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第6話 恋の傷は恋で癒やせ
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「あの……。閨事ってそんなに大切ですか?」
「一番大事なことだよ。それ以外に何があるの? 僕たちオメガはアルファにとって『そそる』存在でないといけない」
マルセル先生の言葉は刺激的で、僕とナナセは真っ赤になった。
「オメガに必要なのは、アルファの優秀な知性をもってしても言語化できないお色気。そして何よりも、ツンデレであること」
「ツンデレ?」
「辛いものを食べたあとに甘いものを食べると、より甘みが引き立つだろう? 人間関係もそれと同じさ。ふだんは素っ気なく振る舞い、ベッドではたっぷりと甘える。そのギャップにアルファは参るはずだ」
お父様からも閨事の主導権を握れと言われている。でも、アルファとオメガの関係って、それしかないのかな?
一緒に家庭を築くなら、もっと人として理解し合うことの方が大事なんじゃないかな。
「納得がいかないようだね、アズリールくん」
「僕は……僕のアルファと親愛によって結びつきたいです」
「きみが選べる立場にあるのならば、その考えでも構わないよ」
「……うぅっ」
僕は選ばれる側の人間だ。
やっぱり、お色気攻撃でアルファに誘いかけるしかないのかなあ。
でも、王太子レヴィウス様は、そういう次元で相手を見ていない気がする。僕が好きなレヴィウス様は優しくて、思いやりがあって、ユーモアもたっぷりで……。
僕が想像の枝葉を広げていると、マルセル先生の目つきが険しくなった。
「アズリールくん。もしかして誰かに恋してる?」
「ま、まさか! 僕の気持ちはただの憧れです……!」
「ああ。舞踏会か何かでタラシのレヴィウスに、たらし込まれたのか」
「タラシのレヴィウス!?」
「王太子殿下はね。そりゃあもう、人の心を掴むことに長けたお方だよ。僕の伴侶もすっかり彼に心酔して、王室と特別価格で取り引きをするようになった」
マルセル先生はため息をついた。
「初恋は実らないって言うからね。今夜ひと晩泣いて、レヴィウス様のことは忘れた方がいいよ」
「……僕はただ、もう一度会えるだけでいいんです……!」
「重っ! 片想いなんて時間の無駄だよ。自分が一番高く売れる時に、振り向いてくれない相手に心を費やしてどうするの?」
「……うぅっ」
「決めた。ツィノー家のネットワークを使って、きみに素敵なアルファを紹介してあげる」
「えぇっ!? 結構です!」
「寿退学が出れば、僕のボーナスも上がるしねー。ふふっ。アズリールくんは初々しいからなあ。ドレスアップのしがいがあるよ! ナナセくんも一緒に来ること。ダブルデートをセッティングするね」
「私もですか……」
うつむきかけたナナセだが、パッと顔を上げた。その目には決意が宿っていた。
「私も武人のはしくれです。覚悟を決めました。アルファとの果たし合いに勝ってみせます」
「おお、いいねえ。その意気だ」
「ナナセが行くなら、僕も……」
「そうしなさい。恋の芽が育たないうちに摘み取ってしまった方がいいよ。きみがレヴィウス様のことを考えてる時、あの人はきみじゃない誰かとよろしくやってるよ」
「……レヴィウス様って遊び人なのですか?」
「だって19歳のアルファだよ? あちらがお盛んに決まってるじゃないか」
「僕……ショックです」
レヴィウス様は誰にでも優しいんだろうなと思ったけれども、遊び人となると話は別だ。僕は僕だけを見てくれる人がいい。
「……ダブルデート、行ってみます」
