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第十九章(最終回) そして……
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ゼルグラードは真っ直ぐに言葉を発した。
横たわったままで。
「エルミナ、お前の願いを叶えてやりたいが、俺は……眠り方を知らぬようだ……」
エルミナは優しく首を横に振った。
「いいえ、何事にも道があるというもの……」
ゼルグラードは少年のような顔で笑った。
「なんだ? 子守唄でも歌ってくれるのか?」
エルミナは慈母のような微笑みを浮かべる。
「まあ、良い案ですわ。何を歌って差し上げましょう?」
ゼルグラードは少し考えた。
しかし答えは出なかった。彼は子守唄を聞いたことがなかった。
「何でも良い……。そうだ、フィルベルトの歌を歌ってくれ。お前の好きな歌を」
エルミナはこくりと頷き、静かに歌い始めた。
ヴィエンリンガの神々よその白き山肌に我が身を捧げん
凍てつく冬を我が身に
芽吹く春を愛する者に
解けぬ氷をを我が元に
優しき日差しをかの者に
古き地の願いを継ぎ新しき空へ導きたまえ
異国の調べにのって届く、澄んだエルミナの声。
柔らかく、どこまでも清らかで、静かな夜に溶けていく。
エルミナは歌いながら、ゼルグラードの顔を覗き込み、
そっとその髪を撫で続けた。
ゼルグラードは深い夜の底に沈んでいく。戦場でも、王宮でもない、誰にも邪魔されぬ静寂の中で。
全てから解き放たれたように――
「その歌は神殿で巫女として……」
――お前が歌っていたものか?ゼルグラードはそう問おうとした。
が、その言葉は口に出されることはなく、彼は深い眠りに落ちた。
エルミナは、ゼルグラードの安らかな寝顔を見つめた。
――ゼルグラード様、わたくしの願いを叶えてくだり、ありがとうございます。
* * *
朝が来た。柔らかな日差しが窓から差し込み、小鳥たちの囀りが聞こえる。
ゼルグラードはゆっくりと瞼を開けた。
胸の奥に残る静かな余韻。
心も、身体も、羽のように軽い。
夢を見ていたような気がする。だが、それは夢ではなかった。
夜に、女が訪ねてきた。もちろん、エルミナだ。
けれど……彼の記憶の中では一人の女ではなかった。
蠱惑的な妖女。
慈愛に満ちた聖母。
そして、神に愛された巫女。
三人の女が次々と現れて、自分に安らぎと癒しをを与えてくれた。
やがて月光のように静かに、どこかへ消えていったような――
「……エルミナ」
はっとして、ゼルグラードは身を起こした。
胸がざわつく。夢かもしれぬ。幻かもしれぬ。
だが、確かに彼女はここにいた。今
も、隣の部屋にいるはずだ。そうでなければならない。
身支度も整えず、乱れた服のまま、ゼルグラードは隣室の扉の前に立った。
「エルミナ!」
そう叫んで扉を開けようとする。
が、鍵がかかっている。それを認識する前に、ドアノブは――ゼルグラードの手によって壊されていた。
ゼルグラードは躊躇いもなく、足を踏み入れる。
部屋には、光が満ちていた。そして、その中心に――
エルミナがいた。
差し込む朝の陽光を全身に浴びて、白い肌はまるで神話に出てくる女神のように透き通っていた。
胸元には、青く濃く輝く純潔の証。
彼女は――エルミナは消えてはいなかった。
一人の清い少女として、以前と変わらずゼルグラードの前に居た。
「……エルミナ」
安堵の吐息が漏れる。
ゼルグラードは、まるでその名を確かめるように、静かに近づいていった。
エルミナは一瞬、呆然としてゼルグラードを見つめた。
次の瞬間、はっと我に返り――
「……きゃあっ!」
甲高く可憐な悲鳴。
両腕で胸元を庇いながら、身を縮こませるようにして後ずさる。
「どうした? 俺だ、ゼルグラードだ」
怯えるエルミナを守ろうと近づくも、エルミナは蹲るようにして身を小さくした。
「いや! 出てってください。着替え中ですよ!」
声に怒りを込め、蹲った状態で下からゼルグラードを睨みつけてきた。
ゼルグラードはやっと状況を理解した。
* * *
「怒りは女を醜くする」と言う者がいる。
