いた。
ユリウスの服の砂を叩きながら、ジンは少しだけ笑う。

「どうかな」

ジンの呟きとほぼ同時にドラゴが勢いよく振り返った。

「ジン、逃げた!エゴイラが逃げたぞ!!」

「ほら」

びゅんっと飛んできて、ジンの髪を掴み、空を指差す。「たくさん攻撃を当てられた!オレ様は当ててない!ずるい!まだ戦え!オレ様が勝つ!!」と喚く喚く。フローラのヒールは空までは届いておらず、ドラゴの身体はボロボロだ。だが元気いっぱいだ。
ユリウスは小さく笑った。その肩に燃え盛る美しい鳥が止まった。ユリウスの頭より大きいくらいのサイズで、熱さは感じない。

「自分で解放してやったのに、なにを怒ってるんすかドラゴは」

まだ寝たままだったハンスが喋った。

「解放したのは戦う為だったからな。ドラゴは戦う為に救う奴だから。それよりハンス、大丈夫か」

「なんつう逆説的な行動……まあ、ドラゴらしいっちゃらしいっすね」

差し出された手を掴み、「大丈夫っす」と軽やかに起き上がる。ジンの肩に跨ったドラゴが「ぎゃくせつってなんだ」と顔を覗き込んでくる。口を開いたものの、説明が難しく、ジンは固まった。面白がってハンスはわざと口を挟まず、にやにやしている。

「……ドラゴ、オマエ…強くなってないか?」

騒ぎに目を覚まし、半泣きのカカココを巻き付けたイルラが立ち上がった。ドラゴを肩車したまま近付く。「大丈夫か?」と尋ねようとするジンにスッと片手を立て、「気にするな」と無言で告げてくる様子が何とも砂漠の王の貫録を感じさせる。

ドラゴはイルラの言葉にピタリと止まり、静まり返った。何か考え込んでいるようだ。

「どういう事?」とジンが尋ねると、イルラは「何となく、そう感じた」と。感覚的なものだったらしい。

「イルラの言う通り、五属性の魔力が強まっているな」

ロキがゆっくりと身を起こす。隣に並べられていた魔王(玉)を掴んで立ち上がる。魔王(玉)は紫の目をぐるぐるして気を失っていた。
ジンはすぐ近くにあるドラゴの腹を見る。そこにあるのは、ぽっこりと丸い腹だ。

「……エゴイラのお礼かもな」

可能かどうかは分からない。事実かも確認しようがない。だが、わざわざ空から降りて来て、ドラゴの身体を通過していった事には、何か意味があったのではとジンは期待してしまう。
ばさりと飛び上がったドラゴ。腹を両手で押さえて見下ろす。「ふーん」と弾むような声を漏らした。悪い気はしていないらしい。

「試すか!?ジン!!」

「お互い無理はやめようぜ。もう魔力は空っぽだ。お前もだろ」

ガシッと頭に飛びつくドラゴに首を振る。

「………絶対枯渇したのに、なんでこんなに早く目が覚めたんだろ」

誰もいない空間から、ぽつりと呟く声だけが聞こえた。キュウビの『隠密』で姿を隠しているテオドールだ。感覚で察知出来るジン、イルラ、ロキは驚かなかったが、ギルバートとハンスは少しばかり驚いている。感知出来ていないが、ユリウスは平然としていた。

「従魔達のおかげだろう。先程の神降ろしとやらで使用された魔力は、ジンと直接繋がっているドラゴとフィル、そして愛属で繋がる俺達7人の分だった。それぞれと繋がっている従魔達の魔力が供給された事で動けるようになった。……俺もな。皮肉なことだ。此奴に救われるとは」

ロキは手の中の魔王(玉)を見た。思念体を丸めただけとは言え、やはり魔王。しかし少ない魔力を引っ張られたせいか、魔王(玉)が魔力不足に陥り、気を失ってしまったようだ。

「………神降ろし、が、未だによく分からんな。どうして俺達は、あの詠唱に合わせる事が出来たんだ」

ギルバートが疑問を口にする。ジンはもぞりと動いた最後の1人へと歩み寄る。シヴァだ。横に居るカエルムの羽根も真っ白に戻っている。どうやらタンクの残量も尽きたらしい。

