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第4話 昔の男
「やめろっ!」
唇がぶつかりそうになる寸前で、セージはゲオルグを突き飛ばした。
まさかセージが抵抗するとは思わなかったのだろう。ゲオルグが驚いたように目を見開いた。
「なんだよ、生娘みたいな反応しやがって」
体勢をすぐに立て直すと、ゲオルグはセージの腰を抱いた。そして、セージの耳元で自信に満ちた声を響かせた。
「どうしたんだよ、セージ。ちっちゃなケツを振っておねだりするぐらい俺のキスが大好きだっただろう?」
「おまえなんてもう関係ない! あっちへ行け」
「ふうん。その手紙……。おまえ、新しい男ができたのか?」
ゲオルグはセージの腕を引いて、階段を下りるように促した。
集合住宅を出たところにある空き地で、ゲオルグはセージを抱き締めた。またしても顔を近づけてくる。セージはゲオルグの顎を思いっきり噛んでやった。
「テメェ……。その手紙の相手に操を立ててんのか?」
あまりにも勝手な物言いにセージは腹が立った。
『女を妊娠させちまったから、結婚する。だから、セージとはもう会えない』
ゲオルグは3年前にそう言って、別れを切り出してきたではないか。
「そっちこそ、奥さんとはうまくいっていないのか?」
「ああ、嫁のことか? もう飽きた。家族ごっこなんてのはよ、冒険者の俺には似合わないぜ」
「それでどうして俺のところに?」
「セージ。カネ貸してくんねぇか? おまえ、役者として結構売れてるだろ」
「カネの無心なら、よそをあたってくれ!」
「……おまえ、俺と別れたあと誰ともシてないだろ。ツラ見れば分かるぜ。なあなあ。オナニーする時は後ろと乳首もいじってたのか? おまえ、どっちも責められるの大好きだったもんな!」
ゲオルグの声が朗々と響くものだから、道ゆく人々がギョッとした顔でこちらを見てきた。
「なあ、またケツを振れよ。俺のためにさあ」
こんな下品な男を、ワイルドでカッコいいと思っていた昔の自分を張り倒したい。セージはゲオルグを無視して、封筒を大事に抱えながら道を歩き出した。ゲオルグがあとを追いかけてくる。
「今度はちゃんと外に出すからよ。いいだろ?」
「往来でヘンなことを言うな!」
「はっ。俺のちんぽでよがってた雌猫が何を言ってるんだか! おら、セージ。路地裏にいくぞ。しゃぶれよ。こっちは溜まってるんだ」
「嫌だっ!」
セージが抵抗していると、後方から殺気が漂ってきた。まるで肌を切りつけられたかのような心地になる。
振り返れば、ルゼイオが立っていた。
唇がぶつかりそうになる寸前で、セージはゲオルグを突き飛ばした。
まさかセージが抵抗するとは思わなかったのだろう。ゲオルグが驚いたように目を見開いた。
「なんだよ、生娘みたいな反応しやがって」
体勢をすぐに立て直すと、ゲオルグはセージの腰を抱いた。そして、セージの耳元で自信に満ちた声を響かせた。
「どうしたんだよ、セージ。ちっちゃなケツを振っておねだりするぐらい俺のキスが大好きだっただろう?」
「おまえなんてもう関係ない! あっちへ行け」
「ふうん。その手紙……。おまえ、新しい男ができたのか?」
ゲオルグはセージの腕を引いて、階段を下りるように促した。
集合住宅を出たところにある空き地で、ゲオルグはセージを抱き締めた。またしても顔を近づけてくる。セージはゲオルグの顎を思いっきり噛んでやった。
「テメェ……。その手紙の相手に操を立ててんのか?」
あまりにも勝手な物言いにセージは腹が立った。
『女を妊娠させちまったから、結婚する。だから、セージとはもう会えない』
ゲオルグは3年前にそう言って、別れを切り出してきたではないか。
「そっちこそ、奥さんとはうまくいっていないのか?」
「ああ、嫁のことか? もう飽きた。家族ごっこなんてのはよ、冒険者の俺には似合わないぜ」
「それでどうして俺のところに?」
「セージ。カネ貸してくんねぇか? おまえ、役者として結構売れてるだろ」
「カネの無心なら、よそをあたってくれ!」
「……おまえ、俺と別れたあと誰ともシてないだろ。ツラ見れば分かるぜ。なあなあ。オナニーする時は後ろと乳首もいじってたのか? おまえ、どっちも責められるの大好きだったもんな!」
ゲオルグの声が朗々と響くものだから、道ゆく人々がギョッとした顔でこちらを見てきた。
「なあ、またケツを振れよ。俺のためにさあ」
こんな下品な男を、ワイルドでカッコいいと思っていた昔の自分を張り倒したい。セージはゲオルグを無視して、封筒を大事に抱えながら道を歩き出した。ゲオルグがあとを追いかけてくる。
「今度はちゃんと外に出すからよ。いいだろ?」
「往来でヘンなことを言うな!」
「はっ。俺のちんぽでよがってた雌猫が何を言ってるんだか! おら、セージ。路地裏にいくぞ。しゃぶれよ。こっちは溜まってるんだ」
「嫌だっ!」
セージが抵抗していると、後方から殺気が漂ってきた。まるで肌を切りつけられたかのような心地になる。
振り返れば、ルゼイオが立っていた。
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