が、それは間違いだ。ゼルグラードはそう思った。
少なくとも――エルミナはそうではなかった。
あの後ゼルグラードは逃げるように部屋から出て、エルミナはすぐに身支度を整えた。
そして今までに見たことがないくらいに怒りを露わにし、ゼルグラードを部屋の椅子に座るように命じた。
エルミナは明らかに怒っていた。
己は立ったままでゼルグラードを上から睨みつけ、ゼルグラードに強い言葉を投げつけてくる。
だが、その釣り上がったまなじりは凛とし、紅潮した頬は肌の美しさを際立たせている。
そして、いつより高い声は小鳥の囀りの如く愛らしかった。
怒りはエルミナにまた新たな美しさを授けた。
ゼルグラードはそう思い、エルミナを見ていた。
「そもそも、扉というのは破壊してはならないものなのです! ノックをして入室を伺う、相手の了解を得てから部屋に入る。これが世の習わしというものなのですよ! ゼル様!」
もちろんそうなのだろう。
しかしそれと同時に、必要であればいつでもそれを破って押し入っても良いものなのだ。
ゼルグラードはそう考えたが、エルミナにそれを告げるほど、愚かではなかった。
「一度ならずも二度までも……、いったい、どういうおつもりなのです!」
「……すまぬ。あの時……、決して疾しい心があったわけではないのだ」
そう、あの時はなかった。
だが今はある。ゼルグラードはつい先ほど見たエルミナの肌を思い出していた。
白く汚れのない肌。小さくあげた悲鳴さえ、可憐であった。
そして恥ずかしさに身を固くする様子……。
全てが脳裏に焼き付いている。
もちろん、これもエルミナには告げてはならぬことだ。絶対に。
エルミナの怒りはおさまることなく、まだ言葉は続いている。
「本当に、……どういうおつもりで、わたくしの部屋に!?」
ゼルグラードは正直に胸の内を明かした。
「お前が消えてしまったのではないかと不安になった……、まるでヴィエンリンガに立ち込める霧の如く……」
エルミナは大きくため息をついて、しばらく黙った。
それから少し声を落とし、ゼルグラードに告げる。
「とにかく、扉を壊してわたくしの部屋に入ってこないでください。絶対に!」
まだ怒りは収まりきってはいないようだ。
そうか、扉を壊すのは良くない……、ならば……。
ゼルグラードがそう考えた途端、それを読み取ったかのように、エルミナが強い声で言葉を続けた。
「壊さなくても! 何らかの方法を使って扉を壊さなくてもです! とにかく扉を開ける時はわたくしの返事をお待ちください。いいですね! ゼル様!」
ゼルグラードはエルミナに同意した。
「わかった。お前の了解を得ず、扉から入ったりはしない。絶対にだ。約束する」
胸に右の掌をあて、誓いのポーズを取る。
それを見たエルミナはやっと落ち着いたようで、ストンと椅子に腰掛けた。
少しだけ横を向いていたが、やがてゼルグラードを見つめ言った。
「ゼル様? お手に触れても?」
「ああ、もちろん構わない。俺はお前のものだ」
ゼルグラードの言葉に少しの迷いもなかった。
エルミナはゼルグラードの大きな手を取り、自らの頬へと導いた。
柔らかく温かい感触がゼルグラードの手のひらに伝わる。
「ゼル様……、わたくしは消えたりはしません。いつもゼル様のおそばにおります」
エルミナの声は優しくゼルグラードを包み込んだ。
「ああ、俺もだ。いつもお前のそばにいる」
二人はしばらくお互いの体温を確かめ合った。
「さあ、ゼル様。朝食の時間ですわ。食堂に参りましょう」
エルミナがそう言って立ち上がる。
ゼルグラードもまた、エルミナに促され立ち上がり、エルミナの背中を守るようにして部屋を出ようとする。
扉は壊れたままだ。
「後で、宿のご主人に謝っておかないと……」
呟きながら、ゼルグラードに先立ち部屋を出るエルミナ。
「ああ、そうだな……」
ゼルグラードはそう言いながら、部屋の窓を振り返る。
ゼルグラードは考えていた。
(扉は駄目なのだ。エルミナとも約束をした。だが窓は……、そう、窓というのは脆いものだ。扉以上に……)
エルミナが振り向き、ゼルグラードを見遣る。
「ゼル様?」
「いや、何でもない。さ、行こう。お前のことは俺が守ってみせる」
