【読み切り作品】BL短編集

古井重箱

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BL営業をしていたら、相手役の俺様イケメンにガチで惚れられました

▪️



 黎人さんと会えなくなってから一週間が経った。
 俺は虚ろな気持ちで『ハレハレ』のプレイルームに入った。
 ダブルベッドの上には初めて顔を合わせる学生風の男がいた。男は遊び慣れているらしくて、俺をベッドに誘うとすぐにシャツを脱がせてきた。
 後ろから抱きしめられた時、俺は本能的に嫌悪感を覚えた。
 この男は黎人さんじゃない。
 黎人さんみたいに優しい声がけをしてくれないし、手つきも乱暴だ。乳首を引っ張られそうになったので、俺は全力で抵抗した。

「んだよ。青ランプがつくだろ?」
「……体調不良なんで、帰らせてもらいます」
「はあ? 途中キャンセルはマイナス査定だぞ」

 そんなことはどうでもいい。
 俺はプレイルームから出た。廊下には店長が険しい表情で立っていた。

「今日で辞めさせていただきます」
「違約金を払ってもらおうか」

 最初からそのつもりだったので、俺は財布からお札を数枚出した。

「うちみたいに安全に稼げる店はないよ? 黎人くんにもそう言ってくれ」
「無理です……。もうそういう営業はできません」
「……ああ。本気になっちゃったのか」

 店長はお札を数えながらため息をついた。

「きみと黎人くんの絡み、大好評だったんだ。ガチ惚れならではの空気感が伝わってたんだろうね」
「お世話になりました」
「もう風俗なんかでバイトしちゃダメだよ」
「はい」

 俺は店を出ると、黎人さんに連絡を取った。

「黎人さん! 俺、店辞めました」
『……マジか』
「会いたいです」
『それってどういう結果になるか分かってる?』
「ゴムとローションを買っていきます」
『あんたなあ……。まあ、そういう肝っ玉が座ったところが大好きなんだけど』
「俺も……黎人さんが好きです。今日、別の人と絡んでみて、あなたじゃないと嫌だって気づきました」

 黎人さんがしばし沈黙した。

『何をされた?』
「乳首を引っ張られそうになったから、ガチギレしました」
『……そいつのことぶん殴りてぇ』
「黎人さん、物騒だなあ」
『北口に来てくれ。迎えに行く』

 俺は地下鉄に乗り込んだ。
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