【完結】ツンデレ妖精王が、獅子だけど大型ワンコな獣人王にとろとろに愛される話

古井重箱

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 ガルトゥスの寝所は、浴室と隣接していた。
 男ふたりが入ってもなお余裕がある大きな湯船の中で、ガルトゥスはレクシェールの裸身を手のひらで慈しんだ。

「服を脱がせるまでひと苦労するかと思っていたが……。脱ぎっぷりがいいな、あんた」
「妖精王は即断即決が求められる。こうと決めたら、私はどこまでも進むぞ」
「いい度胸だ。じゃあ、本格的に始めてもいいな?」
「……んっ、ぅ」

 唇を塞がれて、腰を抱き込まれる。
 ガルトゥスの熱塊はすでに兆していた。輪郭を膨らませ、天を突くように仰角を向いている赤黒いそれが怖くないといえば嘘になる。でも、愛しい男の分身なのだと思えばレクシェールの指先はためらうことなく熱源に触れた。びくんと竿が脈打つ。

「あんたのそういう大胆なところ。ずっと、いいなって思ってた」
「潔いのは、王として当然の振る舞いだ」
「誰もがあんたみたいにはなれねぇよ。俺なんてどうだ? 何十年も想いをこじらせて、ようやく本懐を遂げることができた」
「本懐? ほう。この程度のふれあいで満足なのか」
「……レクシェール。煽ると後悔するぞ」

 ざぷんと湯が揺れた。
 ガルトゥスの分厚い胸が、レクシェールの薄い腹を押し潰す。レクシェールの下腹部はまだ大人しいままだった。ガルトゥスがそっと薄紅色の竿に触れてくる。レクシェールは初めての感覚に甘い息を吐いた。心地よさのあまり、目がとろけそうになる。
 
「あんた、自分ではしないのか?」
「……特に必要を感じなかったから、触れてこなかった」
「俺なんて毎晩、あんたのことを考えて抜いてたけどな」

 あけすけな言動がガルトゥスらしい。
 レクシェールは軽やかに笑った。まさか裸になってから、こんな風に弾けるように笑うことができるとは思わなかった。性的なことはレクシェールにとって薄暗く、汚らしいものだった。
 ガルトゥスがレクシェールの肩に口づける。

「この細い肩が……国を担っているんだな」
「きみだってそうじゃないか……」
「俺は民に助けられてばかりだよ」

 レクシェールを横抱きにすると、ガルトゥスは湯船から上がった。
 柔らかい布で肌についた水滴を拭き取ると、ふたりは寝台にもつれ込んだ。どちらからともなく唇を求め、息継ぎの合間に互いの名前を呼ぶ。

「レクシェール」

 ガルトゥスの朗々とした声で呼びかけられるだけで、レクシェールは肌が照り輝くような恍惚を味わった。
 嬉しさのあまり、翼が出てしまう。
 光の粒でできた七色の翼はガルトゥスのキスを肌に受けるたびに、輪郭が溶けていった。本当に気持ちがいいと妖精の翼は溶けてしまうものらしい。

「ガルトゥス……そんなにじっと見ないでくれ」

 愛しい男の視線を浴びただけで感じてしまう。
 ぷるんと花茎が揺れて、角度を持ちはじめる。腰の奥が重だるい。勃起という現象に慣れていないレクシェールは、みずからの分身の変化を恥じた。内股になろうとすると、膝の裏にガルトゥスの手が伸びてきた。そのまま大きく開脚させられてしまう。

「あ……っ」

 薄紅色の性器はもちろん、菊座までのぞき込まれ、レクシェールは恥じらった。体中の血液がトクトクと勢いよく流れているのを感じる。ガルトゥスはレクシェールのすぼまりにちゅっと口をつけた。そして、肉の環の丸い形を尖らせた舌先でなぞった。くすぐったさと羞恥心が同時に襲ってくる。腰を反らせようとしたが、ガルトゥスの力強い手によって退路を断たれてしまう。レクシェールは誰にも見せることができない秘所をガルトゥスに明け渡した。