エルミナは微笑み、澄んだ瞳でゼルグラードを見上げる。
二人は並んで部屋を出て行った。
――終わり
横たわったままで。
「エルミナ、お前の願いを叶えてやりたいが、俺は……眠り方を知らぬようだ……」
エルミナは優しく首を横に振った。
「いいえ、何事にも道があるというもの……」
ゼルグラードは少年のような顔で笑った。
「なんだ? 子守唄でも歌ってくれるのか?」
エルミナは慈母のような微笑みを浮かべる。
「まあ、良い案ですわ。何を歌って差し上げましょう?」
ゼルグラードは少し考えた。
しかし答えは出なかった。彼は子守唄を聞いたことがなかった。
「何でも良い……。そうだ、フィルベルトの歌を歌ってくれ。お前の好きな歌を」
エルミナはこくりと頷き、静かに歌い始めた。
ヴィエンリンガの神々よその白き山肌に我が身を捧げん
凍てつく冬を我が身に
芽吹く春を愛する者に
解けぬ氷をを我が元に
優しき日差しをかの者に
古き地の願いを継ぎ新しき空へ導きたまえ
異国の調べにのって届く、澄んだエルミナの声。
柔らかく、どこまでも清らかで、静かな夜に溶けていく。
エルミナは歌いながら、ゼルグラードの顔を覗き込み、
そっとその髪を撫で続けた。
ゼルグラードは深い夜の底に沈んでいく。戦場でも、王宮でもない、誰にも邪魔されぬ静寂の中で。
全てから解き放たれたように――
「その歌は神殿で巫女として……」
――お前が歌っていたものか?ゼルグラードはそう問おうとした。
が、その言葉は口に出されることはなく、彼は深い眠りに落ちた。
エルミナは、ゼルグラードの安らかな寝顔を見つめた。
――ゼルグラード様、わたくしの願いを叶えてくだり、ありがとうございます。
* * *
朝が来た。柔らかな日差しが窓から差し込み、小鳥たちの囀りが聞こえる。
ゼルグラードはゆっくりと瞼を開けた。
胸の奥に残る静かな余韻。
心も、身体も、羽のように軽い。
夢を見ていたような気がする。だが、それは夢ではなかった。
夜に、女が訪ねてきた。もちろん、エルミナだ。
けれど……彼の記憶の中では一人の女ではなかった。
蠱惑的な妖女。
慈愛に満ちた聖母。
そして、神に愛された巫女。
三人の女が次々と現れて、自分に安らぎと癒しをを与えてくれた。
やがて月光のように静かに、どこかへ消えていったような――
「……エルミナ」
はっとして、ゼルグラードは身を起こした。
胸がざわつく。夢かもしれぬ。幻かもしれぬ。
だが、確かに彼女はここにいた。今
も、隣の部屋にいるはずだ。そうでなければならない。
身支度も整えず、乱れた服のまま、ゼルグラードは隣室の扉の前に立った。
「エルミナ!」
そう叫んで扉を開けようとする。
が、鍵がかかっている。それを認識する前に、ドアノブは――ゼルグラードの手によって壊されていた。
ゼルグラードは躊躇いもなく、足を踏み入れる。
部屋には、光が満ちていた。そして、その中心に――
エルミナがいた。
差し込む朝の陽光を全身に浴びて、白い肌はまるで神話に出てくる女神のように透き通っていた。
胸元には、青く濃く輝く純潔の証。
彼女は――エルミナは消えてはいなかった。
一人の清い少女として、以前と変わらずゼルグラードの前に居た。
「……エルミナ」
安堵の吐息が漏れる。
ゼルグラードは、まるでその名を確かめるように、静かに近づいていった。
エルミナは一瞬、呆然としてゼルグラードを見つめた。
次の瞬間、はっと我に返り――
「……きゃあっ!」
甲高く可憐な悲鳴。
両腕で胸元を庇いながら、身を縮こませるようにして後ずさる。
「どうした? 俺だ、ゼルグラードだ」
怯えるエルミナを守ろうと近づくも、エルミナは蹲るようにして身を小さくした。
「いや! 出てってください。着替え中ですよ!」
声に怒りを込め、蹲った状態で下からゼルグラードを睨みつけてきた。
ゼルグラードはやっと状況を理解した。
* * *
「怒りは女を醜くする」と言う者がいる。
が、それは間違いだ。ゼルグラードはそう思った。
少なくとも――エルミナはそうではなかった。
あの後ゼルグラードは逃げるように部屋から出て、エルミナはすぐに身支度を整えた。
