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第15章 緊急記者会見
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【地上】
《上空を見上げるイカリ将軍と士官達。ゴンドラは停止している》
【ノホ王子とハンナのゴンドラ】
「ダン君ならあれを撃ち落とすのなんて簡単だよね?」
「ええ、でも、あれ1機だけでしょうか?兵器だったら危険だわ」
【レイ姫とダンのゴンドラ】
「気をつけてね」
「動かないでください。姫様は必ずお守りしますから。自分は何としても姫様をお守りしたい。姫様だけは」
「任務…だからですか?」
「え?」
「任務だから、ただそれだけなのですか?」
「こ、こんな時に」
「こんな時だからこそ聞きたいの」
「大切な人だからです。公私共に」
「公私共に…それだけで充分です。そう思ってくださるのなら、貴方も、どんな時もご自負を大切になさって」
「それは出来ない約束です」
「何故そのような事を仰るの?」
「自分は軍人です。王族を、姫様を命懸けでお守りするのが役目」
「命懸けで守って頂いて、私だけ助かっても嬉しくありません」
「……(撃ち落とす)」
《ダンは引き金を引く。ドローンが旋回して地面に落ちて行く。落ちたドローンにイカリ将軍と士官達が集まる》
「爆弾処理班!」
《イカリ将軍の号令で爆弾処理班の人員が動く》
「これは…将軍。爆弾ではありません」
「爆弾ではない?」
「はい。カメラです」
【ノホ王子とハンナのゴンドラ】
「もう終わったかな?早く下ろしてほしいなぁ」
「安全が確認出来たら降りれますよ」
「ダン君カッコ良かったね」
「デートの途中で残念でしたけど」
そうだな…
でも、今日のデートでもっと仲良くなってくれたら良いね。
【王宮の食堂】
《朝食を食べるハピネス国王、レイ姫、ノホ王子。そこへ息を切らせて大臣が入って来る》
「陛下!こ、国王陛下!」
「うっ、ゴホッ、ゴホッ」
《大声を出す大臣に驚いてむせるハピネス国王》
「まあ何です?陛下はお食事中ですよ。お控えなさい!」
「そんな悠長な事を言っている場合ではありませんぞ、ガミガミ夫人」
「まあ、貴方までわたくしをガミガミ夫人とお呼びになるのですか?」
「失礼ガミ夫人。貴女と話している暇は有りません。ここを通して下さい」
「構わぬ。通しなさい」
《ハピネス国王の一言で慌てて進み出る大臣》
「失礼致します。陛下、これをご覧下さい」
「今朝の朝刊か、食事の後に読もうと思っておった」
「今すぐご覧下さい。こんな写真を撮られるとは、いったいどうした事でしょう?」
「これはレイではないか」
昨日の写真だ。
ドローンは何台か回収したけど、まだ残ってたんだ。
「一緒に居る男はいったい誰なのです?まるで密会のように書かれておりますぞ」
「ノホ、どういう事なのだ?」
「彼は護衛のダン士官です」
「護衛ですと?軍服を着ておりませんぞ」
「どれどれ?あ、それ合成写真じゃない?」
ダン君はデートって知らないで来たんだから、軍服のままだったんだ。
「まさか、ここに書かれているような事はありますまいな?」
「いけませんか?もし…もしそうだとしたら」
「ひ、姫様!そ、そのような事、許される筈が御座いません!」
「済まぬが、食事ぐらいゆっくりさせてもらおう」
「陛下!」
「大臣。ここは一旦お下がりなさい」
《ガミ夫人がそう言うと大臣はキッと夫人の顔を見る》
「わかりました。私も忙しい身ゆえ」
《そう言うと大臣は食堂を出て行く》
「本当に無礼な。陛下に一言も無く…」
これ、市民が撮った写真みたいだ。
「父上。もしかしたらネット上にも出ているかも知れません」
「うーむ、そうか…ガミさん、シェリーはおるか?」
「はい、ただ今呼んで参ります」
《ガミ夫人は控えの間からシェリーを連れて来る》
「お呼びでしょうか?陛下」
《シェリーは事情を聞くとパソコンを開く》
「ここも…ここもだわ。ここも…SNSが炎上してます」
どこも姉上とダン君の写真が出てる。
新聞はまだマシだけど、SNSは皆んな言いたい放題だな。
【秘密基地】
「うーむ、全てのドローンを回収出来なかったか」
「将軍、申し訳ありません」
「ダン、このような事実は無いのだな?」
「ここに書かれているような事は」
「有る事無い事書かれてるけど、どうしてデートしちゃいけないの?」
「王子。またそのような事を」
「だって、僕達王族だって同じ人間だよ。恋だってするでしょう?」
「こ、恋?姫様とダンがですか?」
「ダメなの?」
「身分をお考えなさい!」
「イカリ将軍まで大臣みたいな事言わないでよ」
身分か…
僕だって姉上だって、好きで王族に生まれたわけじゃないんだよね。
本当にこんな時は身分が邪魔になるよな。
でも、ダン君の地位って、士官だから地位には問題無いんじゃないかな?