「あ、あの一瞬、愛属紋が微かに光っておりませんでしたか?何となく、ヒリつくような。痛いと言う程ではありませんでしたが、違和感を覚えました。その時、勝手に口から言葉が出たような……」

身を起こすジンの手を支えに立ち上がりながら、話は聞いていたのか、ぼそぼそと話す。シヴァは左手に刻まれている愛属紋を見ていた。身に覚えがあるのか、異を唱える者はいない。それぞれ、不思議そうに自分の愛属紋がある場所へ目線を向ける。ハンスだけは見るのではなく、唇を触っていたが。

それでも答えなど見つからない。

「……ジン、お前」

「………俺も分からない。皆と同じだよ。なんか、出来ると思ったんだ。でももう、あの時、自分が何て言ったのかすら思い出せねぇ」

ロキの問い掛けにジンは薄く笑って首を振る。言われてみれば、と皆も自分が言った詠唱の言葉を忘れている事に気付いた。それっぽい台詞は思いつくが、何だったのか定かじゃない。

ジンの目が遠くで寄り添い合うルパとフィルを見た。フィルは目を覚ましたらしいが、ルパは気を失ったままのようで、懸命にフィルが世話を焼いている。

「……まあ、誰かが助けてくれたんだろ」

小さく、ジンが呟いたその時、激しい崩壊の音が響いた。全員の視線が音の方へと向く。壁が崩れ落ちていく。一ヵ所だけでなく、至る所が。

「せ、先生!?これ大丈夫なんすかね!?」

ハンスが城主であるロキを振り返った。ロキは顎に手を添え「まあ、古いからな」と特に感慨もなく呟く。城主と言っても記憶にあるだけで思い入れもない。

何となく一番近い崩れた壁まで皆で近付いた。
集まっていた魔物達も逃げたのか、姿はなかった。
風が吹き抜けてくる。外は昼下がりの陽光で包まれていて、海面はキラキラし、建物が緑の絨毯の狭間から見え隠れし、遠く山々には赤や黄色の紅葉が見えた。

ドラゴに乗って景色を俯瞰する事が多いジンには、それほど目新しい光景ではない。けれど────

「おー!すごい景色!こんな遠くまで見渡せるもんなんすね!」とハンスがジンの腕に捕まったまま、目に手を翳して遠くを見て笑った。

「ドラゴに乗せて貰った時より高そうだな。……飛び降りたらどんな気分なんだろ」とハンスの横からテオドールの声がする。奇妙な好奇心を見せたテオドールの見えない腕を、ハンスが慌てて探している。「飛ばねぇよ」と笑う声と共に、ハンスの手が何かを握り締めた。

「……ユリウス様、あまり近付かれない方が」とテオドールの後ろにいたギルバートが隣のユリウスに告げた。こんな時でも護衛っぽい所が彼らしい。ユリウスは前には出ず、笑って頷いて見せる。不要な心配を掛けさせないよう気を使っているようだ。ジンとハンスの間から見える景色を覗き込む。

「ああ、これは壮観だ。……父上にも見せたいな。自分の統べる国が、こんなにも美しい事をきっと知らないから」とユリウスが風に金の髪を揺らしながら目を細めた。

「風がとても心地いいです。少しひんやりしているように感じるのは気のせいでしょうか?」とハンスとは逆の腕を掴んだ(と言うか、支えにしている)シヴァが火照った顔を仰いでいる。

「………高い場所は元々強風が吹きやすいが、ココはうっかりすると身体が持って行かれそうだ」と後ろの方からイルラが言った。カカココが嫌がっているのか、あまり前には出て来ない。

彼らの声や表情で、景色は一気に特別なものになる。
ふと、景色ではなく自分と同じくハンス達を見ているロキに気付いた。長い髪が風に靡く。その顔に安堵と喜びが滲んで見えて、ジンも胸が熱くなる。

はたと目が合った。ロキは目を細めた。深い感謝が籠められた目線だ。



(…ああ────守れたんだ)