「綺麗だな。色も形も……花の蕾みたいだ」
「きみはどうかしている! そんなところに口をつけるだなんて……」
「分かってくれよ、俺はあんたに参ってるんだ。このぐらいのキスじゃ全然足りないよ」
「あっ!」

 ガルトゥスがレクシェールの後孔を拡げた。
 赤い蕾は小さな口をのぞかせただけで、すぐにまたきゅっと閉じてしまう。ガルトゥスは寝台からいったん離れると、飾り棚から小瓶を取った。そして再び寝台に乗り上げて、小瓶の中身を手のひらに垂らした。とろみのある液体から甘い香りが漂ってくる。
 
「足、まだ開いといて」
「だがこの格好は……とても恥ずかしいぞ」
「俺しか見てないからいいだろ?」
「うぅっ」

 ガルトゥスに言い含められ、レクシェールは恥ずかしさをこらえた。足をなるべく大きく開いて、後孔がよく見えるように腰を浮かせる。花茎の先端からは愛液がとろとろと垂れており、透明な糸を引いている。ガルトゥスはレクシェールの性器を優しく咥えたあと、香油によって濡れた指先で蕾を押し拡げた。

「……あ、あぁっ」

 狭かった道が段々とひらかれていく。ヒクヒクと内壁が蠢くのを感じて、レクシェールは手で顔を覆った。自分の意志とは裏腹に、後孔がどんどん淫らになっていく。この先に待っているのはガルトゥスとの交合なのだと思うと、腹の奥がずくんと震えた。

「よく頑張ったな」
「んっ、んんっ」
「もう少しいけるか?」
「ひぐっ。あぁっ!」

 指を2本に増やされたが、レクシェールの身に訪れたのは圧迫感だけで、厭わしくはない。体の内側をガルトゥスに捧げているのだと思うと、硬かった蕾はどんどんとほころんでいった。
 ガルトゥスが愛しい。この人に貫かれたい。
 そんなはしたない願望を口に出せるわけはなく、レクシェールはあんあんと甘い息をこぼすことしかできなかった。

「いっ!? あ、あぁーっ!」

 深いところまでガルトゥスの指先が到達した。まだほぐれきっていないナカをちゅぽちゅぽと太い指がなぞる。とある一点をこすられれば、全身が蒸発しそうになるほどの快感を覚えた。いいところを欲しがって腰を揺らしてしまう。
 はしたない自分を見られたくなくて顔を隠していると、ガルトゥスに手首を掴まれた。そのまま、外側にひらかれてしまう。
 ガルトゥスの瞳に、舌を突き出して喘いでいる自分が映っている。
 レクシェールは恥ずかしさのあまり涙ぐんだ。

「泣くなよ。全部俺に見せてくれ」
「ガルトゥス……。私を嫌わないでほしい」
「どうやったらそういう流れになるわけ? 俺たちは今、愛し合ってるんだぞ」
「私ばかりが溶かされている。私も……きみを感じたい」

 レクシェールはしなやかな体を滑り込ませると、ガルトゥスの雄芯に頬ずりをした。裏筋がいくつも浮き上がった陰茎はレクシェールのそれとは比べものにならないほど大きい。男が感じる場所など知らないレクシェールは、みちみちと張りきった肉棒を夢中になって咥えた。そして、竿のたくましい輪郭をちろちろと薄い舌でなぞった。
 ガルトゥスの先走りは若草の味がした。こんなに雄々しくて猛々しいモノにこれから貫かれるのかと思うと、体が火照って仕方がなかった。先ほど指で慣らされた内壁がヒクヒクとねだるように収縮する。

「ん、うっ」

 喉奥まで剛直を飲み込んだあと、レクシェールはぷはりと息を吐いた。形のいい唇のはしから、透明な唾液がたらたらとこぼれる。口内に残るガルトゥスの先走りの味に感じ入っていると、乳首をつままれた。

「ああっ!」
「レクシェール、覚えておきな。男は目から感じるんだよ。あんたみたいな美人さんが口淫をした挙句、唇をしっとりと濡らしてたら……こっちはもう狂うしかねぇ」
「や、あ……それ、だめっ! ヘンになるっ」
「こんなに小さいのに感じるんだな」