「将軍。ダン君を大佐にして」
「お、王子、俺が大佐だなんてそんな」
「ダン君は黙ってて」
「手柄も無く昇進させるわけにはな…しかも、中佐を飛び越えて大佐というのは…」
「手柄?昨日姉上を守ったじゃない」
「しかしな…」
「もう良い!父上に頼むから!イカリ将軍の石頭!」
《そう言うとノホ王子は足早に秘密基地のリビングを出る》
「王子…(私とて、私とて…)」
【サロン】
《ハピネス国王がお茶を飲んでいる》
「父上!!」
「ブハッ…」
《ノホ王子が部屋に入るなり大声を出すのでハピネス国王はお茶を吹き出す》
「まあまあ、陛下。大丈夫でございますか?」
「父上お願いが有ります」
「王子!もう少しお行儀良くなさいませと、いつも申し上げておりますでしょう」
「ガミガミ夫人、お説教なら後にして。父上に大切な話が有るんだ」
「まあ、王子!」
「良い良い申してみよ」
「全く陛下はノホ様に甘いのですから」
【秘密基地】
《レイ姫が入って来る。士官達が注目するのでレイ姫の足が止まる。俯くレイ姫》
「姫様、私だけは 何が有っても姫様の味方ですからね」
「ハンナ、ずるいわよ。私だって」
「私もよ」
「私もですよ、姫様」
「麗華お前まで」
「今回の事だけは、いくら貴方の命令でも聞けないわ「姫様とダン君を近づけるな」なんて、もうこれからは貴方のご飯作るのやめようかしら?」
「れ、麗華。公私混同するな。私とて何とかしてやりたいが、大臣殿がな…」
「大臣が何よ!あんなウリ顔オヤジ」
「そうだ、そうだ。あんなウリ顔オヤジの言う事なんて聞かないぞ」
【サロン】
「そうじゃな。レイを守った事は昇進に価する。問題は身分じゃが…」
「ダン士官は、確か先祖を辿るとカンの国の人が…」
《パソコンで調べるシェリー》
「あ、有りました。ここです」
「ふむふむ、中々の身分。血筋は悪く無いようですわね」
《ガミガミ夫人はパソコンを覗き込んでそう言った》
「ですが、カンの国と我が国は長い間海域争いで戦争をしておりますし、いかがなものかと…」
「良いんじゃないの?二人が結婚したら、国同士も仲良くならないかな?」
「そう上手く事が運べば宜しいのですけれど…」
「ふむふむ、良しわかった。余に任せるが良い」
【秘密基地】
「何だ?ここは…話しには聞いていたが、ふざけた所だな」
「あ、ウリ顔オヤジが来た」
「噂をすれば何とやらだな」
《大臣は怪訝な顔で辺りを見回している》
「失礼するよ。イカリ君はおるかね?」
「(来たな)これは大臣自らおいでになるとは)」
「おお、イカリ君。そこにおったか。君と私は同期のよしみ。今は私の地位が上ではあるがな、ハハハ」
「で、何用ですかな?」
「姫様のスキャンダルの相手は君の部下だそうだな。この責任は君にも有るのではないのかね?」
「確かに私の監督不行き届きという事になりますな。スキャンダルというのが事実だとすれば、ですが」
「事実だろう。どう責任を取るのだね?うん?将軍の地位を捨てるかね?」
「私は部下を信じる」
「フン、将軍如きが」
「ちょっと待って」
《ノホ王子の声》
「王子」
「彼を侮辱する事は僕が許さない。イカリ将軍は大将軍になるんだから」
「フン、大将軍だと?馬鹿な」
《馬鹿にして鼻で笑う大臣。驚く士官達。一番驚いているのはイカリ将軍》
「ここの事は全て僕に権限が与えられています。父上の命令です」
そうなんだ。
あとはイカリ将軍を大将軍にしたいって父上に申し上げれば良いだけ。
「国王陛下が?フン、親バカにも程が有る」
「口を慎め大臣」
「私に命令するのかね?イカリ君」
「大臣。彼は大将軍になるんだよ。大臣より地位が上だよね?」
「うっ、なんだと?記者会見だ。記者会見をしてもらうからな。失礼する」
《大臣はツカツカと部屋を出て行く》
「ガヤガヤ、記者会見だってよ。本当やな奴な。ガヤガヤ、ガヤガヤ」