全身に安堵が広がった。

(まあ、俺の力とは言い難いけど)

それでも守れた。彼らを。彼らの大事なものを。


彼らとの未来を。



「……世界って、綺麗なんだな」



ぽつ、と漏らしたジンの言葉に全員が目を向けた。知らず微笑んでいたジンの穏やかな横顔に、つられたように皆も微笑んだ。
風が8人を包む。まるで労うように。


「………ん?アレ、なんだ?」


テオドールの声が虚空からする。見えないので、どこの何を示しているのか分からない。全員があちらこちらを見ていた。「あ、」と声を出したのはロキだった。すっと指差されたのは空ではなく、海の方だった。視線が集中する。


謎の飛行物体がフラフラしながら近づいてくる。よく見えず、結局全員が横並びになって顔を覗かせた。


「しわしわだ!!!!」


ドラゴが叫びながら、ビュンッとその何かへと飛んで行った。

「……魔塔主だ、先生」

「その様だな……」

ジンがロキに顔を向けると、ロキは謎の飛行物体をじっと見詰めていた。

魔塔主は二輪車に乗っていた。上部に回転する羽根(プロペラ)が取り付けられており、連動しているのだろうペダルを必死にキコキコと漕いで回している。後部が重いようで、車体はやや後ろに傾いて、軌道もフラついていた。
ドラゴは汗を拭き出しながら漕ぐ魔塔主の前に飛び出すと、「あ!!」と後ろを指差した。

「学園長!!」

その声に「え!?」とジン達の声も重なった。
ロキが手を翳し、少ない魔力ではあるが、風属性魔術で二輪車を引き上げる手伝いをする。上空へと吹く風に乗り、魔塔主は少し離れた位置の、壁のない場所に飛び込んで来た。
二輪車は床に着地すると共に音を立てて倒れた。
後ろに乗っていた学園長は倒れる直前に立ったらしく、転がったのは二輪車と魔塔主だけだ。

「マーリン殿!それに学園長まで……」

ロキが駆け寄る。その後ろをジン達も続く。

「ロ……ロキよ……」

魔塔主がへろへろと細い骸骨のような片手を上げてロキを呼ぶ。

「先生が心配でこんな所まで来たのか?」とジンも驚く。「南大国で普及している乗り物だったかな?王国では滅多に見れない物だね」とユリウス。「二輪車が空飛べるとは聞いたことないっすよ」とハンス。「……あんなお身体でよく此処まで」とギルバート。「………魔塔主が、学園長を運んでたって事か?」とテオドール。「すごい胆力の持ち主だ」とイルラ。「ロキ先生を可愛がっておられたのですね!」とシヴァ。

後ろでそわそわされ、ロキもほんの少しそわそわした。
魔塔主の傍へと膝をつく。

「ロキ…」

「はい、何でしょうか」

「ワ、ワシも……」

「……はい?」



「ワシも魔塔を浮かせたい!!」



魔塔主の心の叫びに瞬時、誰もが押し黙った。その間も魔塔主は「教えてくれー!!こんな巨大な物をどうやって浮かせてるんじゃー!!ワシにもやらせろー!!」と叫ぶ。身体は動かないのか、寝たまま手足をジタバタさせていた。


─────ぶッ…!!


誰が最初か分からないが、噴き出したのを合図に笑い声が響き渡った。


あの二輪車の速度では、地上から城まで相当時間が掛かった筈だ。
つまり誰もが身を震わせた世界滅亡の瞬間まで、魔塔主は懸命に二輪車を漕いでいた事になる。
その理由が、まさか、知的好奇心の為だけだったとは。


ロキですら口を開けて笑っている。「ワシは本気じゃー!!」と魔塔主が文句を言うが、笑い声は絶えない。




ドラゴに髭を引っ張られていた学園長は、そっとドラゴに向かって「シイ」と口に指を立てて見せた。そっと離れたドラゴの頭を撫で、学園長はマーリンへと皆が集中している間にその場を離れた。


へたり込んで呆然と虚空を見詰めているリィンの元へ。





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