「よし! そうと決まったら、着ていく服を選ばないとね!」
マルセル先生がうきうきとした表情で分厚いカタログを広げた。
「この学院にはお見合い用のドレッサーがあるから、そこから選ぶといいよ」
「僕は背が高いですけど、サイズがありますか?」
「大丈夫。きみより長身のオメガだって卒業生にいたよ」
「そうなんだ……。よかった」
「マルセル先生。ダブルデートの心得を伝授していただけませんか?」
「簡単さ。絶対にアルファを好きにならないこと! 逆に、アルファに惚れさせること! 恋はゲームだよ。分かった?」
僕は恋の敗者だな。遊び人だと教えられても、レヴィウス様への想いが募ってしまう。
レヴィウス様。
もう一度お会いしたいです。
そして、あなたのお心に触れたい……。
「はい、そこ! アズリールくん。恋するオメガモードにならない! 恋はするものではなく、させるもの!」
「うぅっ。分かりました……!」
マルセル先生には絶対に勝てないということを僕は悟った。
◇◇◇
午後の授業は、テーブルマナーの確認だった。
アルファの前ではゆっくりとしたテンポで、少なめに食べるといいらしい。あと猫舌だとポイントが高いんだとか。
僕は……どうしよう。熱いものが平気なうえに、大食いだ。
だって体がでかいから、燃料がそれなりに必要になるんだよ。ナナセもよく食べるらしくて、青い顔をしている。
そうこうしているうちに、マルセル先生のもとに伝令のお兄さんがやって来た。
「二人ともーっ。よかったね。ダブルデートのセッティングができたよ」
「えぇっ!? もうですか」
「ツィノー家の人脈、素晴らしいですね」
「期日は一週間後。場所は海浜公園だよ!」
「海か……。僕、初めて見ます」
「私もです」
「それは大きなアピールポイントになるね。アルファはオメガの『初めて』に弱いんだから」
初めて海を見るなら、レヴィウス様とがよかったな……。
「アズリールくん?」
「は、はい! 恋はするものではなく、させるものですよね?」
「そうそう。きみは若いんだしさ。チャラい王太子なんて忘れて、堅実なアルファをゲットしなよ」
「チャラい……? レヴィウス様はそんな人じゃありません!」
「じゃあ、どんな人? 彼はきみにだけ優しかった?」
「いいえ……。みんなに優しかったです」
「一回しか会ったことないんでしょ。その恋、錯覚じゃない? 誰だってレヴィウス様クラスのイケメンに会ったら、ボーッとなっちゃうよ」
「……そうかもしれません」
恋というテーマにおいて、愛されオメガであるマルセル先生に勝てるわけがない。僕は黙り込むことしかできなかった。
ナナセが僕の震える肩に、ぽんと手をのせてくれた。
「アズリール、私も怖いよ。でも二人一緒ならば大丈夫だ」
「ありがとう、ナナセ」
ナナセっていい子だな。彼のためにも、僕は強くならなきゃ。
よーし。ダブルデートに向けて気合いを入れていくぞ!
恋の傷は、恋で癒そう。
「一番大事なことだよ。それ以外に何があるの? 僕たちオメガはアルファにとって『そそる』存在でないといけない」
マルセル先生の言葉は刺激的で、僕とナナセは真っ赤になった。
「オメガに必要なのは、アルファの優秀な知性をもってしても言語化できないお色気。そして何よりも、ツンデレであること」
「ツンデレ?」
「辛いものを食べたあとに甘いものを食べると、より甘みが引き立つだろう? 人間関係もそれと同じさ。ふだんは素っ気なく振る舞い、ベッドではたっぷりと甘える。そのギャップにアルファは参るはずだ」
お父様からも閨事の主導権を握れと言われている。でも、アルファとオメガの関係って、それしかないのかな?