「お、俺、記者会見なんて、どうしたら…」
ダン君は大佐に昇進決定したからね。
イカリ将軍が大将軍になるんだし、いずれダン君も将軍になる。
そしたら姉上の結婚相手に不足は無いよね。
あとは身分か…
ナイトは貴族ではないし身分が低いからな…
この国の王女が臣下に下る場合、相手は伯爵以上の身分でなければいけないんだ。
本当に身分なんて無ければ良いのに。
「うーむ身分か…ここは叩き上げの連中ばかりだからな」
「そうですね、将軍。いえ、大将軍。ここに貴族は居ませんものね」
「ハンナ、私はまだ将軍だ」
ここに貴族は居ない?
「そうなんだね…じゃあ、ハンナさんが僕のお嫁さんになるとしたら、貴族の身分が必要か…」
「お、王子?何を…」
「え?あ、ご、ごめん。も、もしもだよ。ふと思ったんだ」
《二人して赤くなって恥ずかしがるノホ王子とハンナ》
【サロン】
《お茶を飲むハピネス国王のそばでパソコンを開くシェリー。そしてディスプレイを覗き込むガミガミ夫人》
「ダン君の先祖を辿ると、王朝時代の豪族に当たりますね」
「世が世なら、国王になっていたかも知れませんわね」
「王宮に仕えていた人も居るようです」
《そして…》
【秘密基地】
「ダン、粗相の無いようにな」
「は、はいっ!」
ダン君また固まっちゃってる。
「大丈夫だよ、父上は優しいから」
「こ、国国王陛下がお優しい方なのはわかっているのですが…」
「僕も一緒だから、ね、リラックス、リラックス」
【サロン】
《お茶を飲むハピネス国王。そのそばにガミガミ夫人とシェリー》
「し、失礼致します」
「少佐ね。どうぞお入りなさい」
「はっ!」
ダン君ガチガチだな。
「良く来たね、まあ座りなさい」
「いえ、自分は」
「苦しゅうない。さあ、そこに座って一緒にお茶を飲もう」
「ダン君」
「は、はい。ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、そうさせて頂きます」
それから父上はダン君に色々尋ねた。
そして彼を気に入ったみたいだ。
でも、姉上との事をどうするのかという事は、何も言わなかった。
そして、ダン君は帰された。
【秘密基地】
《記者会見の日…》
秘密基地にシェリーさんが来た。
記者会見の台本を持って来てくれたんだ。
何が書いて有るのかは、僕もまだ知らない。
ダン君またガチガチだ。
「大丈夫ですよ。私がフォローしますから」
シェリーさんはそう言ってるけど、ダン君固まったままだ。
《そして…》
「皆んなー!始まりますよ」
記者会見が始まった。
父上と姉上、ダン君とイカリ将軍、それにシェリーさんが会場に行ってる。
僕達は、この秘密基地でテレビをみている。
イカリ将軍が説明している。
あの日遊園地ではイカリ将軍と他の士官達も一緒だった事。
ダン君は護衛だから軍服を着ていて、あの写真は合成写真である事。
それから、それから…
あ、父上が何か話すみたいだ。
《そして、国王の言葉に記者会見の会場は騒然となった》
《上空を見上げるイカリ将軍と士官達。ゴンドラは停止している》
【ノホ王子とハンナのゴンドラ】
「ダン君ならあれを撃ち落とすのなんて簡単だよね?」
「ええ、でも、あれ1機だけでしょうか?兵器だったら危険だわ」
【レイ姫とダンのゴンドラ】
「気をつけてね」
「動かないでください。姫様は必ずお守りしますから。自分は何としても姫様をお守りしたい。姫様だけは」
「任務…だからですか?」
「え?」
「任務だから、ただそれだけなのですか?」
「こ、こんな時に」
「こんな時だからこそ聞きたいの」
「大切な人だからです。公私共に」
「公私共に…それだけで充分です。そう思ってくださるのなら、貴方も、どんな時もご自負を大切になさって」
「それは出来ない約束です」
