6 / 23
第6章 ヴァイオリン
しおりを挟む
【城咲家の前】
〈涼太と健人が居る。少し後ろ、辺りを見回す晴香〉
「晴香ちゃん、早くいらっしゃいよ」
「何キョロキョロしてんだ?」
「本当にお邪魔して良いのかな…こんなトコ、一条さんにでも見られたら、また何言われるかわかんない…城咲先生にもご迷惑かけちゃうし…」
〈星が出て来る。微笑んで〉
「皆んな来たね、どうぞ、入って」
僕がそう言うと、涼太と健人が先に中に入った。
〈晴香が忍者のようにササッと来て入る。???の星〉
【リビング】
〈テーブルには紅茶とタルト〉
「ああ、それで変な動きしてたんだね。木の上から落ちて来たり、君はいつも面白い」
「ああん、ひどいー、もうそれは言わないでー。あの時は、楽譜が風に飛ばされて、木に引っかかっちゃったんですぅ」
「お前、それで木に登ったのかぁ?猿みたいな奴だな」
「橘さんに言われたくないです。星さんは「天使が舞い降りたかと思った」って言ってくれたのにー」
「あはーん、星ちゃんのそんなセリフに一々ときめいてたら、心臓がいくつ有ったって足りないわよ」
「涼太は小学校から一緒だから、星の事は何でも知ってるってか?」
〈リビングのドアが少し開いて2匹の猫が入って来る。後ろから、子猫を抱いて陽が来る〉
「あ、先生、お邪魔してます」
「こんにちは」
「皆んないらっしゃ~い」
そして、姉上がソファに座ると、フレデリックとニコロが場所の取り合いを始めた。
皆んな姉上の膝の上が良いみたいだ。
「あらあら、そんなにしたらアッ君が潰れちゃうわ~」
そう言ってアマデウスを抱っこした。
「先生、ヨーロッパでの、演奏旅行のお話し聞かせてください」
「ヨーロッパでは、2千人ぐらい入るホールで、素晴らしい先生方と共演させて頂いたわ」
「ああーん、先生のコンチェルト、ライブで聞きたーい」
「ヨーロッパではね、自宅のお庭で大切に育てられたお花を花束にした物を頂いたりする事が有るのね」
「わー素敵ー」
「ある時の演奏会では、5才ぐらいかしら?小さな男の子がね、一輪のお花を、はい、って手を伸ばして…その時小さい頃の弟の事を思い出してしまって、涙が出てきたの」
ふーん…この話し聞いてなかったな。
「小さい頃、良くお庭のお花を一輪摘んで来てくれたのよ~「沢山折ると可哀想だから一本だけ」って」
「やー可愛い」
〈晴香は星の顔を見て〉
「優しいんですね」
「そんな事言ったかな…?良く覚えてないよ」
〈タルトを食べる健人。紅茶を飲む星〉
「留学してた時って、恋とかしたんですか?」
「ゲホッ、ゲホッ」
「星ちゃん大丈夫?」
涼太が僕の手から紅茶のカップを取って、テーブルに置いてくれた。
「お前何慌ててんだよ。先生だって、恋の話しの一つや二つ有ってもおかしくないだろ」
「それが無いのよ~」
「あら残念…ヨーロッパで恋なんて、素敵だと思ったのになー」
「一日中ピアノに向かっていたから~」
僕は少しホッとした。
「さあ皆んな~こっちへいらっしゃ~い」
【レッスン室】
「え?入って良いんですか?」
「どうぞ~」
(先生、家では教えてないって聞いてるけど…防音室…良いなあ)
「花園君ヴァイオリンは?」
「持って来てないです」
「僕のを使うと良い」
「え?そんな、そんな」
「涼太なら、大事に扱ってくれるから弾いても良いよ」
「星、ヴァイオリン持ってるんだ」
「うん、父が買って来たんだ」
僕は、自分のヴァイオリンを持って来て涼太に渡した。
「花園さん、何固まってるんですか?」
「グァルネリ…やだやだ、触るのも怖い」
「グァルネリって何だ?」
「三代名器よ。いつかは弾いてみたいと思ってたけど、でも本当に良いの?」
「誰にでも触らせないけど、涼太だから」
〈ピアノの前に座る陽〉
「ベートーヴェンのソナタ6番ね」
「え?先生と弾くんですか?緊張する…」
そして、2人の演奏が始まった。
晴香が口をポカンと開けて見ている。
最初は固かった涼太のヴァイオリンも、姉上のピアノに引っ張られて段々と歌い始めた。
〈晴香が固まっている〉
(凄い…花園さん、私と弾いてる時と全然違う…違う曲みたい…)
演奏が終わると、皆んな暫く言葉が出なかった。
最初に口を開いたのは、健人だ。
「俺、何だかわかんないけど、今の演奏聞いて気持ち良かった」
「私、こんな風に弾けない…ううん、弾きたいです」
一番驚いているのは、涼太だった。
「こんなにエキサイトしたの初めて」
「それじゃ、今度は、朝美さんと弾いてご覧なさい」
「え?私?はい」
2人が演奏を始めた。
今度は、涼太のヴァイオリンが引っ張って、ピアノが良くなっている。