一緒に家庭を築くなら、もっと人として理解し合うことの方が大事なんじゃないかな。
「納得がいかないようだね、アズリールくん」
「僕は……僕のアルファと親愛によって結びつきたいです」
「きみが選べる立場にあるのならば、その考えでも構わないよ」
「……うぅっ」
僕は選ばれる側の人間だ。
やっぱり、お色気攻撃でアルファに誘いかけるしかないのかなあ。
でも、王太子レヴィウス様は、そういう次元で相手を見ていない気がする。僕が好きなレヴィウス様は優しくて、思いやりがあって、ユーモアもたっぷりで……。
僕が想像の枝葉を広げていると、マルセル先生の目つきが険しくなった。
「アズリールくん。もしかして誰かに恋してる?」
「ま、まさか! 僕の気持ちはただの憧れです……!」
「ああ。舞踏会か何かでタラシのレヴィウスに、たらし込まれたのか」
「タラシのレヴィウス!?」
「王太子殿下はね。そりゃあもう、人の心を掴むことに長けたお方だよ。僕の伴侶もすっかり彼に心酔して、王室と特別価格で取り引きをするようになった」
マルセル先生はため息をついた。
「初恋は実らないって言うからね。今夜ひと晩泣いて、レヴィウス様のことは忘れた方がいいよ」
「……僕はただ、もう一度会えるだけでいいんです……!」
「重っ! 片想いなんて時間の無駄だよ。自分が一番高く売れる時に、振り向いてくれない相手に心を費やしてどうするの?」
「……うぅっ」
「決めた。ツィノー家のネットワークを使って、きみに素敵なアルファを紹介してあげる」
「えぇっ!? 結構です!」
「寿退学が出れば、僕のボーナスも上がるしねー。ふふっ。アズリールくんは初々しいからなあ。ドレスアップのしがいがあるよ! ナナセくんも一緒に来ること。ダブルデートをセッティングするね」
「私もですか……」
うつむきかけたナナセだが、パッと顔を上げた。その目には決意が宿っていた。
「私も武人のはしくれです。覚悟を決めました。アルファとの果たし合いに勝ってみせます」
「おお、いいねえ。その意気だ」
「ナナセが行くなら、僕も……」
「そうしなさい。恋の芽が育たないうちに摘み取ってしまった方がいいよ。きみがレヴィウス様のことを考えてる時、あの人はきみじゃない誰かとよろしくやってるよ」
「……レヴィウス様って遊び人なのですか?」
「だって19歳のアルファだよ? あちらがお盛んに決まってるじゃないか」
「僕……ショックです」
レヴィウス様は誰にでも優しいんだろうなと思ったけれども、遊び人となると話は別だ。僕は僕だけを見てくれる人がいい。
「……ダブルデート、行ってみます」
「よし! そうと決まったら、着ていく服を選ばないとね!」
マルセル先生がうきうきとした表情で分厚いカタログを広げた。
「この学院にはお見合い用のドレッサーがあるから、そこから選ぶといいよ」
「僕は背が高いですけど、サイズがありますか?」
「大丈夫。きみより長身のオメガだって卒業生にいたよ」
「そうなんだ……。よかった」
「マルセル先生。ダブルデートの心得を伝授していただけませんか?」
「簡単さ。絶対にアルファを好きにならないこと! 逆に、アルファに惚れさせること! 恋はゲームだよ。分かった?」
僕は恋の敗者だな。遊び人だと教えられても、レヴィウス様への想いが募ってしまう。
レヴィウス様。
もう一度お会いしたいです。
そして、あなたのお心に触れたい……。
「はい、そこ! アズリールくん。恋するオメガモードにならない! 恋はするものではなく、させるもの!」
「うぅっ。分かりました……!」
マルセル先生には絶対に勝てないということを僕は悟った。
◇◇◇
午後の授業は、テーブルマナーの確認だった。
アルファの前ではゆっくりとしたテンポで、少なめに食べるといいらしい。あと猫舌だとポイントが高いんだとか。
僕は……どうしよう。熱いものが平気なうえに、大食いだ。
だって体がでかいから、燃料がそれなりに必要になるんだよ。ナナセもよく食べるらしくて、青い顔をしている。
そうこうしているうちに、マルセル先生のもとに伝令のお兄さんがやって来た。
「二人ともーっ。よかったね。ダブルデートのセッティングができたよ」
「えぇっ!? もうですか」
「ツィノー家の人脈、素晴らしいですね」
「期日は一週間後。場所は海浜公園だよ!」
「海か……。僕、初めて見ます」
「私もです」
「それは大きなアピールポイントになるね。アルファはオメガの『初めて』に弱いんだから」
初めて海を見るなら、レヴィウス様とがよかったな……。
「アズリールくん?」
「は、はい! 恋はするものではなく、させるものですよね?」
「そうそう。きみは若いんだしさ。チャラい王太子なんて忘れて、堅実なアルファをゲットしなよ」
「チャラい……? レヴィウス様はそんな人じゃありません!」
「じゃあ、どんな人? 彼はきみにだけ優しかった?」
「いいえ……。みんなに優しかったです」
「一回しか会ったことないんでしょ。その恋、錯覚じゃない? 誰だってレヴィウス様クラスのイケメンに会ったら、ボーッとなっちゃうよ」
「……そうかもしれません」
恋というテーマにおいて、愛されオメガであるマルセル先生に勝てるわけがない。僕は黙り込むことしかできなかった。
ナナセが僕の震える肩に、ぽんと手をのせてくれた。
「アズリール、私も怖いよ。でも二人一緒ならば大丈夫だ」
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