「何故そのような事を仰るの?」
「自分は軍人です。王族を、姫様を命懸けでお守りするのが役目」
「命懸けで守って頂いて、私だけ助かっても嬉しくありません」
「……(撃ち落とす)」
《ダンは引き金を引く。ドローンが旋回して地面に落ちて行く。落ちたドローンにイカリ将軍と士官達が集まる》
「爆弾処理班!」
《イカリ将軍の号令で爆弾処理班の人員が動く》
「これは…将軍。爆弾ではありません」
「爆弾ではない?」
「はい。カメラです」
【ノホ王子とハンナのゴンドラ】
「もう終わったかな?早く下ろしてほしいなぁ」
「安全が確認出来たら降りれますよ」
「ダン君カッコ良かったね」
「デートの途中で残念でしたけど」
そうだな…
でも、今日のデートでもっと仲良くなってくれたら良いね。
【王宮の食堂】
《朝食を食べるハピネス国王、レイ姫、ノホ王子。そこへ息を切らせて大臣が入って来る》
「陛下!こ、国王陛下!」
「うっ、ゴホッ、ゴホッ」
《大声を出す大臣に驚いてむせるハピネス国王》
「まあ何です?陛下はお食事中ですよ。お控えなさい!」
「そんな悠長な事を言っている場合ではありませんぞ、ガミガミ夫人」
「まあ、貴方までわたくしをガミガミ夫人とお呼びになるのですか?」
「失礼ガミ夫人。貴女と話している暇は有りません。ここを通して下さい」
「構わぬ。通しなさい」
《ハピネス国王の一言で慌てて進み出る大臣》
「失礼致します。陛下、これをご覧下さい」
「今朝の朝刊か、食事の後に読もうと思っておった」
「今すぐご覧下さい。こんな写真を撮られるとは、いったいどうした事でしょう?」
「これはレイではないか」
昨日の写真だ。
ドローンは何台か回収したけど、まだ残ってたんだ。
「一緒に居る男はいったい誰なのです?まるで密会のように書かれておりますぞ」
「ノホ、どういう事なのだ?」
「彼は護衛のダン士官です」
「護衛ですと?軍服を着ておりませんぞ」
「どれどれ?あ、それ合成写真じゃない?」
ダン君はデートって知らないで来たんだから、軍服のままだったんだ。
「まさか、ここに書かれているような事はありますまいな?」
「いけませんか?もし…もしそうだとしたら」
「ひ、姫様!そ、そのような事、許される筈が御座いません!」
「済まぬが、食事ぐらいゆっくりさせてもらおう」
「陛下!」
「大臣。ここは一旦お下がりなさい」
《ガミ夫人がそう言うと大臣はキッと夫人の顔を見る》
「わかりました。私も忙しい身ゆえ」
《そう言うと大臣は食堂を出て行く》
「本当に無礼な。陛下に一言も無く…」
これ、市民が撮った写真みたいだ。
「父上。もしかしたらネット上にも出ているかも知れません」
「うーむ、そうか…ガミさん、シェリーはおるか?」
「はい、ただ今呼んで参ります」
《ガミ夫人は控えの間からシェリーを連れて来る》
「お呼びでしょうか?陛下」
《シェリーは事情を聞くとパソコンを開く》
「ここも…ここもだわ。ここも…SNSが炎上してます」
どこも姉上とダン君の写真が出てる。
新聞はまだマシだけど、SNSは皆んな言いたい放題だな。
【秘密基地】
「うーむ、全てのドローンを回収出来なかったか」
「将軍、申し訳ありません」
「ダン、このような事実は無いのだな?」
「ここに書かれているような事は」
「有る事無い事書かれてるけど、どうしてデートしちゃいけないの?」
「王子。またそのような事を」
「だって、僕達王族だって同じ人間だよ。恋だってするでしょう?」
「こ、恋?姫様とダンがですか?」
「ダメなの?」
「身分をお考えなさい!」
「イカリ将軍まで大臣みたいな事言わないでよ」
身分か…
僕だって姉上だって、好きで王族に生まれたわけじゃないんだよね。
本当にこんな時は身分が邪魔になるよな。
でも、ダン君の地位って、士官だから地位には問題無いんじゃないかな?