 くにくにと胸の粒を指の腹で押し潰される。何のためについているのか分からなかった器官に急に焦点を当てられ、レクシェールは戸惑った。陰茎や後孔への刺激とはまた違った快美が背中を駆け抜ける。自分の体はいろいろな場所がいやらしくできていたのかと思うとまた泣きそうになった。恥ずかしさのあまり瞳を濡らせば、ガルトゥスが優しく目元に口づけてきた。ポッと赤く染まった頬に、あたたかな指先が触れる。

「可愛いよ、レクシェール」
「きみだって可愛い!」
「そういう意地っ張りなところも、感じやすいところも全部大好きだ」
「は……、あぁんっ」

 両方の乳首を同時にいじられて、レクシェールは腰が抜けそうになった。花茎はもう限界を迎えている。腰の奥から湧き上がってくる衝動を解き放ちたくて仕方がない。でも、自分から誘うことはできなかった。胸の突起を愛撫されるあいだ、目で「楽にしてほしい」と訴える。
 ガルトゥスの瞳が妖しげに光った。

「どこを触ってほしいんだ? 言ってみろよ」
「……そんなっ。私は……違う……っ」
「レクシェール。今はふたりきりだろう? どんなに乱れても俺はあんたを嫌いになったりしないよ。言ってごらん。どこを気持ちよくしてもらいたいんだ?」
「おちんちん……、いっぱい触ってぇ。苦しい……っ」
「ちゃんと言えたな」

 レクシェールの額に口づけると、ガルトゥスは薄紅色の性器を両手でそっと包み込んだ。そしてにちにちと薄皮をこすりながら、レクシェールの菫色の瞳をのぞき込んだ。

「イく時の顔、見せて」
「やぁっ!」
「いつまで我慢できるかな?」
「ひうっ!!」

 竿にちゅむりと唇をつけられ、レクシェールはのけ反った。細い腰がびくびくと震える。顔を隠すことも忘れて、快感によって駆り立てられるがままにレクシェールは精を放った。平たい腹に吹きかかった白濁をガルトゥスがちろりと舐める。ガルトゥスが濡れた唇で微笑んだ。

「肉を食わないとこういう淡い味がするのかな?」
「……そんな感想は言わなくていい!」
「たっぷり出たな。あんたも男なんだな……」
「おい、ガルトゥス!」

 足首を持ち上げられ、レクシェールの後孔は丸見えになった。ガルトゥスは昂りをレクシェールの秘所に近づけると、甘い声で囁いた。

「あんたの全部、感じさせて」
「んっ、……許す」

 ずいとガルトゥスが身を乗り上げる。
 熱い先端がレクシェールの狭い道を分け入ってきた。閉じ合わさっていた肉筒がゆっくりとひらかれていく。誰にも暴かれたことがない場所が、ガルトゥスの雄芯によってじゅぽじゅぽとこすられる。
 圧迫感と異物感を超えた先には、快感が待っていた。
 愛しいひとが自分の中にいる。
 そう思うだけで、レクシェールの肉襞はきゅうきゅうとガルトゥスの分身を食い締めた。内壁のうねりが止まらない。ゆっくりと抜き差しを繰り返しながら、ガルトゥスが「レクシェール」と艶めいた声音で囁いてくる。名前を呼ばれるたびにレクシェールのナカは反応して、ガルトゥスの熱を味わい尽くした。
 抽送に慣れてきた頃、ガルトゥスはレクシェールと手を繋いだ。そして、ぐっと体重をかけてきた。

「ああーっ!」

 これ以上ないほどに互いの体が密着している。
 レクシェールは「あんっ、ああんっ」と嬌声を上げた。律動が速度を増していく。

「苦しくないか?」
「だい、じょうぶだ……っ」
「あんたは気丈だからな。我慢はするなよ?」
「……ガルトゥスこそ、遠慮……しているのではないか?」

 もっと揺さぶっていいと伝えるために、レクシェールは腰を振った。ガルトゥスの眉間に皺が寄る。

「あ、……よくなかったか?」
「逆だよ。イきそうになった。どこで覚えたんだ、そういうの?」
「私は、ただ……夢中で」
「あんた、本当に可愛いな。素でそれなんだから、参るぜ……」