そして今までに見たことがないくらいに怒りを露わにし、ゼルグラードを部屋の椅子に座るように命じた。
エルミナは明らかに怒っていた。
己は立ったままでゼルグラードを上から睨みつけ、ゼルグラードに強い言葉を投げつけてくる。
だが、その釣り上がったまなじりは凛とし、紅潮した頬は肌の美しさを際立たせている。
そして、いつより高い声は小鳥の囀りの如く愛らしかった。
怒りはエルミナにまた新たな美しさを授けた。
ゼルグラードはそう思い、エルミナを見ていた。
「そもそも、扉というのは破壊してはならないものなのです! ノックをして入室を伺う、相手の了解を得てから部屋に入る。これが世の習わしというものなのですよ! ゼル様!」
もちろんそうなのだろう。
しかしそれと同時に、必要であればいつでもそれを破って押し入っても良いものなのだ。
ゼルグラードはそう考えたが、エルミナにそれを告げるほど、愚かではなかった。
「一度ならずも二度までも……、いったい、どういうおつもりなのです!」
「……すまぬ。あの時……、決して疾しい心があったわけではないのだ」
そう、あの時はなかった。
だが今はある。ゼルグラードはつい先ほど見たエルミナの肌を思い出していた。
白く汚れのない肌。小さくあげた悲鳴さえ、可憐であった。
そして恥ずかしさに身を固くする様子……。
全てが脳裏に焼き付いている。
もちろん、これもエルミナには告げてはならぬことだ。絶対に。
エルミナの怒りはおさまることなく、まだ言葉は続いている。
「本当に、……どういうおつもりで、わたくしの部屋に!?」
ゼルグラードは正直に胸の内を明かした。
「お前が消えてしまったのではないかと不安になった……、まるでヴィエンリンガに立ち込める霧の如く……」
エルミナは大きくため息をついて、しばらく黙った。
それから少し声を落とし、ゼルグラードに告げる。
「とにかく、扉を壊してわたくしの部屋に入ってこないでください。絶対に!」
まだ怒りは収まりきってはいないようだ。
そうか、扉を壊すのは良くない……、ならば……。
ゼルグラードがそう考えた途端、それを読み取ったかのように、エルミナが強い声で言葉を続けた。
「壊さなくても! 何らかの方法を使って扉を壊さなくてもです! とにかく扉を開ける時はわたくしの返事をお待ちください。いいですね! ゼル様!」
ゼルグラードはエルミナに同意した。
「わかった。お前の了解を得ず、扉から入ったりはしない。絶対にだ。約束する」
胸に右の掌をあて、誓いのポーズを取る。
それを見たエルミナはやっと落ち着いたようで、ストンと椅子に腰掛けた。
少しだけ横を向いていたが、やがてゼルグラードを見つめ言った。
「ゼル様? お手に触れても?」
「ああ、もちろん構わない。俺はお前のものだ」
ゼルグラードの言葉に少しの迷いもなかった。
エルミナはゼルグラードの大きな手を取り、自らの頬へと導いた。
柔らかく温かい感触がゼルグラードの手のひらに伝わる。
「ゼル様……、わたくしは消えたりはしません。いつもゼル様のおそばにおります」
エルミナの声は優しくゼルグラードを包み込んだ。
「ああ、俺もだ。いつもお前のそばにいる」
二人はしばらくお互いの体温を確かめ合った。
「さあ、ゼル様。朝食の時間ですわ。食堂に参りましょう」
エルミナがそう言って立ち上がる。
ゼルグラードもまた、エルミナに促され立ち上がり、エルミナの背中を守るようにして部屋を出ようとする。
扉は壊れたままだ。
「後で、宿のご主人に謝っておかないと……」
呟きながら、ゼルグラードに先立ち部屋を出るエルミナ。
「ああ、そうだな……」
ゼルグラードはそう言いながら、部屋の窓を振り返る。
ゼルグラードは考えていた。
(扉は駄目なのだ。エルミナとも約束をした。だが窓は……、そう、窓というのは脆いものだ。扉以上に……)
エルミナが振り向き、ゼルグラードを見遣る。
「ゼル様?」
「いや、何でもない。さ、行こう。お前のことは俺が守ってみせる」
エルミナは微笑み、澄んだ瞳でゼルグラードを見上げる。
二人は並んで部屋を出て行った。
――終わり
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