「将軍。ダン君を大佐にして」
「お、王子、俺が大佐だなんてそんな」
「ダン君は黙ってて」
「手柄も無く昇進させるわけにはな…しかも、中佐を飛び越えて大佐というのは…」
「手柄?昨日姉上を守ったじゃない」
「しかしな…」
「もう良い!父上に頼むから!イカリ将軍の石頭!」
《そう言うとノホ王子は足早に秘密基地のリビングを出る》
「王子…(私とて、私とて…)」
【サロン】
《ハピネス国王がお茶を飲んでいる》
「父上!!」
「ブハッ…」
《ノホ王子が部屋に入るなり大声を出すのでハピネス国王はお茶を吹き出す》
「まあまあ、陛下。大丈夫でございますか?」
「父上お願いが有ります」
「王子!もう少しお行儀良くなさいませと、いつも申し上げておりますでしょう」
「ガミガミ夫人、お説教なら後にして。父上に大切な話が有るんだ」
「まあ、王子!」
「良い良い申してみよ」
「全く陛下はノホ様に甘いのですから」
【秘密基地】
《レイ姫が入って来る。士官達が注目するのでレイ姫の足が止まる。俯くレイ姫》
「姫様、私だけは 何が有っても姫様の味方ですからね」
「ハンナ、ずるいわよ。私だって」
「私もよ」
「私もですよ、姫様」
「麗華お前まで」
「今回の事だけは、いくら貴方の命令でも聞けないわ「姫様とダン君を近づけるな」なんて、もうこれからは貴方のご飯作るのやめようかしら?」
「れ、麗華。公私混同するな。私とて何とかしてやりたいが、大臣殿がな…」
「大臣が何よ!あんなウリ顔オヤジ」
「そうだ、そうだ。あんなウリ顔オヤジの言う事なんて聞かないぞ」
【サロン】
「そうじゃな。レイを守った事は昇進に価する。問題は身分じゃが…」
「ダン士官は、確か先祖を辿るとカンの国の人が…」
《パソコンで調べるシェリー》
「あ、有りました。ここです」
「ふむふむ、中々の身分。血筋は悪く無いようですわね」
《ガミガミ夫人はパソコンを覗き込んでそう言った》
「ですが、カンの国と我が国は長い間海域争いで戦争をしておりますし、いかがなものかと…」
「良いんじゃないの?二人が結婚したら、国同士も仲良くならないかな?」
「そう上手く事が運べば宜しいのですけれど…」
「ふむふむ、良しわかった。余に任せるが良い」
【秘密基地】
「何だ?ここは…話しには聞いていたが、ふざけた所だな」
「あ、ウリ顔オヤジが来た」
「噂をすれば何とやらだな」
《大臣は怪訝な顔で辺りを見回している》
「失礼するよ。イカリ君はおるかね?」
「(来たな)これは大臣自らおいでになるとは)」
「おお、イカリ君。そこにおったか。君と私は同期のよしみ。今は私の地位が上ではあるがな、ハハハ」
「で、何用ですかな?」
「姫様のスキャンダルの相手は君の部下だそうだな。この責任は君にも有るのではないのかね?」
「確かに私の監督不行き届きという事になりますな。スキャンダルというのが事実だとすれば、ですが」
「事実だろう。どう責任を取るのだね?うん?将軍の地位を捨てるかね?」
「私は部下を信じる」
「フン、将軍如きが」
「ちょっと待って」
《ノホ王子の声》
「王子」
「彼を侮辱する事は僕が許さない。イカリ将軍は大将軍になるんだから」
「フン、大将軍だと?馬鹿な」
《馬鹿にして鼻で笑う大臣。驚く士官達。一番驚いているのはイカリ将軍》
「ここの事は全て僕に権限が与えられています。父上の命令です」
そうなんだ。
あとはイカリ将軍を大将軍にしたいって父上に申し上げれば良いだけ。
「国王陛下が?フン、親バカにも程が有る」