 腰を往復させながら、ガルトゥスが荒い息を吐いた。みちりとレクシェールのナカに収まった肉棒はこれ以上ないほどに輪郭を膨らませている。放熱の瞬間が近い。レクシェールは何度もガルトゥスの名を呼んだ。

「来てくれ……っ。ガルトゥスの、……いっぱいちょうだいっ」
「レクシェール……! 俺の、レクシェール……っ!」

 果てる瞬間、ガルトゥスは苦しそうに目をつむった。愛しい男は達する時にかような表情を見せるのか。レクシェールは静かな感動を覚えた。自分のナカでガルトゥスが気持ちよくなってくれた。そのことが嬉しくてたまらない。
 またしても光の粒でできた七色の翼が現れた。
 愛を交わし合うふたりをきらきらと照らすと、翼は溶け去っていった。

「……んうっ!」

 ぶるりと腰を震わせて、ガルトゥスは彼のすべてをレクシェールの花筒に解き放った。
 レクシェールの蕾から、すっかり大人しくなったガルトゥスの陰茎がずるりと引き抜かれる。去っていく男を惜しむようにレクシェールの内壁はひくついた。肉の環がじっとりと濡れている。ガルトゥスは飲み込みきれなかった白濁をたらりと垂らしたレクシェールの蕾を見つめながら、乱れた呼吸を整えている。
 自分は今夜、ガルトゥスによって征服されたのだと思うと、レクシェールの全身から力が抜けていき、代わりに甘くてだるい感覚が四肢を満たした。ガルトゥスはくたりと横たわったまま動けないでいるレクシェールの首筋に顔をうずめている。
 ふたりは激情の波が落ち着くまで、無言のまま抱き合った。
 どれぐらい時間が経っただろう。
 月が雲に隠れ、部屋が暗くなった時、ガルトゥスが口を開いた。
 
「とりあえず……水でも飲むか?」
「……ありがとう」

 レクシェールは杯を受け取った。
 水を口に含むと、爽快感が体を駆け抜けていった。喘ぎ疲れた喉のひりつきが軽くなる。
 ふたりはまたしても沈黙を共有した。
 情交のあとには睦言を交わすものなのだろうか。でも、どんな言葉を囁けばいい? 性的な経験がこれまでなかったレクシェールにはまるで分からない。ガルトゥスも緊張しているのか、眉間に深い皺が刻まれている。
 肌の火照りが収まってくると、レクシェールは裸でいることが恥ずかしくなってきた。枕を抱き締めて体を隠そうとすると、ガルトゥスに阻止された。

「だーめ。今夜は裸で寝るの」
「王がそんな真似をしたら有事の際にどうなる?」
「ここは無敵の獣人国だぞ。いいからもっと、綺麗な肌を見せてくれ」
「あっ!」

 乳首を食まれ、レクシェールの目の前で小さな星がいくつも瞬いた。事後もこういった戯れをするものなのだろうか。お手本を知らないので、レクシェールはガルトゥスにされるがままになった。ガルトゥスはちゅうちゅうとレクシェールの胸を吸っている。

「それ……やだぁっ。くせになりそう……っ」
「いいことを聞いた」
「もう……許してくれぇっ」
「なあ、レクシェール。俺たち、これからも一緒にいよう?」
「私には国がある……」
「それは俺だって同じだ」

 ガルトゥスはレクシェールを正面から抱き締めた。
 
「いっぱい話をしよう。そして、俺たちの未来を探していこうぜ!」
「きみの言う『俺たち』には、互いの国民が含まれていると考えていいな?」
「もちろんだ」
「……会議が必要だな。獣人国との国交をいきなり活発化させるわけにはいかない」
「仕事の顔に戻ったな。乱れるあんたも、いつものきりっとしたあんたも、どっちも大好きだよ」
「甘い言葉を囁いても無駄だぞ。通商条約を有利に運ばせたりはしないからな?」
「分かってるってば、妖精王さま」

 レクシェールに体重を預けると、ガルトゥスは裸の胸に顔をうずめた。

「今は俺だけのレクシェールでいてくれ」
「……許す」

 ふたりは濃厚なキスを交わし、やがて再び体を繋げた。
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