〈時々陽の顔を見ながら弾く晴香〉
(私…ちゃんと弾けてる…)
〈晴香をじっと見ている健人〉
(あれれ、こいつも良いじゃないか…そりゃ、先生みたいなわけにはいかないかも知れないけど…音楽って面白いぞ)
【ダイニング】
〈猫達がご飯を食べている。フレデリックの食器に頭を突っ込むアマデウス〉
「あらあら、アッ君には、まだそれは無理よ」
アマデウスには、幼猫用の食事をあげた。
僕達の今日の夕食は、ハンバーグとサラダとマリネにスープ。
2人で作ったんだ。
「星君もヴァイオリン弾きたくなった?」
「まあね」
「ピアノもお稽古なさいね」
「ピアノは良いよ、聞いてるだけで」
「小さい時は、お母様に習ってたのに」
「お姉様のピアノ聞いている時が一番幸せなんだ」
「そんな事言ってもダメよ。今度は、わたくしが教えてあげます」
「良いって」
「それじゃあ、ヴァイオリンだけでもお稽古なさい」
ああ…こういう話しになると、口調が厳しくなってくる…
【星の部屋】
はあ、逃げて来た。
あ、ベッドの上でニコロが寝てる。
「星く~ん」
あ、姉上が来たぞ。
「さあ、いらっしゃ~い」
「はい」
ニコニコしてるのが、よけい怖い。
拉致された(汗)
【レッスン室】
「何をお稽古する?」
「じゃ、じゃあ、ヴァイオリン」
「それじゃあ、用意なさいね」
そう言うと、姉上はピアノを弾き始めた。
〈ピアノを弾く陽。曲は、ショパンの華麗なる大円舞曲〉
演奏が終わると、僕は、ヴァイオリでクライスラーのプニャーニの様式による前奏曲とアレグロを弾き始めた。
姉上のピアノが入ってくる。
そして、もう一度最初から2人で弾き始める。
こうやって2人で弾くのは、幼稚園以来だ。
ずっと離れ離れだったからな…
〈涼太と健人が居る。少し後ろ、辺りを見回す晴香〉
「晴香ちゃん、早くいらっしゃいよ」
「何キョロキョロしてんだ?」
「本当にお邪魔して良いのかな…こんなトコ、一条さんにでも見られたら、また何言われるかわかんない…城咲先生にもご迷惑かけちゃうし…」
〈星が出て来る。微笑んで〉
「皆んな来たね、どうぞ、入って」
僕がそう言うと、涼太と健人が先に中に入った。
〈晴香が忍者のようにササッと来て入る。???の星〉
【リビング】
〈テーブルには紅茶とタルト〉
「ああ、それで変な動きしてたんだね。木の上から落ちて来たり、君はいつも面白い」
「ああん、ひどいー、もうそれは言わないでー。あの時は、楽譜が風に飛ばされて、木に引っかかっちゃったんですぅ」
「お前、それで木に登ったのかぁ?猿みたいな奴だな」
「橘さんに言われたくないです。星さんは「天使が舞い降りたかと思った」って言ってくれたのにー」
「あはーん、星ちゃんのそんなセリフに一々ときめいてたら、心臓がいくつ有ったって足りないわよ」
「涼太は小学校から一緒だから、星の事は何でも知ってるってか?」
〈リビングのドアが少し開いて2匹の猫が入って来る。後ろから、子猫を抱いて陽が来る〉
「あ、先生、お邪魔してます」
「こんにちは」
「皆んないらっしゃ~い」
そして、姉上がソファに座ると、フレデリックとニコロが場所の取り合いを始めた。
皆んな姉上の膝の上が良いみたいだ。
「あらあら、そんなにしたらアッ君が潰れちゃうわ~」
そう言ってアマデウスを抱っこした。
「先生、ヨーロッパでの、演奏旅行のお話し聞かせてください」
「ヨーロッパでは、2千人ぐらい入るホールで、素晴らしい先生方と共演させて頂いたわ」
「ああーん、先生のコンチェルト、ライブで聞きたーい」
「ヨーロッパではね、自宅のお庭で大切に育てられたお花を花束にした物を頂いたりする事が有るのね」
「わー素敵ー」
「ある時の演奏会では、5才ぐらいかしら?小さな男の子がね、一輪のお花を、はい、って手を伸ばして…その時小さい頃の弟の事を思い出してしまって、涙が出てきたの」
ふーん…この話し聞いてなかったな。
「小さい頃、良くお庭のお花を一輪摘んで来てくれたのよ~「沢山折ると可哀想だから一本だけ」って」
「やー可愛い」
〈晴香は星の顔を見て〉
「優しいんですね」
「そんな事言ったかな…?良く覚えてないよ」
〈タルトを食べる健人。紅茶を飲む星〉
「留学してた時って、恋とかしたんですか?」
「ゲホッ、ゲホッ」
「星ちゃん大丈夫?」
涼太が僕の手から紅茶のカップを取って、テーブルに置いてくれた。
「お前何慌ててんだよ。先生だって、恋の話しの一つや二つ有ってもおかしくないだろ」
「それが無いのよ~」
「あら残念…ヨーロッパで恋なんて、素敵だと思ったのになー」