「口を慎め大臣」
「私に命令するのかね?イカリ君」
「大臣。彼は大将軍になるんだよ。大臣より地位が上だよね?」
「うっ、なんだと?記者会見だ。記者会見をしてもらうからな。失礼する」
《大臣はツカツカと部屋を出て行く》
「ガヤガヤ、記者会見だってよ。本当やな奴な。ガヤガヤ、ガヤガヤ」
「お、俺、記者会見なんて、どうしたら…」
ダン君は大佐に昇進決定したからね。
イカリ将軍が大将軍になるんだし、いずれダン君も将軍になる。
そしたら姉上の結婚相手に不足は無いよね。
あとは身分か…
ナイトは貴族ではないし身分が低いからな…
この国の王女が臣下に下る場合、相手は伯爵以上の身分でなければいけないんだ。
本当に身分なんて無ければ良いのに。
「うーむ身分か…ここは叩き上げの連中ばかりだからな」
「そうですね、将軍。いえ、大将軍。ここに貴族は居ませんものね」
「ハンナ、私はまだ将軍だ」
ここに貴族は居ない?
「そうなんだね…じゃあ、ハンナさんが僕のお嫁さんになるとしたら、貴族の身分が必要か…」
「お、王子?何を…」
「え?あ、ご、ごめん。も、もしもだよ。ふと思ったんだ」
《二人して赤くなって恥ずかしがるノホ王子とハンナ》
【サロン】
《お茶を飲むハピネス国王のそばでパソコンを開くシェリー。そしてディスプレイを覗き込むガミガミ夫人》
「ダン君の先祖を辿ると、王朝時代の豪族に当たりますね」
「世が世なら、国王になっていたかも知れませんわね」
「王宮に仕えていた人も居るようです」
《そして…》
【秘密基地】
「ダン、粗相の無いようにな」
「は、はいっ!」
ダン君また固まっちゃってる。
「大丈夫だよ、父上は優しいから」
「こ、国国王陛下がお優しい方なのはわかっているのですが…」
「僕も一緒だから、ね、リラックス、リラックス」
【サロン】
《お茶を飲むハピネス国王。そのそばにガミガミ夫人とシェリー》
「し、失礼致します」
「少佐ね。どうぞお入りなさい」
「はっ!」
ダン君ガチガチだな。
「良く来たね、まあ座りなさい」
「いえ、自分は」
「苦しゅうない。さあ、そこに座って一緒にお茶を飲もう」
「ダン君」
「は、はい。ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、そうさせて頂きます」
それから父上はダン君に色々尋ねた。
そして彼を気に入ったみたいだ。
でも、姉上との事をどうするのかという事は、何も言わなかった。
そして、ダン君は帰された。
【秘密基地】
《記者会見の日…》
秘密基地にシェリーさんが来た。
記者会見の台本を持って来てくれたんだ。
何が書いて有るのかは、僕もまだ知らない。
ダン君またガチガチだ。
「大丈夫ですよ。私がフォローしますから」
シェリーさんはそう言ってるけど、ダン君固まったままだ。
《そして…》
「皆んなー!始まりますよ」
記者会見が始まった。
父上と姉上、ダン君とイカリ将軍、それにシェリーさんが会場に行ってる。
僕達は、この秘密基地でテレビをみている。
イカリ将軍が説明している。
あの日遊園地ではイカリ将軍と他の士官達も一緒だった事。
ダン君は護衛だから軍服を着ていて、あの写真は合成写真である事。
それから、それから…
あ、父上が何か話すみたいだ。
《そして、国王の言葉に記者会見の会場は騒然となった》
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