「一日中ピアノに向かっていたから~」
僕は少しホッとした。
「さあ皆んな~こっちへいらっしゃ~い」
【レッスン室】
「え?入って良いんですか?」
「どうぞ~」
(先生、家では教えてないって聞いてるけど…防音室…良いなあ)
「花園君ヴァイオリンは?」
「持って来てないです」
「僕のを使うと良い」
「え?そんな、そんな」
「涼太なら、大事に扱ってくれるから弾いても良いよ」
「星、ヴァイオリン持ってるんだ」
「うん、父が買って来たんだ」
僕は、自分のヴァイオリンを持って来て涼太に渡した。
「花園さん、何固まってるんですか?」
「グァルネリ…やだやだ、触るのも怖い」
「グァルネリって何だ?」
「三代名器よ。いつかは弾いてみたいと思ってたけど、でも本当に良いの?」
「誰にでも触らせないけど、涼太だから」
〈ピアノの前に座る陽〉
「ベートーヴェンのソナタ6番ね」
「え?先生と弾くんですか?緊張する…」
そして、2人の演奏が始まった。
晴香が口をポカンと開けて見ている。
最初は固かった涼太のヴァイオリンも、姉上のピアノに引っ張られて段々と歌い始めた。
〈晴香が固まっている〉
(凄い…花園さん、私と弾いてる時と全然違う…違う曲みたい…)
演奏が終わると、皆んな暫く言葉が出なかった。
最初に口を開いたのは、健人だ。
「俺、何だかわかんないけど、今の演奏聞いて気持ち良かった」
「私、こんな風に弾けない…ううん、弾きたいです」
一番驚いているのは、涼太だった。
「こんなにエキサイトしたの初めて」
「それじゃ、今度は、朝美さんと弾いてご覧なさい」
「え?私?はい」
2人が演奏を始めた。
今度は、涼太のヴァイオリンが引っ張って、ピアノが良くなっている。
〈時々陽の顔を見ながら弾く晴香〉
(私…ちゃんと弾けてる…)
〈晴香をじっと見ている健人〉
(あれれ、こいつも良いじゃないか…そりゃ、先生みたいなわけにはいかないかも知れないけど…音楽って面白いぞ)
【ダイニング】
〈猫達がご飯を食べている。フレデリックの食器に頭を突っ込むアマデウス〉
「あらあら、アッ君には、まだそれは無理よ」
アマデウスには、幼猫用の食事をあげた。
僕達の今日の夕食は、ハンバーグとサラダとマリネにスープ。
2人で作ったんだ。
「星君もヴァイオリン弾きたくなった?」
「まあね」
「ピアノもお稽古なさいね」
「ピアノは良いよ、聞いてるだけで」
「小さい時は、お母様に習ってたのに」
「お姉様のピアノ聞いている時が一番幸せなんだ」
「そんな事言ってもダメよ。今度は、わたくしが教えてあげます」
「良いって」
「それじゃあ、ヴァイオリンだけでもお稽古なさい」
ああ…こういう話しになると、口調が厳しくなってくる…
【星の部屋】
はあ、逃げて来た。
あ、ベッドの上でニコロが寝てる。
「星く~ん」
あ、姉上が来たぞ。
「さあ、いらっしゃ~い」
「はい」
ニコニコしてるのが、よけい怖い。
拉致された(汗)
【レッスン室】
「何をお稽古する?」
「じゃ、じゃあ、ヴァイオリン」
「それじゃあ、用意なさいね」
そう言うと、姉上はピアノを弾き始めた。
〈ピアノを弾く陽。曲は、ショパンの華麗なる大円舞曲〉
演奏が終わると、僕は、ヴァイオリでクライスラーのプニャーニの様式による前奏曲とアレグロを弾き始めた。
姉上のピアノが入ってくる。
そして、もう一度最初から2人で弾き始める。
こうやって2人で弾くのは、幼稚園以来だ。
ずっと離れ離れだったからな…
0
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
『まて』をやめました【完結】
かみい
恋愛
私、クラウディアという名前らしい。
朧気にある記憶は、ニホンジンという意識だけ。でも名前もな~んにも憶えていない。でもここはニホンじゃないよね。記憶がない私に周りは優しく、なくなった記憶なら新しく作ればいい。なんてポジティブな家族。そ~ねそ~よねと過ごしているうちに見たクラウディアが以前に付けていた日記。
時代錯誤な傲慢な婚約者に我慢ばかりを強いられていた生活。え~っ、そんな最低男のどこがよかったの?顔?顔なの?
超絶美形婚約者からの『まて』はもう嫌!
恋心も忘れてしまった私は、新しい人生を歩みます。
貴方以上の美人と出会って、私の今、充実、幸せです。
だから、もう縋って来ないでね。
本編、番外編含め完結しました。ありがとうございます
※小説になろうさんにも、別名で載せています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる